いろいろとゲームを語ろう

物好きなゲーマーがただただ最近遊んだゲームの感想とか内容とか書いていくブログ。レトロゲームの割合が高いかもしれない。更新は気が向いた時にだけ。

龍が如く7外伝 名を消した男

2023年はほんっとーにゲームが豊作の年である。ほぼほぼ毎週…週によっては毎日新作ゲーム、或いは去年あたりのゲームのアプデが来て『ゲームをやってるうちにまた次のゲームが…』という無限ループに襲われているのである。特に10月末から11月初頭はヤバかった。パッケージソフトに限ってもソニックスーパースターズ』『ゆめいろユラム』龍が如く7外伝(本記事の主役)Air Twister』スーパーマリオRPGのラッシュだったからなぁ。しかも裏で別ゲーのアプデにも対処してたし…。
(本記事執筆時点でなんとか『Air Twister』以外は遊びつくしました…)

というわけで今宵語る作品は龍が如く7外伝 名を消した男』、つい先日リリースされたばかりの龍が如くシリーズの最新作であるぞ!プラットフォームはPS4/PS5/XSX/One/PC、当然ながら最新機種の方がクオリティは高い。ちなみに価格は5940円、過去の『龍が如く』も含めた近年の大御所パッケージ作品の中ではかなり安価なのが特徴である。

本作はそのタイトルからもわかる通り、2020年にリリースされた龍が如く7 光と闇の行方』のスピンオフである。過去記事でも触れた通り『龍が如く』シリーズは長らくアクションゲームのシリーズであったが、如く7で驚くことにコマンド式RPGへと大幅な路線変更を行い、従来のアクション路線はキムタクが如くこと『ジャッジシリーズ』に引き継がれることとなった。

さてそんなコマンドRPGとなった『龍が如く7』のスピンオフである本作は当然RPG…ではなくアクションゲームとなっている。採用されたゲームエンジンはシリーズが続くごとに進化を遂げてきたドラゴンエンジンドラゴンエンジンを用いたアクションゲームは直近だと『LOST JUDGEMENT : 裁かれざる記憶(ロスジャ)』であったため、本作のシステムはそちらに近いつくりである。ただし一部には如く7にあった耐性や状態異常の概念も追加されている。

説明をわかりやすくするため、先んじてここでひとつ龍が如くシリーズの主人公の歴史にほんのちょびっとだけ触れておこう。このシリーズの主人公は初代から長らく伝説の極道桐生一馬が勤め続けていた。圧倒的な強さ、男らしい生き様、そして時折見せる剽軽さのギャップも相まって非常に魅力的な主人公であり、だからこそかなりの人気を獲得するに至っていた。

…だが人気になりすぎるのも考えもの。あまりにも理想的といってもいいその活躍っぷりから、桐生さんを迂闊に引退させられなくなってしまっていたのだ。いちファンの視点から見ても桐生さんの引退には本当に苦労していたことが伺える。そもそもが別シリーズとして開始した『クロヒョウ』シリーズと『ジャッジ』シリーズについてはひとまず置いておくにしても、龍が如く4 伝説を継ぐもの(如く4)では秋山さんに主人公の座を継がせるハズだったのが紆余曲折のすえ複数主人公に変更…しかも主人公のひとりに後から桐生さんを含めてしまったせいで引退には至れなかった

その後桐生さんを今度こそ引退させようとして作り出されたのが龍が如く6 命の詩。(如く6)、『桐生一馬最終章』と銘打たれた本作は…まぁ結果としては確かに桐生一馬の最終章ではあった。
(『桐生一馬』の人生が終わるという意味では確かにそう)

続く龍が如く7 光と闇の行方(如く7)、この作品にてついに大々的に主人公交代がアナウンスされた。桐生さんは登場こそせよ僅かな出番のみ、一方で新主人公の春日一番は桐生さんとはまた違う魅力を持つ新世代に相応しい男であった。如く7の発売によりようやく世代交代が真っ当に成功したといっていい。

…しかしながらこうなるとひとつだけ従来のファンには心残りがある。『桐生さんの物語の結末』である。先に挙げたように如く6をもって桐生一馬の物語そのものは最終章を迎えているのだが…その内容には少なくない無理やり感が漂っており、シリーズファンが納得するような結末かと聞かれるとNOであったのは間違いない。
(フォローすると部分部分のシナリオは面白かったです。桐生さんの最終章として見るとアレなだけ)

