いろいろとゲームを語ろう

物好きなゲーマーがただただ最近遊んだゲームの感想とか内容とか書いていくブログ。レトロゲームの割合が高いかもしれない。更新は気が向いた時にだけ。

新すばらしきこのせかい

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苦節14年…ついにこの時がやってきた!
さぁ諸君、新しいゲームを始めよう!…なんつって。

とまぁそんなノリから今宵もまた新たなゲームを語り始めるとしよう!今回のタイトルは『新すばらしきこのせかいである!

今作は2007年に誕生したニンテンドーDS屈指の名作ARPGすばらしきこのせかい』の最新作『新』と聞くとリメイクやリブート的な響きがあるやもしれないが、今作は前作のれっきとした続編である。

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ひとまずは前作であるすばらしきこのせかい…通称『すばせか』について説明する。このシリーズは渋谷を舞台としたRPG『脳が複数ないとマスターできないのでは?』とすら思える忙しい操作ハードの独自仕様を生かしたシステム、そしてノリノリになれるサウンドが特徴である。

2007年にニンテンドーDSでオリジナル版が登場、2012年にスマホ向けに仕様変更がなされた『SoloRemix(SR)』が配信、さらに2018年にはSRをベースに新操作&新シナリオを追加した『FinalRemix(FR)』がニンテンドースイッチ向けにリリース

そして2021年にはなんと『すばらしきこのせかい The Animation』として発売から実に14年越しのアニメ化も果たし、先日ついに最新作『新すばらしきこのせかい(新すばせか)』が発売。間違いなく2000年代後期の新規IPで今最もノリにノっている作品だといっていいだろう。
(間にキングダムハーツ3Dへのゲスト出演やソシャゲのLiveRemexなどもあるがここでは割愛)

過去作のうちFRは本ブログでも語り済み、もう少し深く知りたいという方はどうぞ。
(もう3年くらい前の記事だし今見返すといろいろザツだケド)

monozukigame.hatenadiary.com

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新すばせかの開発はFRから引き続き株式会社ハ・ン・ド(h.a.n.d.)が担当、h.a.n.d.はDS時代のキングダムハーツをはじめ、ぷよぷよやらレイトンやらあちこちのゲーム開発に携わっているため、ゲーマー的にはだいぶおなじみ。例えば本ブログで以前語った『22/7 音楽の時間(ナナオン)』もh.a.n.d.開発だったり。なお使用しているゲームエンジンはUnity、ここまでの代物をUnityで創り上げるとはなんとも驚きである。

monozukigame.hatenadiary.com

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プラットフォームはNintendoSwitchPS4、CS機に限るとすばせかが任天堂ハード以外に出るのはコレが初。どちらかのハード限定の要素などは存在しないので、どちらで遊ぶかはお好みで持ち運びのできるスイッチか、はたまた快適さがウリのPS4か。
(今回自分はPS4版をチョイス)

前作からの違いでパッと見わかりやすいのはやはりデザイン面。
前作では全編通して高精細なドット絵(2D)によってゲームが形作られていたが、今作ではUIや会話中の立ち絵などを除くほぼすべてが3Dモデルで描画されるようになった

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『2D→3Dへとデザインを変えたことで元の良さが消えた』という失敗をやらかしたゲームは過去に星の数ほど存在したが、今作ではアウトラインを強めたセルシェーディングを採用したことにより、前作までのデザインのテイストを違和感なく引き継いでいるすばせかにおけるキャラデザはどこか尖ったマンガ調(?)であり、『3D化に向いている』とはやや言い難いようなものなのだが、そのデザインがそのまま3Dになって動いているように思えるのは本当に技術の革新を感じるところである。

今作の発売前に前作のアニメ版『すばらしきこのせかい The Animation』を放映していたというのも大きいかもしれない。こちらでは戦闘シーンを中心に一部のパートは今作と同様の3Dモデルによるアニメーションを採用しており、(結果論だが)アニメ版が前作と今作の間に入ることで、よりプレイヤーの3D化に対する違和感を受け止める緩衝材になっていたと言える。
(3D化自体はKH3Dが初なのだが、向こうはKH側のデザインに合わせていたので今作とはちょっと違う)

