いろいろとゲームを語ろう

物好きなゲーマーがただただ最近遊んだゲームの感想とか内容とか書いていくブログ。レトロゲームの割合が高いかもしれない。更新は気が向いた時にだけ。

オールインアビス イカサマサバキ

遠いようで意外と身近に存在する娯楽、それがギャンブル。ここ日本においても競馬やパチンコ、宝くじなどなど一部は合法の公営賭博として我々の文化に深く根差している。そして今も昔もギャンブルに脳を焼かれたものは後を立たず、結果として自身を破滅させるほどのめり込んでしまう人も少なくない

なぜ人々は身を崩す可能性を知りつつギャンブルに興じるのか。それはギャンブルが内包するスリルが他に代え難いものだからなのだと我は考える。勝利すればそのリターンはわかりやすく自らのものとなり、逆に敗北すれば大切な何かしらが失われる⋯そんなリアル(現実)であるがゆえのヒリつく感覚、それこそがギャンブル特有の人の心を掴んで離さぬ魔力なのだろう。

初っ端から妙に小難しいハナシをしてしまったが生憎本ブログはゲームを語ることだけが役割のゲームブログ。こういうハナシは他の専門サイトやらなにやらに任せとくことにする。…え、我?我は賭け事はせぬよ。自身のヒキの悪さを誰よりも理解しておるのでな。金銭の絡まぬギャンブル『ゲーム』ならいざ知らず、リアルなギャンブルなぞ我が手を出したら一瞬で素寒貧にされる未来しか視えぬのである。まぁそんなこんなで今宵もゲーム語りを始めさせていただこう。今回の記事の主役は『オールインアビス イカサマサバキ』である!

このタイミングでのゲーム語りということからお察しの方もいるやもしれないが、ええそうです年末年始の積みゲー消化の際に当たりを見つけた感じですね。昨年頭の『ぷちクラ』回と同じパターンである。やはり残り物には福があるというのか⋯。このパターンは例によって例の如くその場の勢いでゲーム語りに入っているのでいつもよりサクッと読める文量になっている…ハズ。

本作は2025年にリリースされたSwitch/PS5/PC向けの作品。開発を手掛けるのはアクワイア。我がブログでアクワイア作品を語るのは『Hookah Haze (フーカーヘイズ)』以来となる。ここのタイトルは決して万人受けするとは言い難いが時折ヘンな刺さり方をするから侮れんのよね⋯。そして販売元はアライアンス・アーツ。ゲーム業界の中では比較的若いパブリッシャーではあるが、ここが発表している作品は実に我好みのモノが多いため個人的にはかなり注目しているメーカーである。少なくとも本記事執筆時点ではパッケージ版は存在せずダウンロード専売タイトルだが、まぁ『フーカーヘイズ』は発売から2年も経った今年になってパケ版を出すらしいので将来的にはどうなるかは不明。

そういうわけで本作はギャンブル⋯というか『ポーカー』をテーマにした作品である。おっと、ポーカーが不馴れな人でも物怖じするべからず。必要最低限のルールはゲーム内で説明してくれるし、何度かやっていくうちになんとなく立ち回りも覚えていけるハズ。ちなみに本作をプレイするまで我のポーカーの基本戦略は『とりあえずBetとRaiseで賭け金を上げまくり相手がFoldするのを待つ。相手が乗ってきたらそんときはそんとき』とかいうポーカーの神がダッシュでグーパン決めてきそうなモノであった。

逆に言えばその程度のポーカー知識でも問題なく楽しめるゲームということなので安心して手を出すといいだろう。いつぞやの『麻雀ファイトガール』の時もそうだが我のギャンブルゲームのプレイスタイルが歪んでいるのは大体『龍が如く』シリーズのせい⋯でも折角やるならデカい数字動かしたくならない?たぶんこの世で最もギャンブルやらせちゃいけない人間の思考をしている自覚はある。

雑談をちょっと挟んだところでここからいよいよ本作『オールインアビス イカサマサバキ』について本格的に語っていこう。ギャンブルによって全てが支配されたギャンブル特区"街"、この場所に流れ着いた本作の主人公にしてギャンブル狂の『瀬名原アスハ』は自らが最強のギャンブラーであることを証明せんとするがため、"街"を牛耳るWCWおよびその幹部にして常勝無敗の『五芒星の魔女』の打倒を目指す⋯というのが主なあらすじ。

