いろいろとゲームを語ろう

物好きなゲーマーがただただ最近遊んだゲームの感想とか内容とか書いていくブログ。レトロゲームの割合が高いかもしれない。更新は気が向いた時にだけ。

オトメディウスG (ゴージャス!)

『萌え』とは特定の対象物に対するとある方向性の好意を示したワードである。こういった概念は『萌え文化』と呼ばれ日本からやがて世界へ、『萌え』は『MOE』としてワールドワイドに広がっていった。むしろ近年では浸透しきって逆にあまり聞かなくなった(というか『推し』に置き換えられた?)言葉であるが、その意味合い自体は今でも全人類の意識に根付いているといっていい。
(この辺のサブカル概念そのものを語るのは我がブログの専門外なので各自調べていただきたい)

そんなこんなで今宵語る作品は、そんな『萌え』を全面的に押し出したこのゲーム!オトメディウスGである!タイトルのGは『ゴージャス!』の意味、ファンからの通称は『オトメG』あたり。プラットフォームは我がブログ初となるXbox360、360ユーザーであれば御存知の通り、この時代のSTGを遊ぶのであれば360こそが最強のプラットフォームだったのだ。…360をお持ちのXboxユーザーなら既に薄ら察してそうな気もするが、とあるやんごとなき理由につき今回は緊急で本作について語ることにしたのである!!
(元々そのうち語る予定だったのだが、予定を繰り上げました)

本作はその名の通りオトメなグラディウスKONAMIが誇る往年の名作STGグラディウス』に大量の『萌え』を注ぎ込んだ末に誕生した代物である。おっと『萌えに逃げた』『萌えオタクに媚びやがって』などと食わず嫌いはしないで頂きたい。オトメディウスは紛れもなくグラディウスの系譜にある堅実な作りのシューティングである。文句はまずプレイしてから述べるべし。

世代の入れ替わりが行われないゲームジャンルとは遅かれ早かれ衰退を迎えるもの、だからこそいつの時代でも『新規層の獲得』のためにメーカーは工夫を凝らすのだ。本作における新規層開拓のための工夫とは、言わずもがな『萌え』。自機を可愛らしい美少女にし、グラフィック面を全体的に明るい色彩にすることでSTG特有の硬派な…良くも悪くも手を出しづらい雰囲気を緩和しようとしたのだ。
(実際にはその他の要素もだいぶ新規ユーザー向けになっている)

シナリオのほか、メイン要素といえるデザイン面は敵味方ボス雑魚プレイヤーといった全てを漫画家の吉崎観音先生が担当。ケロロ軍曹の作者といえば(少なくとも我の世代には)伝わるだろう。KONAMI的にいえばツインビーシリーズ(出たツイ/ツイパラの漫画)からの縁である。グラディウスに限らず歴代のKONAMIシューティングの自機を模したプレイヤーキャラや、『そんなところから拾うのか!?』となるようなチョイスがされている敵ボスたちは必見。

本家グラディウスと比較すると雰囲気が様変わりしているため、一見すると『パロディウス』シリーズのように別時空の物語のように思えるのだが、実際のところはグラディウスバクテリアンの戦いから数千年後』と明言されているため、れっきとしたグラディウスと同じ世界の物語である。

プレイヤーが操作することになる自機…天使たちは下記のメンツ。表記は『キャラ名/乗機(元ネタ)』の順に記載。ちなみに本作の乗機は戦闘…またの名を『ライディング・バイパー(RV)』と呼ばれている。グラディウス外伝モチーフの2人だけはDLCなので解禁には別途購入が必要となる。

空羽亜乃亜(CV:佐藤利奈) & ビックバイパー  (グラディウス)
エリュー・トロン(CV:下屋則子) & ロードブリティッシュ (沙羅曼蛇)
エモン・5(CV:浪川大輔) & クセルバイパー (がんばれゴエモン/サンダークロス)
マドカ(CV:石毛佐和) & マードックバイパー (ツインビー)
ジオール・トゥイー(CV:生天目仁美) & セレニティバイパー (XEXEX)
ティタ・ニューム(CV:広橋涼) & ビッグコアエグザミナ (グラディウスNEO)
エスメラルダ(CV:伊藤静) & ジェイドナイト (グラディウス外伝)
ポイニー・クーン(CV:後藤邑子) & ファルシオンβ (グラディウス外伝)

このほかにもステージのラストに待ち受けるボスたちも美少女…というか美女が操縦している設定であり、ボス戦の前には操縦者たるキャラの立ち絵も表示される。先に挙げたように本作はグラディウスと同じ世界感の物語ながら、キャラ選や顔ぶれはどことなくパロディウス