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キャラはもちろんのこと、舞台となる渋谷の街もフル3Dで再現されている。前作までで歩き回ったフィールドが立体的になっているというだけでも、続編を待ち続けてきたファンにとって嬉しいモノであろう。当然ながら実在の渋谷をベースにしているため、前作以上に渋谷を歩いている感が増している
戦闘においても3D化による恩恵がモロに出ており、特に巨大なノイズ(敵)との戦闘における絶望的なサイズ差による圧迫感2Dでは到底できなかったであろう表現である。

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さて、戦闘の話も出たので今作のバトルシステムについても触れよう。
今作の戦闘は『3Dフィールド上に全ての敵と味方がまとめて登場し、全員が一斉に戦う』というものになっている。

DS(2画面)SR(タップ)FR(ポインタ+二人プレイ)と毎作ハードの特色を生かしたバトルシステムを採用してきた本シリーズであるが、今回は初のマルチプラットフォームということもあり、ハードの独自機能はこれといって使用されていない。かといってすばせからしい特色が消えているかと聞かれると、それは違うと断言できる。

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前作では2人のキャラを同時に操作することで、すばせかならではの超忙しいバトルシステムとなっていたのだが、今作はプレイヤー側のパーティが最大6名まで増加。6人パーティのゲーム自体は他にも多数存在するだろう。だが今作ではなんとこの6名を同時に操作するのだ。

基本的な移動操作は6名のうちいずれか1人のみであるが、メンバー(厳密にはバッジ)ごとに設定されているボタンを押すことで、ボタンに対応したキャラが攻撃すると同時にそのキャラの操作へと切り替わる。自操作以外のメンバーは最低限の移動や回避こそ行うが、攻撃に関してはプレイヤー側が操作しないと本当に何もしない。よってプレイヤーは実質同時に6人のメンバーの管理・操作を行う必要が出てくる。ここに敵キャラごとの位置関係状況の補足各バッジのリブート状態なども考慮しだすと、文字通り頭が沸騰しそうになってくる。

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だが、これが『すばせか』なのだ。確かに前作からバトルシステムは大幅に変わった。しかし、この異常に忙しく、脳が爆発しそうになるほどの情報量を処理するバトルは紛れもなく『すばせか』の魂を受け継いでいるといえよう。

攻撃に用いられるのは前作同様にバッジだが、今作では1キャラにつき1バッジというルールになり、メンバーごとに任意のバッジを1つずつ装備する形となった。戦闘中の各メンバーの行える攻撃はそのバッジのもののみ、よってバッジの選択は前作以上に慎重に行わなくてはならない

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バッジごとのパラメータとしては前作から引き続き技の内容・攻撃力・リブート時間の3種のほかに、新たに『ボタン』が追加された。ボタンは△・□・L1・L2・R1・R2のうちいずれかであり、文字通り『どのボタンで技が発動するか』というもの。
重複して同じボタンのバッジを複数装備することもできるが、その場合は重複しているバッジが同時に発動するようになってしまうため、いざという時にリブートが終わっておらずバッジが使えない(=操作キャラの切り替えができず絶体絶命)というケースが発生しやすくなるため、中々に悩ましいポイント。ゲームに慣れるまでは基本的にボタンをバラけさせておくのがベスト。幸い6人パーティなので意識的にやれば重複ゼロは簡単にできる。

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その他のシステムについては大抵のものは前作から引き継いでおり、任意エンカウント*料理を消化して強化する成長システム*センスを上げてファッションを着こなすシステムなどは若干形を変えながらも相変わらず健在。

*すばせかのエンカウント
完全任意のエンカウントであり、ある程度戦闘する敵の種類も選択可能。
連続してエンカウントを発生させることでドロップ率を引き上げることもできる。
また、ゲーム中いつでも難易度やプレイヤーのレベルが変更でき、
出現するエネミーの強さ・ドロップ率に倍率をかけることができる。
なお前作には回避不可&逃走不可エンカウントが存在したが、今作では撤廃されている。

