いろいろとゲームを語ろう

物好きなゲーマーがただただ最近遊んだゲームの感想とか内容とか書いていくブログ。レトロゲームの割合が高いかもしれない。更新は気が向いた時にだけ。

スーパーマリオサンシャイン

さぁさぁ今年もがやってきた!夏といえばやっぱりバカンス、長期休暇やらなにやらを活かしてどこかへ旅行でもして英気を養いたい時期である。まぁ超インドア派の我は相変わらず引きこもってゲーム三昧なんだけどね。Switch2が出た影響で例年以上にやらなきゃならんゲームが多いのじゃ。なにはともあれ、今宵の記事では夏にこそプレイしたくなるこの作品を語っていこう。今回の主役はスーパーマリオサンシャインであーるー!

…え、本作は過去に一度語ったことがあっただろうって?確かに今から5年ほど前にSwitchの『スーパーマリオ3Dコレクション』を語った際に本作について触れたことがあった。とはいえあの記事はあくまでリマスター版の紹介が主体の内容であり、『サンシャイン』を語る記事としては少々物足りない面もあったため、今回こうしてオリジナル版(GC版)基準で改めてガッツリ語っていきたいと考えた次第である。なお今回の記事でもラストらへんでリマスター版にある程度触れる予定なのだが、そのあたりをよりガッツリ知りたい人は過去記事の方をどうぞ

早速本題に入るとしよう。本作スーパーマリオサンシャインゲームキューブでリリースされたマリオシリーズのひとつ。本家3Dマリオとして考えるとニンテンドウ64スーパーマリオ64』に続く2作目となる。発売日は2002年7月19日で本作にぴったりな夏真っ盛りな時期。ちなみにGC初の本家マリオシリーズではあるためたまに勘違いされがちだが、本作はGCのローンチタイトルではない。GCのローンチを飾ったのはマリオではなく弟(ルイージマンション)の方である。

南国の島『ドルピック島』へピーチ姫やその従者たちとバカンスにやってきたマリオ。しかし到着した島ではあちこちで何者かによるラクガキ被害が発生していた。ラクガキの影響で島の景観は失われただけでなく、守り神『シャイン』も逃げ出したことで太陽の光まで弱まっており、更にあろうことか真犯人の人相と瓜二つであったことから、島に到着して早々マリオは逮捕、ピーチ姫たちの異議も聞き入れられることなく裁判で有罪判決を下されてしまう。『ラクガキを綺麗にするまで島を出てはならない』という罰を課せられてしまったマリオは新たな相棒『ポンプ』と共に、島を綺麗にするため、そして自身の潔白を証明するために新たな冒険に出る…というのが本作冒頭の大まかなあらすじ。

本作における最大の特徴こそが『水』を活用した新アクション『ポンプアクション』!ゲームの冒頭でマリオは『ポンプ』と呼ばれる機械を手に入れ、(ほぼ)全編に渡っていつでもポンプを用いた様々なアクションが使用できるようになる。ちなみにポンプは意思を持っており普通に喋るため、ゲーム中の局面に応じて随時マリオに喋りかけるヒント役/ガイド役も兼ねている。更に余談だが海外版(および作中ボイス)だとポンプはFlash Liquidizer Ultra Dousing Device(瞬間液化剤散水装置)』…略して『F.L.U.D.D.(フラッド)』という妙に凝ったネーミングになってたり。

ポンプには『ノズル』という概念があり正面に放水を行う『ノーマルノズル』、真下方向に放水して少しの間だけ滞空できる『ホバーノズル』、真上に大きく飛び上がる『ロケットノズル』、そして地上・水上を凄まじいスピードで駆け抜ける『ターボノズル』の4種類が存在。言わずもがな汚れを消すのに便利なのはノーマルだが、ホバーの滞空効果は3Dマリオ特有の落下ミスの防止に便利、ロケットやターボはソレを使わないと入れないエリア/壊せないギミックがあるなど使い分けが重要である。

またいかなるノズルでも使用には水が必要なのでタンク内の水の残量には要注意。水の補給ポイント自体はそこかしこにあるものの、かといって油断して補給をサボり続けていると『いざって時にポンプが使えず絶体絶命』…なんて事態にもなりかねない。とりわけ後述するポンプ関係の特殊アクションは強力な反面、水の消費量もエグイのでそれらを活用するならなおさらである。

ノズルの切り替えはXボタンでいつでも可能だが一度に持ち運べるノズルは2つまで、かつノーマルノズルは常に固定。装備していないノズルはステージ内にある青(ホバー)赤(ロケット)灰(ターボ)の箱から入手することで既存ノズルを上書きする形で入手できる。(ごく一部の例外を除き)ステージ開始時はノーマル+ホバーで固定なのでロケット・ターボは毎回ステージ内で箱を探さなくてはならないほか、『特定のSTORY(後述)で装備しないと他STORYで装備できない』ケースも多い。またステージによってはそもそも箱自体が存在せず装備できないこともある。

ところでゲームキューブのコントローラには独自ギミックとして『感圧式アナログトリガー』といったものが搭載されている。感圧式アナログトリガーについて一応説明しておくと、GCコントローラのLトリガー/Rトリガーは途中までアナログ入力で最後までカチッと押し込むとデジタル入力に切り替わる…という特殊な構造になっており、これにより『どれだけトリガーを押し込んでいるか』『最後までトリガーを押し込んだか』を細かく感知することができる。

そして本作『スーパーマリオサンシャイン』のポンプアクションはこの『感圧式アナログトリガー』ありきのシステムになっているのが見逃せない。ポンプ関連のアクションは全てRトリガーの入力で発動するのだが、その強弱をRトリガーのアナログ入力でコントロールすることができる。わかりやすいのがノーマルノズルで放水する水の勢いをトリガーの押し込み具合で調整可能、またアナログ入力を使用しているあいだは放水と同時に移動ができ、デジタル入力になったらその場でマリオの位置が固定され放水方向を操作できるモードにシームレスに切り替わる。ほかにもロケット・ターボノズル使用時のチャージ上昇速度を調整して発動タイミングをずらしたりなんかもOK。

