Trick or treat !!
オバケが似合う季節になってきたのである!折角なので今日はハロウィンにピッタリなホラー(?)でKawaiiアイドルゲームについて語るのである。
さぁさ、今宵語るは『Kawaii Deathu Desu(カワイイデスデス)』!
プラットフォームはNintendoSwitch/PS4/PSVita/Steamの4つ。今回はPS4版でプレイし、無事トロコンまでクリアしたので語るのである。先に言っておくと今作のゲーム性から言ってPSVita版を購入するのはオススメしない。理由については後述するが、今はとりあえずコントローラを買い替えられる環境でプレイした方がいいとだけ言っておく。
この可愛らしいキャラデザ等を見て『日本のゲームかな?』と思うかもしれないが残念ながら不正解、今作の開発元である『PippinGames』はブラジルに拠点を構えるインディーゲームデベロッパーである。業界的に見れば比較的新しい会社ではあるが、数々の賞も受賞している実績あるメーカーである。
というわけでお察しの通り今作は今のところNintendoSwitch/PS4の日本ストアからは購入不可能である。購入したい場合は海外アカウントを用意するか、Steam版を購入するか、PSVita版のパッケージ(これまた日本未発売)を購入するかのいずれかである。
【2021/09/08追記】
とまぁこんな風に『今作は日本未発売』のように語っていたわけであるが、なんと驚くことに日本でも配信したのである!日本で配信が行われたプラットフォームはSwitchにPS4にVita、つまり海外と同じ。
ここから先の記事は2020年10月31日(国内未発売)時点の文章となっているので、そこはどうか気にしないでほしいのである。ちなみに価格はなんと500円!これまた実にお安いのである!
なお、今作に目を付けたのは『先日サムライジャックを購入した際に余った海外用PSポイントの使い道に困ったため』というなんとも失礼な理由からである。まぁ言い換えれば『余ったポイントで気軽に買えるくらい安価』ということなのだが。ちなみにお値段は3.99ドル、日本円にして約420円である、実にお安い。なんか日本のストアでは見覚えのないカワイイパッケージに惹かれて購入してしまった。要はジャケ買いである。
タイトルから想像は付きづらいが、今作はアイドルを主人公としたアクションゲームである。まぁどういう内容かは画面を見ればなんとなく伝わるハズ。さて、上記は今作のゲーム画面。見ての通り、舞台はアイドルのコンサート会場、プレイヤーはアイドルとなり、ファンの前に立つことになる。しかし、一部のファンはステージに上がってアイドルとお近付きになろうとする。コレは困った!…というわけで…
マナーの悪いお客様には
ちなみになんでここまでアイドル達が気軽にファンの命を奪えるのかというと、まぁぶっちゃけた話彼女たちは人間ではない。その正体はモンスターである。え、知ってた?
ゲーム内では世界観についての説明はほぼ存在しないものの、公式サイト(英語)を読めばある程度どういう設定なのかがわかる。フル英語なので若干読み違えている部分もあるかもしれないが、今作のシナリオは要約すると…
モンスターたちが暮らす冥界、そこでは『信者の魂を最も多く集めた存在こそが王になれる』というルールがあり、冥界の住民である今作の主人公(プレイアブルキャラ)たちも冥界の王を目指して日々競い合っていた。だがある時突然、彼女たちは何故か日本のアイドルに転生してしまう。しかし、冥界のルールはこちらの世界でも有効!アイドルならばアイドルらしく、コンサートで信者(ファン)の魂を刈り取ってしまおう!