*食事システム
ゲーム内の飲食店で食事を行うことで、永続的にパラメータを上昇させることができる。
ただし、無制限に食事できるワケではなく、
食後に運動を行い消化を促進することでまた新しい食事ができるようになる。
前作では消化状況がメンバーごとに個別であったが、
今作では一括になったのでシンプルになった。
ちなみにキャラごとに食の好みが存在し、そちらの反応もまた見どころ。

*ファッションシステム
一般的なRPGにおける防具の概念。
少々特殊なのがファッションごとにブランドが存在し、
ブランドを揃えて着こなしたりすることで何かしらのメリットがあるのが特徴。
また、ファッションの着こなしにはパラメータが要求され、
前作では『勇気』というパラメータが足らないとそもそも装備することすら不可能であった。
今作では『センス』というパラメータに変更され、
『装備自体はセンス不足でも可能だが、ファッションアイテムのスキルが発動しない』
というわかりやすいシステムになった。

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新要素として個人的に大きかったのは『キャラクターボード』
コレはモブキャラ・メインキャラを含めた作中全てのキャラの繋がりを視覚化した相関図であり、条件を満たすことでそれぞれのキャラのプロフィールの閲覧ができるようになる。妙に印象に残るモブキャラたちは前作の時点でも『すばせか』らしさの一端を担う要素であったが、今作ではこのように視覚化されることでよりわかりやすくなった。また、線で繋がれたキャラたちは何かしら個人的なつながりがあるため、それらを意識することで、より今作の『渋谷で生きる人々』を感じられる。中には意外な繋がりもあったりするため、一度は全てを読んでおくことをオススメする。

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すばせか人気の要である渋谷感溢れるサウンドは今作でも変わらずハイクオリティ。新戦闘曲『bird in the hand』『CHASE』『Your Ocean』などはいくら聞いても飽きが来ない名曲揃い。シナリオが佳境に入ったタイミングで流れ出す『Shibuya Survivor』『DIVIDE』もまた印象的。
前作で人気のある楽曲も今作では『-NEO MIX-』として新たな可能性を見せてくれる。アレンジされている楽曲の中には当然、すばせかの顔ともいえる『Twister』も!!
前作で好評だったメニュー画面のサウンドエディット機能も続投しているため、好きな曲を好きなだけ聞くことができる。

ゲーム全体のボリュームは通常クリアならだいたい20~30時間ほどであり、一般的なRPG程度の長さであるが、ここに料理やバッジ、ファッション、グラフィティ(PS4ではトロフィー)といった要素のコンプリートを目指すと軽く90時間近くかかってしまった。少なくともボリューム面については申し分ないといっていい。

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そしてここからがRPGとしての本題、今作のシナリオである。
今作では前作の3年後、渋谷にてまた新しく始まった『死神のゲーム』が描かれる。

シナリオ中で用いられる会話シーンでは漫画風なコマ割やコミカルなデフォルメが多用されるようになり、前作以上にシナリオに没入しやすくなった。フルボイスの会話シーンも用意されており、その時はオートでの会話進行も可能。シナリオで特に盛り上がるシーンではフル3Dによるムービーが流れることも。

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ところで、初回クリアは『なんだよコレぇ!』のDS/SRといい、完膚なきまでの続編ENDだったFRといい、すばせかの本編は綺麗に終わらないことに定評(?)があるが、今作はなんと綺麗に終わる。ビックリするくらいに綺麗に、凄く心地よい読了感を提供してくれる。

よって前作で『真相を知るのにやりこみ必須なのはちょっと…』『単独で完結しないのはちょっと…』という経験をした人も安心して手を出してほしい。ちなみにシークレットレポート*や全回収による隠しイベント自体は今作でも健在だが、内容はあくまで本編の補完に留まっており、最悪見なくてもシナリオの流れはだいたい理解できる。

