『ゲーム&ウオッチ』
その昔、任天堂が発売した携帯ゲームである。
その名の通り、ゲームと時計がセットになっており、
アラームや時間など、最低限の時計機能に、様々なゲームが遊べるという画期的な代物である。
ゲーム業界の歴史を語る上でもスルー出来ない物であり、実際、ゲーム&ウオッチ(以降G&W)の象徴ともいえる『黒い人』こと『Mr.ゲーム&ウォッチ』は様々なゲームにゲスト出演しているため、マニアでなくともその名を知る人は多いハズ。
(Mr.ゲーム&ウォッチ表記はスマブラだけだけど、それ以外の呼び方が存在しないので仕方ない)
しかし、なんやかんや言っても今の時代からしてみればもう40年近く昔に発売されたアイテムであり、最早骨董品のレベル。ゆえに今から手に入れようとしてもプレミアがついていて手が出しづらい。
ただし、今からでもプレイがしやすいように、G&Wは数々のゲームに意外な形で収録されていたりする。その代表ともいえるのが、ゲームボーイで発売された『ゲームボーイギャラリー』シリーズである。
今回語るのはその1作目、『ゲームボーイギャラリー』!
(前置きが長い)
今作ではG&Wの中でも特に知名度が高い4作をピックアップして収録。
しかし、オリジナル版の単なる移植では留まらず、新たに今風にアレンジされた『いま』モードが収録されている。
(オリジナル版は『むかし』モードと呼ばれる)
良くも悪くもシンプルな『むかし』とは異なり、システムや内容が複雑化した『いま』は、オリジナルを踏襲する一方でほぼ別ゲーとして楽しめる。
ちなみに、『いま』ではMr.ゲーム&ウォッチではなく、マリオシリーズのキャラが登場する。
(ついでに何故かドンキーコングJrとかいう超マニアックなチョイスをしている)
収録タイトルは以下の4つ。
・マンホール
道行く人々が穴に落ちないように橋を用意するゲーム。
『いま』モードではヨッシーが主人公で、一度だけなら足場を抑えずとも穴に落ちない。
・ファイア
火事現場から逃げる人々をトランポリンで救急車まで運ぶゲーム。
『いま』ではマリオブラザーズが主人公、ボーナススコアが貰えるスターや、逆にトラップのボム兵が登場。
ファイアとマンホールでは救出対象に複数のパターンがあり、それぞれ挙動が違うので地味に面白い。
・オクトパス
巨大ダコから逃れつつ宝箱からお宝を持ち帰るゲーム。
『いま』ではピーチ姫のためにマリオが奮闘する事になる。
(宝を持ち帰るまで船に戻してくれないあたり酷い)
『いま』では宝の量に応じてボーナススコアが入るが、宝が増えるごとに移動速度が下がるという要素が追加されていて、このドキドキ感が堪らない。
また、宝をすべて投げ捨てて一度だけ攻撃もできたりする。
ルール自体はほぼ変化ないが、ゲームとしては別ゲーレベルに進化した。
『ギャラリー1』の中で一番面白かった気がする。あとBGMが凄くいい。
・オイルパニック
垂れてくるオイルをビンで回収し、タイミングよく建物の外に投げ捨てるゲーム。
『いま』では両手にビンを持つため、『ヨッシーのたまご』よろしく向きを変えつつ効率よくオイルを回収していく。
オリジナル版同様に、GAMEAとGAMEB*の両方が収録。
ゲームボーイだから仕方ないが、TIMEモード*やアラームはオミットされている。
G&Wの『時計』としての機能を完全に無くし、『ゲーム』としての面白さに特化している。
*GAMEAとGAMEB
G&Wにおける難易度表記。
GAMEAが簡単で、GAMEBが難しい
*TIME
文字通りの時計として扱うモードで、
プレイヤーは操作せず、画面上ではオートでプレイする。
また、国内で発売されたG&Wについての説明を見ることができる『ギャラリー』モードもあり、G&Wの歴史を僅かながら見ることができる。
また、長期プレイもしやすいようにゲーム中断も可能で、その方法も『ポーズ画面中に電源を切る』だけで簡単。おかげで手軽にプレイできるのもいいところ。
オリジナルではただただ高スコアを目指すだけだったが、今作では一部ゲームで高スコアを出すことによって『ギャラリー』が少しずつ解禁されていくというやりこみ要素がある。
また、『いま』に限り、1000点オーバーで『難しい(GAMEB)』より更に上の『すごくむずかしい』をプレイ可能になる。
ちなみに、以降のシリーズとは異なり、『ギャラリー』の解禁条件が少し独特で、『特定タイトルでの一定スコア以上』という条件になっている。
このせいで、特定のタイトルが苦手の場合、いつまでたっても『ギャラリー』が埋まらないということが起こる。(特にスコアが稼ぎづらいむかしモード)
これ以降の作品では200点区切りでのポイント数合計により解禁されるようになるので、以降のシリーズ作に比べると解禁難易度はかなり高い。
(未だにコンプできていない)
正直言うと、『ギャラリー2』以降に比べると、収録タイトル数も少なめでちょっと微妙に感じることもあるが、それでもG&Wの歴史に気軽に触れることができるので、気になっているのならプレイをオススメしたい。
(ギャラリーシリーズでオイルパニックがプレイできるのは今作だけ!)
ちなみにVCでも配信されている。
3DS用VCなのでまるごとバックアップ連打でコンプもしやすいハズ。
それでもむかしモードの1000点オーバーは気が遠くなるけど。
他G&W復刻作品はこちら