
先日30周年を迎えたばかりの天下の『ポケットモンスター』、縮めて『ポケモン』。そんなポケモンシリーズが毎年大きな発表をすることでおなじみポケモンデー(2月27日)…今年もまた『ポケモンプレゼンツ』と称しポケモンに纏わる多くの発表が行われた。
そんななかで最も多くのゲーマーたちの注目を集めたのが第10世代『ポケットモンスター ウィンド・ウェーブ』の初公開映像なのはわざわざ言うまでもないだろう。もちろん我も第10世代ポケモンへの期待に胸を膨らませていたが、ソレと同じくらい(個人的に)見逃してはならない大ニュースが発表されていた。
ソレはNintendoSwitch2向けのサブスクのひとつ『ニンテンドー ゲームキューブ Nintendo Classics』にて2026年3月中に『ポケモンXD 闇の旋風ダーク・ルギア』の配信を開始するというものであった!同サービスの初報の時点で前作『ポケモンコロシアム』ともども配信予定ラインナップにこそ含まれていたものの、それ以降続報が途絶えていたので満を持しての登場である。というわけで今回の記事の主役は『ポケモンXD 闇の旋風ダーク・ルギア』!
本作に関しては遅かれ早かれ語る予定だったのでもともと2割くらいは書き上げており、『Switch2に配信されるまでに書き上げりゃいいし、流石にポケモンコロシアム(前作)すら配信されてないこの状況ならまだ時間あるでしょ』とか余裕ぶっこいていたのだが、まさかポケコロ飛ばしてこっちが先に来るとは全く予想してなかったのである。おかげで今回の記事は超ハイスピードで書き上げる羽目になっている。いや別に配信開始に間に合わせる必要はないんだけど、こういうのってタイミングが大事だったりするんでね…。

というわけで改めましてガッツリ語っていきましょう。本作『ポケモンXD 闇の旋風ダーク・ルギア』は2005年にゲームキューブでリリースされたポケモン外伝作品のひとつ。なおタイトルの漢字は『闇の旋風』と書いて『やみのかぜ』と読む。あまりにポケモンらしからぬ気取ったネーミングゆえ当時は面食らった人も多い。タイトルこそ違えど2003年に同じくGC向けに登場した『ポケモンコロシアム』の直接の続編でもある。
開発を担当するのは引き続きジニアス・ソノリティ。前作はパラメータ周りの大規模改革が行われた第3世代初期の作品かつ同社の処女作ゆえバランス周りに少なくない粗が見受けられたが、本作では流石にこなれてきたのかコア層向けな高難易度っぷりはそのまま、戦略の幅を広げる要素が数多く導入され純粋なRPGとして大きく進化している。

続編ということもあり基本的な仕様については『ポケモンコロシアム』から引き継がれているものが多いので、今回の記事では前作から変化した要素や本作からの新要素についてフォーカスを充てていく。前作『ポケモンコロシアム』については我がブログでも昨年にガッツリ語ったことがあるので、先んじてそちらに目を通していただけると色々と理解が早くなることだろう。
本作が登場した2005年といえば既にニンテンドーDSがリリースされ翌年には第4世代の幕開け…『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール(ポケモンDP)』の発売が控えているタイミング。このことからもわかるように本作はゲームキューブのなかでもかなり末期寄りの作品である。

ポケモンの世代としては『第3世代』に分類。前作『ポケモンコロシアム』は『ポケットモンスター ルビー・サファイア(ポケモンRS)』と初代リメイク『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン(ポケモンFRLG)』の合間にリリースされた作品だったが、本作はそれらよりも後に登場したポケモンRSのマイナーチェンジ『ポケットモンスター エメラルド(エメラルド)』…よりも更に後に発売。つまるところ本作『ポケモンXD』はスピンオフ作品ではあるものの、その一方で『第3世代最後の本家に連なるポケモン作品』ということになる。そういった経緯もあって本作のシステムや調整は第3世代のなかでもとびきり洗練されており完成度も高い。
まぁ洗練されたとはいえあくまで第3世代のバトル環境なことには変わらない。これから本作をプレイする人は『物理・特殊が技ごとではなくタイプで決まる』『ダブルバトルで瀕死になるとすぐ控えを出さなければならない』などなど昨今の環境を知っていると首を傾げる仕様が非常に多いことはお忘れなく。

何はともあれまずは『ポケモンスタジアム』時代から着々と受け継がれてきた対戦ツール的な方面から見ていこう。本作でもGBAケーブルを用いてGBAの本家ポケモン作品(RSE/FRLG)で育成したポケモンを使い対戦を楽しむことができる。
基本仕様は『ポケモンコロシアム』から変わっておらず、実況ボイスや技がハズれた時のモーションなどがオミットされている点もそのままだが、少なくとも前作と同じように『みんなで育てたポケモンを持ち寄って大画面で戦わせる』という需要は問題なく満たせることだろう。

ポケモンたちの3Dモデルおよびモーションは相変わらず良質。動きひとつひとつのクオリティもさることながら、各ポケモンごとにそれぞれの生態に合わせた接触わざ・非接触わざ・ダメージ・ダメージ後復帰・瀕死モーションが個別に用意されているなどどこを見ても素晴らしいというほかない。…まぁコレについては前作から(ごく一部の例外を除き)モデル・モーションをまるごと流用しているからなので当然なんだが。
というわけで本作の3Dモデルだが第1世代/第2世代のポケモンはニンテンドウ64の『ポケモンスタジアム』系列の流用、第3世代のポケモンは同じくゲームキューブの『ポケモンコロシアム』からの流用である。この流れは後々次世代たるWiiの『ポケモンバトルレボリューション』まで続く。