*シークレットレポート
前作に登場した収集要素、新でも続投。
とある条件を満たすことでシナリオの裏側を知ることができる。
前作では多くの謎を残したままシナリオが終了してしまうのだが、
こちらを収拾することで初めて全貌が見えるようになる
…といった構成になっている。

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基本的に前作の続きとはいえ3年という時間の経過はやはり大きく、主人公は前作のネクから新主人公のリンドウへとバトンタッチ、表立って死神のゲームに関わる死神たちも前作に登場したカリヤ・ウヅキといった『渋谷死神』ではなく、シイバをはじめとした『新宿死神』へと変わっている。

とある事情から死神のゲーム自体も様変わりしており、『二人一組のパートナー性』から『多人数によるチーム性』へと変化。身も蓋もないことを言えばゲームシステム上の都合であるが、このおかげで、リンドウやその仲間たちの掛け合いが非常に楽しい

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前作では必ず二人一組ということもあり、どうしても作中では孤独を感じることが多かった(コレに関しては前作主人公のネクが割とギスギスしてたせいでもある)が、今作はどんな状況であっても仲間たちが一緒に行動しているため、困った時には助け合い、時には衝突もしながら互いに成長していく様がより多く見られるようになっている。『仲間たちと共に困難に打ち勝つ』というのは一般的なRPGだとあるあるかもしれないが、すばせかだと意外なことに珍しかったりするのだ。

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新主人公とその仲間たちも癖がそこまで強くないながらも『すばせか』らしい側面を持ち合わせているキャラが多く、不快感を一切感じないのがポイント。例えば新主人公のリンドウは一般的なRPG然とした主人公とは少々言い難いが、それでも素直かつ良識のあるキャラであるため、なかなか好感が持てる。初出から中々パンチを効かせてきたナギはプレイ前こそ少々不安だったものの、蓋を開けてみれば彼女らしいキャラ性を維持しつつ、彼女以外では出せないであろう魅力を持ったキャラであった。

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そして新キャラ組で特にお気に入りなのが相棒ポジのフレット『本編開始前から親友同士』というすばせかでは前例のない設定によって引き出される『THE 同年代の友達』感が本当に最高であった。作中の成長も申し分なく、『新すばせかの影の主人公なのでは?』なんて思ってしまうほどである。

今作で主に敵対するのは『死神』『ライバルチームの面々』だが、こちらもまた魅力的。どこが魅力的なのか触れるとネタバレになるので詳細は割愛するが、それでもクリアするまでに殆どのキャラが好きになれていた

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気になる前作キャラだが、ネタバレ要素を避けたうえで最低限だけ触れると『登場する』。それもチョイ役などではない、シナリオの核にあたる最重要ポジションとして思いっきり活躍する。初報の時点で仲間入りが発表されていたゼタ様*ことミナミモトをはじめ、このキャラも、そのキャラも、あのキャラも、みーんな登場する。前作主要キャラのうち、設定的に出て来ても問題ないキャラは大体登場すると言っていいレベル。

*ゼタ様
前作のボスキャラの一人。
『ゼタ様』はファンからの通称であり、本名はミナミモトショウ。
数学用語を混ぜた通称ゼタ語録がファンの心をガッツリ掴み、
イケメンなビジュアル、ボスとしての圧倒的な強さもあり
すばせか屈指の人気キャラと化した。
ちなみに彼の代名詞たる『ゼタ遅ぇ!』だが、
実はテキストとしてはあんまり言っていない。
戦闘ボイスでめっちゃ聞くのでそっちの印象が強すぎるだけである。

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こういう続編において前作キャラというのはどうしても扱いに困るものであるが、その点はご安心、キッチリそれぞれの見せ場は用意されつつも、ちゃんと決める時はしっかりと新キャラに華を持たせるという前作キャラとして理想的なムーブをしてくれる。CVもアニメ版に出演したキャストがそのまま演じてくれているのは嬉しい限り。

