いろいろとゲームを語ろう

物好きなゲーマーがただただ最近遊んだゲームの感想とか内容とか書いていくブログ。レトロゲームの割合が高いかもしれない。更新は気が向いた時にだけ。

龍が如く7 光と闇の行方

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またもや新作ゲームの記事になってしまうが仕方ない。このところ大作タイトルの発売が続いてしまったのが全て悪い
(責任転嫁)

ということで今回語るタイトルは龍が如く7 光と闇の行方』である。もはやゲーマーであればだれでも知っている人気シリーズ、龍が如くシリーズのナンバリング7作目である。

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まぁ、いろいろあって買うだけ買ったのだが長らく放置していた
…が、外出自粛期間で暇つぶしにプレイしたところ、想像以上に面白かったので一気にクリアしてDLC以外はトロコンしてしまった。というわけで今回は今作について語っていこうと思う。

さてさて、龍が如くシリーズ』といえば日本を代表する『アクションゲーム』のシリーズである。このシリーズは過去にタイトルは違えども世界観を共有するクロヒョウ『JUDGE EYES』スターシステム龍が如く 見参!龍が如く 維新!、コラボ作品の『北斗が如く』なんてのもあったが、どれも共通して『アクションゲーム』である点は変わらなかった。
(唯一の例外はTPSの『龍が如くOTE』くらい)

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龍が如くといえばアクション』、それはシリーズファンにとって絶対に変わることのない暗黙の了解、という風に思われていたのだが…SEGAはあっさりその暗黙の了解をぶっ壊した

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なんと今作、龍が如く7』はアクションではなくRPG、それもアクション要素をほぼ撤廃した『コマンド式RPGとなっている。一応過去作も『敵を倒して能力を強化して物語を進める』という広義の意味でのRPGではあったのだが、それでも一般的にいうARPGの範疇であった。それが今作で唐突にコマンド式のRPGになったのであればそりゃ誰でも度肝を抜かれよう。それもOTEなどのようなスピンオフではなくナンバリングタイトルでやったのなら猶更である。

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自分も数多のゲームシリーズを追っかけてきている身の上ではあるが、コマンド式RPGARPGという例は腐るほど見かけても今作のようにARPG→コマンド式RPGという例はほぼ見たことがない
…まぁ一応ナンバリングでアクション→RPG→格ゲーというトンデモナイ方針転換をしたシリーズを知っているのでそれに比べれば可愛いレベルではあるか。
(ちなみにそのシリーズと本シリーズはコラボしたこともある。今回の件とは無関係だと思うが)

ただ、正直言うと抵抗感がないわけではなかった。実際、RPGやりたくてこのシリーズ追っかけてるわけじゃないしなぁ…』って感じで買うだけ買って長らく放置していたワケだし。
(あと単純に自分はRPGがあんまり好きじゃない)

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閑話休題、改めて今作は龍が如くシリーズ初のRPGである。
戦闘以外の面は過去作とほぼ変わらないが、逆に戦闘部分はまるっきり別物となっている。敵とエンカウントするとバトル開始だが、過去作のように自由に動き回ることはできず、プレイヤーができるのはコマンドを選択することのみ

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とはいえ、リアルタイム要素として『敵と味方の位置関係』というものが存在しており、例えば攻撃対象の敵と自分の間に別の敵がいる場合は攻撃しようとしても妨害されて失敗してしまったり、対象のすぐ近くに武器になるオブジェクトがある場合はそれを使って攻撃するなどができる。
戦闘ではコマンド選択中・アクション中に限らず常に敵味方が動き続けているため、コマンド選択は最適のタイミングで行う必要がある
これがやや軽めのアクション要素ともいえるかもしれない。

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自発的にキャラを動かすことができないという点はやはり残念。いや自発的に動かせちゃうとそれはもう普通のARPGになるので仕方ないのはわかるのだが。せっかく位置関係を重視したゲーム性なのだから自分の意思である程度位置関係を動かせるようにすれば面白そうと思うだけに残念。あと『正面からの攻撃をほぼ確実にガードする敵』を相手している場合は正面にいるキャラはバフデバフ以外の有効打がなくなったりするので…。

あとはどうしても通常攻撃で敵が吹っ飛ぶと敵との距離が空き、攻撃の度にコマンド選択敵に向かって移動攻撃更に距離が離れる元の位置に戻るコマンド選択の繰り返しになってしまう。移動中の待ち時間が地味に気になる上、さすがに意味不明な絵面になるのが困ったもの、さすがに滅茶苦茶離れると敵の方からワープしてきたりするけども。

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しかし、コマンド式になったことで以前よりも戦闘はド派手になったのは間違いない。通常攻撃はさほどでもないが、極技(スキル)では火を噴いたり雷落としたり画鋲ぶん投げたりとやりたい放題真面目な顔で無茶苦茶な攻撃をする様はどこかシュールで面白い。しかもそんなヘンテコな技に限って強いのがまた不思議。