…とはいえ前作以上にモデルのクオリティのバラつき具合が目につきやすいのは難点といえば難点。というのも前作はシナリオモード(後述)においてプレイヤー側が使用できるポケモンが軒並みジョウト(第2世代)出身で、相手が使用するポケモンはホウエン(第3世代)出身…つまりはニンテンドウ64末期の3DモデルVSゲームキューブの3Dモデルという構図ゆえさほどモデリングの差が目立たなかったのだが、本作はFRLG発売後ということもありカントー(第1世代)出身のポケモンが敵味方ともにかなりの頻度で登場する。
そしてカントー出身は大多数が初代ポケスタの…ニンテンドウ64中期の3Dモデルを流用してしまっているため、ポケスタ金銀のオーパーツ染みたクオリティで知られるジョウトポケや、コロシアム向けに制作されたゲームキューブ相当の美麗なホウエンポケと並ぶとどうしても違和感がぬぐえない…というか当の主人公の相棒がまさにそのポケスタ初代からモデルを流用しているイーブイなので否が応でも目につく。早々にブラッキーorエーフィに進化させれば気にならないが…。

3Dモデル・モーション自体は流用なもののその一方で技エフェクトはほぼ全て新調。そのためバトル中の絵面は前作のソレとはだいぶ異なるものとなっており、前作『ポケモンコロシアム』から続けて本作に手を出しても新鮮に感じられることだろう。また前作ではそのモーションの良質さ・多彩さゆえ高く評価された一方で、モーションに気合が入りすぎた(=ひとつのモーションが長い)ことで戦闘のテンポが極悪…といった問題点を抱えていたのだが、本作では全体的にモーションが短縮されるよう手が加えられている。
瀕死モーションなんかは特にわかりやすく、前作では『瀕死モーションが再生』→『モーションが終わるとボールに戻す演出が始まる』という流れだったところ、本作では瀕死モーションの途中からボールに戻す演出が始まり、必要以上に長いモーションは途中で切り上げられるようになった。同様に連続わざなんかも最後の一発以外は被ダメモーションを中断する形で再生されるようになっている。気合の入ったモーションが最後まで見られなくなってしまったのは少々残念ではあるが、これによって戦闘のテンポは劇的に向上。…まぁ戦闘モーションのカットは相変わらず不可能という点だけはそのままなんだが。

ところで前作は地味にポケモンのRPG作品で初めてバトル中のトレーナーの姿が3Dモデルで描写される作品(ポケスタ系列は顔グラのみ)だったりしたのだが、第3世代のポケモンたちのモデリングを優先したことでトレーナーまで手が回らなかったのか、はたまたオトナ向けな雰囲気を出そうと無理にリアル頭身にしようとしてしまったからかお世辞にも人間キャラの3Dモデルはクオリティが高いとは言えなかった。
本作ではポケモンの3Dモデルを軒並み流用したことで余裕ができたのか、トレーナーの3Dモデルは全て作り直し。純粋なモデリング自体のクオリティ向上に加え、頭身が引き下げられたデフォルメ気味なキャラデザ(本家でいうならポケモンSVあたりが近いか)になったことで多少ヘンテコでも違和感が目立ちづらくなっている。デフォルメについてはエリートトレーナーやらチェイサーのような前作から続投している肩書のモブトレ(いずれも本作でモデル新調)を見比べるとわかりやすい。

対戦モードにおけるGBAケーブル接続中のプレイヤーのグラフィックは接続先のソフトの種類および性別に合わせてRS主人公(RSE)・FRLG主人公(FRLG)に変化する形式だったが、本作では新たにエメラルド接続中のみエメラルド版衣装のRS主人公に変化するようにもなっている。
前作のトレーナーはバトル中待機モーションのまま原則微動だにしなかった(例外は勝利/敗北/ダイレクトアタック時くらい)が、本作では戦況に応じてトレーナーもリアクションを取るようになった。手持ちポケモンがダメージを受けた時はそちらに目を向けるし瀕死にされた時は普通に悔しがる。戦闘終了時の勝利/敗北モーションも豊富に用意されている。本家ポケモンがトレーナー側のモデル・モーションに力を入れるようになったのは『ポケモンSM』からなのである意味時代を先取りしているといえる。

そしてここからが本題な人も多かろう、前作において『ポケモンコロシアムといえばコレ』と言っても過言ではないほど高く評価された『シナリオモード』は当然本作でも続投。相も変わらず単体で楽しめる骨太なRPGとなっている。
舞台は広大な砂漠が広がるオーレ地方。『ポケモンコロシアム』の事件から5年後、主人公(デフォルト名:リュウト)は亡き父の親友にしてポケモン総合研究所の所長でもあるクレインが謎の組織に誘拐される事件をきっかけに、5年前に壊滅したハズの悪の組織『シャドー』、そして彼らによって作り出された『ダークポケモン』の事件に巻き込まれる…といった導入で本作の物語はスタート。
前作の主人公(レオ)はポケモン初の青年主人公にして悪の組織を裏切った経歴持ちというシリーズでもトップクラスに攻めたキャラ造形だったが、本作の主人公(リュウト)は本家ポケモンに近いタイプの少年主人公。前作のヒロイン(ミレイ)に該当するキャラは存在せず、一部のイベントを除き最初から最後まで一人旅。

前作のシナリオにおける大きな特徴でもあったダーティ・ダークな世界観はその原因ともいえる悪の組織『シャドー』や『スナッチ団』が一度は壊滅したり、前作の主要人物たちが5年間で後処理に奮闘したおかげもあって鳴りを潜めており、(あくまで前作と比較してだが)本家のポケモンシリーズに近い王道寄りな作風となった。
登場人物は敵味方ともに大多数がコミカルな面を強調されていることもあってシナリオのノリもだいぶ変化。例えるなら前作はティーンズ向けのちょっと大人びた青年漫画で本作は少年漫画といった感じ。とはいえあくまで根底にある世界観は前作によって構築されたものなので、割と洒落になってない悪の組織の手口などをはじめところどころで前作譲りの暗い部分も残っていたりする。この『一見すると王道だがところどころダークさが垣間見える』ってのは本作ならではの味わいといえるかもしれない。