テキストで語っているとどうも複雑に感じられるかもしれないが、その一方で本作のポンプアクションはRトリガーに全てが集約されているため、いざ触ってみると非常に直感的かつわかりやすい操作体系になっている。慣れるまでは少々大変かもしれないが、操作を理解してからはきっと本作ならではのポンプ操作の虜になることだろう。

ポンプ関係のハナシばかりをしてしまったのでここらでマリオ自身のアクションにも触れていこう。マリオ64の続編ということもあってマリオのアクションは前作からほぼ据え置き…というわけにはいかなかった。まず近接攻撃のパンチやキックは全てオミット、しゃがみ操作もできなくなったことで前作で人気を博した幅跳びも消滅した。一方で三段跳び・壁キック・反転ジャンプなどのジャンプ周りのアクションは軒並み続投。バク宙も『ノーマルノズルの位置固定放水中にジャンプ』といった方法で発動できる。更にスティック一回転+ジャンプで新アクション『スピンジャンプ』が可能。コントロールこそ難しいが通常のジャンプよりも高く・長く飛び上がることができるうえ、三段跳びと違いその場で発動できるのが便利な点。

幅跳びが消えたことで地上移動のスピードが下がった…ように見えるが、一方で前作だとジャンプ中にしか使えなかったヘッドスライディング(ボディアタック)が地上ダッシュ中にも使えるようになり、更にヘッスラ→ヘッスラといった連続使用も可能になったおかげで相変わらず地上移動はなかなか快適である。前作からの改善点でいえばマリオ64の壁キックはジャンプ中に壁に触れた"瞬間"しか入力を受け付けなかったところ、本作からは『壁に触れるとずり落ち状態になり、その状態でボタンを押せば壁キックが発動する』という近年のマリオお馴染みのシステムになったおかげで扱いやすくなった。

マリオの基本アクションとポンプの放水アクションは各々独立しており、ごく一部のアクション中(ヘッスラ/壁キック等)を除きいつでもRトリガー入力でポンプアクションを発動可能。それどころかノーマルノズルの場合は組み合わせ次第で通常よりも強力なアクションになったりすることすらもある。一例を挙げると先に挙げたスピンジャンプの操作中に放水で全方位に向けたスプリンクラージャンプボタンと押し込み入力で前方に強力な放水をする『ショットガン』なんかがそれだ。名前が存在しないアクションだが正面に放水したあとにヘッドスライディングをすると通常よりも遥かに加速したりもできる

ホバー・ロケット・ターボノズルの場合はポンプアクションの方が優先され、マリオのアクションがその場でキャンセルされる。コレをうまく活用することで『スピンジャンプ/反転ジャンプで壁にぶつかりカベキック、その後にホバーノズルで滞空しつつ壁の方向に向き直る』などのようにテクニックの組み合わせ次第で一見すると登れなさそうな高台に登ることも可能。少なくとも公式が想定した範疇におけるアクションの立体挙動の幅は『マリオ64』をも大きく超える
(公式の想定外なBLJ…いわゆるケツワープなんかを加味すると流石に負けるが)

マリオ自身のアクションと言われると少し違うが、本作ではカメラ関係の自由度も向上Cスティック入力でいつでも自発的にカメラ方向を変更できるだけでなく、Yボタンを押すと即座に主観視点に切り替わりコントロールスティックであちこちを見回せる。またノーマルノズルならこの状態で放水もできるため、対象の狙い撃ちにも便利。カメラリセットはLボタンでいつでも可能なのでそこも安心。カメラ操作が上下リバースで固定なのは…まぁ慣れるしかないので諦めよう。
(後述のリマスター版だとノーマル/リバース切り替えが可能になった)

また前作ではオマケ程度の扱いだったスーパードラゴンヨッシーも登場。とある条件を満たすと一緒に冒険してくれるようになる。ピンク・紫・オレンジの3色が存在し、食べさせたフルーツによって色が変化する。本作のヨッシーはいつものように舌で相手を食べられるほか、Rトリガー入力で『ジュース』を吐いて攻撃が可能冷静に考えるとすげぇ汚い気がするが気にしてはいけない。ジュースは専用ギミックの『ゼリー』を除去できるだけでなく、敵キャラに命中させると一定時間足場に変えることができる。この時の足場の挙動はヨッシーの色によって変化、一部ステージではコレを利用したギミックも登場する。

ジュースはポンプ同様に残量が存在し、尽きてしまうとその場でヨッシーが消滅してしまうのは要注意。適宜フルーツを食べさせてお腹を満たしてあげるといいだろう。ついでに本作のヨッシーは水にも弱いため水中に落下しても消えてしまう。よって『マリオワールド』のようなパワーアップ形態というよりもギミック攻略要員みたいな立場だったりしないでもない。とはいえ『ふんばりジャンプ』のおかげで基本のジャンプ性能はマリオよりも高いうえ、困ったときはいつでもXボタンで乗り捨てられるのも何かと便利なのでいるに越したことはないだろう。やはりいつの時代でもヨッシーは乗り捨てられる運命なのか…。

アクション周りの紹介を終えたところで改めて本作のゲームシステムについて触れていこう。本作は縦横に広がる箱庭構造の3Dマップをマリオ特有の多彩なアクションを用いて自由に探索していく…すなわち前作『スーパーマリオ64』が切り拓いた『箱庭マリオ』と呼ばれる路線の作品である。

