いろいろとゲームを語ろう

物好きなゲーマーがただただ最近遊んだゲームの感想とか内容とか書いていくブログ。レトロゲームの割合が高いかもしれない。更新は気が向いた時にだけ。

チームソニックレーシング

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先日発売したソニックシリーズの新作レースゲーム、『チームソニックレーシング』
とりあえずそこそこ遊んだ*ので語っていくのである。

*どの辺まで遊んだか
アドベンチャーミッションを全てプレイするまでである。
星コンプまでは行っていないのである。
というか行ける気がしないのである。
(そもそもレースゲーム自体が下手なので…)

ぱっと見からわかる印象はソニックマリオカートってところだが、実際その通りである

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ソニックシリーズのレースゲームの歴史は案外深く、古くはゲームギアソニックドリフトにまで遡る…が、SEGA的にはどうにも浸透しなかったようで、アクション性の強いソニックR、ストーリー性を追求したソニックライダーズ、ライト層に向けたソニック&セガオールスターレーシング(SAR)』、よりコア向けなソニック&オールスターレーシングTRANSFORMED(SART)』度々形を変えて登場している。
(ソニックR以外は一応シリーズ化している)

今作、『チームソニックレーシング(以後TSR)』は名前こそ違うが『SART』の続編ともいうべき作品*である。
(開発チームも一緒)

*『SAR』と『SART』
厳密には『SART』は『SAR』の続編という位置づけなのだが、
セガキャラ集合のレースゲーム』というコンセプトを除くと
システム含めほぼ別物なので同一のシリーズと見るのは違和感がある。

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タイトルから『オールスター』が消えている事からわかるように今作では前作にいたセガキャラ・セガステージを完全にリストラし、その代わりにソニックキャラ・ソニックステージを大量追加新システムの追加アイテムとBGMの一新カスタマイズシステムの拡張ストーリーモードの追加を行ったものとなっている。
つまるところソニック特化のレースゲーム…というかソニックマリオカートである。

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前作ではマリオカートとは完全に別路線であったが、今作から一新されたアイテム(ウィスプ)は軒並みマリオカートのアイテム互換ともいえる内容なので、めっちゃマリカ感が増した
(それだけマリカのアイテムがレースゲームとの親和性が高いということなので責める点ではない。オリンピックシリーズでもマリカ互換のアイテム出てくるし)

根底にあるシステムはドリフト・スタント*などほぼほぼ『SART』そのまんま。
しかし、『SART』にあったマシンの変形システムはオミット、ということで全てのコースが地上エリアのみになっている。

*スタント
『SART』と今作の代表的なシステム、
段差やジャンプ台などでマシンが空中に浮いた際、Rスティックで自由に回転ができる。
空中で回転を行った数が多いほど着地した時に大きく加速ができるが、
回転中に着地すると逆に減速してしまうというシステム。
回転方向は自由で『SART』では全方向回転させるテクニックがあったが今作ではそんな要素はない。
(左右回転はその方向にある程度軌道修正できるので無意味ではない)

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タイトルからわかるように、今作では『チームワーク』が何よりも大切。
3人一組のチームとなり、各レースの勝者は各メンバーの成績の合計値により決められる…というのはよくあるものだが、ここに更に『レース中での協力プレイ』が用意されている。

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たとえば、チーム内トップのメンバーが走ったルートは後続メンバーのダッシュルートとなる『ラインブースト』や、敵チームの妨害によってスリップした際に他メンバーに触れてもらうことで再加速しレースに復帰できる『タッチダッシュなどがそれ。

拾ったウィスプは他メンバーに渡すことができたり、逆に受け取ることができる
他メンバーに渡されたウィスプは使用回数が3回に増えるし、ウィスプを渡せば後述するアルティメットゲージがアップする。

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また、ウィスプはキャラごとに拾える種類が異なり自分では拾えないタイプのウィスプは他のメンバーから受け取る以外の入手方法が存在しない
そういったウィスプに限って強力なものが多いため、他メンバーに渡すべきかどうかが悩ましい。この辺りのトレードオフ感が素晴らしく感じる。

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アルティメットゲージを最大まで溜めることで『アルティメットブースト』が発動する。
これは『SAR』シリーズのオールスタームーブ*のようなもので、これを使うだけで順位に大幅な変動が発生するくらいには強力。
効果は全キャラ一律して『超加速+無敵状態』だけなのでオールスタームーブほど派手ではないものの、その分全キャラに平等でありキャラ格差は下がっている
オールスタームーブ同様、使用中はキャラごとに専用BGMが流れる。
ナックルズなら『Unknown From M.E.』Ωなら『This Machine』チャオなら『Chao Race』といったように、どのBGMもそのキャラのテーマ曲が採用されており燃える
(何故かルージュは『Fly In The Freedom』じゃなくて『I'm A Spy』だったケド)