最初にポーカーをテーマにしたゲームと紹介したが、より正確にはアドベンチャー×ポーカー×RPG。ADV的にシナリオを読み進めつつ、ときおり『ポーカーバトル』に挑むことになる。割合としてはアドベンチャー7割ポーカー2割RPG1割といったところか。一応先んじて伝えておくが、本作においてはあくまでアドベンチャーが主でポーカーはソレの中核を成すいち要素に過ぎない。それゆえ『ギャンブルがテーマのアドベンチャー』をやりたい人にはオススメだが『ガチなポーカーゲーム』を求めて手を出すのは推奨しない。

ADVパートではマップ画面からあちこち場所を選択し情報を集めていく。ある程度情報が揃ったらなんらかのイベントが発生してシナリオも進行⋯とこのあたりの作りはよくあるタイプのソレである。行けるエリア自体はそう多くもないので総当たりでの攻略も容易。なおマップ内にはシナリオと関係なくポーカーバトルに挑める『カジノ』何かの役に立つかもしれないアイテムを買える『ショップ』次のポーカーバトルに向けて一時的に能力(運気)を強化できる『歓楽街』なんかも用意されているほか、やりこみ要素の『ポーカーロワイヤル』に挑んだりできる。

『ポーカーロワイヤル』チップ・運気を引き継いだポーカーバトルの連戦。ここでは無駄なFoldやスキル発動がそのまま命取りとなるほか、後半になるにつれて相手の方が初期チップの多いハンデマッチとなるので一切の油断も許されない。なお我はアプデ後に手を出したので最終的に15連勝するだけで済んだアプデ前は99連勝を要求されてたらしいですぜポーカーのゲーム性ゆえ運負けだって普通にあり得るのに開発スタッフは正気か?

続いては本作のメイン要素たるポーカーバトルについて。ポーカーは様々なローカルルールが存在することでも知られているが、本作で採用されているのは『テキサス・ホールデムの形式。ハンド(手札)の2枚とコミュニティ(場札)の5枚を組み合わせより強い役を作ったほうが勝利、公開済みの場札と自身の手札を基に勝負に出るか否かに頭を悩ませるアレである。まぁテキサスホールデムの基礎中の基礎については各々でググっていただきたい。

ポーカーバトルは常に1VS1の勝負となるほか、3つほど独自のルールが設けられている。まず1つ目は『どちらか一方のチップが底を着くまで終わらない』点。勝負が始まった時点で途中終了はできず、勝ち逃げするには相手を素寒貧にするしかない。また『ゲームに勝っても相手の賭けたチップは懐に入らない(自分の賭けチップは戻ってくる)のも特徴。

まぁコレは先ほどの『どちらか一方のチップが底を着くまで終わらない』こととの兼ね合いでもあるのだろう。古の脱衣麻雀とかお互いに交互にアガりあっていつまでも終わらないなんてザラだったしね⋯。つまるところ本作におけるチップとは事実上ライフと同義だと覚えておくといい。

そして最後に独自ルールをもう一つ。本作のポーカーでは『Foldした場合にはペナルティでレートに応じたチップを失い、かつ次の勝負でも上がったレートがそのまま引き継がれる』のだ。勝てない勝負からは降りることも大切だがあまりにもソレを繰り返しているとやがてジリ貧になり、気付けば上がったレートで大ピンチ⋯なんてことにもなりかねない。

ポーカーバトルで勝利を掴むには一般的なテキサスホールデムの立ち回りのほかに『スキル』を使いこなすのがカギ。スキルはポーカーバトル中に効果を発揮し、『相手を強制的にFoldさせる(威圧)』『次に公開される場札が自身の手札にあるものと同じ数字となる(数運)』など強力なものが揃っている。

スキルには任意発動のものパッシブのものが存在し、前者は好きなタイミングに狙って発動できる代わりに『運気』の消費が必要、後者は運気こそ不要だが発動するかはランダムなので安定しない。なお運気は1ゲームごとに少しずつ回復するのでレートが上がる前にFoldを多用して運気を確保するのもひとつの手。