再びオーレ地方が舞台ということから、前作で行くことができたエリアの多くが本作でも登場。ならずもの達の街から腕自慢が集う街となった『パイラタウン』やシャドーの支配から逃れ純粋な娯楽施設となった『ラルガタワー』など、地形こそ共通ながら5年の歳月を感じられる変化を遂げたものも多い。
まぁ中には建物自体が建て替えられたり封鎖されたりして入れなくなっているエリアもあったりもするので、前作に登場した全てのエリアに行けるかというと残念ながらNO。ちなみに前作のなかでもトップクラスのアングラ臭が漂っていた地下都市アンダーは埋め立てられた模様。流石にアレはどう転んでも浄化しきれなかったようだ。
前作に登場したネームドキャラもその多くが続投。ギンザルの弟分シルバに娘のレイラ、コドモネットワークのスレッドやその妹シホなどなど前作で子供だった面々が大人に成長し、それぞれの方法でオーレ地方の平和のために動いている姿は前作プレイヤーが見れば感慨深くなることだろう。

ゴロツキ改め自称パイラの番人となったマサ、フェナスを駆け回るラウンドにライダーのウイリーやスナッチ団したっぱのザブ&ミサンゴなど準モブキャラも多くが再登場、前作をやりこんでいればいるほど『おまえ前作のアイツかぁ〜!?』となる場面が増えるのも面白いポイント。ヤッチーノに至ってはなんと専用モデルが与えられている。
悪の組織シャドーの幹部および構成員は前作の一件でお縄についたのか総入れ替え。ただ前作のキャラでおそらく最も多くのプレイヤーの印象に残ったであろうミラーボだけは引き続き登場。相変わらずヘボイ&トロイを引き連れ『さすらいのミラーボ』として何かと暗躍する。敵対時に使ってくる手持ちはやはりルンパッパパ。前作とは逆で戦うごとにルンパッパが増える。

何はともあれ前作『ポケモンコロシアム』の後に本作『ポケモンXD』をプレイすることで時代の経過による地形変化や登場人物の成長を強く感じられるわけだ。こういった楽しみ方ができる作品はポケモンのRPGシリーズだと『ポケモン赤緑(FRLG)』→『ポケモン金銀(HGSS)』や『ポケモンBW』→『ポケモンBW2』くらいである。ただし一番動向が気になるであろう前作主人公&ヒロインは本作には登場しない。折角なら金銀のレッドさんみたいに裏ボスポジにいてくれれば面白かったのに…と思ってたり。本作のバトル山にジョウト三犬+ブラエフィとかいう露骨な前作主人公パなNPCがいるだけに尚更。
もちろん本作から新登場のエリアや新キャラたちも魅力的。主人公が最初に訪れることになる平和な港町『アイオポート』や砂漠の中に打ち捨てられた輸送船の残骸『リブラ号』など前作とはちょっと違ったアプローチのロケーションが増えておりオーレ地方の新たな魅力が伝わること間違いなし。キャラ方面でもマナやクレイン所長など主人公の味方ポジションはもちろん、何度も敵対するシャドー所属の下っ端であるザクスカやワグチやら6兄弟などひとりひとりの出番こそそう多くはないが印象的なメンバー揃い。ラブリナやワズルといった幹部ポジションともなれば猶更である。

シナリオモード中のバトルは前作同様ダブルバトルが主体。ただし本作はそれなりにシングルバトルの機会もある。本作における最初の相棒はなんとイーブイ。今でこそ『Let's Go! イーブイ』などでメインを張りあのピカチュウと肩を並べるほどのアイドル的ポジションを確立しているイーブイだが、当時はまだちょっと貴重なだけのいち種族でしかない。そんなイーブイを単体で主役に抜擢するなどまさに異例中の異例の試みであった。
前作は最初の相棒がブラッキー&エーフィで固定、その後変則的な形でジョウト御三家を一匹選ぶ…というちょっとわかりづらいシステムだったが、本作は最初の相棒がイーブイということもあり最序盤に『イーブイの進化先』を選択する形式となった。なお本作には時間の概念がないのでブラッキー・エーフィに進化するための専用のアイテム(つきのかけら/たいようのかけら)が用意されている。
(逆に言うと最初にそれらを選択しない場合はポケモンRSEに送らないとそれらに進化できなくなる)

あくまでこの選択は進化アイテムが貰えるだけなので進化のタイミング自体はプレイヤーの自由。もっといえば炎の石・水の石に関しては別口で入手できるうえ、それらで進化できるポケモンも存在するので途中でやっぱり進化先を変えたっていいしイーブイ用に貰った石で別のポケモン(ガーディやロコン)を進化させてもいい。なんなら進化させずにイーブイのまま最後まで進めてもOKである。これらは進化先が5種類(当時)もあるイーブイだからこそできるプレイスタイルの広げ方だといえるだろう。まぁ当時は『しんかのきせき』もなければポケモンLPLEみたく種族値に下駄を履かせられてるワケでもないので、イーブイのまま進めるのは縛りプレイに近かったりするんだが。

前作『ポケモンコロシアム』を象徴する人為的に洗脳・改造を施されてしまった『ダークポケモン』、戦闘中に相手トレーナーからダークポケモンを奪い取る『スナッチ』、ダークポケモンのココロを解放し元の状態へと戻す『リライブ』といった要素は本作でも全て続投。ただしダークポケモン周りは仕様が変わった点も多いのでひとつずつ説明していこう。
主人公は前作の事件をきっかけに開発された発明品…相手のポケモンを奪い取れる『スナッチマシン』とダークポケモンを見分ける『オーラサーチャー』を装備しているため、前作主人公と同じように相手のダークポケモンをスナッチ可能。なおオーラサーチャーがスナッチマシンのストッパーになっているらしく、前作同様ダークポケモン以外を奪い取ることはできない。また本作ではシナリオ中にスナッチマシンを奪われ一時的にスナッチが封印される展開なんかもある。そういった場面でもちゃんとオーラサーチャーは相手がダークポケモンであることを知らせてくるのがなんとも憎らしい。

前作の事件でダークポケモンの存在が周知されたのか、本作ではダークポケモンを使う一般トレーナーはごく僅か、使うにしても『人から貰ったなんか強いポケモン』程度の認識で大半はシャドー戦闘員からスナッチする形となっている。前作では敵が使用してくるダークポケモンは1戦につき1体までという暗黙の了解が存在したが、本作では相手によっては複数体のダークポケモンを手持ちに加えてくるようにもなったため最後まで油断は禁物。
『互換切りされた第2世代のフォロー』という縛りが消えたことで、本作のダークポケモンは第1世代から第3世代まで幅広くピックアップされている。それゆえ情報を仕入れていないプレイヤー視点でも『ジョウト出身?じゃあこいつがダークポケモン枠か』と先が予測できてしまっていた前作と違い、『こいつがダークなのか!』といった驚きを何度も味わえる。ダークポケモン自体の総数が増加したことも相まって使用可能なポケモンの種類も非常に多くなった。