冒険の舞台は『ドルピック島』に広がる8つのエリア、ゲーム開始時は必ず拠点の町ドルピックタウンからスタート、そこから別エリアに遷移して随所に隠された『シャイン』を入手していくのがゲームの基本的な流れとなる。マリオ64のプレイヤーからすれば『ピーチ城』が『ドルピックタウン『パワースター』が『シャイン』と考えれば伝わりやすいか。総ステージ数こそ15→7とマリオ64から大きく減少したがその分ひとつひとつのマップはより広大になった。1つのステージに複数のテーマを内包したような構成も特徴で、例えば『シレナビーチ』は『海岸』『ホテル』『カジノ』といった3つの個別マップが用意されていたりもする。

『ドルピック島』は南国のリゾート地という設定なので本作でマリオが訪れることになるエリアも自然豊かな別荘地『ビアンコヒルズ』夕日のキレイなホテル前の海岸『シレナビーチ』賑やかな遊園地『ピンナパーク』などリゾート感溢れるロケーションが揃っている。これら全てが『ドルピック島』の一部という設定を活かし、高台などから各ステージごとのランドマークが遠景に見えるようになっているのもナイス。地図と照らし合わせて現在位置を想像しニヤニヤするのもよかろう。またゲームキューブの性能を活かし『水』の表現は総じて美麗なのでそこも要注目である。

ドルピックタウン以外の7つのエリアは突入時に『ストーリー』を選択する。ストーリーはエリアごとに8つずつ用意されており、各ストーリーのラストでシャインが獲得可能。一見するとマリオ64のスター選択と同じように感じられるが『(ほぼ)全てのパワースターが最初からステージに配置され、入手する順番はプレイヤーの自由』だったマリオ64のソレとは異なり、本作は原則『ストーリー1ではストーリー1のシャインしか取れず、ストーリー1のシャインを獲得したらストーリー2のシャインが解禁』といった繰り返しなのでシャインの取得順がほぼ固定*されてしまった。そのためエリア単位の攻略の自由度はマリオ64のものよりも狭められている

*本作のシャイン取得順について
基本的に本作のシャインは必ず1→2→3…の順に取得することになるが、
例外的に『ビアンコヒルズ』のストーリー1だけは無視できる。
とはいえ公式が想定した方法で無視できるのはここだけ。
一応『マンマビーチ』『ピンナパーク』もストーリーを無視できるが、
これらは公式の想定外であろうバグ的な挙動(壁抜け)を用いる必要がある。

一方で『ストーリー』と冠しているだけはあって各ストーリー開始時には専用のムービーが流れたり、ステージ全体の敵やギミック配置、NPCの会話テキストもストーリーごとに毎回変化するなどマリオ64の頃は希薄だったドラマ性はパワーアップ。例えば『マンマビーチ』の場合は『おおすなどりのタマゴ孵化を妨害するボスが現れる(ストーリー2)』『排除されたボスが暴れだす(ストーリー3)』『おおすなどりのタマゴが孵る(ストーリー4)』のようにシャインの取得順が固定化されているからこそできる続きもののシナリオ展開が行われるケースも。

また本作でもステージが箱庭構造であることは変わらないため、最終的に入手するシャインこそ固定でもそこに行きつくまでのルートはプレイヤーが自由に決められる。先に挙げた立体挙動の自由度の高さも相まって、同じストーリーであってもその攻略方法は人によって大きく変わることだろう。『モンテのむら』のストーリー3『ほのおのなか そんちょうはどこだ?』あたりはまさにその筆頭だといえる。

そのほかにも各ステージにはストーリーに関係なく入手可能な隠しシャインが3つずつ存在する。ひとつは毎度おなじみ『100枚コイン』によるものだが、残り2つの入手条件はステージによって様々。なかには巧妙に隠されているものもあるため、後述の青コイン集めも合わせ全ステージの完全制覇を目指した場合は相当なやりごたえを感じられることだろう。

ストーリーといった分類は存在しないものの、拠点のドルピックタウンにもたくさんのシャインが隠されている。最初から見えているものから特定の手順を踏むことで初めて出現するもの、専用のアスレチックコースを突破した報酬にミニゲームの景品までその入手方法は非常に多彩…曲がりなりにもシャインは守り神なんだが最後のヤツは何を思って神様を景品にしてるんだ…?

シャインの総数はマリオ64のパワースター同様に全120枚。完全コンプは攻略情報ナシでは至難の技だがぜひとも挑戦してみてほしいところ。ちなみにシャインを集めれば集めるほどドルピックタウンに光が戻り、目に見えて画面の明度が上がるのも本作ならではの特徴。完全コンプの状態はまぶしいくらいの明るさになるが、条件を満たすと明度を引き下げる『サングラス』を装備できるようになるのはなかなかによく考えられている。ゲームクリア後は更に『アロハシャツ』なんてのも貰えるので南国気分を全力で味わえる。

先に紹介した『ストーリー』のシステムからもわかるように本作は従来のマリオシリーズよりもややシナリオを重視した作風が特徴。メインシナリオは主に拠点『ドルピックタウン』で進行し、シャインの収集状況に合わせてドルピックタウンNPC達の会話内容や『ドルピックニュース』の情報が変化する。『ドルピックニュース』はシナリオを進めるためのヒントとしても機能しており、ニュースに言及されている場所へ向かうことで何かしらのイベント/事件が発生する場面も多い。

ところでそもそもの『マリオが冤罪で逮捕され有罪を食らう』というあらすじの時点でだいぶ異質なのだが、それ以外の部分についても他作品と一線を画す要素が目立つ。その最たる例が『イベントムービーがフルボイス』な点だろう。本作のシナリオの重要シーンではムービーが多用されるのだが、それらの場面ではピーチ姫やキノピオクッパといったキャラクターたちがちゃんとフルボイス(英語)で会話するのだ。近年の作品ですら普段は字幕に汎用ボイスを合わせる程度の扱いが主のマリオシリーズにおいてムービー中とはいえボイス付きで会話する例は極めて珍しい