『グラII』のラスボスの娘『ゴーファー姉妹(CV:島本須美)』や『極パロ』で印象的だった人魚『イライザ』、なんとSTGですらない『マーシャルチャンピオン』のティティの子孫である『ティティ14世』なんてのも登場する。『往年の名作を現代向けにリファイン、あるいはモチーフにして美少女化する』という意味合いでいえば、本作はのちのボンバーガール』のご先祖様と言えるかもしれない。
(キャラ選的には本作より続編の方がボンガ的だけど)

さてさて、そもそものハナシオトメディウスは元々ゲームセンターで稼働していたアーケードゲームである。これより前のグラディウスの系譜は沙羅曼蛇2』『セクシーパロディウスグラディウスIV 復活』(曼蛇2は個人的に大好きだが)賛否分かれる作品が続き、ついにはナンバリング最新作『グラディウスV』がKONAMI社外(トレジャー)開発になってしまうというなんともいえない状況であったが、オトメディウス』では再びKONAMI開発に戻っている。

…この説明だとクオリティ面でやや不安になるが、結果的にはボリュームやアフターフォローで多少の問題こそあれど、万人受けを目指したであろうゲームデザインとキャラ方面でライト向けにアプローチを行ったことが見事マッチし、そこそこのファンを獲得することに繋がった。

で、一定の人気を獲得したシューティングならば当然『移植』のハナシが出てくる。というわけで本作は当時現役だったCS機…その中でも客層がマッチしていたであろうXbox360向けにオトメディウス ゴージャス!』として移植されたのだ。このオトメGこそが本記事で語る作品である。移植を担当しているのはおなじみ移植の鬼エムツー。もはやこの名前が出てきた時点で移植のクオリティを疑う必要はなくなるだろう。ちなみにエムツーは本作の数ヶ月前にリリースされたWiiの『グラディウス ReBirth』の開発も担当していた。
(こっちもいつか語りたいね)

---20240513追記---
グラディウス リバース』についてもガッツリ語ったヨ。こっちも面白いヨ。

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そんなオトメディウスGだが、その内容を平たく言うとAC版(無印)の完全移植+オトメG(本作)で追加された新モードという構成。ゲーム内の表記ではAC版の移植が『オリジナルモード』本作で追加された新モードが『ゴージャスモード』と表記されている。この2つのモードはもはや別ゲーといっていいほどにシステムが異なる。まずはオリジナル/ゴージャスの両バージョンにおける共通システムから触れていこう。

名前から察せられる通り根底にあるのはオーソドックスな『グラディウス』のそれである。横スクロールのシューティングでステージは必ず空中戦からスタート、最深部に待ち構えるボスを倒せばステージクリア。襲い来る編隊や特定の敵を撃破するとドロップするカプセルを回収、自機を強化できる。パワーアップはゲージ方式

使用するボタンは3つ、うち2つは言うまでもなくショットパワーアップ、残る1つは本作特有の『バースト(後述)。本作は従来の家庭用作品と同様にショットとミサイルのボタンが兼用、なおAC版ではタッチ操作も存在していたが、それらの要素はスティックで代用されている。

本作は装備選択とキャラ選択がイコール、各キャラごとにデフォルトの武装やゲージの順番などがそれぞれ異なる。装備だけでなくゲージの順番まで異なるのは『ライフフォース』的。オプション挙動もキャラごとに設定されており、例えば亜乃亜であればオーソドックスに、エモンならフォーメーションオプションジオールならフリーズオプション…といった感じ。オプションの挙動が少し違うだけで攻略法が目に見えて変わるのはグラディウスのプレイヤーであれば説明不要であろう。

ミス時には装備がリセットされてしまうものの、戻り復活ではなくその場復活、またこの時オプションがばら撒かれてしまうが、触れることで再回収も可能。このあたりのシステムは『沙羅曼蛇2』に近いか。ちなみに当たり判定は『グラディウスV』ほどではないがかなり小さめになっている。

パロディウス』シリーズから引き継がれた要素だとパワーアップのマニュアル/セミオートも選択できるようになっている。パロのセミオートはそこまで恩恵があるわけではなかったが、オトメディウス系列では一貫して溢れんばかりにパワーアップカプセルが出てくる(=マニュアルだとゲージの調整が大変)場面が多いため、セミオートはそこそこ有用。

とはいえゲージの早い位置にオプションがある一部のキャラだとなかなかレーザーなどを装備できなかったり、Dバースト(後述)でオプションがばら撒かれたときに無駄にオプションを取得してしまう…といったケースも頻発するため、最終的な小回りはマニュアルに軍配が上がる。経験値やスコアもマニュアルの方が稼げるようになっている。