任意発動のスキルは1手のうちに複数同時に使用することも可能なので、シナジーを考えた立ち回りを考えると一気に勝率が上がる。早い段階で強力な役が揃った/相手にロクな役がないと推測される状況において『1ゲーム中、相手はFoldできなくなる(挑発)』『ショウダウンで勝利した際に与えるダメージを大幅に上昇する(渾身)』逃げ場を塞ぎつつオールインして一気に仕留める…なんかがわかりやすい例だろう。…てかシンプルな対決だとぶっちゃけコレが最適解っぽい。ラスボスすらコレ通るとワンパン勝利できるし…(一応ネタバレ反転)

スキルはマップ画面から『SP』を消費することで習得が可能。SPはポーカーバトルを繰り返すごとにどんどん貯まっていくので、ポーカーバトルに勝てなくなったらまずスキルの習得を考えるべし。一度でも習得したスキルは最大コストの範囲内で自由に付け替えができるほか、更に追加でSPを消費して『極』と名の付くものへ強化することだってできる。色々なスキルを付け替えて自分なりの最高の立ち回りを見出すといいだろう。

主人公アスハはデフォルトで『洞察力』というパッシブスキルを所有している。コレの効果は『相手の手札のヒントが得られる』というものであり、ラウンドが進むたびに高確率で『相手はハンドでペアが揃っている』『自身の手札よりも大きい/小さい数字のカードを持っている』『場に最も多いスート(マーク)のカードを持っている』などの情報がプレイヤーに与えられるため、これらの情報をもとにプレイヤーは勝負に出るか否かを決めることができる。ポーカーにおける心理戦の要素を対COM戦オンリーのゲームにこういった形で落とし込むとはなかなかに興味深い。

なお『洞察力』で得られる情報量はピンキリだが、なんやかんやでアスハは凄腕ギャンブラーゆえ基本的に誤りは一切存在しないのでそこはご安心。…もっともソレが不公平に感じるというのならこのスキルを外したっていい。その場合はCOM相手に読みあいもクソもあったもんじゃないのでシンプルにただの運ゲーと化すわけだが。

とにもかくにも本作のポーカーバトルは『スキル』さえ使いこなせるようになればまず勝てることだろう。だがしかしシナリオの要所で対決することになる『魔女』が相手となるとハナシは別。魔女の背後には『負けることなどあり得ない』という自信が『魔法陣』の形で現れており、魔法陣がある状態ではパッシブ・任意どちらのスキルも完全に無効化されてしまう。そのうえで魔女たちはなんらかのイカサマに手を出しており、真っ向勝負での勝ち目は全くない

というわけで魔女との勝負では綿密な事前調査と準備が必要不可欠。シナリオの過程で得られる情報を基にイカサマの手法を推測し、対策となりそうなアイテムを確保するべし。イカサマ対策の行動はポーカーバトル中のTHINKコマンドから実行できる。見事イカサマを暴くことができれば今度という今度は正々堂々(?)真っ向からの対決となる。

実力勝負となれば勝ち筋はいくらでもあるし、なんならイカサマを見破られた魔女は動揺しているのか魔法陣が消えこちらもスキルが使用できるようにもなるため、ここが一番のチャンス、一気に攻め入り勝利を掴むのだ!⋯まぁポーカー自体が運ゲーゆえ立ち回りとか運次第で普通に負けるケースも無きにしもあらず。

ところで魔女のなかには『イカサマが見破られてもなおイカサマを継続する』ヤツもおり、イカサマされている前提での立ち回りが求められる場面もあったりする⋯がイカサマしてるが故に手の内容を読みやすく逆に倒しやすかったりすることもあるのが面白いポイント。

魔女との最後の勝負は命懸けの『アビスルール』での対決となるが、これはシンプルに『負けたら死ぬ』ことの設定的な理由付けによるものなのでプレイヤーのすべきことは変わらない。同様にアビスルールの一環である一発逆転の『オールインアビス』も事実上のイベント戦のような扱いである。

本作の魅力はすらすらと読めるシナリオ面にある。ボリュームこそコンパクトながら展開が早くトントン拍子で物語は進む。本作のシナリオは章仕立てになっているのだが、各章はそれぞれボス枠となる魔女をフォーカスしたものとなっており、『導入』『因縁を深めつつ魔女と対決』『イカサマにより惨敗』『調査や人々との協力によりイカサマの内容を特定&対策を考える』『アビスルールで再戦、見事リベンジを果たす』という流れがお約束。それゆえ先の展開がわかりやすいものの、だからこそなのか不思議な安心感のようなものが終始あるのが特徴。