キャラクター方面に目を向けると本作限定のデザインが非常に多いのも特徴。メインキャラたるマリオとピーチ姫すら衣装や髪型がノースリーブやポニーテールだったりと南国仕様。また作中で遭遇するザコ敵も南国ゆえかクリボーやノコノコといったおなじみのメンバーは軒並み不在、本作に登場するのはクリン・デンキノコノコなどの亜種ばかりである。ちなみに『異国設定で敵が亜種ばかり』なのは本作が初ではなく『スーパーマリオランド(サラサランド)』という前例がある

ザコ敵ではテレサやプクプク、パックンフラワーあたりが過去作から続投したキャラだが、それらも大幅にデザインや攻撃方法が変更されており、本作に出てくるそやつらを従来作の原種と同じ扱いができるかといえばかなり怪しいところ。というか本作のゲッソーに至っては陸上でしか生きられない(水に入ったら死ぬ)ので生態からして違う。これらのおかげで結果的に本作では『いつもと一味違う異国感』が全編通して漂っている

そして後のシリーズ作でメインキャラとなるクッパJr.『キノじい』本作が初登場。特筆すべきは『クッパJr.』で彼はその名の通り宿敵クッパの一人息子。説明書やパッケージでは存在が明かされておらず、中盤から本格的に登場するため本作時点では一種のシークレット&サプライズ要素のような扱いである。なおジュニアが出てきたことでそれまで実子だったマリオ3の『コクッパ7人衆』は揃って子分設定に格下げを食らいました。

またパーティーゲーやスポーツゲーの賑やかし要員でおなじみの『モンテ族』『マーレ族』も本作からの登場。彼らはドルピック島の現地人である。各ステージのストーリーで何かと交流することになるので、本作プレイヤーなら誰もが印象に残ること間違いなし。マーレはともかくモンテの準ネームドは裁判官やら支配人やら村長やらどいつもこいつもロクデナシな印象ばかり残るがな!というわけで水をかけるなり踏みつけるなりでリアクションを存分に楽しむといいだろう。

ところでだが永遠の二番手である緑の弟くんは本作だと不在。ただでさえマリオとニセマリオの判別が付かない環境なのにここでLが出てきたところで更に事態がややこしくなるであろうことは想像に難くないので仕方あるまい。まぁ折角のバカンスに置いて行かれたと考えるとそれはそれで普通に可哀相ではある。ちなみに『本作の相棒"ポンプ"とニセマリオの武器"マジックブラシ"は共に"オバキューム"を開発したオヤ・マー博士(オヤ・マー・サイエンス)の発明品』というほんの少しだけルイージマンション』と繋がる設定はあったりする。

マリオシリーズ共通で人気を博すBGM面にも触れておきたい。近藤浩治田中しのぶ氏が手掛ける本作のBGMはどれも南国感を重視した明るめのものが中心、各ステージのリゾート的なロケーションも相まって聞いてて楽しい気持ちになること間違いなしである。本作オリジナル曲でとりわけ有名なのはやはりアレンジの機会に恵まれがちなドルピックタウンか。個人的には『マーレのいりえ』クッパ(ラスボス戦)』もイチオシ。

スーパーマリオワールド』同様、ヨッシー搭乗時か否かでBGMのパーカッションの有無がシームレスに切り替わるようにもなっている。こちらもまた一風変わった味わいになるため、プレイ中の気分を高めることに一役買ってくれている。仕様上パーカッション有のBGMを聴けるのはヨッシーが登場するステージに限られるというのが実に勿体ないレベル。実は内部データ上には全エリア+ヒミツコースにパーカッション有のBGMが存在するのはナイショだ。(グレーな話題なので反転)

ライバルである『ニセマリオ』絡みの楽曲は全てマリオ1の『地下BGM』を派手にアレンジしたもので統一。聴き慣れたフレーズが怪しさマシマシで奏でられるためインパクトたっぷり。アスレチック面で流れる『ヒミツコース』もこれまたマリオ1の『地上BGM』がベース…なのだがそのアレンジはまさかのアカペラ調。ムーディな楽曲をバックに高難易度アスレチックを幾度となくリトライする羽目になるのでこちらもまた印象的。…まぁトラウマ的な意味で印象に残るBGMといえば本作オリジナル曲の『ヒミツコース 空と海(Sky & Sea)』の右に出るものはないと思われるが。

なおシリーズファンから高い評価を獲得した本作のBGMだが、サントラが存在した前後作(マリオ64/ギャラクシー)とは異なり本作は自由にBGMを聴ける環境に恵まれていなかった。というのも本作の音源化は(コンピレーションに収録された一部例外を除き)一切存在せず、作中にもサウンドテストの類は搭載されていなかったからである。本作の楽曲を自由に堪能できるようになるにはGC版発売から実に18年後の『スーパーマリオ3Dコレクション』のサウンドテスト機能まで待つこととなる。

ここらでちょっとだけマニアックな話題に踏み込んでいこう。前作マリオ64』には『初期版』と『海外版』、それから『振動パック対応版』というバージョンがあり、それぞれで微妙に内容が異なっていたのは既に皆様ご存じであろうが、実は本作『サンシャイン』にも同様にバージョン違いがいくらか存在する

本作のバージョンは大きく分けて日本で流通した『初期版』『後期版』、それから海外向けにリリースされた『海外版』の3種類。後期版(に近いもの)を『振動パック対応版』として大々的に発表していたマリオ64とは違い、こちらはサイレントに変更を加えられたものなのでさほど知名度は高くないものの、初期版と後期版の違いは地味に多い

ちなみにバージョンを見分けるには本作のディスク裏面を確認すればOK。本作の場合は型番の最後の数字が『00』であれば初期版『01』以降であれば後期版となる。この見分け方は本作に限らずGCソフト全般で共通、バージョンで使用できるテクニック自体が変化するスマブラDX』あたりが有名か

