いろいろとゲームを語ろう

物好きなゲーマーがただただ最近遊んだゲームの感想とか内容とか書いていくブログ。レトロゲームの割合が高いかもしれない。更新は気が向いた時にだけ。

メモリーズオフこいこい大戦

1999年にプレイステーションで登場して以来その尖った設定や良質なテキストから、せつなくもココロに響く痛みを伴う恋愛劇として長きに渡り愛され続けてきたKIDの看板シリーズのひとつ『Memories Off(メモリーズオフ)、通称『メモオフ』。KIDが亡き今でも5pb.(MAGES.)が権利を引き継ぎシリーズ展開が続けられており、2018年発売の本家シリーズ8作目『メモリーズオフ -Innocent Fille-(メモオフIF)でひとまず完結した後、2021年には新路線の『シンスメモリーズ 星天の下で(シンメモ)が登場。

そして2025年には25周年記念作品『メモリーズオフ 双想 〜Not always true〜(メモオフ双想)、つい先日には恒例のファンディスク『メモリーズオフ 双想 Break out of my shell(メモオフ双想BS)も発売し、今なおシリーズの新たな歴史は紡がれ続けている。ADVというゲームジャンル自体が斜陽を迎えつつあるこの時代においてもそれなり以上に勢いを保てているのは流石の老舗シリーズだといえるだろう。

ところで我はそれなりにこの『メモオフ』というシリーズに思い入れがあるゲーマーである。何を隠そう我が人生で初めてプレイした恋愛ゲー…もといギャルゲー(もう死語かも)こそがドリキャス版の『Memories Off 2nd』だったからである。そこから初代(1st)や3作目(想君)にも手を出し、想君で一度KOされつつもなんやかんやで本家シリーズは全て、ファンディスクもそれなり以上にプレイしてきた。…初ギャルゲーがメモオフとか歪むだろって?仰る通り死ぬほど歪みましたよ?
(2024/2025年にヒストリアで本家作品をプレイしなおしたので総括記事でサクッと語っている)

というわけでこの流れから今宵の主役ゲームがなんなのか、諸君らであればもうおわかりだろう。そう、今回語るタイトルは『メモリーズオフこいこい大戦』である!!…急に知らんゲームが出てきたって?この流れなら出たばかりの『メモオフ双想BS』じゃねーのかよとツッコみたい人もいるのはわかる。しかーし!ちょっと待つのだ。この『こいこい大戦』とて本流シリーズでこそなくとも立派なメモオフシリーズの最新作といえるタイトルなのだー!!

その名が示す通り本作は『メモリーズオフ』シリーズのスピンオフ花札の『こいこい』を楽しめるゲーム。古くよりギャルゲーはある程度人気が出ると、(元々の世界観に合ってなくとも)その作品のキャラを用いた小規模ゲームが誕生するお約束があり、『メモオフ』もかつては『Memories Off Festa』『メモオフみっくす』、ゲスト出演なら『KID MIX セレクション』などをリリースしていたことがある。
(あの辺は花札じゃなくてポンジャンだったが)

ならばこの『こいこい大戦』もそういった時代の産物…と思いきや、本作が誕生したのは2026年の4月9日とつい先日のこと。左様、本作はまさかまさかの令和の時代に蘇りし『ギャルゲー派生のミニゲーム』なのだ!とはいえ現代においてこういった作品の単品販売は難しいと判断されたのか、本作はかなり特殊な形でのリリースとなっている。具体的にはシリーズ最新作『メモオフ双想BS』の初回購入特典としてDLコードが封入といった形態で、単品での販売は一切行われていない

要は『メモオフヒストリア(限定版)』に封入された『ノエル Fullbloom』に近い扱いである。通常版よりワンランク上のバージョンの購入が必須だった過去の例とは異なり、本作は早い段階で『メモオフ双想BS』を購入すればいいだけなのはありがたい。通常版はもちろんのこと、ダウンロード版でも2026年6月9日までの購入であれば本作を入手できる

そういったこともあり対応プラットフォームは『メモオフ双想BS』と同じくSwitch/PS5/PS4/PC(Steam)。我は今回PS5版の『メモオフ双想BS』を購入したので当然本作もPS5版…と言いたいところだったのだが、公式側のミスによりPS4版購入者はPS5版のコードが、PS5版購入者はPS4版コードが封入されるトラブルが発生。それゆえ本記事において使用されるスクショはPS4版をPS5の互換機能でプレイしている時のモノが主。

