…このブログで毎月ゲームを語るようになってから、気がつけばはや4年。幸い更新休止やすっぽかし等のやらかしもなければ、これといった炎上もなく、日々平和にゲーム語りを続けられている。
もともと趣味で始めただけでこれといった義務感も覚えぬままここまで来られたのはまさしく幸運だと言えるだろう。しかし、我の中のナニカが警告を発し続けている。『このままでいいのか?』『なんのためにキサマはこのブログを始めたのだ!?』…と。
(いつもの導入部の茶番なので頭空っぽで読み飛ばして頂いて結構です)
…そうだ、いつの間にやら忘れていた。…我がこのブログを始めたきっかけは…そう、あの作品…あのゲームを語りたかったからだ!!…にも拘わらず、我は4年も!あの作品のことを触れすらもしていなかった…!
初心を忘れるなど、あってはならないはずなのに!…だが、まだ手遅れではない…今からでもあの作品を!あの作品の魅力を世に伝えるとしよう!!
我がブログの連載4周年という記念すべきこの記事にて語るは『スペースハリアー』!!
今まで有耶無耶にしてきたが、今こそハッキリと明かそう!このブログはもともと我が個人的趣味でスペハリを語るために作ったブログだったのだ!!
第二回がSS版スペハリだったのも、SMS版やゲームギア版、それからメガドラのスペハリIIについて語っていたのも、そしてなにかあるたびにスペハリを引き合いに出していたのもソレを物語っている!!
(後付のように聞こえますがマジです、ホントホント)
そう、当初は『メインはスペハリ、他は気まぐれに書くオマケ』程度の予定…の筈だったのだが、気が付けば…
最後のスペハリ記事が3年半以上前とか何考えてるんじゃこの超特大級の大バカモンはァ!!
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…というわけで改めまして今宵語るタイトルは『スペースハリアーII ~スペースハリアーコンプリートコレクション~』。PS2でリリースされたスペハリであり、簡潔に表すとスペハリを余すところなく堪能するならまずコレ買っとけといったコレクションである。
より厳密な正式タイトルは『SEGA AGES 2500シリーズ Vol.20 スペースハリアーII ~スペースハリアーコンプリートコレクション~』、クッソ長ぇ…。PS2の時代にSEGAが販売していた『SEGA AGES 2500シリーズ』の1作である。
『SEGA AGES 2500』とは『定価2500円でSEGAの名作をお手軽に販売する』といった思想のもと誕生したシリーズ。このおかげで多彩なタイトルがPS2で遊べるようになった。メジャーどころだとファンタシースターとかコラムス、意外なところでは北斗の拳なんかもそう。
ただしこの2500シリーズがテーマにしていたのは『過去の名作のリニューアル』、言葉だけ聞けばそう悪いものではないが、コレは結果的に多大な賛否両論を巻き起こすこととなった。
このテーマの何が悪いかというと、例えオリジナルの時点で完成しきっている作品であったとしても『リニューアル』の名のもとに大胆なアレンジを加えてしまったことにある。
無論、昔からゲーム移植に多少のアレンジは付き物(スペック差があった時代なら猶更)であり、アレンジも含めて愛される移植も少なくないのだが、この2500シリーズのリニューアルはもはやリニューアルを通り越して『リメイク』の域、それも原作の面影すら残さないレベルの魔改造に至っているモノが少なくなかった。そしてそうした作品に対する評判は…まぁ言うまでもなかろう。
(リニューアルとしてみるとアレなだけで単品では普通に面白い作品も多かったことは伝えておく)
一応、そんな反響の声はSEGAや各種開発メーカーの耳に届いていたのか、『リニューアルは演出追加程度に留める』『リニューアル版とオリジナル版の両方を収録』といった改善が行われた…のだが、それでも最初期で付いた悪印象は拭えなかった感は確かにある。