そんなファンの中にわずかに残ったモヤモヤを回収するために作られたといってもいいかもしれない作品こそが本作…龍が如く7外伝 名を消した男』!主人公は名を消した男『浄龍』…とある事件をきっかけに名を捨てることとなった伝説の極道『桐生一馬』そのひとである!本作では如く7の裏側で何が起こったのかが描かれることになる。主人公は桐生さんオンリー、公式によれば桐生一馬・単独主人公最終作』とのこと。

さてさて前提の話を終えたところでここからガッツリ語っていこう。とはいえゲーム内容自体はいつも通りの龍が如く。拠点となる街を自由に歩き回り、シナリオを進めたり、プレイスポットで遊んだり、チンピラとケンカしたり…といった風にプレイしていく。バトルシステムは先に挙げたようにアクション形式

シリーズお馴染みの桐生さん操作ということで、過去作プレイヤーであればすぐアクションを使いこなせる…ように見えるが、本作ではアクション関係に大幅なテコ入れが行われており、その結果桐生さんといえどもプレイ感覚は従来と大きく異なる。本作の戦闘はスタイルを切り替えながら進めていく。ちなみにドラゴンエンジンで桐生さんがスタイルチェンジを扱えるのは地味ながら本作が初だったり。使用可能なスタイルは『応龍』『エージェント』の2つ。

『応龍』歴代の桐生さんを踏襲したスタイルらしく、実際に過去のシリーズ作における桐生さんのアクションと同じものが使用可能。ただし『フィニッシュブロウごとにチャージ可能+スーパーアーマー』『対人戦に特化し多人数攻撃のヒートが少ない』…と方向性としてはジャッジシリーズにおける八神の『一閃』を桐生さん用にチューニングした感じである。

戦法としては『チャージフィニッシュブロウによるごり押し』が主体になるため、立ち回りはこれまでの桐生さんとはだいぶ違う。ちなみに『虎落とし』は応龍の型限定であるが、本作の虎落としは判定が短い+低火力+迂闊に連打すると隙だらけの単発チャージに化けるという三重苦であり、使い勝手はあまりよろしくないのが正直なトコロ。

『エージェント』は歴代のどの作品にも該当するものがない正真正銘本作オリジナルのスタイル。その内容は『スタイリッシュな動きで敵を翻弄しつつ、多彩なガジェットで攻める』といったもの。このスタイルの間は『ガジェット』を使用した専用アクションが使用できるのが最大の特徴。『多人数戦に強いアクションが多く単体への対処法に乏しい』といったポイントから、強いて言うならば八神の『円舞』が近いか。

ガジェットは〇△□×それぞれのボタン長押しで発動可能『遠距離の敵に対する専用の掴みを複数体に行う(蜘蛛)』『ドローンを呼び出して援護攻撃(蜂)』『一定時間後に爆発&誘爆する煙草を目の前に投擲(蛍)』『攻撃判定を発生させながら高速移動(蛇)』…とそれぞれが特殊な能力を持っている。使いこなすにはある程度コツが必要であるが、うまく扱えればシリーズでも随一にスタイリッシュかつハイスピードに敵を殲滅可能、この時の爽快感は中々のもの。

ただしガジェットはストーリーを進めるまで大半が使用不可で、解禁直後も能力強化を怠っていると殆どが使い物にならないため、本当の強さを感じられるようになるのはかなり終盤になってからのこと。シリーズでも珍しい大器晩成の極みたいなスタイルである。

そしてここからはシナリオや舞台についても語っていこう。時系列は如くシリーズでは珍しくリアタイ連動ではない2019年、如く7と同時期であり如く6の3年後。ロスジャ本編の2年前でもある。『大道寺一派』と呼ばれる組織でコードネーム『浄龍』として活動する桐生さんであったが、取引に表れたとある組織に遭遇したことで再び極道の世界に関わることになってしまう…という物語。

