侍…それは忍者と並び古くから存在する日本文化の一つである。
やがてこの文化は『サムライ』として日本から世界へと広まることとなる。今や『サムライ』といえば日本のヒーローと言っても過言ではないレベルの存在だろう。
…まぁ実際の侍とは単なる職業的な立場とか身分的なアレでしかないのではあるが、よく言われる『サムライ』っていうのは数多のフィクション作品で大量の設定が盛られたモノを指すことが多いので気にしない。『侍』と『サムライ』は別、ここテストに出るから。
いつもの茶番も終わり、今宵もゲームを語るとしよう。さて、今回語るのはこちら!
『Samurai Jack: Battle Through Time』!
今のところ海外でしかリリースされていないため邦題は存在しないが、あえて日本風にタイトルを付けるとするなら『サムライジャック : 時を超えた戦い』ってところだろうか。プラットフォームはNintendoSwitch/PS4/Oneといった現行機種のほか、Steamでも配信している。とりあえずスイッチ版で1周とPS4版で3周+トロコン達成したので語っていくのである。
2020/10/22追記:まさかの日本版発売決定!正式な邦題は『サムライジャック : 時空の戦い』となりました。
以降の語りは日本版発表前の時点での内容なので、海外限定発売前提みたいな内容になっていますが、どうかスルーして頂けると助かります。追加された情報については記事の一番最後にもいろいろ追記してあります。
販売はAdultSwimGames、開発はソレイユ株式会社が担当、ソレイユはかつてテクモで『NINJA GAIDEN』や『DEAD OR ALIVE』などを手掛けた『Team Ninja』が設立した『ヴァルハラゲームスタジオ』を本家としている日本のゲーム会社。今作以前には『NARUTO TO BORUTO シノビストライカー』や『ニンジャラ』、配信予定のモノでは『鬼滅の刃 血風剣戟ロワイアル』の開発も行っているため、ニンジャやサムライであればお手の物なゲームデベロッパーである。
さて、今作はTVアニメ『サムライジャック』を原作とするアクションゲーム。ということで最初に軽く原作に付いて解説しておこう。
『サムライジャック』原作についてはもう知ってるよ!という人はコチラをクリック。
『サムライジャック』は日本では2002年にカートゥーンネットワーク(CN)で放送された全5シーズンのTVアニメである。アメリカで制作された作品ではあるが主人公は日本のサムライ、作中の演出にも日本的なものを数多く取り入れているため、他のCNのアニメと比較してもかなり異色。しかしその異色さ故かオンリーワンな魅力が輝いている作品であり、今でも人気は色あせない。
まぁ作中に出てくる日本(主人公の故郷)は純粋な日本というより『アジア全体がミックスされた海外の日本観』って方がそれっぽいが気にしない。コレもある意味サムライジャックらしさである。
日本を襲った強大な敵『アク』を倒すため修行を積んだ日本の王子(今作の主人公)が魔法の刀を手にアクを討伐するも、アクの悪足掻きによって遥か遠い未来へと飛ばされてしまう。飛ばされた先の未来はアクに完全に支配されており、今度こそアクを倒すため、そして過去へと帰るため、未来世界の人々から『ジャック』と呼ばれた王子が戦いに身を投じる…
というのが主な原作のあらすじである。
シーズン1からシーズン4までは基本的に1話完結型で『ジャックが未来世界で出会った人々を助ける』という内容が続いていたが、完結編であるシーズン5ではシーズン(10話)通して続く長編エピソードが描かれる。
シーズン4までは根底の設定はシリアスながらも時折ギャグが挟まれる構成、一転してシーズン5ではギャグシーンが殆ど存在しないシリアス一辺倒の内容となっている。描写もかなり過激なものになったため、シーズン1からシーズン5まで通しで見ると『あれ?アニメ変わった?』となることだろう。
実際、シーズン4とシーズン5との間でリアルタイムで13年もの期間が空いており、海外でもシーズン5は深夜枠、日本に至っては未放送という状態である。よって、『サムライジャック』は日本では未完の作品である。
とまぁ『サムライジャック』原作の話はここまで、ここからは本題であるゲーム『Battle Through Time』について語るとしよう。
今作は『サムライジャック』をベースとした3Dアクションゲームである。『サムライジャック』を原作とするゲーム作品は実は過去にも何本か出ていて、ブラウザゲームのほか、GBAで1本、GC/PS2で1本がリリースされている。しかし、CS機の作品はいずれも海外限定の作品であった。まぁ海外が主戦場の作品ゆえ仕方あるまい。
というか今作もいつもの如く海外限定の作品である。まぁ昔と違ってリージョンロックもかかっていないため、プレイ環境を整えるのが容易なのは幸いか。SwitchやPS4でも海外アカウントを作るだけだし、Steamに至っては普通に遊べるし。
日本語音声吹替こそないものの、完全に日本語ローカライズが行われているので一安心である。