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シナリオ自体も前作の物語を踏襲したうえで、また新しい『死神のゲーム』が描かれており、全体的に超ハイクオリティといっていい。特にシリーズを追いかけてきたファンからしてみれば『SRで追加された隠しスチル』『FRで描かれた追加シナリオの真相&死神ココの目的』といった年単位で持ち越され続けてきた伏線の数々が今作で尽く回収されているため、今作のシナリオには感慨深いものがあるハズ。(自分もそう)

なお、前作同様の日数刻みで章分けが行われているが、1日ごとのイベント密度は圧倒的に増しており、サブイベも含めると相当な長さになる。とりわけ終盤は怒涛の展開のラッシュであり、自分の目でしかと確かめてみてほしいところ。

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ただ、ひとつだけネックがあり、それは『今作が前作の続編である』という点。いや今更何言ってるんだというハナシなのだが、今作においてはここが本当に痛い。『今作は前作の3年後の物語』というのは先述した通りなのだが、こと今作においては『前作の物語』についての補足がほぼ行われない。おかげで今作からデビューしたプレイヤーは中盤以降の物語で置いてかれる可能性が極めて高い
タイミング的には前作の物語を補足するためアニメ版を放送したのだと思われるのだが、ハッキリ言うとアニメ版を見ただけで今作のシナリオについていくのはかなり厳しいそれでも見ないよりはマシだが。

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だったら当時オリジナル版(DS)やスマホ版(SR)をプレイした人ならついていけるのかというと、多分置いて行かれる。というのも厳密にいうならば『今作はFRの続編』だからである。
今作でたびたび言及される『3年前の事件』には前作の本編(DS/SR/アニメ版)だけでなく、リメイク版(FR)で追加されたシナリオ(A NEW DAY)も含まれており、そちらをプレイしておかないと冗談抜きで前作キャラの状況が理解できずポカーンとなってしまう。まぁ前作キャラの状況自体はかなりシンプルであるため、理解さえできてしまえば早いのだが…。

*DS/SR/アニメ版のシナリオとFRのシナリオ
基本的にはDS版のシナリオがすばせかのシナリオの全容となる。
DS版とSRのシナリオは全く同じ、アニメ版も固有名詞などが違ったり
展開端折ったりしているところこそあれど、基本は同様。
FRはDS版のシナリオに後日談となるA NEW DAYというものが追加されている。
…と言いたいのだが、ぶっちゃけA NEW DAYは後日談なんて綺麗なものではなく、
ハッキリ言って続編(つまり今作)のプロローグである。

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本作の発売前には公式から『新すばせかはアニメ版の続編』という情報が出ていたものの、実体としては『アニメ版のシナリオ→FR追加シナリオ→新すばせか』という方が正しい。よって、今作をプレイするならば最低でも前作のいずれかのプレイorアニメ版を最終話まで視聴のどちらかを行うべきである。できることならばFRのプレイを推奨するが、こちらに関しては最悪どうとでもなるので優先度は低め。でもやっぱりFRと合わせてプレイしてほしいところではある。

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今作のシナリオは紛れもなく『すばらしきこのせかい』の続きであり、見方によっては14年越しにやってきた『すばらしきこのせかいの本当の終わり』ともいえる内容である。よって前作をプレイしていない人にはそこまで重点的に勧めるワケにはいかない。だが逆に前作をプレイしていた人間は絶対に今作をプレイしておくべきだと言い切れるだろう。

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ゲーム的な部分も前述したように『すばせか』らしいシステムで綺麗に纏まっており、プレイしてみればそれだけで『コレはすばらしきこのせかいの続編だ!』とすぐに感じられるはず。とはいえ、テキストだけではわかりづらいとも思うので、とりあえず気になった人はまず体験版をプレイしてくれたまえ。そこで戦闘システムに少しでも心地よさを覚えたのであれば、それだけで今作を買う価値は間違いなくある

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『新すばらしきこのせかい』は14年間積み重ねてきた『すばらしきこのせかい』という作品の人気が生み出した一つの到達点である、というのが個人的な今作の結論である。FRのプレイヤーはもちろん、当時のプレイヤーやアニメ版を見た視聴者も今作にまず触れてみてほしいのである!

 

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