先日、30周年を迎えたSEGAの16bit機『メガドライブ』、
そのロンチタイトルには誰もが知っているあのタイトルの続編があった。
それこそが、コレ、『スペースハリアーⅡ』!
アーケードで大ヒットし、数多くの移植伝説を残したあの『スペースハリアー』の3作目である!
(3Dが2作目でⅡが3作目とかいう謎の逆転現象が起こっているのは気にしない!)
(2022/10/29追記 : メガドラミニ2にて実質リメイク記念に再度語り直しました!)
時は宇宙暦6236年、超能力戦士ハリアーの新たなる戦いが描かれる。
スぺハリ1が宇宙暦6226年なのでちょうど10年後の物語。
10年後ということでハリアー自身も大きく変わっていた。
主に髪色と顔つきが。
いやマジで何があったのか。
金髪グラサンのイカした青年だった3D~1の面影はどこへやら、
Ⅱでは黒髪の中年へと成長してしまった。
中年は歳食ったことで納得いくとしても髪はどうした、染めたのか。
ただ、これについてはあんまりプレイヤー間で話題になることは少ない。
だってゲーム画面じゃ相変わらず金髪なんだもん。
じゃああのパッケージはホントになんなんだ。
世界観も10年の月日によって大きく変わった、というかそもそも舞台が違う。
今作では3D~1の舞台だった『ドラゴンランド』を離れ、
『ファンタジーランド』という新たなる世界をハリアーが駆ける。
このため、1に登場した多くの敵キャラが今作には登場しない。
登場するとしても殆どが1の亜種であり、ファンサービスレベルの扱い。
なぜかドムはデザインほぼそのままで続投したけどね!
名前はちょっと変わったからきっと大丈夫。多分。
(ドム→ネオドム)
必然的に今作の敵キャラは今作からの新キャラになる。
こいつらがまただいぶ個性的なデザインをしている。
空飛ぶ鎧やら悪魔やら人間やら。
(名前や設定は説明書を実家に置いてきているため確認できなかった)
ぶっちゃけ『ドラゴンランド』のイメージにはそぐわない気もしないでもないが、
ここは『ファンタジーランド』なのでセーフなのだろう。
特にボス敵はスぺハリの世界観から見て、良く言えば『異質』、悪く言えば『浮いている』ものが多い。
不気味な老人の頭『ラブフェイス』、
顔が浮かび上がる宇宙人『パラノイア』、
パッケージにも映っている人面竜『メドゥーサ』、などなど。
どれもスぺハリシリーズとは考えられない不気味なヤツ揃いである。
新キャラでスぺハリの世界に馴染めそうなのは炎竜『クトゥーグア』ぐらい。
ちなみにクトゥーグアはあのHAYA-OH*の従兄弟らしい。
言われてみれば似ている。じゃあ『ブリザード』は一体…。
*HAYA-OH
移植版スペースハリアーで稀に登場するラスボス。
恐ろしいまでの超スピードで暴れまわる炎の双竜。
BGMもスぺハリ的には異質なものが多い。
スぺハリといえばあのアップテンポなメインテーマと、異様なボス戦BGMのギャップが魅力だが、今作では全体的にスローテンポ。
耳には残りやすいがスぺハリらしいかといえば違う。
ただ、クオリティが低いわけでは決してなく、トリミュラー戦をはじめとしたボス戦BGMはカッコいいものが多い。
これまでと違ってサウンドテストがデフォルトで使えるものの、再生できない曲がいくつかあるのはちょい残念。
(個人的にはネームエントリー時の曲が凄く好き)
長々と世界観について語ってしまったが、ここからはシステムについて。
システム自体はいつもと全く変わらない。
自動で奥に進むハリアーを動かし、高速でガンガン敵を倒していく。
強いて言うならボーナスステージにユーライア*が登場しないことか。
*ユーライア
3Dと1に登場する正義のドラゴン。
1ではボーナスステージで現れてプレイヤーが操作できた。
ステージ数は全部で13、過去作よりも少なくなってしまったものの、
アーケード発の1と違ってⅡはメガドラオリジナルなので仕方ない。
ちなみに最初のステージを自由に選択できる。
最終的に全ステージクリアする羽目になるので殆ど死にシステムだけどね。
過去作の面白さはほぼほぼ踏襲しているので、
スぺハリらしい楽しみ方、遊び方ができるのが魅力。
アーケード版の1と比べると流石に見劣りするものの、同じくCS移植であるマークⅢ版1と比べれば順当に進化しているのがわかる。
マークⅢ版にはなかった背景やハリアー達の影もしっかり表示されているし、ボス戦前の雷もカッコいい。
肝心のボス戦でスクロールが止まるのは謎だけど。
残念ながらコンティニューは存在せず、過去にあった隠しコマンドなどもない。
ただその代わりにスぺハリシリーズの中でも難易度は特に低い。
一定スコア毎にエクステンドだが、一回のボーナスステージで大量のスコアが入るため、マッハで残機が増えていく。そのためSTG苦手なプレイヤーでも頑張ればクリアできるレベルの難易度になっている。
また、1で猛威を奮った高速ステージ*がかなり簡単になっている。
1の通常ステージとほぼ同じくらいの速度であり、最高速になってようやく1の序盤高速ステージと同じくらいである。
*高速ステージ
スぺハリシリーズのお約束ともいえる要素。
3~4ステージ間隔で登場し、ステージ開始時に特殊な演出が入る。
他ステージに比べると敵の数が少ない代わりにスクロール速度が異常に早い。
基本的に高難易度であり、スぺハリで難しいとされるステージは大抵コレである。
今作はスぺハリ3部作の最終作であり、完結編である。
が、残念ながら今作のラストはどことなく物哀しげで暗い。
ハリアーの立場を考えると納得できるものの、後味はそこまでよくない。
この辺は好みの問題だと思う。
誠に残念なことに、今作以降スぺハリの続編は一切出ていない。
(移植は沢山行われているので公式から忘れられているわけではない)
けど、いつか今作よりも先の物語が描かれる時が来てほしいのである。
オマケ
今作は同じくSEGAのアーケード発STG『ファンタジーゾーン』の2作目、『ファンタジーゾーンⅡ』との共通点が多い。(CS限定の続編であることや、ラスボスの設定などなど)
そもそも『スペースハリアー』と『ファンタジーゾーン』は同一世界での物語なので、意識しているのかもしれない。
で、件の『ファンタジーゾーンⅡ』は後の時代に『1作目と同じ性能で出ていたら』というリメイクが登場しているのだが、似たようなリメイクがこの『スぺハリⅡ』に出てくれないかとか密かに思っていたりする。
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