ゲームシステムはごくごく普通の3Dアクション。各種ステージを探索しつつ、刀や弓などといった様々な武器を駆使してアクの配下たる敵を蹴散らしながらステージを攻略していく。ステージの最後にいるボスを倒せばステージクリア、次のステージへと進む。基本的には3Dだがステージの途中では2Dの視点に切り替わり、横スクロールアクションのように進んでいくパートもある。『クラッシュバンディクー』をイメージするとわかりやすいが、2DパートではZ軸の移動ができない(概念はある)ため、『ソニックワールドアドベンチャー』の方が近いか。
戦闘では被ダメ時のスキがかなり大きいので、一撃入れてからのコンボの連撃が非常に楽しい。ただコレは敵味方共通して言えるコトなので、プレイヤー側でも連撃を食らって死にかけることも少なくない。よって今作は『敵に攻められる前にいかにうまく攻めるか』が重要なゲームである。逆にスーパーアーマー持ちの敵は下手に攻めると返り討ちに遭うため、今度は『いかに敵の攻撃を防ぎ、そのスキに攻撃を叩き込むか』が重要になる。
ちなみに敵へのトドメに刃物系の武器(刀や薙刀)を使うとアニメのように敵が真っ二つに切り裂かれる。バッサバッサと敵を切り裂いていくのはかなり爽快感があるため、ついつい刃物付きの武器を使ってしまう。
正直なことを言うと『サムライジャック』のゲームではあるが、内容はぶっちゃけ純然たる『NINJA GAIDEN』である。よって、ニンジャガシリーズのプレイヤーであれば今作のシステムにもすんなり入っていけるハズ。『サムライ』のゲームなのに『ニンジャ』とはこれ如何に。
ジャックが冒険するステージはいずれも原作の特定エピソードをモチーフにしたものとなっている。登場する敵キャラも雑魚・ボス含め大多数がそのステージに因んだものとなっているが、デモンゴやシノビなど、一部原作エピソードのステージが無くても登場するキャラもいる。
ジャックの冒険を手助けするNPCにはサーコリン・バーソロミュー・ロスチャイルド3世やダ・サムライ、そして毎度おなじみスコットマンなどこれまた懐かしいチョイス。
ちなみに本人こそ登場しないが、ちゃっかり背景の小物に盲目のスナイパーやモンキーマンも登場。中盤以降は日本未放送のシーズン5をモチーフにしたステージを冒険するようになり、スカラムーシュやアシなど日本初上陸となるシーズン5初出のキャラも登場する。ステージと併せて全ての元ネタがわかれば貴方も立派なサムライジャック博士。
武器はお馴染みの刀のほかに槍・ハンマー・棍棒・素手がメインで存在、サブは弓・ハンドガン・マシンガン・その他投擲アイテムが登場。メイン武器は攻撃のコンボや操作方法からして異なり、使い勝手もかなり違う。ショップで武器の鍛錬を行ったり、スキルを強化したりすることでコンボ内容が変わったり、新たなアクションが増えたりする。十字キーでメイン武器は即座に切り替えられるため、コンボ中に違う武器に持ち帰ることも可能。一つの武器を極めるか、複数の武器を使いこなすかはプレイヤー次第である。
サブ武器は操作方法自体は大体同じなものの、弓に限っては主観視点に切り替わって敵やオブジェクトを狙うことができる。一部の仕掛けはコレでしか作動できないため、弓と矢は最低でも携帯しておくことが望ましい。
ちなみに敵には武器ごとに耐性が用意されているらしく、『コイツ硬いな…』という相手と戦っている時は武器を変えてみるとビックリするほど簡単に勝てることも多かったりする。
素手以外の武器にはいくつものバリエーションがあり、いずれも性能が異なる。武器は宝箱から入手出来たり、ショップでの購入、敵から奪い取ったりと入手方法は様々。一部の武器は入手条件がかなり限定されるので武器コンプは中々難しい。
刀カテゴリのマジックソード(魔法の刀)と素手以外は使い続けるといずれ壊れてしまう。当然、壊れてしまった武器は使えなくなる。壊れる前に武器を修理するか、いっそのこと使いつぶすか、それとも売り払うかはこれまたプレイヤー次第。なお、武器が壊れるとその武器に応じたブシドーファイア(ニンジャガで言うところのエッセンス)が手に入るので壊すことにも意味はある。
やり込み要素としては純粋な高難易度モードの攻略のほか、ステージ中に隠された『家紋』集めや武器・アイテムのコンプリート、そして後述するミッションが存在する。家紋はマジで洒落にならないポイントに隠されていることも珍しくなく、ノーヒントで全て集め切れた人は素直に誇っていい。しかし、家紋を全回収することでとあるご褒美があったので、集めるだけの価値はある。
難易度は下から順に『ジャック』『サムライ』『マスターサムライ』そして『マスターオブマスターズ』の4段階、マスターオブマスターズは一度全てのステージをマスターサムライでクリアしないと解禁されない。自分は(Switch版は)最初からマスターサムライでプレイしていたが、真ん中の難易度であるサムライですら一般的なアクションゲームに比べてやや難しいため、余程アクションゲームの腕に自信がない限り、初回はサムライ以下の難易度でプレイするのをオススメする。
