---20231004追記---
だいぶアクセス数も増えたのに内容が薄くてアレだったので
サテラビュー前編ともども記事のリメイクを行いました。
新記事の方がわかりやすいのでそちらをどうぞ。
(一応旧記事の方も残しておきます)
---追記終わり---
任天堂が生み出した、全世界で根強い人気を誇るレースゲーム『F-ZERO』シリーズ、ある程度ゲームに詳しい人間であれば誰もがその名を知っているシリーズであるが、SFCの『F-ZERO(初代)』とニンテンドウ64の『F-ZERO X』の間に『幻のF-ZEROシリーズ2作目』が存在したことを知る人はそこまで多くはない。
ということで、今宵語るは『幻のF-ZERO』こと『BS F-ZERO GRAND PRIX 2』、通称『F-ZERO 2』なのである!
プラットフォームはスーパーファミコン…というかサテラビューなのである!
一応サテラビュー回の後編なので、前編を読んどいたほうがわかりやすいカモ。
(まぁ読まなくても大丈夫だとは思うケド)
さて、いきなりややこしい話をしてしまうと、今作には『サウンドリンク版』と『プラクティス版』、そして前身となる『BS F-ZERO GRAND PRIX(無印)』の3つのバージョンが存在したようだ。
まず、元々サウンドリンクゲームの一つとして『BS F-ZERO GRAND PRIX』という初代のリメイクのような作品があった。
こちらは4週間にかけて放送され、毎週違うリーグをプレイする内容だったらしい。各リーグの名称は初代と同じだが、コースのラインナップは異なり、新コースも4つ用意されていたようだ。
その後、無印から新コースだけをピックアップし、更に6つコースを追加したサウンドリンクゲーム、『BS F-ZERO GRAND PRIX 2』が登場した。これが『サウンドリンク版』である。
こちらの放送は2週間に分けて行われており、初代には存在しない新コースだけで構成されたリーグをプレイすることとなったらしい。
そして、放送時間外でも単体で起動可能で、『サウンドリンク版』の5つのコースをプレイできる練習用バージョンの『BS F-ZERO GRAND PRIX 2』が登場、これが『プラクティス版』となる。
『プラクティス版』は他のBSオリジナルゲームと同様8Mメモリーパックに保存され、名前を盗まれた街の自宅から起動可能。
(ご丁寧にタイトル選択画面でもプラクティスと表記される)
前回で語った通り、サテラビューのサービスが完全に終了した今となってはサウンドリンクゲームを遊ぶ方法は一切存在しない。ということで、今現在プレイすることができるのは『BS F-ZERO GRAND PRIX 2』の『プラクティス版』だけということになる。
今回メインで語るのも当然その『プラクティス版』である。
基本的なゲームシステムやルールは初代と全く同じ。
遊べるモードもGRANDPRIXとPRACTICEのみであり、そちらも変わらず。
グランプリでプレイできるリーグは今作オリジナルのACEリーグのみ。ただし、ACEリーグのコース構成は無印のACEリーグとも『サウンドリンク版』の1週目・2週目とも異なる。難易度はBEGINNER・STANDARD・EXPERTの3段階。
(多分初代同様にEXPERTクリアでMASTERが解禁されそうな気もするけど、残念ながら自分はそもそもクリアすらできませんでしたゴメンナサイ)
プレイ可能なコース(ACEリーグの5コース)は以下の通り。
MUTE CITY Ⅳ
BIG BLUE Ⅱ
SAND STORM Ⅰ
SILENCE Ⅱ
SAND STORM Ⅱ
どれも今作でしか遊べないコースだが、そのうち3コースは初代に登場したコースのマイナーチェンジ*である。サウンドリンク版限定のコース*は今となっては絶対にプレイできないので残念ながら諦めるほかない。
*コースのマイナーチェンジ
初代(F-ZERO)では『PORT TOWN Ⅰ』『PORT TOWN Ⅱ』というように
同名のコースが別のリーグに登場することがあり、
その際にコースの一部内容が変更され、
より状球種向けなマイナーチェンジが施されている。
基本的にコース名の後の数字が大きくなればなるほど難易度は高い。
*サウンドリンク版限定のコース
『FOREST Ⅰ』『FOREST Ⅱ』『FOREST Ⅲ』
『METAL FORT Ⅰ』『METAL FORT Ⅱ』
の5コースがサウンドリンク版限定コースのようだ。
これらのコースは今じゃ当時の動画を見る以外に確認する術はない。
あくまで初代の延長ということなのか、『MUTE CITY』など初代のマイナーチェンジとなるコースは今作にⅠ~Ⅲがないにも関わらず『MUTE CITY Ⅳ』という名称になっている。『BIG BLUE』と『SILENCE』は初代だとマイナーチェンジが存在しないコースだったが、今作で晴れて高難易度化を果たした。これらは『MUTE CITY』と共にファンからの人気も高いコースなのでコレは嬉しいところ。
プラクティス版唯一の完全新規コースである『SAND STORM』は名前的に初代の『SAND OCEAN』を意識してしまいがちだが、コース内容から何まで完全に別物である。
全てのコースがPRACTICEモードでプレイ可能なのが地味に嬉しい。
ただし、どのコースも難易度はひっじょーに高い。
初代をある程度やり込んだプレイヤー向けに調整されているとしか思えない難易度である。前作の高難易度版である3コースはもちろん、新コースの『SAND STORM』に至っては前作の最難関コース『FIRE FIELD』を思い出させる結構な難易度である。
(ご丁寧にⅠの方はBGMもFIRE FIELDだし)
使用可能なマシンは初代と同様に4種類、ただし同じなのは色合いだけでデザインからスペックに至るまで何から何まで別物になっている。
青:ブルーファルコン→ブルーサンダー
黄:ゴールデンフォックス→ルナボンバー
緑:ワイルドグース→グリーンアマゾン
桃:ファイアスティングレイ→ファイアスコーピオン
初代と同じカラーリングだからといって同じノリで操作すると地獄を見るので要注意。
ストーリーについては不明、もしかしたら何かしらで語られたのかもしれないが、自分の調べた範囲ではわからなかった。当然今作のマシン4台のパイロットも情報ナシである。
先述した通り基本ルールは初代と変わらず、洗練されている。
初代同様にハイスピードなレースを楽しむことができるため、このシリーズが好きなのであれば絶対に楽しむことができる内容となっている。コース数そのものが少ないのがまぁネックではあるけど。
ただし、手放しでオススメはできない、というのもやっぱり入手難易度があまりにも高すぎる。専用カセットとSFC本体だけならまだしも、今作のデータが入った8Mメモリーパックはまず流通していない。相当なレア物である。
あまりに流通量が少なすぎるせいで今作の相場すらわからない状態だが、おそらくは10000円弱くらいだろう。ただし、今作のボリュームを鑑みると10000円ほどのボリュームがあるとはやはり思えないのが正直なところ。
実際、自分が今作を入手した時も『地元のジャンク屋で捨て値で売られていたのを見つけてダメ元で起動したら入ってただけ』というレベルなので、やっぱりガチなF-ZEROマニア以外には価格的にも入手難易度的にもオススメはしづらい。
繰り返すがボリューム不足ではあるとはいえ、F-ZEROらしい面白さは間違いなくあるし、EXPERTは相当な歯ごたえがあり燃える内容となっているので、もしも機会があるのであればぜひプレイしてほしい一作なのである。
いつか、サウンドリンク版専用コースを含めた10コースと、今作にしか登場しない4つのマシンが再び日の目を浴びることを祈っているのである。
(真面目にサテラビューの再録はずっと願っています、ハイ)
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