SEGAの象徴にして音速の青いヒーロー『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』、今も昔も世界中から愛され続けている彼であるが、そんな彼が主役を務める『ソニックシリーズ』といえば、諸君らはどんなジャンルを思い浮かべるだろうか?
クラシック時代らしい2Dアクション?はたまたモダン初期の3Dアクション?それともモダン後期の2Dと3Dのハイブリッドアクションだろうか?昨今なら新たにオープンゾーンも選択肢に入ってくるか。そんなこんなで長きに渡り様々なアクションゲームをプレイヤーに提供してきたソニックシリーズ。ときにはアクションはアクションでも一風変わったものを送り出すこともあった。それこそ『ソニック3Dブラスト / ソニック3Dフリッキーアイランド』なんかは最たる例である。
というわけで今宵の記事でも風変わりなソニックのアクションゲームを語っていくとしよう!今回の主役は『ソニックバトル』である!!ソニックといえばオーソドックスなアクションゲームをイメージする人が殆どだと思われるが、本作のジャンルはそのタイトルが示すように『バトル』…すなわち『格闘ゲーム』である!!
本作のプラットフォームはゲームボーイアドバンス(GBA)で発売は2003年の12月。本家ソニック的にいえば『ソニックヒーローズ』と同月発売で、本作の方がちょっとだけ先にリリースされている。
(バトルが12月頭、ヒーローズが12月末に発売)
GBAのソニックシリーズはそこそこ多く、日本では本作以外に過去記事で触れた『ソニックアドバンス』のほか『ソニックアドバンス2』『ソニックアドバンス3』『ソニックピンボールパーティー』が存在する。大半のGBAソニックはディンプスが開発を担当していたのだが、本作は本家本元のソニックチームによる開発。(出自を考えると)格ゲーを得意とするハズのディンプスが2Dアクションの『ソニバンス』シリーズを手掛け、数多の2Dソニックを作ってきたソニチが格ゲーである『ソニックバトル』を手掛けた…と考えるとなんだか不思議な感じである。
本作よりも前の1995年にアーケードで稼働したソニックシリーズ初の格ゲー『ソニック・ザ・ファイターズ』は開発がセガのAM2研であることも相まって『バーチャファイター』や『ファイティングバイパーズ』の延長ともいえる絵に描いたような『3D格ゲー』らしいシステムであったが、本作『ソニックバトル』では一転して3Dフィールドを多彩なアクションで縦横無尽に飛び回る最大4人対戦…といういわゆる『格闘アクション』寄りな作風になっているのが最大の特徴。当然ながら操作方法・アクション・ゲーム性、そのどれもが『ファイターズ』のソレとは似ても似つかない。
というわけで本作は最大4人対戦の格闘アクションである。体力ゲージが尽きるとKOとなりまた体力全開で任意の地点から復帰、誰かが勝利条件を満たしたり、制限時間が尽きるまで試合は終わらない。ルールは『KOバトル』『サバイバル』『TIME制』の3種類があり、『KOバトル』は指定された回数分だけ(相手を問わずに)KOしたプレイヤーの勝利、『サバイバル』はKOされて残機が尽きた順から抜けていき最後まで生き残ったプレイヤーの勝利、『TIME制』は制限時間が終了した時点で最もKO回数の多いプレイヤーが勝利となる。いずれのルールも『相手を撃破する』のが主目的なのは変わらない。
基本ルールに触れたところで、今度は操作とアクション周りを紹介しよう。格ゲーといえばコマンド入力を筆頭に操作の複雑さがどうしても心理的ハードルを高めてしまう印象があるのだが、本作においては心配無用。というのも本作の操作はどれも1ボタンor1ボタン+十字キーの方向入力のみで完結するという極めてシンプルなもので統一されているからだ。他ゲーで例えるならば『スマブラ』シリーズみたいなものをイメージすればいい。当然使用キャラごとにコマンドが異なるなんてこともなく、どれか1人のキャラを扱えるようになれれば必然的に他の全キャラの全アクションを発動できる。
Bボタンを押すと通常攻撃、連打すると『ファーストアタック』→『セカンドアタック』→『サードアタック』→『ヘビーアタック』と繋がる。ヘビーアタックが命中すると相手は大きく吹っ飛び、そこで吹っ飛んだ方向に十字キーを入力すると『ツイゲキ』として相手のいる位置へと超高速で移動。そこで更にBボタンを押すと強力な『ツイゲキアタック』が繰り出せる。
この『ファーストアタック』~『ツイゲキアタック』までの一連の流れが本作における全キャラ共通の基本コンボである。基本的にBボタンを連打しているだけで出せる簡単なアクションながら、ツイゲキアタックまでヒットした場合の火力は非常に高く、なんとこれだけで相手の体力の7割~8割を削れてしまうことも。ちなみにキャラの向いている方向キー+Bボタンでいきなりヘビーアタックを発動することもできる。ただしヘビー単体だとスキが大きいのでやや上級者向け。