スナッチのしやすさ(被捕獲度)が本来よりも高めに設定されていたり、シナリオ中に『うたう』『みねうち』など捕獲に有用なわざを覚えるポケモンが多数手に入るなどスナッチの難易度は目に見えて引き下げられた。また本作ではダークポケモンのスナッチに失敗するとシナリオ中に再戦できない相手の場合は戦闘後に『〇〇(ダークポケモン)はどこかに逃げていった…』の表示が出て、以後ランダムで戦えるミラーボが逃げたダークポケモンを繰り出してくるようになる。即ちシナリオクリアを待たずに再入手の機会が設けられているため、前作よりは一回一回のスナッチに気を張らずとも良くなった。前作だとダークポケモンの再入手はシナリオクリア後に再配置される各NPCまで会いに行く必要があったり、そのうえで出現自体がランダムだったりとメンドクサイ仕様だったのでダークポケモン捕獲の再チャレンジが『(即時再戦可能な相手を除き)さすらいのミラーボからスナッチ』に統一されたのは地味に大きい。

前作ではダークポケモンの専用技は『ダークラッシュ』ひとつのみであり、結果的にダークポケモンが登場する戦闘がマンネリ化しやすい問題があったのだが、本作では新たに『ダークわざ』というカテゴリが新登場。『ダークラッシュ』以外にも『ダーク〇〇』という名称のダークポケモン専用技が多数追加された。コレらの技はリライブ時に普通の技と置き換えられてしまうため他作品に持ち込むことができず(というかデータ自体がない)正真正銘『ポケモンXD』限定の技となっている。
ダークわざは相手2匹の防御を2段階下げる『ダークダウン』、相手2匹を同時にこんらん状態にする『ダークパニック』、相手が張ったすべての壁を一手で除去する『ダークリムーブ』、本作にしか存在しない専用天候『くらやみ(ダークポケモン以外にスリップダメージ)』を発生させる『ダークウェザー』などその多くが専用効果だったり既存技の完全上位互換となっており、ダークポケモン自体の強さに納得感を持たせることに一役買っている。

ほかにも威力75命中100の物理わざ『ダークブレイク』、威力70命中100の特殊わざ『ダークレイブ』など攻撃方面でもかなり強力なスペックを誇る。…さて、お気づきの人もいるだろうが、この通りダークわざは物理/特殊がタイプ依存な第3世代環境において例外的に技ごとの物理/特殊が個別に設定されている。もしかしたら第4世代での仕様変更を見越したテスト的な運用という見方もできるかもしれない。とにかくコレのおかげで『特殊寄りな種族値のダークポケモン』が活躍しやすくなった。
前作の『ダークラッシュ』はタイプ的には『タイプなし』として扱われいかなる相手(ヌケニン含む)に対しても等倍ダメージを与える仕様であったが、本作では『タイプなし』である点はそのままにタイプ相性が新たに実装された。その相性とは『ダークポケモン以外には効果抜群(2倍)となり、ダークポケモンに対しては効果いまひとつ(1/2倍)となる』というもの。

コレによってダークポケモンの危険性が前作とは比較にならないほど上昇、『スナッチ前(敵対時)は内部的なレベルやパラメータが画面の表記よりも高い』とかいう本作で追加されたわけわからん仕様も相まって、近いレベル帯の一般ポケモンをダークポケモンの前に出そうものなら一瞬で瀕死にされかねない。
逆に言えばスナッチ後のダークポケモンは敵ダークポケモンに対する壁役or一般ポケモンに対するアタッカーとして非常に優秀なので、『ダークポケモンのまま扱うか、それともリライブするか』の選択が前作以上に重要になったといえるだろう。『強力なダークわざを使用でき相手ダークポケモンへの壁として優秀』というメリットと、『経験値が入らずレベルが上昇しない』というデメリットを加味してよーく運用を考えるべし。

前作にあったダークポケモン特有の『ハイパー状態』は新登場の『リバース状態』に置き換えられる形でオミットされた。リバース状態中は毎ターン一定の割合分ダメージを受け続ける。ハイパー状態とは違いリバース状態の発生はダークわざでの『行動後』に行われるので、前作のように『ダークラッシュを指示したのにハイパー状態でそのターンの攻撃ができなかった』というイレギュラーは発生しない。
前作のハイパー状態には指示の無視やらトレーナーへのダイレクトアタックなどマイナス効果の一方で『ダークラッシュがほぼ確実に急所に当たる』というメリットも存在したが、リバース状態にはそういったものは一切なく基本的に百害あって一利なし。さっさと『よびかける』を使って治すべし。
純粋なデメリット効果になったのは少々寂しい気もするが、前作はメリットがあまりにも強力すぎたがゆえに『ハイパー状態のダークポケモンで反動お構いなしにダークラッシュを撃たせ続け、文字通り道具のように使い潰す』とかいうあまりにも非人道的な攻略が罷り通っていたので残当ではある。まぁ本作は本作で対ダークポケモン用の肉壁としての運用が中心になるのでどっちにせよって感じなんだが。

ダークポケモンたちは共に戦ったり冒険することで少しずつココロを開き『リライブ』が進行する。このリライブこそが前作および本作のミソともいえる部分な一方で、前作では一匹一匹のリライブにやたら時間がかかるという問題もあった。この不満点を解消するため本作ではリライブを効率的に進める新要素『リライブホール』が登場。
リライブホールは各所のパソコンからアクセス可能。中央にダークポケモンを1匹、その周囲に一般ポケモン4匹を配置することで中央のダークポケモンのリライブを自動的に進めることができる。周囲4匹のポケモンは一般ポケモンであればなんでもOKなのだが、ほのお→くさ→みず→いわ→ほのお…のようにタイプ相性をループさせるように配置するとより効率的にリライブが可能。ザックリ言えば簡易的なパズルゲーム兼リライブに特化した育て屋といった感じである。9匹分のリライブホールを同時に最適な並びにすると…?
リライブホールを活用することで同時に最大9匹までのリライブを自動化できるので、リライブの手間は前作とは比較にならないほどラクになった。本作では『リライブセレモニー』と呼ばれるリライブ完了の儀式はアゲトビレッジの祠だけでなく、ポケモン総合研究所でも可能。後者はマップ移動してすぐにアクセス可能+パソコンがすぐ近くにあるのでこれまた便利である。