難易度を変えることにペナルティはなく、またステージ開始時やゲームオーバー時にいつでも難易度は変えられるので、無理だと感じたらすぐに下げた方がいい。ちなみに難易度が変わると露骨に敵の配置やラインナップが変化したり、高難易度だと全く見たことのない技を使ってきたりもする。この辺もニンジャガと同様。
難易度を問わず、ゲームを一度でもクリアするとミッションというモードが追加される。こちらは武器を指定された状態かつ制限時間や被ダメで即死などの特殊な条件下で多数の敵キャラと戦い続けるモードである。フリーとボスとエンドレスの3種類が存在し、想像以上にボリュームがある。個人的にはマスターサムライでの完全クリアが必須だが、奥義をガンガン使って無双できるエンドレスミッションが特にオススメ。しかし難易度は洒落にならないレベルで高い。特に後半のフリー・ボスミッションはマスターオブマスターズがヌルゲーに思えてくるレベルである。トロフィーや実績の条件には含まれないので、本当の意味で今作をやり込みたい人向けのコンテンツである。
ストーリーに関しては良くも悪くも超シンプル、原作シーズン5のラストシーンからのパラレルだが、基本的には『元の時代(過去)に戻るために目の前の敵を倒し続ける』というのみ。ただし、とある条件を満たすと見ることができる隠しエンディングの内容はアニメとは異なる『サムライジャックのもう一つのフィナーレ』といってもいい内容であるため、このシーンを見るためだけに今作を買うのもアリである。
ただし、そもそもの前提たる原作のシナリオについては本当に最低限しか語られないため、基本的に原作ファン向けの内容である。OPにて原作シーズン4以前でおなじみのアクのナレーションが入るのでそれだけで世界観の解説は十分…かと思いきや、ゲーム開始直後からシーズン5(=シーズン4以前とは状況がだいぶ異なる)の、よりにもよってラストバトルの映像からスタートするので、最低限シーズン5までの知識がないと厳しい面がある。
そのため、今作をプレイする場合はWikiなりなんなりでシーズン5までの『サムライジャック』を知っておいた方がいい。できることならシーズン5まで一通り視聴しておくのが望ましいところだが、シーズン4以前ですらロクに視聴環境が整っておらず、シーズン5に至っては現在進行形で日本未放送なのがネック。まぁ今作はシナリオ重視ではないゲーム性重視の作品なので、そこまでシナリオを意識しないのであれば別に原作を知らなくても問題ない。
往年のサムライジャックの大ファンも、サムライジャックのことをよく知らないアクション好きなプレイヤーも、ぜひとも今作に手を出してみてほしいところなのである。
------------以下、2020年10月22日追記分------------------
ここまでの記事は『まぁどうせ今回も日本での販売はないだろうな』的なノリで書いていたのだが、まさかまさかの日本国内発売決定である。
日本国内でのタイトルは『Samurai Jack: Battle Through Time』改め『サムライジャック : 時空の戦い』、ゲーム内容にしっかり合致したタイトルである。
海外版の発売元は『サムライジャック』の版元である『AdultSwimGames』が担当していたが、日本ではなんと『DMM GAMES』が担当。DMM GAMESは説明不要な有名どころだが、サムライジャックのイメージはなかったため、パブリッシング担当を見たときにはビックリしたのである。同時期にDMM GAMESは他の海外限定タイトルの日本版パブリッシングを発表しているので、その流れで今作も、ということなのだろう。
日本版のプラットフォームはPS4とNintendoSwitch、それからDMM GAME PLAYERの3つ。SteamとAppleArcadeは海外版の時点でこれといった手順を踏まずとも購入できたので、日本でもメジャーなプラットフォームで一通りプレイできるようになったといえる。(あれ…XBoxOneは…?)
価格はDMM GAME PLAYER版が3619円、PS4/NintendoSwitchは4980円、DMM GAME PLAYER版だけ安いのは自社プラットフォーム故の優待といったところか。
更にPS4/NintendoSwitch版に限ってはパッケージも店頭販売されるとのこと。DL販売オンリーだとどうしてもマニア以外の目に触れる機会が少ないのでコレはありがたい。
(まぁ自分は海外版のパッケージ版をLimitedRunGamesで一足先にそこそこのお値段で買っちゃったのでちょいとフクザツだったり)
気になる発売日は2021年1月21日、何はともあれこのおかげでCSハードでプレイしたいときの最大の障害であった『日本のショップからは購入できない』という問題は完全に解決したといえる。
サムライジャックのファンや、ニンジャガイデンシリーズのファンは手を出してみてほしいのである!!
-----追記分終わり-----
---オマケ---
サムライジャックの原作は幽霊屋敷の話と故郷の話とX49の話が個人的にトップ3で好きです。ハイ。
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