さて、ヘビーアタックを受けたプレイヤーはツイゲキまで甘んじて受けなくてはならないのか?答えは否、ヘビーアタックを食らったプレイヤーにも反撃の機会は設けられている。ヘビーアタックで吹っ飛んだ場合はその後壁に命中→バウンドしたところをツイゲキされる流れになるのだが、壁に命中した時点で十字キーを吹っ飛びと逆方向に入力していると、即座にヘビーアタックを食らわした相手へと近付くことができる。相手が雑にツイゲキ状態に入っていたならば絶好のチャンス、逆にツイゲキアタックで反撃することができるのだ!もし仮に反撃できなかったとしても壁に命中した際の接触ダメージは無効化できるわダウン状態を防ぐことができるわといいことづくめである。
そしてこのヘビーアタックによる吹っ飛びとツイゲキ、吹っ飛ばされた側のカウンターの存在により、本作の対戦ではフィールドの端から端まで超高速で各プレイヤーが常に飛び回ることになる。高速移動時のSEも相まって試合のド派手さも爽快感もずば抜けているのが素晴らしいポイント。ここに更に後述するような多彩なアクションも加わるから猶更である。
基本の攻撃アクションでは若干影が薄いが『アッパーアタック』というのもある。アッパーアタックは現在向いている方向とは逆方向への入力+Bボタンで発動、目前の敵を真上に打ち上げることができる。打ち上げた相手をそのままコンボに繋げるのも当然アリ。ただし本作はごく一部の例外を除きどのキャラも空中戦を苦手としているので、空中でコンボを決められるキャラはごくごく僅かではあるけれども。
Aボタンを押せば言わずもがな『ジャンプ』、ジャンプ中にもう一度Aボタンで『エアーアクション』を発動可能。エアーアクションとはソニックならジャンプダッシュ的な『ソニックバレット』、ナックルズなら滑空を思わせる『グラインダーアタック』、テイルスならヘリテイルのような『テイルスフライ』…といったようにキャラごとに異なる専用の移動アクションで、コレがそのままキャラの個性に繋がっている。また空中にいる状態で攻撃を発動すると空中攻撃技である『エアーアタック』が使用可能。
Lボタンで『ガード』、ガードの判定は非常に短いもののそのままLボタンを押しっぱなしにすれば『ヒール』状態になる。ヒール状態中はガードが解除されてしまい無防備となってしまうが、そのあいだ体力ゲージとイチコロゲージ(後述)が回復し続ける。ガードやヒールの性能ももちろんキャラごとに別々に設定されている。またヒール状態中に十字キーを左右に押し続けるとカメラを回転させて周囲を見回すことができたり、Lボタンを高速で2回入力するとカメラの向きを反転させたりもできる。
そしてここからが最も重要なポイント、Rボタンを押すと『必殺技』が発動する。必殺技は『ショット』『パワー』『セット』の3属性が存在し、ここに『グランド』『エリアル』という要素を組み合わせた計6パターンが各キャラごとに用意されている。『グランド』+『ショット』で『グランドショット』、『エリアル』+『セット』で『エリアルセット』みたいな感じである。
必殺技の内容はキャラによって大きく異なるが、大まかな方向性としてショット系必殺技は『遠距離を攻撃できる飛び道具』、パワー系必殺技は『近距離を攻撃できる高火力技』、セット系必殺技は『任意の位置に仕掛けるトラップ』といったものが多い。グランドとエリアルの違いは発動するタイミングであり、グランド系必殺技は地上、エリアル系必殺技は空中にいる時に発動する。
必殺技は試合開始時、或いは被KO後の復帰時に選択可能。先ほど必殺技は6パターンあるとは言ったが、一度に使用することができるのはそのうち2パターンまでである。具体的には『グランド』『エリアル』に指定した1つずつのみ使用可能。例えば『グランドパワー』と『エリアルショット』だとか、『グランドセット』と『エリアルパワー』といった組み合わせである。ただし『グランドショット』と『エリアルショット』、『グランドパワー』と『グランドセット』のように一度に属性を重複させることはできない。
なお『ショット』『パワー』『セット』を『グランド』『エリアル』に割り当てようとした場合、当然前者3つのうち1つが余ることになるのだが、ここで余った属性は『ディフェンド』になる。ディフェンドは必殺技として扱うことこそできないものの、一方でその属性に完全な耐性を得る…つまりはディフェンドに設定した属性の攻撃を受けたとしても完全に無効化できるわけである。『ショット』をディフェンドに設定したならば相手の『グランドショット』『エリアルショット』、『セット』ならば相手の『グランドセット』『エリアルセット』では全くダメージを受けなくなる…といった具合である。
この『ショット』『パワー』『セット』と『グランド』『エリアル』『ディフェンド』の組み合わせによる駆け引きが本作の面白いポイントであり、『このキャラはセット系が厄介だからセット属性をディフェンドにしよう』『さっきはパワー系でやられたからパワーをディフェンドに…と見せかけてグランドパワーで不意打ちを狙う』などなど、各々のプレイヤーの戦略性や立ち回りがもろに大きく出てくる。属性をどのように割り当てるかはプレイヤー次第。コレに正解などはない。強いて言えば最後まで勝ち残ったヤツが正解である。