本作はそんな評価が分かれる2500シリーズの一つの転機ともいえる作品。全部で33作リリースされたうちの20作目、題材になっている『スペースハリアー』はVol.4という非常に早い段階でリメイクが行われているが、そちらとは完全に別物になる。
2500シリーズは各Volごとにそれぞれ異なるメーカーによる開発が行われていた。本家SEGA、シムス、タムソフト等々…、今回語るこのVol.20の開発を担当したのは有限会社エムツー。我がブログの過去記事では『ドラキュラ伝説ReBirth』『SEGA AGES ソニック1』の開発元である。
今でこそ『メガドライブミニ』やら『PCエンジンmini』、『MD/GG/GBAのVC』『3D復刻プロジェクト&Switch版SEGA AGES』『悪魔城/魂斗羅/ダライアスのコレクション』etc…とその名をゲーム業界全体に轟かしている職人集団だが、この当時ではまだ知る人ぞ知るデベロッパー。
というか今作の圧倒的クオリティで一気にその名を広めることとなったという感じであり、今作以降の2500シリーズでは20(スペハリ)/21(SDI/カルテット)/24(ラストブロンクス)/25(トレジャー)/28(テトリス)/29(MW)/30(GFII)/31(チャロン)/32(PS)/33(ファンタジーゾーン)と実に10作品をエムツーが担当。2500シリーズへの参加は後期も後期だが、担当タイトル数がトップクラスなあたり、同社の力量が窺えるだろう。
前述のようにそれまでの2500シリーズは原作再現は二の次である作品が多かったにも関わらず、エムツーの参加により一転して『原作の徹底再現』を追求する方向性に切り替わるなど、様々な意味で『ゲームの移植』という概念の転機になったともいえる作品である。
このコレクションではタイトルにある通り、かつてメガドライブのデビューを飾った『スペースハリアーII』のほか、スペハリという名を世に知らしめた『スペースハリアー(AC)』、ハリアーとユーライアの出会いが描かれる前日譚『スペースハリアー3D』、ハードスペックの差に打ち勝ちAC版の再現を成し遂げた『スペースハリアー(SMS)』、SMS版を更にアレンジした『スペースハリアー(GG)』の計5作品が収録。
ひとまずは先に本作に収録されている各作品について触れていくが、今回は過去のコレクション記事とは異なり(スペハリ3Dを除き)全て過去記事で語っているため、本当にザックリ触れるだけに留める。詳細は過去記事をどうぞ…と言いたいところだが、我がブログの最初期の記事なだけあって内容薄いのよね。下手するとこの記事の方がガッツリ触れてるまである。
- スペースハリアー(AC)
- スペースハリアーII(MD)
- スペースハリアー(MK3/SMS)
- スペースハリアー3D(MK3/SMS)
- スペースハリアー(GG)
- 本題(コレクション紹介)
- オマケ(隠し要素&裏技紹介)
スペースハリアー(AC)
(上記はサターン版の記事だが内容的にはほぼ同じ)
1985年稼働、ゲームセンターに突如として現れ、ゲーム業界を大きく震撼させたシリーズ1作目。このPS2版ではセガサターン版と同様にAC版の完全移植。『コンティニュー回数が無制限である』という点は歴代移植の中でもかなり珍しい仕様。
3Dシューティングということで一見敷居が高く思えるが、やるべきことは『避けて撃つ』のみと非常にシンプル。オマケに敵弾は全て自機狙いであることから『クルクル回っていればまず死なない』という作りになっており、とにかく遊びやすい。
時折挿入される高速ステージは当時のアーケードでも屈指のスピード感を味わうことができ、迫りくる障害物を避ける瞬間のギリギリ感が堪らない。高速パートも難しそうに見えるが、敵そのものがあまり出てこない+ビンズビーン(無敵の敵)は必ず上下交互に来るということさえ覚えていれば大丈夫。