リライブを完了するとナショナルリボンが獲得できるほか、ダークわざを置き換える形で忘れていた技を思い出すのは前作同様。そのうえで本作では思い出す技が通常のレベル技とは異なる…例えば『わざマシンでしか覚えない技』『本家シリーズにおける教え技/遺伝技』『本来そのレベルでは覚えない技』『通常では覚えさせる方法がない技』などなど特別なものが非常に多い。これによって本作でリライブしたポケモンのプレミア性にも繋がっている。
後述するように本作で入手したポケモンもGBAとの通信交換を行うことで後の世代へと送り出すことができるのだが、第6世代…『ポケモンXY』『ポケモンORAS』の時代までであれば本作で入手した特別な技を覚えた個体をそのままレート戦(所謂ランクマ)で使用することができた。そのため一時期はガチ対戦用の特殊な個体を入手/厳選するためだけに本作を周回するガチ勢がいたとかいなかったとか…。かの有名な『きんぞくおんサンダー』はまさしく本作でしか入手できなかった個体である。

でもってここからは追加要素についての紹介である。まず第一に本作ではなんとどこでもレポート(セーブ)が可能となった。何を当然のことを…と思う人もいるかもしれないが、その当然のことができなかったのが前作である。今回は任意の場所・任意のタイミングでセーブできるようになったため非常に遊びやすく、また急な戦闘やダークポケモンのスナッチ失敗に泣くケースはだいぶ減っている。
また前作は基本的にマップをひたすら歩き回り、トレーナーに遭遇したらバトルをする…の繰り返しだけで進行する形であったが、本作は押し込むことで道を繋いだり進路を開けたりする『かいりき』や一方通行で移動できる『段差』のように本家ポケモンにあるギミックが登場、非常に些細な変化ではあるがバトルばかりでダラつきが発生することを防いでくれる。まぁスティック操作ゆえ入力が敏感で、意図せず段差を降りてしまう事故がそこそこの頻度で発生するのはちょい難点。

前作およびオーレ地方の大きな特徴として『荒廃した大地なので野生ポケモンが生息していない』というものがあったが、本作ではポケモンたちの生息エリア『ポケスポット』なるものが新登場。ついにオーレ地方で野生ポケモンが捕獲できるようになった。本家シリーズの草むらとは違い野生ポケモンが飛び出してくるわけではなく、専用アイテムの『ポケまんま』を設置し一定時間(歩数)が経過するとポケモンが出現、ポケまんまを食い尽くされる前にポケスポットに再度訪れると戦闘ができる…という形式。要はポケモンDPtの『甘い香りのする木』みたいなシステムである。

ポケスポットでの戦闘はシングルバトルなのでダークポケモンのスナッチよりは難易度が低め。ポケスポットは全部で3箇所あり、それぞれに出現するポケモンは各3種類ずつ…つまり野生ポケモンは実質9種類のみと申し訳程度の要素ではあるが、リライブ不要な一般ポケモンをいくらでも捕獲可能になったことでプレイヤーの選択肢は広がっており、戦闘メンバーとしての起用をせずともリライブホール用の数合わせとして役立てたりもできる。
ちなみにポケスポットでの野生ポケモンの捕獲はあくまで『捕獲』であり『スナッチ(強奪)』ではないため、ボールをスナッチボールに変える演出は挿入されず捕獲エフェクトも異なる。主人公がボールを投げるモーションもスナッチ時(左投げ)とは違う専用のもの(右投げ)になっているなど細かなこだわりにも注目したいところ。

ところで当時のポケモンシリーズは『各世代の末期には次世代のポケモンが何らかの形で先行して登場する』というお約束のようなモノがあった。第1世代のアニポケ映画におけるドンファンやマリルだとか、第2世代のアニポケ映画におけるカクレオンやルリリがソレに該当するのだが、これらはどれもゲーム外のメディア(アニメ)でのハナシ。だが第3世代→第4世代の世代交代においては更にもう一歩踏み込み、『ゲーム媒体における次世代ポケモンの先行登場』が行われることとなった。該当する作品は2本、ひとつは『ポケモン不思議のダンジョン 赤の救助隊/青の救助隊』、そしてもうひとつが本作『ポケモンXD』である。
というわけで本作には『ポケモンDP』の発売に先駆けて第4世代ポケモンのゴンベとウソハチが登場。ウソハチはちょい役ではあるがメインシナリオに登場、ゴンベはとあるイベントを発生させることで出現する隠しキャラとなっている。両者ともに本作時点で3Dモデルや鳴き声は既に作られており、なんとウソハチに至っては『バトルDEビンゴ(後述)』にてバトルで使用可能である。

シナリオが王道路線になったとはいえシビア気味な難易度は本作でも据え置き。そもそもダブルバトルという時点で上級者向けなのにダークポケモンのスナッチも同時並行して行わなければならないので当然である。しかも本作の場合は先に挙げたようにダークポケモン自体の強化も行われている。
ダークポケモンを抜きにしても『耐久ポケでねむる+ねごと』『砂パで砂隠れ発動させつつ影分身積み』『水・飛行主体のパーティで避雷針を相方起用』などなどそれなりに実戦級のコンボを使って来るのは相変わらずだし、どいつもこいつも遺伝や技マシン/教え技でのみ覚えられるサブ技での相性補完を当然の権利のようにやってくる。やはり本家ポケモンよりもシナリオクリアまでの難易度は高い。