そしてこの戦略性により深みを与える要素として『イチコロゲージ』なんてのもある。イチコロゲージは被弾・ガード成功・ヒール等で上昇。イチコロゲージがMAXになるとキャラが点滅するようになり、この状態で使用する必殺技には1度だけ即死判定が付くようになる。イチコロゲージはKOされてもそのまま保持されるものの、MAX状態で一度でも必殺技を使用したならば命中の有無に関係なくゲージがリセットされる。
イチコロ状態の必殺技は脅威以外の何物でもないのだが、一方でディフェンド設定による耐性はイチコロに関係なくダメージを無効化することもできる。相手がイチコロ状態orイチコロ状態目前なのを見計らって、相手のグランド・エリアルに対応したディフェンドを設定することで上手い具合に無駄うちさせるのもテクニックの一つである。
またイチコロ状態の必殺技をディフェンドで防いだ場合、防いだ側のイチコロゲージが即座にMAXになるため、『イチコロで倒しに来た相手を逆にイチコロで返り討ちにする』なんてことも可能である。まぁ逆に言えば相手のディフェンドを把握せずに雑に必殺技を連打したりすると、反撃のイチコロで即死させられかねないのだが。ところで小ネタ中の小ネタだが、ごくごく一部の通常技には『必殺技じゃないのにショット属性の必殺技判定』のモノがあり、イチコロ状態でこれらを使うとゲージを消費せずに即死判定が付くというトンデモナイ仕様が存在する。ショットをディフェンドにしておくだけで防げるとはいえまぁまぁインチキである。
エメル
ソニック
テイルス
ナックルズ
シャドウ
ルージュ
エミー
クリーム
■ガンマ
■カオス
△ファイ
△ガードロボ
△エッグマン
■は隠しキャラ
△はCPU専用キャラ
本作のプレイアブルキャラは全部で10名、お馴染みチームソニックの3人にライバルであるシャドウにルージュ、ヒロインのエミー、それからデビュー直後ゆえ猛プッシュされていたクリーム…と人選自体は極めて妥当。強いて言えばE-123Ω(オメガ)とビッグが不在なのは気になるか。更に条件を満たせば隠しキャラでガンマとカオスも登場。その他にCPU専用キャラとしてE-121φ(ファイ)とガードロボ、そしてエッグマンがいる。まぁエッグマン以外のCPU専用キャラは他のコンパチだけども。
各キャラはいずれも個性に秀でており、個別パラメータや専用仕様で大きく差別化が行われている。『地上戦はお世辞にも強いとは言えないが、ジャンプ後に滞空できるため対策してない相手なら一方的に空中から攻撃できるルージュ』『攻撃が当てづらいもののヒールによるイチコロゲージの上昇量がダントツで即死を狙いやすいナックルズ』『恐ろしく足が遅い一方で特定のアクション中は完全無敵になる専用仕様を持つカオス』などなど…どのキャラもコンセプトがハッキリしているため、軽く触ってみただけで『こういう立ち回りをすればいいんだな』という点がわかりやすいのが魅力。
もちろんこれらの個性は対戦相手が使用している場合でも変わらない。だからこそ本作の対戦は個性のぶつかり合いともいえる様相に仕上がっているのだ。言わずもがなアクション面も特徴的なものが揃っている。本作で新たに用意されたアクションはどれもキャラのイメージを崩さない『らしい』ものばかりで、格ゲーというジャンルだからこそ見えてくる新たな魅力もきっとあることだろう。
旧作ネタもふんだんに使われており、『アドベンチャー』のライトスピンアタックや『アドベンチャー2』のバウンドアタックを思わせる必殺技を使うソニックや、『ソニバンス2』よろしくチャオのチーズと一緒に戦うクリーム、『ソニバンス』『アドベンチャー』に近いハンマーアクションを見せるエミーなどなど、過去作ファンならニヤリとできるものも少なくない。…中にはダッシュ時にドライブモードになるのはともかく、パワー系必殺技が悉く自爆かつKO時にすら自爆するガンマのように『アドベンチャー』でのE-102γの顛末を知っているとニヤリどころかもはや苦笑いしかできないネタもあったりするが。
ところで本作以前のGBAソニックではシステム音声のみボイスが用意されていたのだが、本作ではなんとソニックをはじめとした各キャラに声優さんのボイスが搭載されている。シナリオ進行のパートボイスはもちろん、対戦中もアクションの度に掛け声を出してくれるので非常に賑やか。もちろんCVは同時期に放映されていたTVアニメ『ソニックX』と同じ。なかでも広橋涼氏ボイスのテイルスやあおきさやか氏ボイスのクリームがゲーム媒体において登場したのは本作が初である。
(クリームに至っては本作が初のボイス付きでのゲーム出演である)
個性豊かなキャラたちの中でもとびきり目立つのが、本作を語るうえで欠かせない存在である『エメル』。エメルとはカオスエメラルドを取り込み成長する謎のロボットで本作のオリジナルキャラ、そして本作における事実上の主人公である。エメルはゲーム開始当初、信じられないレベルで弱い。アクションはいずれもソニックの完全下位互換であるし、パラメータもそのすべてが全キャラ中でも最低クラス。じゃあどうしようもないじゃないか…と思いきや、エメルには本作を象徴する独自システムが存在する。それこそが『スキル』の『キャプチャー』である!!
