---20231004追記---
だいぶアクセス数も増えたのに内容が薄くてアレだったので
後編(BS F-ZERO2)ともども記事のリメイクを行いました。
新記事の方がわかりやすいのでそちらをどうぞ。
(一応旧記事の方も残しておきます)
---追記終わり---
さてさて、このところ最新ゲーム記事がずーっと続いてしまい、『レトロゲームメインとはいったい…?』という気分になりつつあったので、今回はガッツリレトロなタイトルを紹介するのである。
さて、今回語るのはコチラ!
『BS-X -それは名前を盗まれた街の物語-』である!
スーパーファミコン用ソフト…というか厳密には周辺機器であり、このバカでかい専用カセットをSFC本体に差し込んで遊ぶことになる。
一般的なゲーマー相手なら『サテラビュー』と言えば伝わりやすいかな。
まぁまず根本的な話として『サテラビューとは何か』について触れていこう。
サテラビューとはスーパーファミコンの中期(1995年)から末期(2000年)にかけて実施されたサービスであり、SFC本体下部に衛星放送を受信するためのモデム(厳密にいえばサテラビューとはこの部分を指す)を接続し、BSチューナーを介して受信したゲームをプレイするという代物である。
サテラビューの環境さえ整っていれば定期的にオリジナルゲームや新作ゲームの体験版を無限に遊ぶことができる、と書くと夢のようなシステムなのだが、まぁ当時この環境を揃えるためにはだいぶハードルが高かったようで、結果的にはあまりヒットしなかったらしい。
今でいうところのNintendoSwitchOnlineやPSPlus、つまり定額オンラインサービスのはしりともいえる内容なのだが、いかんせん早すぎたのだろう。
(こっちは環境を整えたら全部無料なので厳密にはちょっと違うケド)
ちなみにSEGAは一足先にメガドライブでメガモデムを使った『ゲーム図書館』なるサテラビューに近いサービスをやっていたりしたのだが、それはまた別の話。
さて、ここまでの文章を読んで諸君はこう思っただろう。
『なんでこの記事こんな伝聞調なんだ…?』と。
……………
こちとらぜーんぶ生まれる前の話なんだよ!
自力で調べるか人に聞くしかできなかったんだよぉ!!
というわけで上記のサテラビューについての話の信憑性は保証できない。
調べられる範囲で調べたものの、どっかしらで間違えている可能性があるのである。
閑話休題、サテラビューで配信されたゲームは主に2つのパターンに分かれていた。
まずは『サウンドリンクゲーム』、これはラジオによる音声放送に合わせて進行するゲームで、ラジオ側でゲームのテキストを読み上げる、ラジオ側の内容に合わせてゲーム内に変化が生じるなどのリアルタイム性の強い内容。ゲームというよりは参加型のイベントに近いかも。
やや無理矢理ながらもSFCのゲームをボイス付き(ラジオの音声)でプレイできるなど、夢のような体験だった事が窺い知れる。ラジオに合わせたゲーム内容、ということから、あらかじめ設定されている時間以外でのプレイは一切できない。
そしてもう一つが『BSオリジナルゲーム』、こちらは上記のサウンドリンクゲームと違い、いつでも遊べる作品で、別売りの『8Mメモリーパック』というモノにゲームデータを記録してプレイできるようになる。普通のゲームに比べるとすぐに終わる体験版(或いは拡張ディスク)のような作品がやや多め。ちなみに8Mメモリーパックとは専用カセットの上の部分に刺さっているアレである。サテラビューのデータ保存以外だとツクールとかで使われてたりする。
説明を読めばなんとなくわかる通り、サテラビューのサービスが終了した今ではサウンドリンクゲームをプレイする方法は一切存在しないというのが実情である。
ということで今の時代に専用カセットを持っている人間の目的はBSオリジナルゲームにあるといえる。BSオリジナルゲームは上述した通り8Mメモリーパックに記録されており、こちらの起動のために専用カセットが必要という感じである。
(肝心のサテラビュー本体は今となってはコレクション以上の意味はない)
それもそのはず、BSオリジナルゲームはそこそこの量が多数のメーカーから配信されていたにもかかわらず、移植や再配信がほぼ行われていないのだ。しかもこのBSオリジナルゲームには人気シリーズのスピンオフなんかも含まれていたりするのでさぁ大変。
(サウンドリンクゲームもそうなのだが、こっちはもう無理なのでみんな諦めていると思う)
BSオリジナルゲームをプレイするには専用カセットと8Mメモリーパックが必要不可欠であり、コイツを求めるファンは数多いのだが、この『8Mメモリーパック』がまた随分と曲者で…。
まず第一に、多くのデータが入らない。
8Mという名前からしてそこそこ容量ありそうな気もするのだが、コイツは8MBじゃなくて8Mbit(=1MB)なのですぐ満タンになるとのこと。
(サウンドリンクゲームをプレイする際には容量を全て消費するらしい)
そして、そもそも流通していない。
用途がサテラビューorツクールしかない代物な上、サテラビュー自体がさほど普及したワケでもないため、そもそもコイツにデータを書き込んだまま市場に流す人がほぼいない。
(そもそもサテラビューの環境を整えられるようなガチ層が中古市場にそんなもん流すとも思えぬ)
トドメに、データが飛びやすい。
一応フラッシュメモリなので半永久的な保存は可能なのだが、コレはあくまで『これといったアクシデントが起こらなければ』のハナシである。