龍が如くシリーズの目玉である俳優キャラはもちろん本作でも登場。本作では蒼天堀のなんでも屋『赤目(演:ファーストサマーウイカ)渡瀬組若頭『鶴野(演:山口祥行)若頭補佐『獅子堂(演:本宮泰風)、まさかの襲名性だった鬼仁会『西谷(演:キム・ジェウク)が該当。演技の面での問題は見受けられず、またいずれも中々にキャラが立っている。もちろんボスとして敵対するときはインパクト抜群の強敵である。

本作初出メインキャラの中で唯一本職の声優さんが担当しているのが大道寺一派のひとり『花輪』、演じるのは東地宏樹である。過去の龍が如くシリーズでは森永(如く5)松原忠司(維新!)サウザー(北斗)とどうも扱いが悪いポジションばっかりだった反動か、本作の担当キャラである花輪はかなり良い役どころを与えられている。ちなみに過去作で別キャラを演じた役者さんが後の作品で別キャラを担当するのは如くシリーズだと稀によくあることなので気にしなくていい。
(田宮→足立、力也→勇太、神田→南雲、長谷部→山形とか…挙げてくと皆3組だな…)

本作の舞台は大阪・蒼天堀。如く7でも訪れることはできたが街そのものはシナリオにほぼ絡まない扱いだったことを逆手にとり、如く7本編中の桐生さんは蒼天堀にいた扱いにしたワケである。アクションゲームとして蒼天堀で戦えるのは『龍が如く極2』以来。一方シリーズの顔ともいえる東京・神室町は本作では登場せず、訪れることもできない。これはスピンオフを含め現代を舞台とする如くシリーズでは初の試み。桐生さんが素性を隠して動き回るなら神室町はあまりにも面が割れすぎているのだ。如く2とか見る限り蒼天堀も大概とか言ってはいけない

また一応如く7&ロスジャのメイン舞台である横浜・伊勢佐木異人町も歩き回れはするのだが、大半のエリアは侵入不可で解禁も事実上クリア後のみ、コンプ系のやりこみにも一切絡まないという本当におまけレベルの存在である。こっちは下手に歩き回ってイチと遭遇したら(メタ的に)まずいからなのだろう。

やりこみ要素として『赤目ネットワーク』も用意されている。コレは旧作のサブストーリーや達成目録をひとまとめにしたもの。達成目録にあたる活動記録を満たしていくことでポイントが獲得でき、このポイントが溜まると『桐生の働きによって信頼度が上がっていく』という設定に合わせレベルが上昇、受注できるサブストーリーの種類や闘技場の内容も増えていく。

活動記録のコンプはそこそこ骨が折れるものの、本作では過去作のソレと違い『(ゲーセンで)XX点以上獲得』『(麻雀・ダーツ・ビリヤード等で)特定の役/テクニックを出す』といったものではなく、シンプルにプレイ回数をこなすだけで達成できるものがほとんど。そのため完全クリアにかかる手間は歴代でも最も低め

サブストーリーは赤目ネットワーク経由で依頼を引き受ける形式に統一、そのため『街を歩いていたら~』といういつものような導入は本作に存在しない。早い話がジャッジシリーズの依頼系サイドケースと同じものである。桐生さん主人公かつ蒼天堀ということもあり龍が如く2(極2)』あたりのネタが多めで、それらを中心しつつ『チャットAI』『配信者』などの近年のトレンドを採用した龍が如く特有の時事ネタもそれなりにアリ。総数は少なめながら満足度は割と高い。

街を歩いているとシナリオ性を全く持たない超小規模な『街歩きミッション』などに遭遇することがある。こちらはシンプルに『特定のアイテムを持ってくる』『特定の写真を撮ってくる』といった依頼をこなすだけの内容。シナリオ要素は数回の会話と依頼文程度なものであるが、サブスト以上にわかる人にはわかるシリーズネタが突っ込まれている。

桐生さん主人公の作品だとほぼ毎回登場する闘技場はもちろん本作でも登場、それどころかシリーズでも随一のパワーアップも遂げている。闘技場では1対1『TOURNAMENT(トーナメント)1対多『ZIGOKU RUMBLE(ジゴクランブル)、特殊ルール『SPECIAL EVENT MATCH(スペシャルイベントマッチ)、そしてチーム戦の『ZIGOKU TEAM RUMBLE(ジゴクチームランブル)に挑戦でき、様々な敵と戦うことができる。このうちジゴクチームランブルのみは従来の作品には中々なかった要素が詰め込まれているのでガッツリ語るのは後回し。