先ほども紹介したように本作のキャラたちは攻撃にしろ移動にしろ必殺技にしろ多彩なアクションを使用できる。これらは全て『スキル』と呼ばれているのだが、なんとエメルはこれらのスキルを『キャプチャー』して自分のものにすることができるのだ!というわけでここからはスキルとキャプチャー関係のシステムの紹介である。
本作のストーリーモードにて対戦にエメルが参加した場合、対戦に参加したキャラのスキルをキャプチャーできる。1度にキャプチャーできるスキルは相手1人につき1つだけ。つまり4人参加の試合ならエメル以外の3人から1つずつ、計3つのスキルを入手可能。手に入るスキルは完全ランダムなので、何度も何度も対戦を繰り返して様々なスキルをキャプチャーしていくといいだろう。
そしてエメルはキャプチャーしたスキルを自分の技として扱えるようになる。エディット画面にてエメルの各アクションにキャプチャー済みのスキルから任意のものを装備していくことができる。キャプチャー対象となるスキルはエメル以外のプレイアブルキャラの文字通り全てのアクションである。エメルがキャプチャーしたスキルを使用する場合、その性能やアクションは元々のスキルと全く同じ性能となる。
『エミーのファーストアタック』→『クリームのセカンドアタック』→『ガンマのサードアタック』のような複数キャラの複合も当然可能。なかには他キャラのアクションと組み合わせることで真価を発揮したり、独自のコンボを組めたりするものだって多い。…逆に下手な組み合わせだと長所を殺しあって全く使い物にならないなんてこともあるが。
ガードやヒールのスキルを装備すればガードの持続時間やヒール時の体力/イチコロゲージの回復量が元キャラのものへと変化する。とくにヒールスキルは『イチコロゲージの上昇量は高いが体力回復は控え目なナックルズヒール(ナックルズ)』『イチコロゲージは全然伸びないが超高速で体力が回復するリカバリーモード(ガンマ)』『バランスよく両ゲージが回復するクリームヒーリング(クリーム)』といった風に立ち回り自体に大きく関わってくるのでよく考えるべし。
更にキャプチャーできるのは攻撃や防御だけではない。驚くことにエメルは他キャラのダッシュ・ジャンプ・エアーアクションといった移動関係のスキルも習得可能。ルージュのジャンプ『ルージュフライング』を装備すれば滞空しながら移動でき、カオスのダッシュスキル『カオスダイブ』があればダッシュ中に無敵状態になり、ガンマのファイティングポーズ『ガンマスタイル』があればKO時に相手を巻き込んで自爆できる…といったように他キャラが持つ専用アクションや特殊仕様すら、キャプチャー次第で自らのものにできてしまえるのだ!
そしてエメル自体の外観を変更したりもできる『ファイティングポーズ』や『カラー系』といったスキルもあり、これらを装備することでエメルの瞳や関節・ボディのカラーリングを自分好みに変更することも可能。この2つはごく一部の例外を除きキャラ性能に影響しないので、完全にプレイヤーの趣味でチョイスするとイイだろう。
というわけでもうおわかりであろう。ゲーム内に存在する全てのアクション…合計309種類の中から好きなものをピックアップして、自分の理想のキャラ(エメル)を作り上げられるこの『エメルのカスタマイズ』こそが本作『ソニックバトル』における一番の特徴であり面白いポイントである!ひたむきに強さを求めて育成するもよし、『チームソニックの技だけで構成』など自分なりにコンセプトを決めてカスタマイズしてみるもよし。カスタマイズは『メモリ』といった形式で3つまで保存可能である。
…ただしなんでもかんでもスキルを装備できるかといわれるとNO、スキルにはそれぞれ『コスト』というパラメータが設定されており、プレイヤーはエメルの『スキルポイント』の範疇に収まるようにスキルを選んでいく必要がある。スキルポイントはストーリーモードにてエメルを使用して試合をするごとに少しずつ上昇していき最終的に500でカンストする。
当然ながら強力なスキルはそれだけコストが重いため、なんでもかんでも好き勝手に装備していくとあっという間にスキルポイントの上限に達してしまう。よってある程度は妥協するのも大切である。『ショットは常にディフェンドに割り当てるから、グランドショットとエリアルショットは初期スキルにしてポイントを浮かせよう』『ガードを完全封印してプレイする代わりに、ガードスキル分だけ浮いたポイントを他に割り当てる』あたりがよくあるパターンか。
ステージ名…ホームのキャラ
エメラルドビーチ…ソニック
テイルスラボ…テイルス
チャオルーイン…ナックルズ
バトルハイウェイ…シャドウ
クラブルージュ…ルージュ
エミールーム…エミー
ライブラリー…クリーム
メタルデポ…ガンマ
ホーリーサミット…カオス
デスエッグ…エッグマン/エメル(ネタバレなので反転:ストーリーモード限定)
コロシアム…該当者なし(BGMはファイ戦)
グリーンヒル…該当者なし(バトルモード/トレーニング限定)
戦いの舞台となるステージは上記12種類、いずれもGBAというプラットフォームでありながら3Dフィールドとなっているため、初めてプレイする人は驚くこと間違いなし。ハイウェイやカジノなどテーマ自体はソニックシリーズのお約束を踏襲しているものの、一方で格闘アクションにありがちなステージギミックの類は全く存在せず、ステージごとの違いはシンプルに地形とフィールドサイズのみである。…『エミールーム』みたいに視覚的なインパクトで訴えかけてくるものもあるにはあるが。
ストーリーモードのクリアまでの難易度はそれなりの範疇に収まっている。ただしエメルを使用する機会が多いため『スキルのキャプチャー状況』が難易度にそのまま直結しているのは否定できない。満遍なく様々なスキルを習得済みであれば一貫して普通の難しさだが、ロクにスキルを覚えずに進めてしまうと一瞬にして地獄染みた難易度と化す。とりわけ厳しいのは初回プレイにおける最序盤であり、ほぼ初期スキルのエメルを使用してナックルズとのタイマンを張らせられるソニック編ラストは本作における最初の壁としてよく知られている。
