いろいろとゲームを語ろう

物好きなゲーマーがただただ最近遊んだゲームの感想とか内容とか書いていくブログ。レトロゲームの割合が高いかもしれない。更新は気が向いた時にだけ。

『Pollyanna(ポリアンナ)』について語る

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かつて、かの著名コピーライター糸井重里が世に送り出した名作保証シリーズ、『MOTHER』、僅か3作(リメイク含めると4作)という少ない作品数でありながらその独自性は世界中を魅了し、今なお愛してやまないファンは数多く存在する

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さて、話は変わるが『MOTHER』シリーズが誕生してから31年目の今年4月、なんとMOTHERシリーズに新たな動きがあった。その名も『ほぼ日MOTHERプロジェクト』、読んで字の如くほぼ日刊イトイ新聞が送るMOTHERシリーズに関するプロジェクト』である。

特にコレといった兆しもないまま唐突に発表されたため、(自分を含めた)世界中のMOTHERファンたちは驚愕することとなった。

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そして、その開幕を告げるようにリリースされたのが今回語る『Pollyanna(ポリアンナ)』である!
見てわかるように今作はゲーム作品ではなく書籍(基本的に)ゲーム専門のこのブログで語るにはいささかイレギュラーな気もしないでもないが、ここで語るのを放棄してはMOTHER好きの名が廃る!ということで思いっきり感想を書いていくのである。

さて、改めて説明すると『Pollyanna』は『MOTHERシリーズの公式トリビュートコミック』である。30名以上にも及ぶクリエイター(作家)陣各々のスタイル書き方MOTHERシリーズへの愛を赤裸々に描いている

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(MOTHERフォロワーのひとり、TobyFox氏の『UNDERTALE』)

自分は相変わらずゲーム業界以外のクリエイターには滅法疎く、『Pollyannna』に参加しているクリエイターはせいぜい吉田戦車』先生和田ラジヲ』先生『TobyFox』氏くらいしか知らなかったが、それだけでも十二分に豪華すぎるメンバーが揃っているといえよう。

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というかそもそも『Pollyanna』ってタイトルの時点で素晴らしい。だって『ポリアンナ』よ?シリーズ全編にわたって使われ続けるMOTHERシリーズの象徴ともいえる名曲よ?もうその名前を聞いた時点で脳内再生余裕、目を閉じればマザーズデイの画面がすぐに浮かんでくるのである!

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閑話休題、今作はまず糸井重里氏の『こんなちず』今川伸浩氏によるグラフィックからはじまる。

『こんなちず』の内容は…まぁ見たらわかる。実際にその目で確かめてみれば『ああ、確かにこんなちずだ…』となるはずである。ここでは深くは語らない、というかどうやって語ればいいのやら。

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MOTHER3のアートディレクターである今川伸浩氏のグラフィックでは、なんとMOTHER2ベースの背景に1~3までのキャラクターが集合している。
1と2は空間的に2と3は時間的に断絶しているため、本来ならばこういうものは絶対にありえないシチュエーションなのだが、そういったシチュエーションでも楽しめるというのも今作ならではである。

そして(GBAの1+2は除く)シリーズ3作の簡単な紹介をした後は、そこからメインとなるクリエイター陣の作品が続いていく。

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それぞれの作品の内容は様々、カラーに白黒イラストだったり漫画だったり1~2ページの短編から長いものでは16ページにも及ぶ大作もピックアップも自由であり、特定の1作をピックアップした作品もあれば、シリーズ全作を繋げた作品もある。
中にはエッセイ風にクリエイターが純粋にシリーズをプレイした思い出を語る作品もあるため、本当の意味で『それぞれのクリエイターがそれぞれの形でMOTHERへの愛を語っている』といえよう。
当然ながら絵柄もクリエイターによって大幅に異なっており、次の作品に進むたびに、また違った面白さを味わえるのが特徴である。

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作品と作品の合間ではオマケとして『ほぼ日に掲載されたMOTHER関連記事の抜粋』『過去に出たMOTHER関連グッズ紹介』なども収録。どれもファン必見の内容であり、読めば読むほどMOTHERシリーズへの理解が深まっていく。だいぶ昔の記事の物も多いので、改めて読み返してみるとやはり面白い。

とまぁ、大体がこんな感じの構成になっているのである。ここまで読んで今作は『公式トリビュートコミック』である一方で『MOTHERシリーズの公式ファンブック』のような側面を持っているのがわかるだろう。