ってな感じである。転生された側(こちらの世界)からすればハタ迷惑極まりないが、彼女たちもまた目標のため一直線なのでまぁ仕方あるまい。
基本的なゲーム画面は見ての通りかなりシンプル。中央に必ずプレイヤーキャラがおり、近付いてきたファン(敵)を容赦なく攻撃して刈っていく。操作はかなり簡単で、←ボタンで左側に攻撃、〇ボタンで右側に攻撃、以上で全てである。
そう、このゲームは極限レベルにまで操作を単純化しているため、どんなプレイヤーでも、それこそ殆どゲームを遊ばないようなライトユーザーでも1分もあれば操作方法をマスターできる。ある意味ではカジュアルゲームの鑑ともいえる。
なお、一般的なアクションゲームにおける『移動』の操作は存在せず、移動したい場合は左右どちらかの攻撃を行う必要がある。移動に合わせてカメラもプレイヤーが中心になるように動いてくれるため、見失うことはまずない。こういった点も初心者向きである。
ちなみに今作のゲーム性は公式サイトによると『One Finger Death Punch』というインディーの2Dアクションゲームをリスペクトしたらしい。こちらは日本向けにもNintendoSwitch向けにリリースされている。(パブリッシャーは毎度おなじみレイニーフロッグが担当)
ある程度敵を倒していくと画面の下側にある青いゲージが溜まり、ゲージがMAXになると『必殺技』を発動できるようになる。必殺技は←ボタンと〇ボタン、つまり攻撃ボタン同時押しで発動、温存することもできるが、大抵温存しようとしても暴発するのでさっさと使った方がいい。
必殺技の効果はプレイヤーキャラによって異なり、『攻撃範囲強化』のようなシンプルなもの以外に『自動行動のNPC召喚』や『ランダムで一定時間バフ効果』など、様々なものが存在する。
ゲームモードは一人で遊べる『Solo』と対戦が可能な『PvP』の二つが存在するが、お察しの通り多人数プレイのモードは自分には縁がないため、この記事で語るのは『Solo』のみである。
『Solo』では12のステージを攻略していく。各ステージは特定の国家をイメージしており、3ステージごとに次の国へと移動する。日本(1~3)→中国(4~6)→アメリカ(7~9)→ブラジル(10~12)と世界中を巡る形になるため、言ってしまえば世界ツアーといった感じか。基本的に後半のステージになるにつれて敵キャラの耐久度が上がり、攻撃が激化するほか、国が変わると襲ってくるファンのラインナップも変わる。(1国あたり3種類)
各種ステージには『ノーマル』『ハード』『インセイン』の3つのモードがあり、それぞれに異なる仕様がある。初期状態では『ノーマル』しか選ぶことができず、一定回数(ステージによって異なる)『ノーマル』でクリアすることで、そのステージの『ハード』と『インセイン』、および次のステージの『ノーマル』が解禁される。よって、ただ単に全てのステージをプレイしたいだけならば『ノーマル』だけをプレイしていけばいい。
『ノーマル』と『ハード』のルールはほぼ同一で、画面右下にあるゲージが最後まで進行するまでの間、ゲームオーバーにならないようにファンを刈っていけばOK、右下のゲージがMAXになればステージクリア。『ハード』の場合はステージクリア後に3段階でランク付けがされる。最高ランクの条件はノーダメージクリアだが、『ハード』は敵の密度や攻撃速度が『ノーマル』の比較にならないレベルで厳しいものになっているので、今作に慣れ切ったプレイヤーでも最高ランククリアは至難の業。とはいえクリアランクは他の要素には絡まない完全自己満足の要素なので、別にスルーしても構わない。
『インセイン』モードは所謂エンドレスモード、こちらはクリアの概念がなく、プレイヤーの体力が尽きてゲームオーバーになるまで永遠に敵が沸き続ける。敵の密度・攻撃速度は可変で、初期状態は『ノーマル』と変わらないが、一定時間が経過すると『ハード』並、更にそれ以上生き残ると無尽蔵に上がり続ける。最終的に高橋名人並かそれ以上(=人力じゃまず無理)の連射を求められるようになるので、永遠にプレイし続けるのは連射パッドでもない限り不可能、あっても可能かどうかはわからない。