『後期版』は初期版の純粋改良版ともいえる内容になっており、『シレナビーチでおおそうじ!』の難易度が大きく引き下げられたほか、『モンテマンレース』に専用BGMが追加一部シャインの出現ジングルや水中でのダメージ音などといったSEが新たに流れるようになった。他にもあまり知られていないが、ゲーム序盤の裁判ムービーにおける検察官/裁判官のセリフ(ボイス)の多くが差し替えられている
(初期版だと固有名詞の呼び方を間違えているのがおそらく原因)

また初期版に存在した再現性のあるバグの殆どが修正された。『ドルピックタウンのアスレチック内で100枚コインを集めると確実にフリーズする』のような致命的なバグが消えているのはありがたい反面、ヨッシーに乗った状態で天井に頭をぶつけ、そこからヨッシーを乗り捨てると天井を抜ける』といった面白みのあったバグも修正されてしまったのはちょい寂しい。特にヨッシー天井抜けは『透明なドルピックタウンを探索できる』『海の中を自由に歩ける』など別の面白現象にも派生できただけに勿体ない。

そして『海外版』後期版と同等の変化に加え更に諸々の修正が施された代物になっており、『水中ダメージまでの時間が伸びた(=溺死しづらくなった)』ことで更に難易度が低下ドルピックタウンのあちこちにフルーツが配置されるようになり、ヨッシーがほんの少しだけ扱いやすくなった。細かなポイントでは一部テクスチャが差し替えられていたりゲーム冒頭ムービーでのマリオのセリフ(ボイス)が削除されていたりもする。もっとディープに触れていくとここから更に別リージョンへ販売するにあたって段階的に修正が加えられ、GCにおける本作の最終バージョンはヨーロッパでリリースされた欧州版…いわゆる『PAL版』となる。

ところでマリオといえば天下の任天堂の顔…ということで老若男女誰にでもオススメできるシリーズである。ライトゲーマーにすら達していない、コントローラを初めて握ったばかりのチビッ子でも頑張ればクリアできるような優しい難易度設計…そんなイメージを抱いている方も少なくなかろう。実際過去のマリオシリーズ(同時期にリリースされていた同ジャンルと比較して)遊びやすい難易度に収まってはいた。そしてそれは『スーパーマリオサンシャイン』でも変わらない…と言いたいところだったのだが、残念ながらそうはいかない。本作をプレイしたゲーマーたちは口を揃えて皆こう言う。『異様に難しい』と。

というわけで本作を語る上で避けては通れない『難易度』のハナシをしていくとしよう。本作の難易度はライト層向けとされるマリオシリーズの中では上位…少なくとも本家3Dマリオシリーズの括りでは最難関といっても過言ではないほど。その扱いはあのスーパーマリオブラザーズ2』*と同格『2D最難関は"マリオ2"、3D最難関は"サンシャイン"』とまで評されることすら。

*スーパーマリオブラザーズ2
ディスクシステムで登場したスーパーマリオシリーズ2作目。
前作クリア者向けとして開発された作品であり、1-1から前作の8-4超えの高難易度。
そこに更に逆ワープや毒キノコ、スーパージャンプ台など
ありとあらゆるプレイヤーを苦しませるギミックが目白押し。
当時は500円で書き換え可能だったのもあって、その難易度に絶望したプレイヤーは数知れず。
なお当時は『続編は前作をクリアしたヤツしか買わない』みたいな風潮が
ゲーム業界全体にあったため、2作目でやたら高難易度化したのはマリオに限った話ではない。

今も昔もマリオに限らず任天堂IPの作品は『通常クリアまでなら簡単、完全クリア/コンプを目指すと途端に難易度が上昇する』といった傾向があるが、本作は通常クリアまでの過程で従来作品クリア済みレベルのプレイスキルを要求される場面がチラホラ存在する。ポンプアクションの追加によってアクションの幅が広がり操作が複雑化した…というのも高難易度化した理由の一端だが、その最大の原因は本作全体のゲームフローにある。

基本システムが近い前作『マリオ64』と比較する形で説明しよう。マリオ64『パワースター70枚以上+各クッパ面の突破』が最終面への突入…つまりゲームクリアの最低条件だった。クッパ面の攻略だけは必須だがパワースターは全120枚のうちどのエリアのものをどれだけ集めてもよく、『このパワースターは難しくて取れなさそうだから別のパワースターを狙おう』といった風なプレイスタイルが許容されている

一方で本作『サンシャイン』の場合はシャインを何枚集めればラスボスに挑めるのか?マリオ64と同じく70枚?不正解。そもそもシャイン枚数自体は(直接的な)クリア条件に全く関係がない。本作で最終面に挑む条件は『全7エリアでのストーリー7の突破』である。逆に言えばこの条件を達成できてなければ例えシャインを100枚近く集めていようともラスボスに挑むことは許されない
(各エリアはシャイン枚数で解禁されるので最低限のシャイン集めは必要)

そしてあらかじめ触れておいた本作の『ストーリー』のシステムを今一度思い出してほしい。本作のストーリー選択はマリオ64のソレと異なり(原則)攻略順が完全に固定されている。コレが何を意味するのか、もはや説明する必要もないだろう。『各エリアのストーリー1-ストーリー7までのうち、どれかひとつでもクリアできなかった時点でラスボスに挑めず通常クリアすら不可能になる』のだ。各エリアに用意されたストーリーは8つずつなので事実上全エリアのシャインを(隠しを除き)ほぼ集めきる必要があるワケである。なお一応言っておくと『クリアしたことにする』機能*なんて都合のいいものはこの時代には存在しない

*クリアしたことにする機能
比較的近年のマリオシリーズでおなじみの機能。
初めて導入されたのはWiiの『NewスーパーマリオブラザーズWii』。
同じステージで何度もミスになっていると表示され、
そのステージをクリアした扱いにして先に進むことができる。
…と、これだけなら初心者向けの救済措置なのだが、
初出のNewマリWiiでは一度でもこの表示が出たセーブデータは
永続的にその証が表示され続けるため、真のコンプを目指す場合
『いかなる状況でも一定以上のミスが許されない』
という初心者に甘く、上級者に徹底的に厳しくを体現したシステムだったり。