敵キャラ達も特徴的であり、東洋と西洋の竜の間の子のようなドラゴン『スケイラ』や謎の人面岩『アイダ』などSEGAらしい…いやスぺハリらしいキャラのオンパレード。中にはどっかで見たような高性能モビルスーツロボットの『ドム』なんてのもいる。
(流石に後年『バレル』に改名されました)
ゲーム内で流れるBGMは全部で11曲、しかしその内訳はステージ曲1、ボーナス面1、エンディング&ネームエントリー2、ボス曲7というかなりの偏り具合。ゲーム中で最も長く聴くことになるステージ曲が1種類だと飽きが怖いが、全く心配はいらない。
本作のステージ曲でもあるメインテーマは当時のBGMにしては非常に1ループが長く作られており、加えて各ステージごとにBGMが全く異なる位置から再生されるようになっているため、実際のBGMは1曲だけでもプレイヤー視点では多くのBGMがあるように感じられるのである。
そして7曲もあるボスBGMも特色豊か。流石に全18面もあるのでBGMの流用こそあるが、スケイラ、シュラ、バルダといった印象に残りやすいボスは軒並み専用曲が与えられている。ボスラッシュとなっている最終面ではそれらのボス曲が連続して流れるので燃えること間違いなし。
いずれにせよ1985年という日本のゲーム業界初期に稼働したとは思えないほど先進的、そしてハイクオリティな大傑作、それがこの『スペースハリアー』である。
スペースハリアーII(MD)
1988年発売、初代スペハリから10年後の『ファンタジーランド』でのハリアー最後の戦いが描かれる。直前に『3D』がリリースされているため、『II』なのに3作目なのはご愛嬌。舞台が変わったので前作のキャラはハリアーとユーライア以外別物になった。
全13面構成だが最初のステージは選択可能、1-12面を全てクリアすると最終面に進むという特徴的な構成。ゲーム進行は前作までに比べるとやや緩やか+スコアエクステンドが非常にやりやすいシステムなので、実は難易度的にはシリーズで最も初心者向け。
ナンバリングが付いていることから正統続編であることは間違いないのだが、それはそれとしてデザイン/BGM/世界観の全てにおいてスペハリにしては極めて『異質』であることが特徴。それらを抜きにしても低めのフレームレートやホーミングしない自弾、何故かボスで止まるスクロールなどのせいでファンからの評判は正直イマイチ。
とはいえCSオリジナル作品でかつボスキャラにHAYA-OH(SMS版で追加されたラスボス)の従兄弟が出てきたりするあたり、スタッフも『AC版スペハリの続編』ではなく『SMS版スペハリの続編』として開発していたフシがある。実際AC版と比較するとコレジャナイと言われても仕方ない感じなのだが、SMS版を比較対象にすると順当に進化していることがわかる。
(色々言いましたが自分はスペハリだとIIが一番好きです)
スペースハリアー(MK3/SMS)
1986年発売、『スペハリといえば移植!』という根強い声が生まれるきっかけになったといっても過言ではない、セガ・マークIII及びセガ・マスターシステム移植版。スペハリ初の外部移植はこのSMS版である。
AC版の特徴の一つである『ダイナミックに迫りくる敵』を再現するため、ハリアーと弾以外の全てをスプライトではなくBG(背景)で描画するという力技極まった感じの移植。ハッキリ言って無茶苦茶すぎる手法であり、この影響でかなりカクカク感が激しい見た目となってはいるが、結果的にこのおかげでまず不可能であると思われていた『スペハリらしいインパクト』を再現するに至っている。