*オールスタームーブ
SARシリーズに登場する必殺技のようなもの。
今作のアルティメットブーストとは違い、アイテムで発動する大逆転技。
使用するとキャラごとに異なる効果が発動し、無敵状態になる。
『SAR』ではアイテムで発動する故にトップ独走プレイヤーほど馴染みが薄かったり。

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最低難易度ならば協力ガン無視のソロプレイでもなんとかなるようなバランスだが、そこより上の難易度になってくるとどうしても無視できなくなってくる
このバランス調整が絶妙で実に面白い。

ちなみに、チームプレイではないシングルレースも存在するので協力をあまり考えたくないプレイヤーでも大丈夫。
(シングルレースは割と影が薄いケド)

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今作に収録されているコースは全21種類(+ミラーコース)
3コースごとに大本となるカテゴリが用意されており、それらは全てソニックシリーズからの出典orオリジナルになっている。 

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明確に原作からチョイスされているのは『サンドポリス(ソニック3&K)』『オレンジルーフス(ワールドアドベンチャー)』『プラネットウィスプ(カラーズ)』等。
ただし、ネタ自体はそのステージ以外からもチョイスされており、例えばサンドポリスカテゴリの『サンドロード』はアドベンチャーのサンドヒルのBGMであり、『ブーズキャッスル』ではアドベンチャー2のキングブーブーやブーが登場する。
プラネットウィスプカテゴリでは『ドクターズマイン』にWii版のドリフト地帯マザーズキャニオン』にDS版のマザーウィスプが登場するなど同一の作品内でもネタ被りが起こらないように工夫されている
オリジナルのカテゴリでも『アイスマウンテン』にはワールドアドベンチャーの『クールエッジ』のBGMが流れていたりと細かな小ネタが非常に多い。
(アイスマウンテン自体も『アドバンス』に登場した地名である) 

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『シーサイドヒル『カジノパーク』『ファイナルフォートレス』ソニックヒーローズ三銃士』*流石にそろそろおなかいっぱいになってきたが、この辺りは工数削減のためだと思えば仕方ない。一応『ファイナルフォートレス』にアドベンチャーの『ホットシェルター』のネタを入れたり、コース内容を一新したりしてるし。

*ソニックヒーローズ三銃士
勝手に自分がそう呼んでいる。
ソニックヒーローズ』に登場する3つのステージをひっくるめた名称。
一応『最初のステージ』と『恒例のミニゲームステージ』と『ラストステージ』なのでバランスはとれているのだが、『SAR』以来全てのレース作品で皆勤賞なので流石に飽きてくる。
というか『SAR』『SART』『TSR』と3作品連続でモチーフが同じの同名コースが出てくる。
(内容自体は変わっている)
今作でも全体の約4分の1がヒーローズ三銃士のコースである。

コース自体のクオリティはどれも高くシリーズファンなら楽しめるネタも新旧共に多数用意されているため、個人的な不満は特にない。
欲を言うならソニックシリーズの顔ともいえる『グリーンヒル』は欲しかったなぁと思ったり。

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今作から追加された『チームアドベンチャーは所謂ストーリーモード…だが、内容は『SART』のキャンペーンモードに寸劇を加えた程度のものである。
シナリオは特に盛り上がりも盛り下がりもせず淡々と進む。
ムービーなども一切ないため、『ライダーズ』のような物を期待してはいけない
ただし、メタルソニック*を除く全キャラにそこそこの出番があり、なんとフルボイスソニックシリーズのキャラが好きであればきっと楽しめるだろう。
メタルに関してはまぁ…設定的に仕方なかった。

*メタルソニックの扱い
なんと数回しか出番がないうえにセリフは一切なし。
テキストオートスキップを使うと立ち絵すらほぼ一瞬で消える。
コレは『ヒーローズ以降の時系列のメタルは喋れない』という設定に準じているため。
彼は基本的に『喋れないという欠点を派手なアクションムービーでカバーしているキャラ』なので今作のような『全編フルボイス紙芝居』のゲームシステムとは致命的に相性が悪い。
同じく紙芝居を採用していた『ライバルズ2』ではメタルの行動プログラムをテキスト欄に表示するという荒業で会話に絡めていたものの、そんなコア向け極まりない表現をライト向けであろう今作に採用すべきかというと…。 