『敗北からの努力によるリベンジ』『強大な敵と勝負を通して互いを認めあう』『死力を尽くして勝利を掴むと、今度は更なる強敵が現れる』といった本作のシナリオで多用される展開はいずれも完全に少年漫画の王道的なフォーマットに則ったものなのでコレが本作自体の読みやすさにも繋がっているのだろう。…もっとも中盤クライマックスの『主人公と最も因縁のある相手』との決着がシナリオの盛り上がりのピークでその後は長らく停滞ムードが続き、唐突にやたら大スケールなラスボスが登場してすぐ完結ってあたりも悪い意味で少年漫画らしくはあったが(ネタバレゆえ反転)

本作の物語を動かしていくキャラたちの魅力にも触れていきたい。本作のシナリオで最も印象に残るキャラといえばやはり主人公たる瀬名原アスハだろう。彼女は色々な意味で絵に描いたようなギャンブラーというかギャンブル狂、大金を手にすればすぐさまギャンブルに突撃し、持ち金がなくなれば他人から無心するし、自身で金を稼げと言われると選択肢によっては『働きたくない』などと宣う…まぁ世間一般の物差しで測るのであればシンプルにカスとしか言いようがない。

ならば魅力がないのかといわれるとソレは違う。彼女はギャンブルという概念やソレに挑む者に対しては常に真摯であり、ギャンブルを行うためならいかなる苦行も厭わない。また困っている人や社会的弱者には迷わず手を差し伸べるなど一貫して『カスではあるがクズではない、ひたむきに純粋なギャンブルの求道者』として描かれており、ある意味『まっすぐ』な主人公といえる。状況によって主人公にもトラブルメーカーにもコメディリリーフにもなれる絶妙なキャラ付けである。

またアスハと同じくらい目立つのが野坂ミーナ。アスハといつも行動を共にする本作の相棒枠であり、基本的に突拍子のないアスハの行動に毎度振り回される苦労人ポジなのだが、時折鋭いツッコミを入れてきたり逆にアスハを振り回したりなど彼女もまた"街"の住人であることを再確認させる強かさを見せることがありこれまた魅力的。本作のシナリオではアスハ&ミーナの凸凹コンビ(?)の活躍にも注目してみてほしい。

各章でフォーカスされる魔女たちはそれぞれの章限りの出番ながら、その章のうちにこれでもかと見せ場が用意されている。実際に敵として相対するポーカーバトル中はもちろんのこと、日常の探索パートでもたびたび顔を見せたり関連する人物との交流を通したりして人物像やその過去が少しずつ明かされるため、アビスルールでのリベンジ時には大いに盛り上がること間違いなし。

ところでアビスルールにおける敗者は『サバキ』によって処刑されるのがルール。それゆえ各章のクライマックスである魔女戦に敗北した場合『サバキ録』といった形でサバキで処刑されるイベントが解禁され、タイトル画面からいつでも閲覧できるようになる。コレはボスである魔女のほかプレイヤー側であるアスハのものも各章ごとに個別に用意されている

サバキの内容はピンキリでコメディチックなものからかなりエッグいものまで様々。なお『サバキ録』は見ずに進めることもできるため、シナリオ的にノイズに感じるならスルーしてもかまわない。…まぁ魔女側のサバキは人物描写やその過去のフォローもしてたりするのでできれば見ておくことを推奨するが。

なにはともあれ魅力的なキャラたちが織りなす『ダークでちょっとアツい少年漫画』とでもいうべき本作の物語は一度スタートしてしまったが最後、一気にラストまで読み進めたくなること間違いなし。極論運ゲーゆえシナリオを作りづらいギャンブルを『ギャンブラーとしての在り方/生き方』にフォーカスを充てたことで一本しっかり筋の通った物語に昇華させているのは見事。

もちろんゲーム部分といえるポーカーバトルも『洞察力』のスキルを活かすことで『勝負に出るか、降りるべきか…』という心理戦をそれなりに楽しめるし、スキルを使いこなして大逆転、逆に運悪くギャンブルの神に見放されて大敗…どちらのパターンでもショウダウンの瞬間のドキドキはまさにポーカー特有のもの。万人に絶対にオススメできる…とまでは言わないが、一風変わったアドベンチャーを楽しみたい人は手を出してみるといいだろう。

 

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