AC版と同様の全18面、更に最終面ではAC版には存在しない完全オリジナルボスの『HAYA-OH(ハヤオー)』が出現。ど派手な演出とトンデモナイ弾速で数多のプレイヤーの度肝を抜いた。また初移植とは思えないほど多彩な隠し要素が搭載されているのも特徴で、裏技一つとしてAC版の初期構想である戦闘機で遊ぶこともできる。
ちゃっかり本作の導入部を描くあらすじが追加されており、タイトル画面放置で見ることができる。大概のプレイヤーは即ゲームをスタートしてしまうため見逃しがちだが、結構しっかり作られている上、SD等身のハリアーたちはここでしか見られないため必見。
AC基板よりも圧倒的にスペックが劣るCS機への移植でありながら、プログラマの工夫によりスペハリを落とし込み、なおかつ移植版独自の要素まで追加したという、まさしくゲーム移植の歴史に名を残すべきレジェンドである。
スペースハリアー3D(MK3/SMS)
1988年発売、スペハリシリーズの2作目にして初のCSオリジナル作品。『3D』なのに2作目なのは(以下略)。プラットフォームがセガ・マークIII/マスターシステムということからもわかるように、基本的な作りはSMS版の延長、ただし良い意味でも悪い意味でも昔ながらの『シリーズものの2作目』といった作りになっているのが特徴。
初代スペハリの5年前にあたる前日譚。初代に登場した正義のドラゴン『ユーライア』とハリアーの出会いが描かれる。ゲーム全体のデザインは『II』に比べるとまだスペハリ感のあるものとなっているが、今作は今作でサイケデリックとメカニカルが融合した雰囲気なのでちょっと違う。
3Dとタイトルにあるだけあり、3D立体視対応。『1988年のゲーム機で立体視とかどうするんだ』と思うだろうが、SMSにはそのものズバリの3Dグラスという周辺機器があったのだ。コレを使用する前提のゲーム故にグラスなしだと非常に見辛い画面だが、立体視抜きの通常モードにもできるのでご安心あれ。
全14面と総ステージ数は初代…前作に比べて少なめなものの、1ステージあたりの長さは前作の1.5倍近く、敵や障害物の量が前作の比ではなく、特に破壊不能な障害物は横に広いわ伸縮するわ動き回るわでもう大変。敵の出現パターンも初見殺しにひたすら特化しているほか、更にコンティニュー回数の制限までも厳しくなっているため、難易度は歴代スぺハリの中でも高め…というか自分がプレイしてきた中では間違いなく最難関。腕に自信のある方はプレイすべし。
スペースハリアー(GG)
1991年発売、スぺハリ初の携帯機向け移植。ゲームギアの携帯性にさえ目を瞑れば世界初のどこでも遊べる手のひら(?)サイズのスペースハリアー。今回のコレクションでは唯一の隠しゲーム扱いだが、解禁方法はシンプルなのですぐに遊べる。
(解禁方法は後述)
基礎スペック的にSMSとどっこいなゲームギアということもあり、最初からAC再現をぶん投げたSMS版の移植。BGMのラインナップからラストにヤツが出てくるところまで大体同じ。ただし完全にSMS版そのまんまというワケではなく、全ステージ数が18面から12面まで減っている等、ある程度SMS版からも削られている部分はある。
どういうわけか敵キャラのデザインがまるっきり別物に差し替えられているのも見逃せない。やたら厳つくなったビンズビーンや何故かクマさんになったアイダ、何をトチ狂ったか某モビルスーツに更に寄せたデザインにしてしまったドムは必見。ちなみにあくまで変わったのは見た目だけであり、行動パターンや攻撃内容はそのまんま変化なし。
スぺハリのスピード感こそ相変わらずながらも、画面サイズの都合でプレイ感覚が大幅に異なるのは良くも悪くもGG版のみの特徴。『敵キャラの圧迫感』という一点に限ってはシリーズ随一である。またそのおかげでノーコン1周クリアの難易度は数あるスぺハリ移植の中でも高い。一方でパスワードコンティニューを採用しているため、リトライのしやすさもシリーズトップクラス。高難易度ながらシリーズデビューにぴったりな作品である。