ちなみにPS4/PS5版購入者で購入したものと異なるバージョンのコードが封入されていた人は公式にコードを記載して問い合わせることで改めて正しいプラットフォームのコードを再発行して貰えた。我も本記事執筆時点でPS5版のコードを送り直して貰っている。…まぁPS5ユーザーならともかくPS4所有者にPS5版のコードがあっても何もできないからね…。

先に言っておくが本作はこの通りオマケ的な立ち位置のゲームなのでボリュームも相応に控えめ。それを語る本記事もいつにもましてコンパクトな内容となっている。まぁたまにはこういう回があってもよかろう。息抜きだって大事なのじゃ。

何はともあれいい加減ゲーム自体のハナシに入ろう。本作は花札の『こいこい』で本編シリーズ最新作『メモオフ双想』のキャラを相手に1VS1の対決を行っていくゲームである。開発を手掛けているのは有限会社MCF、20年以上前から多彩なスタイルの作品を送り出しているメーカーである。3DSの『EYERESH』のところといえばそのスジの人間には伝わるだろう。

『こいこい』のシステムは至って普通、本作独自ルールの類も一切ないベーシックなものとなっている。それゆえ本記事においてもわざわざルールについて触れたりはしない。『こいこい』自体が完全初見の人は各自でルールをググるべし。もっともゲーム内にもちゃんとルール説明は用意されているぞよ。

対戦相手として登場するのは『メモオフ双想』のメインキャラたち個別ルートを持つ6人新・倉内・つばめ先生、そして毎度おなじみ稲穂信を加えた全10名。対戦中は様々なボイスで試合を盛り上げてくれる。放置中ボイスなんかも用意されているのでたまには手を止めてみるのも悪くはない。ちなみに対戦相手の登場順は完全に固定。ねねがラスボス枠にいるのは解釈一致がすぎる。

ただしデフォルトだとボイスの音量が小さめなので、前もってオプションからボイスを大きく、BGMは気持ち小さめに調整しておくことをオススメする。なおオプション画面には『主人公ボイスの有無』といった項目もあるが、こちらは後述するショートストーリー用の設定。こいこいにおける主人公側のボイスは存在しない

そして本作最大の魅力にして特徴といえるのが花札のビジュアル。見ての通りタネ以上および桐のカス札の一部が『メモオフ』仕様の絵柄となっており非常に可愛らしい。なんならゲーム内で絵柄をじっくり鑑賞できるモードが欲しいとすら思えるほど。

絵柄に登場するヒロインは対戦相手とは異なりシリーズ全体から出演。もちろん系列作である『シンメモ』組だっている。あとちゃっかり稲穂信も絵柄になってたり信はヒロインだった…?各作品ごとに2-3名ずつピックアップされており、パッケージヒロインをはじめ人気どころは大体出揃っている印象。強いて言えばりりすがいるならその対である智紗(T-wave)も入れてほしかったなと感じる程度か。

札の種類とキャラの組み合わせは一見すると適当に見えて、その実『赤短』が成立するとクロエ&ノエル姉妹が揃ったり、『月見酒』の組み合わせが双想メインヒロインズだったりなどシリーズファンならニヤリとできる箇所もちらほら。なかでも光札のうち四光に含まれると『雨四光』になってしまう『柳に小野道風』に描かれているのが智也(1st主人公)にとって『雨』だった彩花なのには唸らされた。

難易度に関してはこいこいゲーのプレイ経験があればすんなりクリアできるくらいには簡単。とりあえず明らかに裏で不正されたような理不尽負けはほぼ感じないフェアな調整となっている。とはいえ後半になるにつれ少しずつ的確な立ち回りをしてくるようになるほか、勝負の回数も3→5→7と増えるため油断からのどんでん返しを食らわないよう注意するべし。

とはいえ試合ごとの中断も可能なだけでなく敗北(ゲームオーバー)時にもすぐタイトル画面からリベンジ可能役説明などのチュートリアルだって充実しているので本作で初めてこいこいを遊ぶ人でも問題なく楽しめるハズ。何度だって挑んで勝利をつかみ取るべし。…そもそも立ち回りである程度確率を上げることはできても、とことんダメな時はどう転んでも絶対に勝てないのがこいこいってゲームなので根気よく挑むのじゃ。サイアク先行初手で芒に望月or満開の桜に幔幕→菊に盃で手番が来ることなく終わったりするからね…。

やりこみの指標として『チャレンジ』というものもいくつか用意されているのである程度こいこいに慣れて来たら今度は狙った役でアガれるよう挑戦してみるのもいいだろう。なおチャレンジ制覇はトロフィーの条件にもなっている。といっても基本的に『○○(特定の役)をX回アガる』といったものなので意図せずとも何度もプレイしているうちにいつの間にやら達成できるものも多い。