ならば攻略必須なストーリー1-ストーリー7は難易度が抑えられているのか、残念ながらそんな配慮は全くない。むしろ最後のストーリー8よりもよっぽど難しいものがゴロゴロ転がっているうえに、なんならストーリー進行に合わせて段階的に難易度が上昇するのではなく、各ストーリーごとに超簡単なものから頭を抱えたくなるくらい高難易度なものまでまばらに散りばめられているのが厄介なポイント。

そんな中でも多くのプレイヤーの心をへし折ったことで知られるのが『ヒミツコース』と呼ばれる類のステージたち。各エリアのストーリー1-ストーリー6までの中に1-2つ存在する『〇〇のヒミツ』というタイトルのものがソレで、これらは一律して『エリア内のどこかにある入口からアスレチックステージに突入し、アスレチックの最奥部に到達するとシャインを獲得できる』といった内容となっている。

アスレチックでは多彩なギミックを攻略したり不安定な足場を乗り継いだりして進行する…のだが、なんと突入時点でポンプが奪われてしまうためマリオ単騎での突破を要求される。ここまでホバーノズルの空中制御に頼りきりのプレイヤーは絶望すること間違いなし。

肝心のコース配置も悪意の塊のようなイジワルさのオンパレード。大抵のギミックが対処を誤ると足を踏み外して落下死するものとなっており、基本的に初見での一発突破は困難を極める。コレは比較的序盤に挑む想定のヒミツコースだろうとお構いなし

いずれのヒミツコースもそこそこ長いうえにギッシリとギミックが詰め込まれているにも関わらず、中間地点なんて概念は存在しない。即ち途中でミスしたらまたコースの最初から。残機が無くなろうものならヒミツコースの入口を探すところからやり直しにされてしまう。しかもストーリーによってはヒミツコースに入ること自体が面倒なモノも少なくない。

また難しいのはヒミツコースに限ったハナシではないイカサーフィン』『おおすなどり』、そして『マンタ』…と本作の高難易度ストーリーは枚挙に暇がなく、そのうえでこやつらが揃ってクリア必須なものなのだから、当時は道中で躓いてクリアできないプレイヤーが続出することになったワケである。

なかでも『大掃除』ことシレナビーチのストーリー6『シレナビーチでおおそうじ!』は本作最難関の一角。どれほど難しいかといえば、先に触れたように後期版/海外版でわざわざクリア判定を露骨に引き下げる対策が施されたほど。本家マリオシリーズにて同一リージョンのバージョン違いで難易度が明確に引き下げられたのは後にも先にもここくらいである。

…で、ここまで触れてきたのは『通常のゲームクリア』までのオハナシ。本作の完全クリア…『シャイン全120枚回収』を目指した場合、ただでさえ難しかった通常クリアすらも鼻で笑うようなトンデモ難易度のステージに挑まされる羽目になる。

例えば各エリアのストーリー8。各エリアの事件はストーリー7までで解決することもあって最後となるストーリー8は『おばけスイカコンテスト』『わたげまつり』のような地域の特色を生かした明るいテーマなのだが、『ホテル全域に巧妙に隠された赤コインを制限時間内に集める(時間切れで死)『ジェットコースターで3周するまでにコース全域に配置された風船を限られた弾数で全て破壊する(3周したら死)など妙に死がチラつく設計がやたら目立つ。当然ラストということで相応に難易度も高いため、下手すると敵キャラよりもドルピック島の住人に殺されたマリオの方が多いんじゃないかとすら錯覚するほど。

通常クリアの折にプレイヤーを散々苦しませた『ヒミツコース』は完全クリアの過程で再び立ちはだかる。クリア後のヒミツコースに再入場するとポンプが奪われない代わりに赤コインのスイッチが出現する。…つまりただでさえ難しかったアスレチックで今度は赤コイン集めを要求されるのだ。もちろん制限時間付きなのでタイムリミットは死あるのみ

また本作の中でも頭ひとつ抜けて難しいのがドルピックタウンに隠されたアスレチックコースたち。通常クリアにおいてはスルー可能ゆえの反動なのか、『パチンコ台』『毒の川下り』などと呼ばれる2ステージはマリオの死体の山を築いたうえでパターンを構築しなければまず突破は不可能と断言できる難易度で今なお伝説として恐れ語り継がれるほど。というか後者に至ってはコースに突入するだけでもだいぶ一苦労。だがこれらを全て乗り越えられればようやく完全クリアというわけにはいかないんだなコレが。

本作には収集要素として『青コイン』といったものがある。青コインはドルピックタウンを含めた各エリアに30枚ずつ、計240枚がゲーム中に存在し、10枚ごとにシャイン1枚と交換できる。ええそうです。完全クリアの為には青コイン全240枚のコンプリートも必要になります。ボート小屋のタヌキ親子はなんで24枚もシャイン隠し持ってんだよとか、島の守り神を金銭で売り渡してるんじゃねぇよとかツッコミたくなるが堪えよう。

青コインの入手方法は様々。基本的にはニセマリオが描いたラクガキを消せば入手できるものの、ラクガキはわかりやすい位置に描かれているとは限らないし、ラクガキの種類によっては『A地点のラクガキを消すとB地点のラクガキの前に一定時間だけ青コインが出現する』といったものも多い。

だがラクガキを消せば入手できる青コインはまだ優しい部類。『特定の足場/壁/ギミックに水をかければ青コインが出現』『特定の地点にいる敵を倒せば青コインが出現』など青コインには視覚的に判別できないものもちらほらある。…まぁ真に厄介なのはそんな青コインの収集状況をゲーム中で確認できないという点なんだが。
(エリアごとの取得枚数のみは確認可能、どの青コインが未取得なのかは不明)