『インセイン』にはスコアの概念があり、敵を倒していくことでスコアが上昇、ゲームオーバーになった時点でのハイスコアを目指すモードである。コレに合わせて『インセイン』に限り『コンボ』のシステムが採用されている。一定数の敵をダメージを受けずに倒していくとコンボが上昇し、スコア上昇量が2倍→3倍→4倍~とドンドン増えていく。この倍率の限界値は不明だが、確認できた範囲で最大15倍まで上がったのでこれまた無尽蔵に上がっていく気がする。当然ハイスコアを目指す際にはコンボを維持する必要があるため、『いかにダメージを受けず、確実に敵を仕留めるか』を重視した立ち回りが要求される。とはいえ『ハード』のクリアランクと同様にこちらのハイスコアも自己満足の要素なのでスルーしてもいい。
(まぁ事実上のエンドコンテンツみたいなものなので最終的にこればっかやるようになるが)
敵の種類は大きく分けて3種類、男性ファン・女性ファン・太っちょファンというラインナップ。基本的にどの国でもこのラインナップは変わらない。男性ファンはオーソドックスにまっすぐ突っ込んでくるのみ、太っちょファンは移動速度は遅めだが耐久力高め、女性ファンは基本男性ファンと同じだが、中国以降の女性ファンはこちらの攻撃に合わせてフェイント回避を行ってくるので非常に厄介。
というかぶっちゃけ女性ファンは攻撃がヒットした瞬間に無敵化の判定が行われているため、アメリカ以降の高難易度ステージは少なからず運ゲーの要素を孕んでいる。中国までは回避でもバックステップ止まりなので対処のしようもあったのだが、アメリカ以降は問答無用で後方に回り込んでくるため人間の反応速度ではおそらく対処不可能。故に後半ステージの難易度は割と理不尽に片足突っ込んでいる部分はある。まぁゲームオーバーのペナルティはない(むしろソウルが手に入る分プラス)うえ、すぐにやり直しも効くシステムなのでさほどストレスがかからない仕様なのはありがたいが。
どのモードでもプレイすれば『ソウル』を入手できる。ソウルの入手量はその時のプレイ次第だが、どんなプレイでも最低限のソウルは手に入るため、如何に下手なプレイヤーでも何度もプレイしていくうちにソウルは溜まるようになっていく。ソウルの使い道については後述。
プレイヤーキャラは全9名、Kawaii死神の『デスChan』にノリノリなラッパーゾンビ『エミー』、自称キュートなアニメっ子のサキュバス『スー』、そのほかにも吸血鬼・スライム・ラミア等、いずれもモンスターの属性的にも性格的にもバリエーション豊か。一見すると誰一人としてモンスターには見えない可憐な少女なのだが、攻撃時に一気にモンスターらしい本性(?)や表情を見せつけてくれるのが魅力。
初期状態で使用できるのは『デスChan』のみで、以降はソウルを使用してアンロックしていくことになる。それぞれのキャラクターはパラメータの傾向が異なる他、攻撃モーションや必殺技が大きく違う。コレによって使い勝手が大きく変わり、キャラによっては別ゲーレベルに変化するパターンもある。初心者向けなのは仕様がシンプルなデスChanかエミー、逆に上級者向けなのはボタン入力数が奇数か偶数かでモーションが変わるエリサか、入力と判定までに若干のラグがあるアビゲイルあたりか。
キャラクターごとにレベルの概念があり、これまたソウルを消費することでレベルが上がる。レベルは最大で10、後半のレベルになるたびに必要なソウル量も増えていく。レベルを上げずにプレイしていくと間違いなく後半のステージで詰むので、真っ先に上げるのをオススメする。とりあえず男性・女性ファンは確1、太っちょファンは確2で倒せるくらいには最低でも育成しておきたい。
パラメータは『ライフ』『キック』『マジック』『ダメージ』『ブロック』の5つだが、ぶっちゃけ『ライフ(体力)』『ダメージ(攻撃力)』『ブロック(防御力)』以外はどういう効果なのかサッパリだが、それら3つのパラメータだけでも目に見えて変化があるので、やはり真っ先に上げておくべし。