もっとも仮に対戦に負けたとしてもその場でコンティニューが無制限に可能であるし、シナリオ中には任意で特定の相手と好きなだけ練習試合ができる場所が用意されることもあり、そこでスキルやスキルポイントを稼ぐこともできるため、『完全な詰み』が発生することは全くない。
またストーリーモードをはじめからやり直したり、過去にクリアした別キャラのシナリオを再度プレイした場合にはスキルの収集状況やスキルポイントがそのまま引き継がれる。そのためプレイを重ねていくほど戦略の幅は広がり難易度は下がっていく。
そしてここからはストーリーについてのオハナシ。『ソニバンス』シリーズといい『ピンボールパーティー』といい、GBAのソニック作品のシナリオは必要最低限の添え物程度な扱いが殆どであったが、こと本作においては『アドベンチャー』『アドベンチャー2』といった当時の据置機の本家ソニックシリーズに引けを取らない重厚なシナリオが描かれているのが特徴。なんなら我はほぼ全てのソニックシリーズを遊んできているが、最もシナリオが面白いソニック作品は本作だと思っているほどである。
ストーリーモードではマップ上を歩き回って物語を読み進めるADV的な作りとなっていることから、シリーズ全体を通した中でもかなりテキスト量が多い部類。それゆえに描写はとにかく濃密で説明不足な場面などは作中で全くといっていいほど存在しない。
本作では隠しキャラを除く全キャラに個別のストーリーが用意されている。ただし本家ソニックのような『同一時間軸の別視点ストーリー』というわけではなく、『一本の筋の通ったストーリーが視点を切り替えつつ進行する』といった形式なのは珍しい点。例えば最初から遊べるのは『ソニック編』のみで、ソニック編をクリアするとそこから直接続く『テイルス編』がスタート、テイルス編が終わったらその続きの…みたいな感じである。
肝心のシナリオのクオリティについてはハッキリ言って"最高"の一言。海岸に打ち捨てられたエメルとソニックが出会う場面から物語が始まり、エメルがカオスエメラルドを集めるごとに成長し、ソニックやその仲間との交流を通して色々な経験をして『ココロ』を学んでいく過程が丁寧に描かれている。まともに話せない赤子のような状態だったエメルが少しずつ言葉を学び、ときにはソニックたちの口調を真似てみたりして、やがては流暢に喋るようになる姿からはさながら本当の子供の成長物語のようなものを感じさせる。『エメルを自分好みに育成していく』という本作の根本的なゲームシステムも相まって、プレイヤーはストーリー進行とともにエメルに対して相当な愛着を抱くことは避けられないだろう。だからこそ本作の物語はより深く、重く、そして輝くのだ。
オマケに本作のシナリオの中核には『ソニックアドベンチャー』にて登場したナックルズ族たち『四大文明 / 第四文明*』、そして『ソニックアドベンチャー2』における最重要ファクターのPr.ジェラルドやマリアといった『スペースコロニー・アーク』の面々が深く絡んでくる。一部のシナリオでは回想という扱いで『アドベンチャー2』や当時まだ発売前だった『ヒーローズ』の台詞が出てくる場面だってある。過去作の要素を多分にピックアップしたその内容は、(一部を除き)過去作の設定からほぼ矛盾なく繋がっており、よりソニックシリーズの世界観を広げることにも一役買ってくれている。
*四大文明 / 第四文明
『アドベンチャー』に登場したナックルズの先祖『ナックルズ族』と
『ソニッククロニクル』に登場する『ノクターン族』が築いたとされる文明。
設定自体の初出は本作『ソニックバトル』なのだが、
本作時点では『4大文明』表記で、『クロニクル』にて『第四文明』表記になった。
…『四大文明』と『第四文明』だと意味が変わる気がするが、どっちが正しいかは謎。
ただ本作だと『4大文明のひとつ』といった風に扱われているのと、
そもそも『クロニクル』自体がかなり誤訳の目立つ作品なので、前者が正しい気がする。
本作のシナリオはさぞかし魅力的に映ったのか、後に発売されたディンプス開発の『ソニックアドバンス3』、BioWare開発の『ソニッククロニクル 闇次元からの侵略者』では本作で登場した『ギゾイド』の設定を下敷きにした物語が展開されている。いかに本作のシナリオが人を惹きつける内容だったのかを証明しているといえるだろう。…まぁ『ソニバンス3』はキレイに完結したからいいとして、『クロニクル』はシナリオぶん投げた挙句ゲーム外の部分でトンデモナイことになっちゃったのが惜しいんだが…。
シリーズ全体で見た場合の本作の正確な時系列は不明(というか公式でもあまり重視されてない)だが、シャドウが復活済みかつ過去の記憶を取り戻していることから『シャドウ・ザ・ヘッジホッグ(シャドゲ)』よりも後のハナシだと考えられる。…『ヒーローズ』時点でE-100シリーズがE-123Ωまで進んでいるのに何故か本作でE-121φが作られてるって?細かいことを気にするでない。
シナリオ全体のバランスもよくギャグ展開とシリアス展開の両方が用意されている一方で、どちらかに比重が偏っていたりもしない。またキャラごとにギャグ寄りのシナリオとシリアス寄りのシナリオがハッキリ分かれているため、視点が変化する度にきっちり物語にメリハリがあるのも素晴らしいポイント。シリアス展開の塊ともいえるクリーム編やシャドウ編は言うまでもなく素晴らしく、一方でノリが完全にギャグなナックルズ編も『ケイヤクを介さない対等な立場での友情』を描いたものと考えれば見どころたっぷりである。ところで本作で個人的に一番好きなシナリオはエミー編、これもギャグ展開の塊なんだが勢いがありすぎて楽しいのよね。
なお本作のシナリオを執筆した方は当時ソニチに所属していた菊地麻比古氏、残念ながらソニックシリーズでは本作以外だと『シャドゲ』にてゲームデザイナーとして携わっていたのみらしい。この人の描くソニックのシナリオをもうちょい読んでみたかったのだが…。名前でググってみたらCEDEC2015で講演していらしたお方でビックリしたり。