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さて、ここからは収録されているクリエイター陣の作品のうち、お気に入りの作品の感想について語ろうと思う。ただし一部だけだケド。

いやどれも素晴らしい作品なのでいっそのこと全員分、全作品分語ってしまいたいところではあるが、さすがに記事を読むほうも気力を使うと思うので、ここでは個人的に特にお気に入りだった3作についてだけ語るのである。

まずは『成田芋虫』先生による『Sing a melody of love』である。(上記ツイートの3つ目の作品)

こちらはシリーズ1作目のFC用ソフト*『MOTHER』の最終盤『クイーンマリーにじかんがもどる』のシーンを4ページにわたってフルカラーの漫画で描いた作品である。

わかる人にはわかると思うがこの『Sing a melody of love』というタイトルは『MOTHER』の最重要曲である『EIGHT MELODIES』の7番目のフレーズである。(FC版では)順当に進めていった場合はこのフレーズを習得した段階でこの漫画で描かれるイベントに突入する。

*FC版とGBA
原作だとFC版とGBA版(というか未発売のNES版)でここに行きつくまでの流れが地味に異なっている。
この漫画でベースになったシーンそのものが変わるワケではないのだが、作中で描写されている内容からして、こちらはFC版がベースになってるっぽい。

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原作だと最低限のテキストと演出だけで進行していたこのイベントだが、こちらの作品ではそこに更にテキストを多数追加したうえで、原作を遊んだ人なら『おお!!』となる描写までもが行われているのが特徴。

元々喋らない主人公は勿論、クイーンマリーのテキスト部分もかなり追加が行われているのだが、原作で最も印象に残る部分はそのまま残しつつ、違和感や矛盾もなく、かつ納得のいくセリフに仕上がっているのはまさにあっぱれである。

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原作におけるクイーンマリーのセリフは一字一句違わず全て覚えているが、この漫画を読んだときに『ここのテキストはオリジナルだよな…?あれでもコレ原作で言ってたような…?』となってしまうくらい完璧な内容だったのである。

さて、ぶっちゃけたことを言おう。自分が『Pollyanna』を買うきっかけになったのがこの作品である。ああいや、自分のことなので遅かれ早かれいつか絶対に『Pollyanna』を買うことにはなっていたと思うのだが、今作をわざわざ先行販売の予約でサイトに張り付いてまで買おうとするまでに至ったのはひとえにこの『Sing a melody~』を読みたかったからというのが大きいのである。

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さて、以前のこのブログの記事でも軽ーく語ったように自分はMOTHERシリーズだと1作目が飛びぬけて大好きなワケだが、もっと言うとシリーズ全体で一番好きなキャラはクイーンマリーだし、更にシリーズ全体で一番好きなシーンというのが『FC版のエイトメロディーズ完成のシーン』、次点が『クイーンマリー城に初めて訪れたシーン』なのである。

発売前に『ほぼ日MOTHERプロジェクト』の公式Twitterにて『Sing a melody~』の1コマが公開されたのだが、そのコマを見た瞬間からクイーンマリーがメインの作品であろうことは容易に想像がついてしまった…そりゃもうコレだけで買う以外の選択肢は消えるよね

続いては竹谷州史』先生『PORKY わかかりし日のポーキー』である。展開や内容は完全オリジナル『もしかしたらあったかもしれない』過去のポーキーを描く8ページのフルカラー漫画。(上記ツイートの2つ目の作品)

タイトルからして2作目、MOTHER2 ギーグの逆襲がベースの話なんて思ったら大間違いである。

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最序盤こそMOTHER2』のネタが多めではあるが、ある程度進むと『MOTHER』や『MOTHER3』のキャラがガンガン乱入し、やがてMOTHERシリーズ全体に渡る大量のネタが溢れることになる。

凄まじく無茶苦茶な展開ではあるもののとにかく勢いがあり疑問や違和感を感じるよりも早く次のネタがやってきて笑わせられてしまう。シリーズ全てからキャラやアイテムを持ってきているため、『1ページにどんだけ小ネタ詰め込む気だよ!?情報過多だろ!(歓喜)となること請け合い。

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更にネタの出典もアイテムやキャラなどは当然として、原作の細かなテキストや固有名詞、デザインからも引っ張ってきていて、ディープなモノになると直接ゲーム内容とは関わらない公式対談の小ネタまでもが仕込まれているのが特徴。
(まぁ有名な小話ではあるが)