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『〇〇の極みや絆技』はカットシーン付きで発動する大技であり、これまた派手。半ばギャグのようなものが多い通常の極技と違い、こちらは真面目かつ普通にカッコいい物も多くなっている。一部のアクションは過去作のQTEモーションの再利用だったりもするが、違和感ないチョイスをしているので特に問題なし。
(モーション再利用自体はいつものことだし)

ゲームがある程度まで進むとハローワークが解禁されて転職が可能になる。転職先のジョブ(職業)料理人・ホストなどそこそこマトモっぽいものから、ストリートミュージシャンだのアイドルだの『それハロワで斡旋していいヤツ?』と聞きたくなるものまで様々。キャラ専用ジョブになるとヒットマンやマフィアなど逆に通報されそうな職業も出てくる。

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いわゆる召喚獣のポジションである『デリバリーヘルプ』はその強力さに反してネタ要素多めで中々面白い。演出自体が面白いのもあるが、ここで呼び出せる対象には過去作の関連キャラが多数含まれているため、シリーズファンにとってはかなり嬉しい内容となっている。

ゲームの難易度自体はさほど高くはない。ゲームクリアまでの純粋な難易度は(ジャンルが違うので一概に比較はできないものの)龍が如くシリーズの中でもかなり低い部類。基本的に解禁されていく要素を都度都度攻略していけば適正レベル+αにはなる

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一方でそういった要素をスルーすると途端に難易度は跳ね上がる。中盤あたりのレベル上げダンジョンを無視して進んだりした場合などは特にいい例で、素晴らしい地獄を体験させられることとなる。

先述した位置関係のシステムのほか、極技発動時のアクションコマンドなど、ごくごくわずかなアクション要素こそはあるものの、どれも最低限なので、最悪一切触れなくてもクリアまでなら十分に可能な難易度。難易度選択こそ存在しないものの、レベル上げと装備調達さえ怠らなければ詰むことはまずないので一安心、むしろアクションだから敬遠していたというプレイヤーにはお勧めできる。

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世界観自体は過去作の龍が如くシリーズと地続きとなっているが、主人公および舞台は一新しているため、過去作を知らなくても割と楽しめると思う。過去作の知識はせいぜい『関東と関西にデカい組織が一つずつある』ということさえ覚えておけば話についていける。

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主人公は桐生一馬(桐生さん)から春日一番(イチ)へバトンタッチ、ナンバリングで桐生さん以外が単独で主役になるのは今作が初。イチは桐生さんとは異なるベクトルで『昔ながらの極道』というキャラ、桐生さんほど飛びぬけた強さはないものの、その分かなり器用に立ち回る

このため過去作でたまに見られたような『話し合いで解決できそうな場面ですら殴り合ってどうにかする』といったシーンは今作だと少なめ、むしろイチから殴りかかるようなシーンはかなり少なく、どちらかといえば話し合いで解決しようとすることが多い

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桐生さんはその強さ故に付いていけるキャラがおらず、他キャラと組むこと自体がかなり少なく、どうしても孤高な印象が強かったが、イチはそのノリの良さから多数の仲間に恵まれており、いかなる状況でも仲間達とともに進んでいく

このため、過去の龍が如くシリーズではありえないほど道中が賑やかで見ていて楽しい。ともに冒険することになるパーティメンバーも謎のホームレスの『ナンバ』勝気なチーママ『紗栄子など、みんな個性豊かで飽きない。

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特定の仲間をピックアップした連続の『絆イベント』や、探索中の何気ない『パーティチャット』飲食店でのノリのいい『宴会トークなど、今作ではゲーム全編を通して『イチたちの絆』がよく描かれているのが特徴。イチたちは過去作の主役陣のような単独の強さこそ持たないが、それでも立ちはだかる壁を一つ一つ力を合わせて越えていくのである。

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メインとなる舞台は横浜の『伊勢佐木異人町』、横浜自体は過去作で舞台になったことがあったが、自由に歩き回ることができるのは今作が初。異人町はとにかく半端なく広い!

完全新規の舞台なのであちこち歩き回って冒険気分を味わうことができるうえ、異人町だけでプレイスポットの大半を遊べるため便利。タクシーもかなり多めかつ今作ではスマホで呼び出しができるようになったため、いくら広くても移動には困らない
(タクシー登録自体は必要)

ただし、プレイスポット目当てで序盤に中華街やコリアン街とか行くとザコ敵にアッサリのされるので要注意、今作はRPGなのでレベルが足りてないと本当にどうしようもない

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ゲームの序盤と終盤ではシリーズお馴染みの神室町『蒼天堀』にも行けるようになる。ただし宴会トークとパーティチャット以外には特にコレといったイベントは用意されていないためあくまでオマケ程度。とはいえ、馴染みのある街を歩き回れるのはやはり嬉しい。特に神室町は序盤(2000年)と終盤(2019年)で細部が異なっている力の入れよう。