とはいえゲーム的な都合からテンポが悪い場面もないわけではない。シナリオ上にて『先に5回KOした方が勝ち』というルールのKOバトルを持ち掛けられる際、ほぼ確実に勝利後『ここからが本番だ』的な台詞が入り『先に10回KOした方が勝ち』というルールで強制的にすぐ再戦になるのは流石にテンポが悪い。メタ的にはエメルの成長機会を増やすためなのだろうが…。
もちろんエメルを倒すことに執着し続けている一部シナリオのガンマ戦だとか、ピンチになったソニックを救うために相手がチームソニック3人になるルージュ編ラストなどのように再戦に意味を持たせている場面がないわけではないのだが、ぶっちゃけそれ以上に無意味な再戦が本当に多い。最初っから10KOバトルにしてくれと何回思ったことか。
ここまでストーリーモードの話ばかりを続けたが、本作にはソレ以外にも操作やコンボの練習ができる『トレーニングモード』に、相手・ステージ・ルールを自由に設定してフリー対戦ができる『バトルモード』、一般的な格ゲーにおけるキャンペーンのように相手・ステージ固定の5連戦を勝ち抜く『チャレンジモード』が用意されている。これらのモードでもエメルは使用可能、能力はストーリーモードのものが引き継がれる。…ただエメルのカスタマイズがストーリーモード内でしか行えないのは不便っちゃ不便ではある。
GBAのソニックだと半ば恒例となっていたチャオ育成モード『チャオのプチガーデン』は本作だと非搭載。日本のGBA作品でプチガーデンが存在しないのは本作と『ソニバンス3』だけ。とはいえ本家の3Dソニックも『ソニックアドベンチャーDX』を最後にチャオ育成モードは消滅しているため、GCとの連動が前提のプチガーデンがお役御免というのは理解できる。
ヘンテコなモードだと『パーティーモード』なんてものが搭載されている。このモードでは通信ケーブルを用いて最大4人で本編から独立したミニゲームをプレイ可能。プレイできるミニゲームのひとつ『マインハント』はいわゆるマインスイーパー、足元の数字を元に地雷の位置を特定して、全ての地雷を踏まずにチェックを付ければクリアとなる。なお地面を掘る役割はナックルズ。地雷を踏んだら彼がギセイになるので要注意。まぁ一手目はノーヒントで掘らされるので、運が悪いとそこで終わるけど。
パーティーモードではこのほかに『ソニックラッシュ!』『フライングゲット』『スピードデーモン』『トレジャーアイランド』といったミニゲームを遊ぶことができるぞよ。…えっ、急に説明が雑になったって?仕方なかろうパーティーモードのミニゲームは『マインハント』以外マルチプレイ限定なんだもんよう。ちょっとしか触った記憶がないのじゃ。
そしてソニック作品というのならもちろんBGMはナイスなモノ揃い。本作のサウンドスタッフは前田龍之氏、床井健一氏、小林秀聡氏の3名。3人ともSEGA所属のサウンドクリエイターで前田氏はSE、床井氏と小林氏がBGMの担当である。格ゲーらしくギターサウンドが目立つロック調のBGMは否応なしに本作の試合を盛り上げてくれる。一方でエメルとファイに関連する楽曲は電子音を主軸としたテクノサウンドとなっており、この両キャラの異質さをアピールすることに一役買ってくれている。
個人的なお気に入り楽曲は何かと聞く機会の多い『バトルハイウェイ(No.13)』や言い知れない圧迫感を醸し出してくる『カオス戦(No.18)』、聞く機会こそ少ないが後半になるにつれて渋い盛り上がりを見せる『ホーリーサミット(No.17)』、そして本作のラストバトルを象徴するようなやるせなさ・悲壮な決意がよく表されている『最終ボス戦(No.19)』あたり。ありそうでなかったロックアレンジ版の『グリーンヒル』もファンなら必聴である。
ところでやっぱり当時のソニック外伝作の例に漏れずサントラがリリースされていないのは惜しい点。よって本作のBGMは『ソニックジェネレーションズ 青の冒険』にて再録されたエメラルドビーチの『Sonic Stage』以外の正式タイトルが不明である。一応サウンドテスト自体は存在することだけは救い。先ほどの曲名の後についていた『No.X』はサウンドテスト内のナンバーである。…何故か『グリーンヒル』だけは未収録なので、じっくり聞きたいときはトレーニングモードに入る必要があるのだが。
ストーリーモードのクリアまでを目標とした場合のプレイ時間は10~15時間ほどとなかなかボリュームは多め。エメルの育成に拘ったりストーリーのテキストを余すところなく読み進めようとした場合は更に伸びるハズ。やりこみ要素としては先ほど触れた『チャレンジモード』のスコアアタックのほか、ストーリーモードにおける『スキルのコンプリート』が挙げられるだろう。
ただしこの『スキルのコンプリート』は控えめに言って修羅の道なので無理してコンプを目指さなくてもいい。というよりもスキルのコンプは理論上可能なだけでまず不可能である。我もそこそこどころかかなり本作をやりこんでいるが、未だにスキルコンプはできていない。コンプを目指す場合、最大の関門となるのは『レアスキル』の存在である。
レアスキルは読んで字の如くのレアなスキル。分類としては能力値に補正を与える『サポート系』や超強力な専用技『???』『コンビネーション系』、グラフィックを変更する『カラー系』、そして覚醒したエメルの技という設定の『ULTスキル』がある。このうち『コンビネーション系』と『ULT系』以外は試合終了時に低確率でキャプチャーできるのだが…まぁこの確率とやらが尋常じゃないほど低い。本作を最初からゲームクリアまで1周プレイして2回入手できればラッキーなレベルである。
こんなスキルが全部で63種類もあるというのだからたまったもんじゃない。しかもただでさえレアスキルを引ける確率自体が超低確率なのにダブりが発生する。とはいえランダム入手のレアスキルについては既にセーブ&リセットで粘る方法が確立されているため、根気さえあればまだなんとかなる。粘る手順はググれば引っかかるだろうが、折角なので本記事ラストでも紹介しよう。