一方で高難易度の方向性は前作のソレとは微妙に異なることにも触れておきたい。前作との最も大きな違いは敵味方ともにレベル帯が抑えられている点にある。前作では最初の手持ちがレベル25でスタートし基本的に30〜40くらいのレベルで進行、終盤は40〜50でラスボスにて60に到達するといった感じだったが、本作ではレベル10から始まりシナリオの大半は20〜30、ラスト近辺になってようやく40〜50になる…とひとまわりレベルが低く設定されている。
『段階的にレベルが上がっていくのなら難易度は適正なのでは?』と思う人もいるかもしれないが、古来よりポケモンには『経験値タイプ』なる概念が存在し種族ごとに育ちやすさが異なる。そういうディープな話題を抜きにしてもポケモンによって進化レベルの早い種族と遅い種族がいるし、まだ技の種類がさほど多くない当時だとある程度レベルを上げなければタイプやパラメータに見合った技をロクに覚えないポケモンも珍しくない。

そんな状況でシナリオで要求されるレベルがデフレ傾向だとどうなるか?答えは簡単、シナリオ攻略中に育ちきらないポケモンが出てくる。それゆえ本作では大器晩成型のポケモンはやや扱いづらく、キノココやヒメグマのようにレベル進化が1回だけだったり、シェルダーやウツドンといったその気になればすぐに道具で進化可能で早い段階からステータスや技が完成するポケモンほど活躍しやすい傾向にある。旅パでエネコロロがこれほど頼りになる本家に連なる路線のポケモンは後にも先にも本作くらいだろう。意外なポケモンほど活躍するのは前作譲りといえる。
『シナリオ中で手に入るポケモンがクリアまでに育ちきらない』という意味では本作の難易度カーブは『ポケモンBW』に近い。ポケモンBWは敵レベルに対しポケモン側が要求するレベルがインフレしているのが原因で、一方の本作はポケモン自体は普通なのに敵レベルがデフレを起こしているのが原因…と起こっている事象こそ同じであれその要因は真逆っぽいのがなんとも興味深いところ。

とはいえダークポケモンや野生ポケモンなどシナリオ中に入手できるポケモンのバリエーションは前作から倍以上に増加したほか、技教え/技思い出しのNPCが追加されたことでプレイヤー側が取れる選択肢自体は前作よりもはるかに広がっている。ダークポケモン周りの仕様変更のおかげでスナッチにしくじっても立て直しはしやすく、前作同様にバトル山や各地のコロシアム、再戦可能トレーナーのようなレベル上げスポットは充実しているので、難易度そのものは難しくもある一方で前作ほど理不尽に感じる局面は少ない。
そもそも第3世代最後のポケモンということもあってプレイヤーもダブルバトルにこなれてきてるだろうし、なにより本作に手を出す層の大半は前作を先にクリアしてると思われるのできっと乗り越えられる。本作の難易度が高いと感じるか低いと感じるかはプレイヤー次第、数多の選択肢からどれを選びどう活用するかで難易度は大きく変わることだろう。前作とは別ベクトルでポケモンの知識や技量が試されているといえる…かもしれない。

さてさてポケモン廃人ガチ勢向けやりこみコンテンツが充実するようになった第3世代末期の作品ということもあり、本作にもまたシナリオとは関係なく楽しめる一風変わったやりこみ要素が用意されている。
本作で新登場したのは『バトルDEビンゴ』と『バトルディスク』の2つ。どちらも共にラルガタワーにてプレイ可能。『バトルDEビンゴ』では4×4マスのビンゴシートとシートに対応したポケモンが1匹渡される。各マスにはそれぞれタイプか?マークが描かれており、マスを開けるにはポケモンそれぞれが持つEP(エントリーポイント)を消費しなければならない。?マスでは追加のEPやマスターボールを入手できるが、実際に開けてみるまでどんな効果なのかは不明。

タイプのマスを開けるとそのタイプに応じたポケモンとのシングルバトルが開始、EPを消費したポケモンで戦うことになる。ただしこの施設のポケモンは敵味方ともに技がひとつで固定されているので、対戦結果はほぼバトルが始まった時点で確定している。早い話が『ポケモンを用いたジャンケン』みたいな認識でOKである。まぁ技の追加効果だとか急所だとかは普通に発生するので時たまどんでん返しが起こったりすることもなくはない。
バトルでは普通に相手を倒してもいいし手持ちのマスターボールで相手を捕獲してもかまわない。マスターボールで捕獲したポケモンは手持ちに加わり、そのビンゴシートの攻略に利用することができる。ポケモンによってはタイプ一致わざを覚えていなかったり、反射技しか覚えてなかったりするヤツもいたりするため心配なら捕獲を一手遅らせるのも有効な作戦。EPはポケモンごとに個別に存在するので、適宜捕獲をしつつ最適な局面で最適なポケモンを選出することを心がけるべし。

ビンゴシートが1列揃うごとに任意の一匹のEPを1だけ回復することができ、ソレを繰り返していくことでEP切れになることなくビンゴシートの全マスを踏破すればクリア…というのが基本ルール。ビンゴシートをクリアしていくごとにより高難易度のシートが解禁されるだけでなく、全シートをクリアしたら今度はより攻略順が重要になった『ひとふでモード』も遊べるほか、クリア済みシートは配置がランダムになるためまた別の楽しみ方ができるようになる。また条件を満たせば挑戦できる『ウソハチシート』では先んじて触れたようにウソハチを『ポケモンDP』に先駆けて使用可能。

そしてビンゴと並ぶもう一つのやりこみコンテンツが『バトルディスク』。作中のあちこちに散らばっておりコレを集めること自体が収集要素の一環なのだが、ラルガタワーに持ち込むことで各バトルディスクに対応した『バーチャルバトル』が楽しめる。バーチャルバトルは敵味方ともに手持ちポケモンが完全固定されたバトルとなっており全50種類。前半は必ず明確な解法が用意されている詰将棋的なつくりで、後半はこれといった解法はなく純粋な立ち回りの腕を問われる内容となっている。
詰将棋的なものは『そらをとぶ中の相手にはかぜおこしが2倍のダメージになる』『急所時は相手のランク補正を無視する』などの仕様を活かしたものが多く、ポケモンの初心者-中級者が上級テクニックや知識を学ぶ場としても機能している。相手の行動は基本的に固定されているので試行錯誤もやりやすく、クリアに失敗した際には直接的なヒントを聞くことだって可能。なかでも『1ターン以内にヌケニン6匹を倒す』というバトルディスクはその独自性の高さや本作(第3世代)ならではの解法も相まって今でも語り草。