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使用可能なチームは『ヒーローズ』でお馴染みのソニック・テイルス・ナックルズの『チームソニックシャドウ・ルージュ・E-123Ωの『チームダーク』と、エミー・チャオ・ビッグの『チームローズ』ブレイズ・シルバー・ベクターの『チームベクター、そしてメタル・エッグマン・ザボックの『チームエッグマンの5種類。
(チームエッグマンのみチームアドベンチャーでは使用不可)
ファンとしてはローズとベクターの人選が気になるところではある。
まず、何故かチームローズからクリームが抜けており代わりにチャオが参加している。
後述するエスピオとチャーミーは不在の理由が一応説明されるものの、クリームだけ特に理由もなく消えているので違和感が凄い。
恐らく前作時点でモデルが存在するチャオの方が工数を削減できるためだと思うが。
そして今作のチームベクターの面々は未来から来たメンツがメインになっている。
…けどシルバーブレイズはベクターとパーティーゲー以外で面識なかったよね?
そこは普通に考えてエスピオでは…とちょっと思ってしまうのである。
こっちも各チームごとに異なるタイプを揃えたかったというのがありそうだけど。

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難易度はソニックのレースゲームの中では中間くらい。
『SAR』ほどヌルくはないが、『SART』ほど難しくもない
隠し要素も最初から殆ど解禁済み。
アドベンチャーマップ以外なら全てのキャラを最初から使用可能。
そのため、『SART』で隠しキャラを出せなかった人でも一安心。
(というか『SART』の難易度が高すぎただけなのだが)

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ゲーム全編に渡って難易度は3段階から選択可能、チームアドベンチャーの最高難易度は真ん中の難易度でクリアしないと解禁されない。
また、チームアドベンチャーのレースでは必ずしも勝利する必要はなく、各レースごとに設定されたクリア条件のうちどれか一つだけでも満たせばクリア扱いになる(難易度問わず)
クリア条件はどのレースでも大体『総合1位』『個人3位以上』『個人1位』の3つなので、最低でも個人で3位以内に入ればOK
トラフィックアタックやリングチャレンジのような特殊ステージは難易度が高いものの、シナリオ攻略には必須でないことの方が多く、どちらかといえばやりこみ要素になる。

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このため、『レースゲームは苦手だけどストーリーは楽しみたい』というプレイヤーでも楽しめる作りになっている。
ただし、ストーリーは必ずプレイヤーが勝利した前提で進むので気分的には完全勝利しておきたいところ。

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目玉要素である『マシンカスタマイズ』もバカにならない。
マシンのチューニング自体は『SART』の時点で既に存在していたが、今作ではそれを更にパワーアップさせている。
『SART』では各マシンごとに用意された5つのパターンから選択するというだけだったが、今作ではフロント・リア・ホイールの3種類のパーツを組み合わせるようになった。
このため、カスタマイズの幅が大幅に広がっており、深みが増している
また、各パーツはそれぞれ異なる形状になっており、それはマシンの外見にも反映されるパーツのカラーリングを変更したり、スキンを設定したりもできるので性能度外視で自分好みのマシンを作るのも可能。
一部スキンは過去作のステージをイメージしており、ソニックCD』『ヒーローズ』などの有名どころはもちろん、なんと『アドバンス2』などマイナーに片足突っ込んでいる作品からの出典もアリ

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ソニックシリーズでお馴染みのBGMも変わらずハイクオリティ
久しぶりに主題歌を手掛けるCrush40の『Green Light Ride』は勿論のこと、過去作BGMのアレンジもバッチリ。一部のBGMには過去作のメインテーマのフレーズが含まれていたりとファンサービスも抜け目ない

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フルボイス化した恩恵として全キャラのボイスが新録されているのも、ソニックキャラのファンにとっては嬉しいところ。
(SARTでは殆どのキャラが過去作のボイスの流用だった)

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『SART』と比べてどっちが面白いかと聞かれると、正直ハッキリと答えることはできない
というのも、今作でパワーアップした要素・追加された要素が多い一方で、削られてしまった要素も相応に多いので仕方ない。
今作の『チームレースを始めとしたライト層・ソニックファン向けなレース』とSARTの『マシンの変形を使いこなすコア層・SEGAファン向けなレース』はそれぞれ全く異なる魅力を持っており、単純な比較ができないのである。
これはSARTとその更に前作、SARの関係に近い。無論、SARの魅力もSART・TSRとは別ベクトルの物なので比較すること自体がナンセンス

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純粋なSEGAファンに勧められるのならSARかSARTSEGAには詳しくないけどソニックは好きという人に勧められるのがTSRであるというのが一番いい表現だろう。

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システム自体は洗練されているため、ソニックにあまり詳しくなくてもゲーム部分で楽しめるのは間違いない。
現行機種で派手なレースゲームをプレイしたいというなら今作をチョイスするのもいいと思うのである!

 

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