本題(コレクション紹介)
各作品解説はここまで。本作収録タイトルについてザっと触れると大体こんな感じである。
スぺハリ自体の知名度は言わずもがなだが、『II』と『3D』は良くも悪くも偉大過ぎる初代の陰に隠れてしまいがちであり、本作が発売されるまでのあいだ移植はゼロ。
『II』はその後WiiのVC配信や各種メガドラ移植サービスに拾われるなどがあったが、『3D』は3DSの『3D復刻アーカイブス』のみ。プレイするまでのハードルは未だ高いままである。
SMS版スぺハリは後にWiiにてVC配信が行われたとはいえそれっきり、GG版に至ってはそもそもVC配信すら行われていないため、本作を除いて移植はゼロのまま。初代以外のスぺハリのプレイ環境は今でもこんな状況のまま変わりないため、本作は未だスぺハリファン的に高い価値をキープし続けている。
コレ一本で『3D』→『初代』→『II』という『スペースハリアー・サーガ』の始まりから終わりまで全て味わえるのもありがたいが、ソレと同じくらい大きいのはAC版とSMS版とGG版が纏めて収録されているという点にある。『名作アーケードを完全移植!』という代物はスペハリにかぎらず過去多数開発されてきたが、本作のように『移植版の違いを楽しめる』というコレクションはゲーム業界全体を見てもありそうで意外と少ないのだ。
スペック差により完全再現を妥協せざるを得なかったアーケード→CS移植作品は本家本元のファンからすれば忌避されやすい面も強い。しかし、その無念さから生まれたアレンジ/工夫こそが無茶移植の魅力であり、そしてそういった点にこそ愛おしさを覚えるゲーマーが、少なくともここに一人いる。
とりわけスペハリは『とりあえず新しいゲーム機が出たら移植される』というレベルの人気作であり、そりゃもう(特に最初期は)無茶苦茶な移植がいっぱい誕生した。ファミコン版とかPCエンジン版とかGBA版とかドリキャス版とかね。中には正直『コレはダメでは…?』となる移植もあったのもまた事実ではあるが、それもまた『スぺハリの移植』という歴史を語る上で避けられない部分である。
いかにスペック差があったとしても、移植を求める声が生まれる…そんな不思議な魅力(というか魔力?)がスぺハリにはあったのだ。本作に収録されているSMS版とGG版はスぺハリ移植の中では氷山の一角に過ぎない代物だが、この2作だけでも『スぺハリ移植』の魅力のようなモノを少なからず感じ取ることができるだろう。
各作品の移植度についても極めて良好。AC版は言わずもがな、ソレ以外の収録タイトルも当時のものをほぼ完全再現している。各タイトルに存在する裏技や隠しコマンドの類(ラストで紹介)も当然そのまま。スルーされても文句は言えなかった2コン必須の裏技も使える。
(ちなみに本作における2コン操作はSMS版スぺハリとスぺハリ3Dの裏技のためだけに存在する)
ゲーム設定も非常に細かく行えるようになっており、ノーマル/リバース設定やトライアルタイムはもちろん、なんと1クレジットごとの要求コイン数まで設定可能。1コイン6クレとかいう超激アマ設定にするもよし、4コイン1クレとかいう超激シブ設定にするもよし。単体項目で触れたように今作収録のAC版はクレジット数に制限がかけられていないため、完全に趣味の設定である。
CS作品のゲーム設定はいずれもオリジナルでは裏技扱いだったが、こちらも共通システムメニューから弄れるようになっているため、気軽に変更できるようになった。同じく裏技扱いのSMS版の戦闘機モードや3Dの立体視モードなども細かく設定できる。ちなみにあんまり意味はないが先述したように本来の手順(裏技)でゲーム設定を変更することもできる。