闘技場で相対する面々は本作で初登場したヤツラのほかハングマンやソダチといった過去作で覚えのある面々も多数。敵のモーションはほぼ全て過去作からの流用で、如く3から受け継がれた由緒正しきものから、直近ではロスジャDLC組のモーションを使う敵も。ちなみに流用自体は割といつものこと。

闘技場関連のストーリーを攻略していくことで最後に解禁されるスペシャルマッチはそれこそモーション完全流用の相手との連戦ながら、1戦目の時点でシリーズファンなら即座にその内容を察せられる。これまでありそうでなかった最高のファンサービスなので、ぜひ自身の目でたしかめてほしい。

そしてここからが本作イチオシのジゴクチームランブルについてである。こちらでは敵の数が通常よりも遥かに多く、そのうえ強力なヤツが揃っているのだが、そのぶんプレイヤーも最大10名の味方を引き連れて挑むことができるモードである。味方キャラはそれぞれ個別にプロフィールが設定されており、モーションや能力もまた異なる。仲間を増やすためには金銭での募集以外に、サブストーリーを進めたり、闘技場で戦った相手をスカウトしたりなんかも可能。仲間たちの大半は過去のシリーズ作に登場したキャラとなっており、シリーズファンであれば『おお!?』となること間違いなし。

DLCを導入すれば真島の兄さんに冴島、6代目という東城会のレジェンドも加入。秋元くん(如く1)ススムちゃん(如く2)マゾおじさん(如く7)といったサブイベ勢のほか、メインどころなら海藤さん&東&杉浦(ジャッジシリーズ)、ヘンテコなところだと実在してるかすら非常に怪しい羊男&鶏男(如く7)までを混ぜ込んだ歴代シリーズキャラたちによるドリームチームを組み上げることが可能である!

もっとも『自分でチームを組み上げる』『メンバーにシリーズキャラが勢揃い』の2点だけなら過去作にも似たようなものがありファンなら驚きも少ないはず。最大の見所はここからである。

ジゴクチームランブルの真骨頂はプレイヤーキャラを任意に選択できるという点にある。そう、ジゴクチームランブルに限ってはいつもプレイヤーが操作している桐生さんだけでなく、他キャラを操作することができるようになっているのだ!もちろん操作できるキャラには過去作でプレイアブルになったことのないサブキャラ達や、過去作の強敵(ロスジャの鉄爪や極2の龍司など)を流用したモーションを持つものも多数。ここまでガッツリとサブキャラを操作できる例は本作が初である!
(前例としては『極』の究極闘技にてクソ弱いが伊達さんの操作が可能だった)

とはいえ桐生さんほど本格的なアクションが実装されているキャラはおらず、どのキャラもできることはラッシュコンボ+フィニッシュブロウ+α、それとヒートゲージ一定以上のとき限定の特殊アクション程度。これは過去作でプレイアブル化していた海藤さんとて例外ではない。また対戦ゲーというわけではないためバランスなども考えられておらず、おっそろしいほど使いやすいキャラもいれば自操作だとどう使えばいいんだコレと頭を抱えるヤツもそれなりに多い。なのであくまでイチおまけ要素として考えておくべし

シリーズ恒例のプレイスポットは本作でも相変わらず!ゲーセン以外のプレイスポットは『カラオケ』『ゴルフ』『ビリヤード』『ダーツ』『将棋』『麻雀』『こいこい』『おいちょかぶ』ブラックジャック『ポーカー』『キャバクラ』『ポケサー』が登場。過去作に比べるとちょっと少なめだがそれでも多い。これまででほぼ皆勤賞だったバッティングセンターはついにリストラ。逆にビリヤードはひっじょーに久々に復活、たぶん如く5以来。

カラオケでは歴代作品から桐生さん歌唱の楽曲が多数再録。『ばかみたい(如く5)』『TONIGHT(極)』『hands(如く6)』、そこに本作からの新曲『さよならSilent Night』と維新極の楽曲のアレンジ『シン・い・ち・ず・侍』が追加!桐生さん以外の楽曲は赤目の『Like A Butterfly(如く6)』のみ。このためいつもよりも合いの手の激しさは控えめながら、その分桐生さんの歌唱力をしっかり堪能できるのが嬉しい。