なおバトルDEビンゴとバトルディスクが増えた反動なのか前作における上級者向けやりこみコンテンツだった対戦モード内のコロシアムバトルはオミット…というか本作の対戦モードはレンタルポケモンで適当な対戦を1回するだけの『とにかくバトル』とGBAとの通信対戦『みんなでバトル』の2モードしかない。まぁある意味では名前通りの代物になったと言えなくもないが、前作の対戦モードはそれこそ『ポケモンスタジアム』からの直接の進化系といえる内容だったのでなんとも残念。
一応ソレに類する要素はシナリオモード内に用意されており、『バトル山100人ぬき』と『オーレコロシアム』が存在するのだが、バトル山はシナリオモードということで手持ちのレベル差がそのまま反映されてしまいレベルを上げすぎると圧勝すぎて試合にならず、レベルを抑えると今度は後半が理不尽難易度となってしまう。オーレコロシアムはコロシアムバトルの後継ではあるものの、フェナス→パイラ→アンダー→ラルガ→オーレと段階的な難易度が用意された前作と違い本作はコレひとつだけ。難易度的には前作のラルガタワー相当だがいきなり挑むにしては難しすぎるのが困りもの。

ところで前作のコロシアムバトルはポケモンRSのバトルタワーと同じく『レベル50制限』と『レベル100』の2つがあったが、本作のオーレコロシアムは『オープンレベル(下限60)*』で固定…と微妙にレベル制限が異なるので要注意。このルールでまともに戦えるポケモンはどうしてもレベル60を超えてしまうので、前作やポケモンRSのバトルタワーにおけるレベル50ルールに参加できなくなってしまうのだ。ついでに本作では禁伝が出場できなくなっている。レベルや出場制限の変化はおそらくエメラルドのバトルフロンティアに合わせた形。まぁバトフロは下限60オープン以外にレベル50ルールもあったんだが。
*オープンレベル
第3世代にて度々用いられるレベル制限の指標
早い話が『制限なし』の意味であるが、より具体的には
『相手のレベルがプレイヤー側の最も高いレベルに統一される』というもの
ルールや施設ごとに統一レベルの下限が定められており
プレイヤー側の最高レベルが下限より低ければ下限側で統一される
あくまで統一されるのは相手のレベルだけなので
プレイヤー側は近年のフラットルールよろしくレベルがそのままなのが厄介な点
この仕様によりオープンレベルの施設に挑む場合は
事前にレベルを統一させておかないとハンデ戦を強いられる羽目になる

本作の楽曲を手がけるのは前作から引き続き多和田吏氏、開発のジニアス・ソノリティのトップでもあった方である。前作のダーク&ダーティーかつスタイリッシュ、でも時折さわやかなテイストは引き継ぎつつ本作では世界観の変化に合わせてワクワクするような明るい曲調のものも増えた。マップBGMは前作と同じエリアなら流用…と思いきやきっちりどれもアレンジが行われている。
通常戦闘のBGMは『一般トレーナー』『シャドー戦闘員/スナッチ団』の実質2曲のみと前作より少なくなってしまったが、その一方で特定の局面限定の戦闘曲は更に多彩に。楽曲そのもののクオリティについては今更説明するまでもなかろう。なお前作の戦闘BGMは『ミラーボ(コロシアム)』『ミラクルボ』『ラスボス(コロシアム)』を除きすべて本作にも収録、各地のコロシアムや前作と関わりのあるとあるNPC戦でのみ流れるようになっている。もちろん対戦モード用のポケモンRSのアレンジ曲だって続投。

本作からの新曲でイチオシなのは前作の専用曲から打って変わってムーディーなジャズ調BGMとなった『ミラーボ戦』、トレーナーのモーションに気合が入ったおかげで戦闘開始時に曲と合わせたダンスを披露してくれることもあり、本作プレイヤーであれば誰もが印象に残っていることだろう。個人的には静かに盛り上がるテクノ調という当時のポケモン楽曲では珍しいスタイルの『バーチャルバトル』もこれまたオススメの曲である。
ところで例によって例の如く非常に残念なことに本作もサウンドトラックの類はリリースされていない。というわけで本作のBGMも前作同様大半が正式名称不明。前作ともども『Nintendo Music』に楽曲配信してくれることを祈るばかりである。ほら、ちょうど『Nintendo Classics』配信も控えているワケだしさ…。

前作『ポケモンコロシアム』でも大きな魅力となっていた『GBA作品との通信交換』はもちろん本作でも可能。ゲームキューブ本体と対応ソフトを差し込んだゲームボーイアドバンス本体をGBAケーブルで接続するべし。流石にGC末期ならポケモンのコア層の大半はGBAケーブルを所有していたハズ。
通信交換が可能なのはポケモンRS・ポケモンFRLG・エメラルド…とGBAの本家ポケモン作品すべて。通信交換という扱いゆえユンゲラーやゴローンなんかの通信進化にだって利用できるぞ!前作同様に通信交換が解禁されるのはシナリオモードのクリア後から。よって別ソフトで育てたポケモンを送り込んで無双したりはできない。シナリオ攻略は作中で手に入る子たちでやりくりして頑張るのだ。
ポケモンFRLGとエメラルドが相手の場合、GBA作品側でネットワークマシンの完成(FRLG)もしくは全国図鑑の入手(エメラルド)までゲームを進めておく必要もある。逆にいえばポケモンRSとは無条件で交換できるので、本作経由で様々なポケモンを送り込めるほか、FRLG相手の通信交換と同じく全国図鑑が解禁される。
(『コロシアム』との通信交換では全国図鑑が解禁されなかった)