特定の役を狙う場合四光と五光が壁になるか。五光はいわずもがなだが、四光は雨四光を回避しつつ完成させなきゃいけないからね…。雨四光は雨四光で『全ての役でアガる』という条件に含まれてるので1度はアガる必要はあるけども。1回戦の相手である紗絵は光札を持っていても自分からはなかなか取りに行かない思考ルーチンになっているようなので、三光-五光はそこで狙うのがオススメである。

さてさて、ここまでが『こいこい大戦』のメインコンテンツの紹介だった。しかしながら本作はただただ『こいこい』を遊ぶだけのゲームではない!というわけでここから本作のもう一つのメイン要素『ショートストーリー』にも触れていこう。場合によってはこちらの方がお目当てという人も少なくないカモ?

『ショートストーリー』とは本作用に書き下ろされた『メモオフ双想』のキャラたちによる物語。とはいえあくまでメインは『こいこい』にありショートストーリーはオマケ的な扱いなのか、ADVとしての作りは必要最低限。オート再生やウィンドウ非表示こそあるにはあるが、中断セーブやバックログはなく既読も保存されていないようだ。…というか本編や双想BSとキーコンすら違ったり

モード自体は『こいこい』から完全に独立しているものの、解禁には『こいこい』で対応するキャラに一度でも勝利しておく必要がある。『こいこい』の対戦相手のうち倉内を除く9名のキャラにそれぞれA・B・Cの3話ずつ用意されておりいずれもフルボイス。なお倉内は主役でこそないが暁空のストーリーでそれなり以上に目立つため倉内ファンも安心するべし。

なおショートストーリーは必ずA→B→Cの順に解禁されるのだが、内容は各話ごとに別々であり、時系列も本編(メモオフ双想)開始前だったり本編作中だったり、或いは双想BS作中だったりとバラバラ。A→BやB→Cで時系列が前後することもちょくちょくある。キャラの名前欄の表記や立ち絵でいつの時期のハナシかしっかり把握するといい。

シナリオのテイストは基本的に平和そのもの。『メモオフ双想』本編における特大級の爆弾設定の"家"(ネタバレ反転)に関しても全く触れられない。強いていうならばねねの闇がほんのちょっと本編より漏れ出ているかな…といった程度。重要な新設定の開示とかは特になく、本当にただの日常の一コマを切り取ったようなものばかりなので気軽に楽しむといいだろう。

当然ながらショートストーリー自体は『メモオフ双想』の物語を知っている前提で進むので同作のネタバレには要注意…といってもそもそも本作はファンディスクの初回購入特典だし、ファンディスク購入する層の99%は本編プレイヤーだと思われるので問題はないハズ。また双想BSの方のネタバレはこれといって存在しないため、本作と双想BSのどちらから先にプレイしても問題ないようになっている。

さてさて、ちょっと短めだったが今回の記事も締めに入らせていただくとしよう。本作『メモリーズオフこいこい大戦』『メモリーズオフ』シリーズの絵柄で『こいこい』を楽しめるゲームである。肝心のゲーム部分は『こいこい』そのものなので特筆すべき点は少ないものの、こいこいゲーとしての作りは手堅くコレといった問題は特にない。そしてなにより『メモオフ絵柄の花札』はファンとしてはやはり注目してしまう要素であり、コレがあるだけで本作には大きな価値があると断言できる。

そして『こいこい』とは別枠で用意された『ショートストーリー』もその名に恥じない小規模なものではあるが、双想キャラたちの魅力がめいっぱい詰まった内容ゆえ同作のプレイヤーであればきっと楽しめること間違いなし。まさしく絵に描いたような昔ながらの『ギャルゲー派生の小規模ゲーム』として仕上がっているため、プレイしていてなんだかずいぶんと懐かしい気持ちにもさせられてしまったのである。

…重要なことなので最後にもう一度だけ触れておくが、本作は最新作『メモリーズオフ 双想 Break out of my shell』の初回購入特典である。まだ配布期間は終了していないので今ならまだ入手チャンスは残されているものの、逆に言えば今を逃せば一生入手できなくなるかもしれない一本である。

(一応パッケージ版同梱のDLコード自体の期限は存在しないらしいが)

それゆえ『メモオフ』自体のファン或いは『メモオフ双想』を楽しんだ人ならば迷うことなく『メモオフ双想BS』を購入し、本作も入手することを強くオススメするのである!『ヒストリア』の限定版をスルーした結果、今なお『ノエル Fullbloom』が復刻されず泣いている我のような思いをするでないぞ…!!

 

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