スぺハリ3Dはハード仕様の関係でアナグリフ方式…いわゆる『赤青メガネ』を用いて立体視プレイを楽しめるようにされているほか、オリジナル版から存在した2D(立体視オフ)モードも残されている。またオリジナル版とまるっきり同じシステムで立体視を行うモードも存在。PS2が3Dグラス非対応である以上ハッキリ言ってプレイできたもんじゃないが、歴史を学ぶ上では非常に貴重な代物である。
ついでに新たな裏技として『ステレオグラム(寄り目にするアレ)』を利用したメガネを使用しない立体視モードが追加。コレなら裸眼で立体視を楽しめる!?…まぁコレは人によって得手不得手がハッキリ分かれるのでなんとも言えないけど。
(自分はこの方式で立体的に見えたことが一度もありません…)
そして全ての収録作品のメニューに『アーカイブ』という項目も用意されている。こちらでは各作品の資料を閲覧可能。内容は操作シート(AC版)や説明書(CS作品)がメインだが、欧州版のものまで見られるのはナイス。意外なところではスぺハリに連なるブツとして『マスターシステムの起動画面*』なんてのも収録。当然BGMはFM音源版のスぺハリメインテーマである。
*起動画面(マスターシステム)
カートリッジを挿さずにSMSを起動すると表示される画面。
この画面は電源をOFFにするまで続き、これといった操作もできないため、
どっちかというと起動画面というよりも警告メッセージという意味合い。
基本はスぺハリの背景&BGMにメッセージが表示されるのみ。
スぺハリ自体は前述の通りSMS向けにも販売されているが、
あちらは発売時期の都合でPSG音源オンリー。
よってSMSのFM音源を用いたスぺハリはこの起動画面でしか味わえないのだ。
アーカイブ項目の中にはサウンドテストも搭載、SEも含めたゲーム内のBGMを全て聴くことができる。元々AC版とGG版以外はそれぞれのゲーム内に固有のサウンドテストが搭載されていたが突入が異様に面倒だったり(3D)、未収録曲が多かったり(II)する等の難点があったため、簡単に起動できてそのうえ全曲収録な今作のサウンドテストはありがたい。
ちなみにサウンドの延長で触れておくと本作は2500シリーズの総決算ともいうべきVol.33(ファンタジーゾーン)の『セガ・サウンド・トレジャーボックス(SST)』にも対応。本作のセーブデータがあればあちら側で本作側の全楽曲のBGMが自由に聴ける。サウンド目的であればコレが一番便利。
さて、最初に触れた通り今作はエムツーが初めてSEGA AGESに参加したタイトルであり、カオスだった2500シリーズの方向性を決定づけたコレクション。定価2500円という安価な価格設定にそぐわぬ圧倒的な豪華さから、その評判は瞬く間にゲーマーたちの間に広まることとなる。
ただし、行き過ぎた人気は良くも悪くも本作のプレミア化を招き、現時点でソフト実物を入手しようとすると定価どころかその3倍くらいの費用が必要ということもザラ。まぁコレは本作に限らずエムツーが関わるようになった後期の2500シリーズ全般に同じことが言えるが。
故に今からスぺハリに触れようとする人にオススメするにはハードルが高い…ように思えるかもしれないが、実は全くそんなことはない。というのも本作は数少ないPS3向け旧作タイトル配信サービスことPS2アーカイブスのラインナップに含まれているからである。
PS2アーカイブスにおける本作の価格はなんと838円!元々の2500円でも充分すぎるほどお買い得だったのにコレはまさしく破格!!アーカイブス版はVol.30のSST機能に非対応であるという弱点こそあるが、今からプレイしたい人はこのアーカイブス版をチョイスするのが最適である。
(PS3自体も2世代前だしいつPSストアが死ぬかもわからん状況なのはさておき)
『オリジナル完全再現』の移植が珍しいものではなくなった昨今だからこそ、ぜひともこのコレクションを通して『スぺハリの歴史』を体感してみてほしいのである!!