長らくご無沙汰だったキャバクラも復活…したのだが、まさかまさかのフル実写の『生キャバクラ』とかいう斜め上の進化を遂げている。やること自体は従来と同じように会話を選択したり、時折注文して好感度を上げていくのみ。ただぶっちゃけると実写になった弊害の方が大きいと感じるのが正直なところ…。キャバクラ中にカメラの操作すら行えず、カラオケなども歌えなくなってしまった…だけならまだしも、好感度MAXのご褒美といえるアフターがラストのムービー以外静止画(背景)とボイスだけで進行するというなんとも物足りない仕様。

如く0・如く極で一定の人気を博した『ポケットサーキット』、通称ポケサーも久々に復活。結果的に作中時間で30年も愛されているバケモノコンテンツとなってしまった。本作ではそれもあってかポケサー会場はまさかのバーとセットである。システム自体は過去に登場したものと同じなものの、ステージ数もギミックもだいぶ増えたため、完全攻略を目指すと中々に大変。慣れないうちはコースアウトによるジョーリューくんの絶望顔を何度も拝む羽目になるだろう。

そしてゲームセンター関係のタイトルはいつも通りの『UFOキャッチャー』にロスジャから引き続き登場のソニック・ザ・ファイターズ、完全におなじみ枠になりつつあるバーチャファイター2』『モーターレイド』、そして更に本作から新たにSEGA RACING CLASSIC2』ファイティングバイパーズ2の2作が追加されている!代わりに如く0から長らく恒例となっていたスぺハリはじめSEGA体感型アケゲー群は纏めてリストラされてしまった…。

SEGA RACING CLASSIC2』…と書くと日本のプレイヤー的にはよくわからないだろうが、コレはずばりデイトナUSA 2』!『デイトナ』のタイトル名がSEGA単独だと使えないため、海外版タイトルで今回ついに初移植と相成った作品である!如くシリーズのアケゲーは基本ベタ移植が大半なのだが、本作はゲーム内容こそ当時そのままだが細かな箇所が(権利的な都合で)修正されているらしい珍しいパターンである。

もう一つがファイティングバイパーズ2』!ジャッジシリーズにて収録されていたファイティングバイパーズ』の続編で、部位破壊という特有のシステムは残しつつ、よりド派手により激しくパワーアップを遂げた内容となっている。移植そのものは今回が二度目であるが直近がドリキャスであったためようやく現行機種でも遊べるようになった。なおアケ版仕様なのでドリキャス版限定キャラは使用できないものの、タイムリリースキャラは最初からアンロック済みである。

ロスジャにて収録され人気を博した…かどうかは知らないが少なくとも我は大満足であった我が愛しのマスターシステムは本作でも引き続き登場!相変わらずゲーム内でROMカセットを収集する必要こそあるが、セーブロード機能&北米版への切り替え機能付きでプレイできる。

収録タイトルはアレックスキッドのミラクルワールドフリッキーギャラクシーフォースファンタジーゾーン『阿修羅』『ダブルターゲット シンシアの眠り』エンデューロレーサー『どきどきペンギンランド 宇宙大冒険』『メイズウォーカー』ファンタジーゾーンII オパオパの涙』エイリアンシンドローム『SDI』…とDLC込みのロスジャと同じく12本。ただし一部入れ替わりがあり、具体的には『ウッディポップ』ダライアスII』の代わりにフリッキーギャラクシーフォースが入ってきた。ダラIIはともかくロスジャでわざわざジャイロ操作に対応までさせていたウッディポップは何故…?