衝撃・浸水・静電気、ありとあらゆる要素でコイツのデータはあっさり消えうる。ロード失敗や接触不良なんぞ起こそうものなら間違いなく消える。
ここで消えるのはセーブデータなんて甘っちょろいものではない、ゲームデータそのものが消えるのだ。消えてしまったら最後、二度とプレイすることは叶わなくなる。
(今回の記事で画像を用意するためにプレイしていたが、内心かなりビクついておりました)
『容量が少ない』『流通していない』『データが飛びやすい』
これら3種の要素に『再配信・再録が行われない』という事実が重なった結果、2020年現在はBSオリジナルゲーム(が入った8Mメモリーパック)の超プレミア化に繋がっている。
かくいう自分も幻のカービィこと『カービィのおもちゃ箱』を探し続けているのだが、未だに見つからずという状態である。そもそも8Mメモリーパックを目にすること自体が稀だが。
ちなみにこの時代に8Mメモリーパックを入手しようとすると死ぬ気で探す必要があるわけだが、実は一部のサテラビュー配信タイトルは海外で普通にリリースされてたりすることもあるので、場合によっては海外から該当する作品を輸入した方が圧倒的に楽だったりすることもなくはない。
(上記画像の2作はそのパターン)
いつかサウンドリンクゲームともども再配信・再録の機会が訪れると信じて今も待ち続けているのだが、今のところは何もなし。アカネイア戦記(幻のFE)、古代の石盤(幻のゼルダ)、雪に消えた過去(幻のファミ探)と、ラインナップには魅力的なタイトルが並んでいるだけに実に残念である。
さて、サテラビューの基本について語り終わったところで、いよいよ今回の主題、『BS-X -それは名前を盗まれた街の物語-』について語っていこう。
(とはいえ大して語れることもないのだが…)
ゲームを起動するとTVのような生物、『サテ坊』に挨拶される。
名前が酷いことになっているが、『ナマエカエル』とかそんな感じのアイテムを使うことで改名可能、ちなみに自分は間違えて消費しちゃったので永遠にこの名前で生きるハメになった。
そしてそこそこ広い街に出る。グラフィックの雰囲気は『MOTHER2』が近いかな。
街中ではAボタンでアクション、Yボタンでメニューが開ける。『ダッシュシューズ』を持っていればBボタンでダッシュが可能らしいが生憎自分は持っていないので永遠に(ry
街にはたくさんの施設があり、デパートや競技場、立ち並ぶビル群などそこそこ都会のような印象を受ける。街の北側には『バグポタミア神殿』なる謎の神殿、東には『早乙女学園』というラブコメが始まりそうな学校、西には『ゲーム工場』、南にはなんと海がある。
これこそがタイトルにある『名前を盗まれた街』である。
では早速主人公の近くのお家に突撃するとしよう。
『カギがかかっています』
防犯意識の高い街、さすが都会、仕方ないのでお店でも見て回ろう。
『いつでもどこでもコンビニビル
でもいまはお休みです』
『ただいまお休みしております』
『またのお越しをお待ちしております』
驚くことにお店らしいお店は全て休業中。
というか街中に人っ子一人いない。
怖くなって交番に駆け込んでみると…
『ただいま巡回中です』
どこを巡回してるの!?
まさかまさかのおまわりさんすら不在。
もっと人が多そうな場所…学校や神殿、博物館とかに行こう!
『誰もいないみたいです』
『ただいま休館中です』
『ただいまお休みしております』
『ただいま機能停止中です』
不在、不在、不在、不在、不在。
さて、もうわかったであろう。
この街はゴーストタウンと化している。
街中の全ての施設は機能停止、
外には人っ子一人おらず、
主人公に反応する人間は誰一人としていない。
いや、厳密には『せわや木』というよくわからん生物が
一方的に語りかけてくるのだが、それだけである。
調べてみるとこの街は元々こうだったわけではないらしい。
多くの施設は解放され、人々との交流を楽しめたとのこと。
…サテラビューのサービスが終わるまでは。
サテラビューのサービスが終わったことで街はゴーストタウンと化し、盗まれた名前が明かされることもないまま今に至る…ということらしい。
ゴーストタウンと化してもなお流れ続ける明るいBGMがまた寂しさを誘う。
この哀愁漂うゴーストタウンだが、一つだけ今でも機能している施設がある。それこそが『自宅』である。当然、自宅にはカギなんてかかっていないので入ることができる。
自宅に入ると起動時に出てきたサテ坊がお出迎え、ここで8Mメモリーパックのデータの管理ができる。とはいえ、ここですることといえばBSオリジナルゲームの起動くらいだと思うが。
(今は自分から8Mメモリーパックのデータを消す理由が存在しない)
ちなみに自分が所持している8Mメモリーパックに入っているのは『BS F-ZERO GRAND PRIX 2』、通称『F-ZERO 2』である。一応これも『幻のF-ZERO』でありれっきとした『BSオリジナルゲーム』である。
さて、やや中途半端な形ではあったが、『BS-X -それは名前を盗まれた街の物語-』についてはこれで語り終えたのである。
ということで次回の記事ではサテラビュー後編ということで『幻のF-ZERO』こと『BS F-ZERO GRAND PRIX 2』について語るのである。
関連記事(一般リリースされた数少ないサウンドリンクゲーム)