とりあえず青コインのコンプを目指すにあたってヒントを与えるとすれば『他のギミックや敵と比較して違和感があるオブジェクト』に対し『倒す/ヒップドロップ/水をかける』のを徹底するべし。後は『蝶々とハチはヨッシーで全部食う』『青い鳥はヨッシーで食うか水で撃ち落とす』のさえ忘れなければ特定ストーリー限定の青コイン以外はほぼ集めきれるハズ。

ここまで散々本作が高難易度であることをアピールしてきたものの、かといってこれから本作に挑む諸君らが委縮する必要は毛頭ない。確かに本作は難易度がかなり高い。しかしながらあくまで『"マリオにしては"難しい』というだけで極端なまでに難しい局面は実はそう多くはない。むしろ本作は『高難易度』ではあるが『理不尽難易度』ではない

ソレが最もよく現れている箇所こそがほかでもない『ヒミツコース』である。数多くのプレイヤーの心を折ってきたことは想像に難くないヒミツコースだが、一方でそのレベルデザインは珠玉の一言

序盤から後半にかけて少しずつ難易度が上がっていく構成なのは当然として、高難易度ゲーにありがちな初見殺しの罠はほぼ存在せず、それでいてギミック配置はそのままにホバー/赤コインの有無で二度楽しめる設計。更にヒミツコースは必ずステージ序盤に簡単に入手できる1UPキノコが隠されており、最低限のプレイスキルさえあれば残機を失うことなくやり直せるためリトライ性もバツグンまぁ逆にいえばクリアするまで閉じ込められるという意味でもあるが…。

そしてヒミツコースをはじめとしたアスレチックは最難関の『毒の川』『パチンコ台』すらも含めほぼ全ギミックの挙動が固定…すなわち完全パターン化が可能。すなわち本作は幾度となくリトライを繰り返し攻略パターンを構築することで、いつかは必ず突破口が見つかるアクションゲームとして理想的な設計になっているのだ。この辺りも同様にイジワルな要素が詰め込まれつつも最低限クリア可能なつくりになっていた『マリオ2』に重なる部分であろう。

そろそろ纏めに入りたい気分であるが、その前に本作の世間一般における当時の評価についても語っておこうか。昨今では他の本家マリオシリーズにも負けず劣らずの高評価を獲得している『スーパーマリオサンシャイン』なのだが、実を言うとリリース当時…というかほんの10年くらい前までは今ほど高く評価されているワケではなかった。なんなら『駄作』『黒歴史』『ガッカリ』『コレジャナイ』などのネガティブ寄りな評価の方が目立つ状態だったのだ。

その原因として思い当たるポイントは多い。終始高めに設計されたゲーム自体の難易度、敵味方共に普段と大きく異なるデザインや世界観、マリオ自身のアクションと同等レベルにプッシュされた異色なポンプアクション…などなど。だが本作を低評価たらしめた最大の原因は他でもない前作『スーパーマリオ64』の存在だろう。3Dアクションゲーム界のパイオニアであるマリオ64の続編ということで、否応なしにサンシャインは真っ向からマリオ64と比較される羽目になったのである。

記事内でも触れているように本作のポンプアクションを活用した場合の立体挙動の自由度や爽快感はマリオ64を大きく上回る。しかしながらソレは『ポンプアクションを活用できた場合』に限られ、プレイし始めて間もない段階ではプレイヤーはソレを感じることはまず不可能である。更にマリオ64において手軽に爽快感を味わえたアクション『幅跳び』が消滅しているのも痛い。

だがそれ以上に大きかったのは前作から低下した『自由度』だろう。『箱庭型のステージを自由に探索し、好きな順番でパワースターを集められるマリオ64を期待していた層が『箱庭型のステージを自由に探索できるが、シャインの取得順が固定されたサンシャイン』に忌避感を覚えるのはある意味当然である。そして序盤から高めの難易度も相まってマリオ64からの流れで購入するも、序盤だけプレイして離脱』という層が大量に生まれてしまった可能性は大いに考えられる。

もっといえばマリオ64に比べ本作はプレイ環境にも恵まれていなかった任天堂ハードにしては失敗寄りだったのはニンテンドウ64ゲームキューブもそう変わらないが、その後WiiWiiUにてVC配信が行われたりニンテンドーDSにてリメイク版がリリースされたマリオ64に対し、本作は長らくゲームキューブWiiの下位互換機能…すなわち実機ディスク以外でのプレイ環境が長らく存在しなかった

そのせいもあってマリオ64はプレイしたがサンシャインはやったことない。でも評判は悪い"らしい"ね』といった声はどんどん増えていく。マリオ64が着々とプレイヤーやファンを増やしていく傍らで、ソレと比較される形でサンシャインはずっと貶される立場であった。我は今も昔も本家マリオだと『サンシャイン』こそが最高傑作だと信じているが、当時はマリオ64とサンシャインがセットに話題に上がるとほぼ確実に『マリオ64は良かったけどサンシャインは…』という空気感になっていたイヤな記憶が残っている。…なんか書いててふと思ったが、我って『マリオ64』に対する『サンシャイン』『ペパマリRPG』に対する『スペマリ』沙羅曼蛇』に対する『沙羅曼蛇2』…と『偉大な前作と比較され肩身が狭い傑作』に惹かれやすいのかもしれない。

本作の当時の評価を受けて、本作以降の本家マリオは『スーパーマリオギャラクシー』『スーパーマリオ3Dランド』『スーパーマリオ3Dワールド』…と3D作品であっても従来のステージクリア型2Dマリオをそのまま3D化したような作品のみがリリースされるようになり、自由度のある探索を主軸とした本作および『スーパーマリオ64』のような所謂『箱庭マリオ』の路線は2017年の『スーパーマリオオデッセイ』がリリースされるまで実に15年に渡って停止してしまう。