もはや粘るとか粘らないとかそんな次元じゃないのが全21種類の『ULTスキル』。コレは本作終盤に解禁されるエンドコンテンツ『バーチャルトレーニング』をクリアできれば確定で1つ入手できる…のだが、このバーチャルトレーニングが理不尽なまでに難しい。ルールは至極簡単で『エメルを使用して1VS3のサバイバル戦を勝ち抜いていく』だけなのだが、どういうわけか『1回でもKOされたらそこで終了』という縛りが課せられる。そして思い出してほしい、本作はイチコロゲージによる即死技があるのだ。
当然イチコロの即死を食らった時点でバーチャルトレーニングは強制終了。というか1VS3という都合上袋叩きにされたらイチコロ関係なく一瞬で体力ゲージが溶けて終了である。しかもルールが『サバイバル』なので相手3人を複数回KOしなくてはならず、そのKO回数も1戦ごとに増加していきやがて15KO…1戦につき3人合計45KOを要求してくる。こんなルール下で最終的に20連勝もしなくてはならない…と書けばその苦行っぷりは伝わるだろう。
オマケにこんなに頑張って入手した『ULTスキル』は容赦なくダブる可能性まである。また大半の『ULTスキル』は苦労に見合った性能をしているものの、なかには『ULT.ガード』『ULT.ダッシュ』のように絶妙に使い勝手が悪いものや『ULT.ポーズ』のように見た目しか変わらないものも混じってたりするので、死闘の果てに手に入ったスキルが微妙なんてことも…。このバーチャルトレーニング周りの仕様は本作をやりこんだプレイヤーであればおそらく全員が不満に感じているであろうポイントである。
格闘アクションなのでバランス関係の調整も気になるところだろうが、実をいえば本作は対人戦のバランスがあまりにも歪である。ここまで散々語ったように本作は全キャラの個性が突出しているのだがキャラバランスは宜しくなく、大体のプレイヤーが強キャラはシャドウ(人によってはクリームも)という見解で一致している。もっとも『キャラの個性>>>キャラバランス』という方向性の調整はそれこそ『ソニックR』の時代から続きソニックシリーズではお馴染みであるが。
そしてシャドウだのクリームだのの性能談義がどうでもよくなるレベルでその上を行くキャラもいる。言わずもがなエメルである。理想的なスキル構成の『ぼくのかんがえたさいきょうのエメル』を各々のプレイヤーが持ちよれるのだから当たり前なハナシだが、基本的にエメルを投入した対人戦はエメル同士での対決にならない限りマトモな試合にはならない。極まったエメルは『初撃を当てるだけでそのまま体力を10割削る攻撃』『数秒で完全回復するヒール』『射程無限の奇襲攻撃』なんかが使用できてしまえるからである。
…更に恐ろしいことに、そんな極まったエメルを他の通常キャラで倒す手段も存在する。というのも本作は全キャラに『10割コンボ』あるいは『ハメ技』が存在するからである。ファーストアタック~ツイゲキアタックまでの流れで7割~8割の体力が削れるということからもわかるように本作はどのキャラも体力が低めであるため、このツイゲキまでのコンボにひと工夫(ツイゲキアタック後のバウンド中にエリアルパワーで追い打ち等)を加えるだけでアッサリ10割コンボが出来上がってしまうのだ。
なんならツイゲキすら使わずとも出の速い攻撃技をタイミングよく使い続けるだけでそのまま相手をハメてKOできてしまうキャラもいる。なんせ本作には『スーパーアーマー』のような概念が存在しないうえダメージやダウン後の無敵時間もなく、またダメージモーションやダウン復帰モーション中はガードやジャンプなどを含めた他のアクションが一切使えないからである。
本作のゲームバランスを平たく言うと、『シャドウとクリームが強キャラ、その2人ですら手が届かない最強キャラにエメル、そのうえでキャラバランスなんかどうでもよくなるレベルの戦術が全キャラに存在するため、一周回って全キャラ平等』という、あまりに吹っ飛んだ調整になってしまっている。まぁコンボにしろハメにしろ最初の1発を決めなければハナシにならないので、攻撃がそもそも当てにくいナックルズやガンマが扱いづらいのは変わらないのだが。
だがここまで破滅的なキャラバランスをしているにも関わらず、実はストーリーモードを普通にクリアする範疇ではそこまで問題になることはない。当たり前だがCOMは10割コンボやハメ技を決めてきたりしないからである。あくまで粗が見えてくるのは対人戦であってCOM戦においては若干大味な面もあれど極端なバランス崩壊はない。さながら本作は『1人プレイ専用のキャラ育成アクションゲーム』の上に後付けで対人戦要素を無理やり載せたかのようなバランスになっているのだ。ソロでCOM戦を遊ぶだけならまず問題は起こらず、対人戦に手を出した瞬間から問題点が爆発的に見えてくるのも猶更ソレを思わせる。
というわけで今回は『ソニックバトル』という作品についてガッツリ語ってみた。ところで何故このタイミングで我は本作を語ったのか?もともと本作はシリーズでも上位に入るくらいお気に入りの作品であり、遅かれ早かれ語る予定ではあったのだが、とあるコンテンツに触発される形で一気にこの記事を書き上げる羽目になってしまったのである。
そのコンテンツとはズバリ『ソニック×シャドウジェネレーションズ 闇の序章』、今月末発売予定のリメイク兼新作の販促目的で公開されたWebアニメなのだが、そこに映っていたのは在りし日のアーク、そして暴走するギゾイド…そう、本作(ソニックバトル)の作中において言及されていたギゾイドの暴走事故が、20年の時を超えた2024年になってまさかの映像化が行われたのだ。その映像を目の当たりにした瞬間から我の本作を語りたい欲にブーストがかかってしまい、本来もっともっと後回しにする予定だったところ、シャドゲ回を書き終えた直後から執筆を始めた次第である。
きっかけはそんなところだったのだが、とりあえずは『ソニックバトル』の魅力についてはだいたい語りつくせたと思うので個人的には大満足である。流石に本家シリーズや『ソニバンス』シリーズに比べるとファン向けの作品でありプレイヤー数も少ないものの、そのシナリオのクオリティやゲーム部分の爽快感は実に素晴らしく、本作を遊んだプレイヤーからは口を揃えて高く評価されている一本である。機会があればぜひプレイしてみてほしいところである!