ギャグ要素ばかりに目が行ってしまい忘れがちではあるものの、今作のポーキーのキャラは『憎まれ口をたたきながらいざというときはネスのことを心配したり羨ましがったりする』という原作に限りなく近い性格であり凄くしっくりくる

ラストの2ページは小ネタで笑ってしまう一方で、内容自体はある意味MOTHER2』『MOTHER3』本編の根幹(原因)ともいえる内容であるため、笑っていいのか悪いのかわからなくなってしまうのも今作の魅力な気がする。

そして最後は『成家信一郎』先生『PSI』である。(上記ツイートの4つ目の作品)

MOTHER2における(おそらく)リリパットステップの直前仲間に加わって間もないポーラがネスに対して『自分が攻撃PSIしか使えない』という悩みを吐露する内容となっている。白黒12ページというかなりの大作

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MOTHERシリーズの仲間達を見ると、PSIを使えない仲間の方が少数派と思えてしまうのだが、よくよく考えてみるとあの世界ではむしろPSIを使える方が珍しい

ただ、それを感じさせる要素はせいぜいポーラスター幼稚園でのポーラ父との会話くらいしかない。また、原作のこの話題はここだけで終わってしまうが、今作ではその話題を掘り下げている。

これはもう『そうかぁ、そういう切り口で来たかぁ…』と感服したのである。

MOTHER2』のプレイヤーはみんな知っていると思うが、ポーラは『ライフアップ』をはじめとする回復PSIを一切覚えることができない。一応『サイマグネット』だけは習得できるが、コレは『相手のPPを奪い取る』という攻撃行動を伴うモノである。
そもそもMOTHERシリーズ全体を通して主人公は『補助特化型』*おんなのこは『攻撃特化型』*という暗黙の了解のようなものがあるのだが、こちらの作品ではその(ある種メタ的な)ルールをキャラ自身の悩みとして描き、更にそれを納得いく形で着地させている。

*主人公のPSI
1から3まで一貫して『ライフアップ(体力回復)・ヒーリング(状態回復)・シールド(防御)系統を全て習得する』という特徴がある。
ネスとリュカはカッコイイモノの名前を冠した専用PSIを覚えられるが、1の主人公にはそれすらない。
なお、ネスとリュカのみ一応攻撃カテゴリとしてPKフラッシュを習得するが、コレは便宜上攻撃カテゴリにあるだけで実際には状態異常付与、直接攻撃はできない。

*おんなのこのPSI
1から3まで一貫して『直接攻撃可能なPSIをほぼ全種類習得する』という特徴がある。
攻撃PSI以外は『能力変化PSIを一切習得しない(アナ)』『回復PSIを一切習得しない(ポーラ)』『防御PSIを一切習得しない(クマトラ)』と作品によって様々である。
今回の作品ではポーラの習得PSIをメインに据えている。

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原作設定を溢れない範疇でアレンジを加えつつ、テキストは原作通り全てひらがな、更にその先の物語に繋がるセリフで締めるなど随所でMOTHER愛が見て取れる素晴らしい作品だったと感じるのである。

セリフのない1コマ1コマでも『それが原作の何を表しているのか』がすぐにわかるつくりになっているのも嬉しいところ。あと先生自身の特徴なのか、わざわざ寄せているのかはわからないが原作(MOTHER2)のアートワークに最も近い絵柄なのも個人的には凄くよかったのである。

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まだまだ語っておきたい作品は何作もあるが、今の時点ではこの3作までの感想に留めておくのである。

さて、『Pollyanna』の内容についてはコレで伝えられたと思うのである。今作は今月(6月)の12日に予約制の先行販売が行われていたが、正式販売はもう少し先で今週の木曜6月25日発売である!

まだ今作を買っていないMOTHERファンは6月25日に書店に急げ!なのである!!

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そして、『Pollyanna』だけではこの『ほぼ日MOTHERプロジェクト』は終わらないMOTHERシリーズの全てのテキストを収録した『MOTHERのことば』今年の12月に発売予定となっている!
こちらの発売も待ち遠しいのであーるー!!

(あわよくばこの流れでゲーム音源サントラも出してほしい…)

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過去のMOTHER記事

monozukigame.hatenadiary.com

(正直今見返すと凄まじく雑な記事なのであとで書き直したい…)

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