追加タイトルのひとつフリッキーは一時期やたらソニックシリーズとの抱き合わせで移植されてきた作品なので、00年代のソニックファンあたりであれば馴染み深いタイトルだろう…しかしあちらとは違い今回は(たぶん)初移植となるSMS版!基本ルールはそのままながら、びっみょーに難易度が上がっているので油断するべからず。難易度に起因している箇所がほぼほぼ操作性だってことは言うでない。

ギャラクシーフォースフリッキー同様SMS版は初移植!こっちは元が3Dシューティングであったため言わずもがなの無茶移植。それはそれとしてSMSでこれほどまでの疑似3D表現を行っていることには驚かされるばかりである。やはりスペック不足の時代の3Dシューティング移植はそのムチャクチャさ加減にロマンを感じるものである。

…ところで本作特有の問題点だが、SMSのプレイスポットの位置が少々厄介で解禁はまさかまさかの終盤。シェンムーIIのハングオン』『リマスター版ジャッジアイズのアウトラン』並みになんでやねんと突っ込みたくなる場所に配置されており、プレイしたい場合のアクセスがあんまり宜しくないのは地味に難点。まぁ情報流出を恐れるヤツらの数少ない暇つぶしとして考えるとわからなくはないのだが…。

さて、こっからは改めてシナリオについて語っていこう。本作は龍が如く7』のほか、『龍が如く0 誓いの場所』やジャッジシリーズを担当してきた古田剛志氏が脚本を担当。シナリオ自体は外伝らしくかなり短めで、規模・スケールも歴代のソレに比べるとやや控え目。その短さゆえ大どんでん返しのようなポイントもなく、中盤あたりの時点でラスボスが予想できてしまえるくらいには王道なのだが、それでいてちゃんと最低限の伏線は立てられており、コンパクトにしっかり纏まっている。何よりも魅力なのは歴代シリーズよりも遥かに過去作オマージュに満ち溢れている点。

過去作の名シーンをわかりやすく再現したとあるボス戦を筆頭に、桐生の殺害を強要された兄弟分が涙ながらに撃たないことを選択する(如く0)』組織の最奥部にて戦闘開始、場面転換を繰り返し最後は入口に戻って屋外で決着(如く5)』燃え盛る組織本部の最新部でアジア系マフィアの血を継いだ若い極道が酒を片手に待ち構える(如く6)』などなど、良い意味で過去のシリーズ作の展開をオマージュ、或いはリスペクトしたシーンが極めて多く、さながら本作の物語を通して(如く0~如く6までの)桐生一馬伝説の総決算』をしてやろうと伝わってくる内容に仕上がっている。もちろん『過去作で人気だったから本作でも同じ展開にした』という浅はかなものではなく、きっちりそうなるお膳立てをした上で過去作とは異なる流れにするといったアレンジもされている。

特に本作のラスボスは如く7本編で描かれた『極道の終焉』を体現したかのような存在であり、『古い時代の極道』ひいては『(本来の意味における)ヤクザ』そのものという非常に魅力的な存在として立ちはだかる。置かれている立場や思想には過去作のオマージュを思わせる面も多く表れており、カリスマ・実力・存在感の全てにおいて非の打ち所のないこれ以上無く桐生一馬にとっての最後の敵』に相応しいものとなっている。ソレを乗り越えて到達できる本作のクライマックスもまた桐生一馬伝説の結末』として納得いくもの。正直シリーズファンはこのシーンを見るためだけに本作をプレイする価値があると言ってもいいかもしれない。

…ただし逆に言うと徹底的にオマージュ・リスペクト元をプレイヤー自身が察してくれること前提の場面も多いため、シリーズの初回プレイとしては本作ほど不向きなものはないという見方もできる。タイトルからし龍が如く7』の既プレイが前提なのは言わずとも伝わるだろうが、本作の物語を完璧に楽しみたいのであれば過去のナンバリング作品を全てプレイし『桐生一馬の物語』を追っておくことが必須クラスである。強いて言えば如く4だけはオマージュ少なめなのでスルーしても大丈夫かも。

さてさて、本作は龍が如くを追い続けてきたファンに贈る桐生一馬伝説の集大成…それゆえに過去作知識の要求量も歴代イチとなってしまっている難点こそあるが、それを乗り越えてもなお歴代ファンであれば手を出すべき価値は絶対にある作品である!初代『龍が如く』の時代からリアルタイムで18年にわたって続いてきた桐生一馬の物語をしっかり最後まで見届けるべし!である!!

それから本作のクリア後に解放される龍が如く8』のスペシャル体験版もエンジョイし、来年の発売を楽しみに待つとしよう!!

 

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