『スペースハリアー コンプリートコレクション』のAmazonページ
オマケ(隠し要素&裏技紹介)
コレクション本編
ゲームギア版解禁
初代スぺハリのシステムメニューを開き、『MACHINE』で『SEGA MARK III』にカーソルを合わせて→キーを押しっぱなしにする
この裏技のやり方は他の2500シリーズでも存在するある種のお約束。
楽譜鑑賞モード解禁
初代スぺハリAC版を1周クリアする
難易度やコンティニューは不問なので諦めなければ簡単。
立体視モード変更
スぺハリ3Dのシステムメニューを開き、『3D TYPE』で『RED/BLUE』にカーソルを合わせて→キーを押しっぱなしにする
『STEREOGRAM』が寄り目にするアレ、『SHUTTER』がSMS版と全く同じになるアレである。
SMS版
サウンドテスト
タイトル画面で『→←↓↑』と入力
CSスぺハリ初のサウンドテスト画面。通常のBGMからハリアーのミス音、HAYA-OH戦まで自由に聴ける。
隠しオプション
サウンドテスト画面に入り『7→4→3→7→4→8→1』という順にBGMを再生する
隠しオプションメニューに入れる。難易度変更と戦闘機モードのON/OFFはここから。とはいえPS2版はここで設定できる機能は全部システムメニュー側にもあるのだが。
コンティニュー
ゲームオーバーの文字が表示中に『←→←→↓↑↓↑』という順に入力
残機最大、スコア&進行状況を引き継いだうえでコンティニューを行える。ただし回数制限アリで9回までしか使用できない。余談だがSMS実機のコントローラはやたら十字入力の制度が悪く、こういった長いコマンドは結構な頻度で誤爆して失敗するのがお約束。
隠しデモ
2コンを接続した状態でゲームを起動、2コンの左キーを押しっぱなしにしてタイトルからデモに切り替わるまで待つ
SMS版オリジナルボスのHAYA-OHが出現する専用のデモが流れる。PS2版でもやり方は変わっていないので、見たい人はコントローラを2つ用意すべし。まぁ一瞬で死ぬだけのデモなので見所はないが。
隠しメッセージ
ネームエントリー画面で全ての名前を『ERI』にする
ネームエントリー直後に隠しメッセージ画面に入る。
メッセージの内容を要約すると『下記の住所(SEGAの旧本社)に手紙を送ってね!先着10名様にお返事出すよ!』というもの。
とはいえ条件が異様にわかりづらいうえ、このメッセージはフル英語、更に表示時間も非常に短いため、実際にSEGAにお便りを出せたプレイヤーがいたかどうかは疑問である。
ちなみにSMS実機だとセーブ機能がないため見るのは容易だが、PS2版はハイスコアが保存されるため、データ初期化を行わないと一苦労。
スぺハリ3D
サウンドテスト
ネームエントリー画面にて2コンを用いて『SOUND』と入力
(入力された名前は表示されない)
ゲーム内のBGMを全て再生可能。『VALDA』のタイトルを『VAKDA』と誤字っているのは見ないフリ見ないフリ。
レベルセレクト
ネームエントリー画面にて2コンを用いて『LEVEL』と入力
(入力された名前は表示されない)
ゲームの難易度を3段階から選択可能。PS2版ではシステムメニューからも弄ることができる。
3Dモード切替
ネームエントリー画面にて2コンを用いて『THREE』と入力
(入力された名前は表示されない)
立体視モードのON/OFF切り替えメニューに入れる…がPS2だと設定の変更は不可能。PS2版のモード切替はシステムメニューからどうぞ。
コンティニュー
ゲームオーバー画面で『2122112122』と入力
PS2版では1が×ボタン、2が○ボタンになる。使用回数は6回まで、更にSMS版のコンティニューと異なりステージ冒頭からの再開であるという点には注意。
隠しメッセージ
サウンドテスト画面で『7→4→3→7→4→8→1』という順に再生
『ZHQ97591』なる人物(?)からのメッセージ。メッセージの意味はイマイチよくわからない。ちなみに『7437481』はSMS版の裏技でも使用されたが、この数列の意味は不明。
GG版
残機追加
↑キーとSTARTボタンを押した状態でゲームを起動する
初期残機がデフォだと2のところ、4でスタートする。GG版はかなり死にやすいゲーム性なので、コレはとりあえずやっておくとオトクである。
難易度変更(ゲームギア実機のみ)
2ボタンを押しっぱなしにしてゲームを起動する(イージー)
1ボタンを押しっぱなしにしてゲームを起動する(ハード)
SEGAロゴが消える瞬間にEASY/HARDという表示が出て難易度が変わる。…ただし人によってはEASYの方が難しい局面も割とあったりなかったり。PS2版ではシステムメニュー側の難易度設定が優先されるのか使用不可。
各ステージの開始パスワード
COCHINE(Stage2):EAGF
LINOUM(Stage3):CHFA
HARM(Stage5):DGBC
BES(Stage6):HBGA
TAPES(Stage7):FBHE
CHIKE(Stage9):BFCH
BORCH(Stage10):HGDA
NATURE2(Stage11):AGEC
(最終面とボーナス面にパスワードは存在しない)