もっとも自由度の高さはゲーム自体の複雑さ/高難易度化にも繋がっていたのも間違いではない。ギャラクシー以降の作品は自由度や難易度を引き下げる方向性にシフトしたことで当時の任天堂が推し出していた『ゲーム人口の拡大』というコンセプトにピッタリ合致し、ライト層を中心とした新規ファン獲得にも成功している。昨今の若年-中年層のマリオファンの多くはこの辺りの時期にマリオに触れた人が大半を占めていることだろう。結果論だけで語るのなら『サンシャイン』を最後に箱庭マリオ路線を止めたのは英断だったといえる。

…ギャラクシー以降『箱庭マリオ』が全くリリースされなくなった結果、少しずつ『箱庭マリオ』の路線を求めるコアなファンの声が強くなり、その影響を受ける形でマリオ64とともにサンシャインも徐々に再評価されることになったのはなんとも皮肉というべきか…。コレに関しては年代を重ねるにつれ我のように幼少時代に本作をプレイした『"マリオ64の続編"というバイアス抜きでサンシャインを評価する層』が大人になったというのも理由のひとつだろうけども。

(スーパーマリオ3Dコレクション版)

まぁ何はともあれ今回の記事にてある程度は『スーパーマリオサンシャイン』の魅力は伝わったと思われるので、最後に本作のプレイ環境について紹介していこう。先ほどの話題にて『プレイ環境に恵まれていなかった』と語りはしたが、現代ではNintendoSwitch向けにリリースされた『スーパーマリオ3Dコレクション』にて前後作『スーパーマリオ64』『スーパーマリオギャラクシー』とともにHDリマスター版が収録されている。

Switch版のサンシャインはHDリマスターなだけあってグラフィックはより高精細に、画面サイズも4:3から16:9に拡大している。またアナログトリガーの処理がZR/Rに分割された点を筆頭にキーコンが大きく変更されており、(GCコンを使用しない場合)操作感覚は当時と大きく異なるものになった。更に言語選択が可能なほか、全曲収録のサウンドテスト機能までも搭載。総じてかなり力の入ったリマスターとなっている。

(スーパーマリオ3Dコレクション版)

ちなみにゲーム自体のバージョンは記事内でも触れた『欧州版(PAL版)』がベースなので、GC初期版と比較すると難易度が低下していたりドルピックタウンのフルーツ配置が異なっていたりなどの変更点が多い。なお『スーパーマリオ3Dコレクション』の詳細は過去記事でガッツリ語り済みなのでそちらを参照してほしいところ
(リリース当初に語った記事なので一部情報が古いのはどうかご容赦くだされ)

(スーパーマリオ3Dコレクション版)

なお当初はカメラ入力がGC実機と異なりノーマル固定だったり、エミュレータ特有の不具合(デバッグ表示やクリア判定の誤検知)が発生していたり、GCコントローラに非対応だったりといった見過ごせない問題が目立ったものの、度重なるアップデートにより諸々の問題の修正や機能追加が行われ2025年現在は心の底からオススメできる名リマスターとなっている。

ならば今からプレイするならばこの『スーパーマリオ3Dコレクション』一択…と言いたいところだったのだが、困ったことにこのコレクションは『スーパーマリオ35周年記念』を銘打ってリリースされた作品であり、2020年9月から2021年3月末までの期間限定販売だったのだ。よってダウンロード版の販売はとうに終了しており、現在3Dコレクションを新規入手するならば若干プレミアがついたパッケージ版を中古で探し出すほかなくなっている

…すなわち2025年7月現在、今再びスーパーマリオサンシャイン』のプレイ環境は失われつつある。だが諦めるにはまだ早い!!任天堂の最新ハード『NintendoSwitch2』向けオンラインサービス(サブスク)の追加パックであるニンテンドー ゲームキューブ Nintendo Classics』の配信予定ラインナップには本作スーパーマリオサンシャイン』の姿があったのだ!正確な配信時期はまだ不明だがこうして再び本作を気軽に誰かにオススメできるようになるのはありがたいところ。

(海外版のGCクラシックでは北米版と欧州版が選択できるようになっている)

同サービスの他タイトルと同様にQS/QL機能が搭載されているのはもちろんのこと、更にいえばSwitch2向けの周辺機器である『Switch2用ゲームキューブコントローラ』もGC実機同様のアナログトリガー入力に対応しているため、そちらがあれば正真正銘GC版とほぼ同じプレイ体験が味わえること間違いなし!コレは期待するなという方が無理なハナシであろう。
(3DコレクションもSwitch2向けのアプデで同コントローラに対応済み)

またこれは推測だが現状配信済みの他タイトルの内容からしておそらくは日本国内版Switch2『日本後期版』多言語対応版Switch2『日本後期版』に加え『北米版』『欧州版』がプレイできるものだと考えられる。多言語版Switch2を所有している人は『欧州版』をベースに機能追加を施した『3Dコレクション』と合わせて各バージョンの遊び比べをしてみるのもまたオツだろう。

(スーパーマリオ3Dコレクション版)

さてさて本作スーパーマリオサンシャイン』は長い長い雌伏の時代を耐え続けてきた一作である。粗削りながらも一時代を築き上げた前作や、万人受けに特化し多くの人に愛された次回作と比較すると、難易度・ゲーム性・デザインなど多くの面で尖り切っており良くも悪くも異質さの塊。それゆえに適正に評価されず不当に貶されることも少なくなかった。だが高難易度ながらしっかり作りこまれたレベルデザインや立体アクションの自由度など、本作だからこそ味わえるオンリーワンな魅力だって少なくないアクションゲームとしての純粋なクオリティの高さはむしろマリオシリーズの中でも随一であり、その楽しさは令和の時代でさえも変わることはない。

プラットフォーム的な問題やプレイ環境の都合から前後作に比べるとプレイした人が少なかったであろう本作だが、だからこそSwitch2を所有している人は本作が配信されたならぜひとも遊んでみてほしい。尖ったゲーム性ゆえ必ずしも全員が気に入るなどという無責任な発言はできないが、それでもきっと何人かは本作の虜になる人がいるかもしれない!我はそう信じているのである!!

 

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