…まぁ本作『ソニックバトル』は『ソニバンス』シリーズとは異なりWiiU向けのVC配信等は行われなかったため、今も昔もGBA実機でしかプレイできないのは難点といえば難点か。ただ『ピンボールパーティー』や『ソニバンス3』に比べると流通量は多い方だと思われるので、GBA本体ごと買い揃えてもそこまでお値段は張らないハズ。…布教のハードルを考えるとNintendoSwitchOnline向けのサブスク配信とかに来てくれるのが一番嬉しいんだケドね。
何はともあれこれで心置きなく『ソニック×シャドウジェネレーションズ』の発売を待つことができる…と言いたいところなのだが、ぶっちゃけ次もソニック回の予定だったりもするのよね。まぁそれは次回に続くということで!
------以下オマケ------
※レアスキル粘り
①ナックルズ編を開始する
②ビーチでナックルズと1KOバトルをする場面まで進める
③1KOバトルに勝利する
④レアスキルが入手できたら続行、そうでない場合リセットして③へ
⑤直後のファイ戦をスタートメニューから中断
⑥再戦するか尋ねられるのでイイエを選択
⑦すると1KOバトル(③)の直前に戻る
上記手順の③-⑦をひたすら繰り返すことで最高効率でレアスキルを粘ることができる。またレアスキルを入手できなくてもナックルズのスキルは手に入るので、ついでにそっちを埋めるのもいいだろう。同じようにカンスト前ならスキルポイント稼ぎも可能。
ナックルズの撃破のみは自力でやる必要があるので、ある程度強力なスキルは事前に用意しておくこと。『コンビネーション系』ならディフェンドで弾かれることもないので、先にそちらを入手してからの方がやりやすいだろう。ただしコレで入手できるのはあくまで『カラー系』『サポート系』『???』のみである。『ULTスキル』が欲しい場合は地道にバーチャルトレーニングに挑むべし。
※ソニックチームのパスワード
ソニックコンビネーション…75619
テイルスコンビネーション…OTrOI
ナックルズコンビネーション…yU3Da
シャドウコンビネーション…ArmIa
ルージュコンビネーション…AhnVo
エミーコンビネーション…alogk
クリームコンビネーション…ZAhan
ガンマコンビネーション…tSueT
カオスコンビネーション…EkiTa
エメル編の序盤イベントを済ませると『セントラルシティ』にて『ソニックチーム』に入れるようになる。ここで上記のパスワードを入力することで専用のレアスキル『コンビネーション技』が入手できる。コンビネーション技はいずれも『目にも止まらぬスピードで弱攻撃連打→最後に大技』という連撃のグランドパワー。
発動直後から当て続ければ最後の大技を発動する前に相手の体力を10割削れる超火力というだけでも充分ヤバいが、実は最初の弱攻撃連打は『イチコロの即死効果が乗るのにディフェンドで防がれない』という恐ろしい特徴がある。ハッキリ言ってコレさえあればCOM戦ではまず負けないだろう。対人戦では使用を控えた方がいいかもしれない。
これらのパスワードは発売から21年が経った今でもなお本作の公式ホームページに掲載中。よってわざわざここに載せる必要もない気がしないでもないが、こういう情報は複数の箇所に残しておくに越したことはない。レトロゲームはいつ公式ページが消えてもおかしくないものでね…。
余談中の余談だが、偶然か意図的かは不明ながら『シャドウコンビネーション』のパスワードを並べ替えると『mArIa(MARIA=マリア)』になったりする。よって一見すると無秩序な英数字の並びっぽい他のパスワードにも何か意味が込められていたりするのかもしれない。
※ゆっくり実況動画(マジでオマケ)
我はその昔ニコニコ動画にて本作『ソニックバトル』のゆっくり実況プレイ動画を投稿していたことがある。折角なのでここでそのリンクを張っておこう。Youtube用の総集編は現在チマチマと作成中なので、バトルも総集編が投稿でき次第ここに載せることにする。