(例えば本作のフェナススタジアムでスナッチしたルナトーンを前作に送るとこうなる)
なお『ポケモンコロシアム』や『ポケモンボックス』は同ハードの作品ではあるものの本作と直接やりとりしたりはできない。GCのメモカスロットは2つあるのでそっちを利用すれば技術的には可能な気もするが、よくよく考えるとGC作品でスロットA・Bを『同時に』使用する作品は存在しなかったハズなので、なんらかのルールが課せられていたのかもしれない。
それゆえ『コロシアム』『ボックス』『XD』間でポケモンをやりとりするには一度GBA作品を経由する必要がある。余談だが本作で入手したポケモンを『コロシアム』に送るとトレーナーメモの『であった場所』の表記が一時的におかしくなったりする。これは内部的な出身ゲーム管理用のIDを本作・前作で共用していることによって発生する現象。それにしても『ちょっと遠出(GBA作品)から帰ってきたら5年前/5年後(前作/本作)の世界だった』…とはポケモンからしたらとんだ浦島太郎である。

前作『ポケモンコロシアム』で入手可能なポケモンは大多数が第2世代…ジョウト地方のポケモンだった。これは前作の記事でも触れたように第3世代における互換切りをフォローするためだったのだが、本作が出た頃には既にFRLGのナナシマやエメラルドの追加エリアにて第2世代のポケモンは全て入手でき、(手間はかかるが)GBA作品だけで全国図鑑の完成も可能となっている。つまり図鑑埋めには必ずしも本作『ポケモンXD』は必須というわけではない。
ならば図鑑埋め目的で本作をわざわざプレイする意義は薄いのか?答えはNO。本作で入手可能なポケモンのラインナップは『本家ポケモン作品の図鑑完成の補助』ともいえるものになっているのだ。

本作に入手できるポケモンたちは一見すると無作為に選ばれているように見えてその実『一方のバージョンにしか出現しないポケモン(クチート・ヤミラミ等)』『エメラルドでのみ出現しないポケモン(ロゼリア・アメタマ等)』のようにバージョン限定ポケモンを幅広くフォロー。さらにカントー三鳥やカビゴンにエビワラー&サワムラーなど1ソフトごとに入手できるチャンスが限られているポケモン、ケンタロスやラッキーのようにGBA側で入手するなら相当な苦労を要するポケモンも本作があれば確実に入手できる。
とりわけ直近にリリースされた『エメラルド』は恩恵が大きく、本作にて『ルビーorサファイアにだけ出現するホウエン図鑑のポケモン』『ファイアレッドにだけ出現するカントー図鑑のポケモン』『(ヤドン系統を除く)リーフグリーンにだけ出現するカントー図鑑のポケモン』をフォローできるので、本作とエメラルドがあればホウエン図鑑の、本作とエメラルドとリーフグリーンがあれば全国図鑑のコンプが理論上可能である。…ヤドン系統が本作に出てこないせいで図鑑完成におけるファイアレッドの優位性が完全に損なわれているのは流石に設定ミスだと思うの。

シナリオ最終盤ではいよいよ本作のタイトルにもなっている闇の旋風もといXD001こと『ダークルギア』をスナッチ可能。当然リライブすれば通常のルギアとしてGBA作品に送り出すことだってできる。第3世代のルギア(とホウオウ)は幻のポケモンと同等の扱いでありポケモンFRLG・エメラルド向けの配布アイテム(しんぴのチケット)がなければ入手不可だったので、GBA実機環境においてルギアを恒常入手する方法はこの『ポケモンXD』をおいて他にはない。まぁこういった経緯から基本的に第3世代の全国図鑑の完成条件からは除外されてたりするんだが。
(ポケモンRSのみ条件に含まれるのでコロシアム・XDの2作が図鑑完成に必須)
ダークルギアは専用ダーク技に専用デザインの3Dモデル持ちとかいう数あるダークポケモンの中でもひときわ特別な扱いなのだが、例によってダークポケモンなのでリライブすると普通のルギアに戻ってしまう。それゆえダークルギアをそのままGBA作品へ送ったりはできない。もっともリライブを行うとデオキシスの専用技である『サイコブースト』を習得してくれるのでナショナルリボンと合わせて『かつてはダークルギアだった個体』の証明は現代でも可能。
(サイコブーストはポケモンHOMEに預けるまでならともかく、引き出すと忘れてしまうので要注意)

さてさて、今回の記事も長くなってきたのでそろそろ纏めに入るとしよう。今も昔も大人気コンテンツな『ポケットモンスター』縮めて『ポケモン』。その源流にあるのはゲームということもあり30年もの歴史のなかでは実に多彩なゲーム作品が世に送り出されてきた。
それでも据置機という環境において本家に連なる大作RPGが楽しめるポケモン作品は本作『ポケモンXD 闇の旋風ダーク・ルギア』および前作『ポケモンコロシアム』以外には全く存在しない。この系列の作品としては後にWiiにて『ポケモンバトルレボリューション』がリリースされてはいるが、そちらは再び『ポケモンスタジアム』の路線に回帰し対戦ツールに特化したものとなったからだ。あくまで公式としてもいつものポケモンらしいRPGは携帯機の本家シリーズでのみ楽しんでほしい…といった考えなのだろう。
(そもそも昨今は携帯機-据置機の境界が曖昧になっているが)

だが我はポケモンシリーズで最も好きな作品が『ポケモンコロシアム』『ポケモンXD』の2作であるオーレ地方の民である。それゆえできることなら再びこの路線をやってほしい…が高望みであることも当然自覚している。しかしながらこんな名作が埋もれたまま消えていくことだけはどうしても避けたいとは思っている。
今月にはSwitch2の『Nintendo Classics』にて本作『ポケモンXD』の配信開始が予定されているので、この記事を読んだ諸君らのなかでまだ本作をプレイしたことのない人にはぜひぜひ遊んでみていただきたいところ。昨今のポケモンと比較すると確かにまだ粗が多い部分こそ見受けられるが、その根っこにある輝きは本作や前作でしか味わえないオンリーワンなものとなっているぞ!!
…しっかしなんで『ポケモンコロシアム』のが後回しになってるんじゃろな…?考えられるのは『カードe+』とか『拡張ディスク(セレビィディスク)』の再現に難儀してるとかだけど、ぶっちゃけ他作品との連動ができないNintendo Classicsだと大して意味ないのよね…(ボヤキ)
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