ちなみにパラメータには影響しないもののキャラクターのコスチュームチェンジ機能も存在。コスチュームチェンジを行うとゲーム内でのグラフィックや立ち絵が変化する。コスチュームもデフォルトのモノ以外はソウルを消費して購入可能。各キャラクターごとに用意されたコスチュームはデフォルトを含めて4種類ずつ。いずれもかなり可愛らしい。
アイドルがテーマなだけあってBGMもハイクオリティ、12のステージそれぞれに専用のテーマ曲が用意されている。もちろんサウンドテスト機能も完備。個人的なお気に入り曲は『Death Is A Relief After All』『OTURAN』『Reinforcement』『Fruity Hall』あたり。ステージの国が変われば曲のジャンルも大きく変わるがいずれもノれる曲なのは変わらない。
そして今作最大の魅力といえばやはり『キャラの可愛さ』であろう。
今作のメインキャラたる9人のアイドルは海外産キャラといえど、日本の『萌え』をしっかり研究したうえで生まれており、繊細に描かれたドット絵の雰囲気も相まってまさにKawaiiを体現したデザインに仕上がっている。
待機・クリア時のアクションやダメージ時に見せる挙動も細かく、これこそまさに2Dドットアクションの神髄といっても過言ではない。一転して攻撃時のモンスター的な一面を見せるアクションは可愛らしさを内包させつつ恐ろしさも感じられる見せ方になっており、こちらもまた今作ならではの魅力である。また、掛け声程度であるがキャラのボイスもこれまた各キャラの雰囲気に合っている。
また、今作は海外ストアからしか購入できない作品ではあるものの、しっかり日本語向けローカライズを行っており、オプションから日本語を選択することでゲーム内の全ての言語が日本語になる。まぁそうはいってもそもそもテキストがほとんど存在しない(せいぜい実績とプロフィールくらい)ため、あまり関係はないのだが。
唯一にして最大の問題点は『連打量が洒落にならない』に尽きる。ここまでの説明からわかる通り、今作は移動にも攻撃にも連打が要求される。まぁ言ってしまえば『連打ゲー』なのだが、その連打量が本当に、冗談抜きで洒落にならない。ぶっちゃけるとプレイ時間の9割以上は連打である。実績の条件から考慮すると、自分は今回の記事を書くまでの間に単純計算で少なくとも70000回近く(実際には間違いなくこれ以上)のボタン連打を行ったことになる。
コレが何を意味するかというと半端じゃないレベルで指が痛くなる。そして、操作に使用したコントローラの寿命をマッハですり減らす。実際自分は今作をガッツリプレイした翌日に指が筋肉痛になり、最終的にDS4が一つオシャカになった。(まぁこっちは長年使ってたというのもあるが)
記事の最初で『Vita版をオススメしない』と書いたのもコレが理由である。ゲーム性についてはおそらくどのバージョンも同一であるため、ボタンの寿命をすり減らすのは全機種共通だろう。コレがPS4やSwitch、PCであるのであればコントローラが故障してもいくらでも買い替えが効くものの、携帯機であるVitaはそうはいかぬ。故に悪いことは言わないから今作はコントローラを買い替えられる環境でプレイすべし。
ゲーム内要素のコンプを目指そうとすると前述した圧倒的連打量に悩まされることになるものの、コンプを目指しさえしなければ『気楽にいつでも起動できて、好きな時に短い時間で遊べるシンプルなアクション』である。なので『購入したゲームはガッツリやり込む!』みたいなヘビーゲーマーよりは、『暇つぶしに適当にゲームしたい!』というライトゲーマー向けな作品である。
ただし、クリアランクやハイスコアのようなヘビーゲーマーに魅力的に映る要素が数多くあるのも特徴であり、結果ヘビーからライトまで、どんな人にでも問題なく進められるあたりはカジュアルゲームのあるべき姿を体現している。
まぁ細かいことは置いておいて、とにかく『Kawaii』ゲームであるため、カワイイゲームが好きな人は安価だし気軽に手を出してみるべし!である!
-----オマケ(ダイジェスト動画)-----