中に入ることはできないものの、八神探偵事務所(ジャッジアイズ)スナック葵(2)サンシャイン&フォーシャイン(0&極2)など、シリーズで縁のある場所も残されているため、ネタを知っているならばニヤリとできるのも魅力

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本編のシナリオでは『グレーゾーン』がテーマ。ホームレスや不法滞在者など『表立っては生きることができないグレーの住人』がメインに活躍。『表立っては生きることができないグレーの住人』というのはパーティメンバー(およびその協力者)全員の共通点であり、無論主人公のイチも例外ではない。

彼らはどこかしらで法律の穴を潜り抜けているものの、それでも一人一人が『自分なりの流儀』を持っており、決して完全なる悪人ではない。今作ではそんな彼らの生き様をこれでもかと見せつけてくれる

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序盤からよく張り巡らされた伏線はどれも納得のいくものだらけであり、コレといった問題点は特にない。唯一の欠点を挙げるとすれば、龍が如くの物語は今作で行きつくところまで行ってしまった』というところくらい。綺麗に纏まり過ぎてこの先の物語が作れそうな気がしないのである。

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本編はシリアス一辺倒ではあるものの、その分恒例のサブストーリーは相変わらずネタ要素多め、ただしシリアスなものもたまにある。サブストーリーではイチが厄介ごとに首を突っ込んで解決するという内容が多めになっており、これがまた春日一番というキャラに対する印象を良くしてくれている

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毎度おなじみプレイスポットは今作でも登場、アーケードタイトルでは『UFOキャッチャー』以外だと、『龍0』からスペースハリアーファンタジーゾーンスーパーハングオンアウトラン、『龍5』からバーチャファイター2』、『龍6』からバーチャファイター5』が再録、残念ながら今作から新規追加されたタイトルはない

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むしろ今作はアーケードタイトル以外の収録が見どころであり、こちらは『カラオケ』『麻雀』ブラックジャック『ポーカー』『こいこい』『おいちょかぶ』『ダーツ』『将棋』『ゴルフ』『バッティングセンター』パチスロと、シリーズオールスターの様相を醸している。パチスロ』は龍が如く本編だと『龍5』以来8年ぶりの復活

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そして完全新規のプレイスポットとして『サバイバル缶拾い』『ドラゴンカート』『映画鑑賞』『資格試験』『会社経営』の5つが追加。

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『会社経営』は所謂シノギ『龍0』の『神室町マネーアイランド』の延長のような内容、『一番製菓』という煎餅屋を横浜一の企業にするため奮闘する。クリア後はもう資金面で困らなくなるためさっさと攻略しておきたい。
『サバイバル缶拾い』は最序盤からできるアルバイトのようなもので、ホームレス同士による空き缶争奪戦どう考えても死人が出まくっているようにしか見えないが気にしたらNG、ちなみに資金稼ぎとしての効率はあまり宜しくない。

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『映画鑑賞』はQTEゲーム、映画館で寝ないように羊の出すボタンを素早く入力する絵面がドエラくシュールな代物『資格試験』は特定のジャンル5問で構成された試験に挑戦し合格を目指すというもの。この二つはクリアすると人間パラメータ(ペルソナにあるアレ)が大幅に上昇するのでこちらも早いうちに攻略したい。

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『ドラゴンカート』はおそらく今作で最も力の入ったプレイスポット妨害アリのレースゲームであり、絵面はどうみてもマリ〇カート任天堂とは無関係だから問題なし、というかぶっちゃけたことを言うとSEGAは1年前に既にどっからどう見てもマリオカートな『チームソニックレーシング』を出しているのでマリカーのパクリと言われても『何を今更』としか思えなかったり。むしろアイテム回りに関してはこちらの方がよっぽどマリカーとの差別化はできている

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タイトルや画面設計のせいでパーティよりな印象を持ってしまいがちだが、アイテムの効果がさほど強くないうえステージ道中の妨害がかなり多くなっているため、運頼みのよる逆転がほぼ見込めないストイックなレースゲームとなっている。一方でCOM側もそういった仕掛けに引っかかりまくるのである意味平等な気もしないでもない。

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まとめると、今作はゲームジャンルがRPGに変わったということにさえ目を瞑れば『いつもの龍が如くであり、シリーズファンにとってはなかなか楽しめる内容となっている。RPG部分に関しては若干不親切な点があったのは否定できないものの、今後シリーズが続いていくならばドンドン進化していくのは過去作の流れからしてよくわかっているので、これからに期待なのである。

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何はともあれ、ジャンルが変わったとはいえ食わず嫌いせず龍が如くシリーズのファンはぜひプレイしてみてほしいのである!
(無論、今作からの新規ファンでも問題なし)

 

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