オトメディウスシリーズ独自のシステムとして真っ先に挙げられるのが『ウェポンカード』、ウェポンカードというのはつまるところ武装である。本作のキャラたちには最初からデフォルト装備が設定されている(グラシリーズでいうところのA装備とかそういう扱い)のだが、本作ではそれらの装備を所有しているウェポンカードのものに変更できるようになっている。システム的にはグラディウスIII』や『グラディウスV』にあったEDITと似たようなものだと思えばいい。

ウェポンカードはプレイを進めていくうちにどんどん入手でき、その種類は非常に膨大大多数(というか全て?)が過去のグラディウスシリーズに登場したものとなっていて、『ツインレーザー(グラIII)『アーマーピアッシング(グラIV)といった本家作品はもちろん、『ファイヤーブラスター(グラ2)ロケットパンチ(パロだ!)のようなMSXシリーズやパロディウスからのピックアップもアリ。その網羅範囲はとにかく幅広い。

従来のEDITモードと異なるポイントとしては『スピードアップ』のカスタマイズが可能な点が挙げられる。まぁデフォルトのノーマル以外だとせいぜいアルペジオ(スピードの変化が大きくなる)、スムーズ(スピードの変化が細かくなる)くらいがマトモに運用できる範囲で、あとは良くも悪くも振り切った代物になっているのはなんともいえない。具体的にどんなのがあるかというとイダテン(一回で最高速になる)とか…。

スピードアップ以外のウェポンカードにはレベル(Lv)が割り振られている。Lv.2以上のものをセットすると、その武装多段階のパワーアップが可能になる。多段階パワーアップはゴーファーの野望EPIIやグラ外にあった要素だが、永続だったあちらと違い本作のものは時間制限付き。一定時間が経過するとLv.3→Lv.2→Lv.1と弱体化してしまう。そのため多段階パワーアップをしたい時はここぞというタイミングで実行すべし。

ちなみにウェポンカードと各キャラにはそれぞれ『属性』が設定されており、相性のいい武装をセットしていれば威力が上がるというシステムがちゃっかり存在する…が、ぶっちゃけわかりづらかったせいか続編では完全になかったことにされていたり…。また収集したウェポンカードは各キャラごとに個別、なので全キャラで全武装コンプを目指すとひっじょーに大変なことになるので注意。

何はともあれウェポンカードの存在により、オトメディウスのカスタマイズ性は従来のEDITを遥かに凌駕する自由度の高さを誇っている。それゆえに周回プレイのたびに違った楽しみ方/新しい挑戦ができるようになっているわけなのだ。

ここまでで大前提の説明は完了、ここからはいよいよ本題である。今回の主役であるオトメディウス ゴージャス!』の各モードについて紹介していくとしよう。

まずは『オリジナルモード』から。基本的な内容はAC版『オトメディウス』の完全移植といったところなのだが、そもそもAC版のオトメディウスはオンラインサービスを前提とした代物であり、そして現代ではオンラインが終了済み。そのため本作が『オトメディウス』を遊ぶ事実上唯一の方法となってしまっている。なお後述するDLCのBGMパックやプレイアブルキャラのグラ外組、イースター島ステージはいずれもAC版には導入されず本作で追加された代物なのだが、購入していればオリジナルモードでも使用可能

オリジナルモードではゲーム開始時やミス後の復活時に必ずフォースフィールドが貼られるようになっている。フォースフィールドのシステムはグラディウスシリーズおなじみのモノ。被弾するたびに削られていきフォースフィールドがなくなった状態で被弾すると1ミス、というわけで(作品によりけりだが)安定のためにフォースフィールドが削られるたびに貼り直すのが普段のグラシリーズのセオリーなのだが、驚くことに本作ではソレは不可能。なぜならオリジナルモードのパワーアップゲージには『?(フォースフィールド)』が存在しないからである。そのため本作ではグラディウスでありながら事実上のライフ制を採用したようなシステムになっているのだ。

ならば通常のグラディウス『?』があるべき位置には何があるのか?その答えが『バーストチャージ』である。オリジナルモード特有のシステムが『バースト』、バーストは専用のボタンを押すことで発動でき、長押しか否かで『クイックバースト』『ドラマチックバースト(D-バースト)』に分岐する。

クイックバースト一般的なSTGでよくあるボムの役回り。使用すると画面内の敵弾を全て消し、ザコ敵を一掃できるグラディウス的には『メガクラッシュ』とか『青カプセル』のことである。即座に発動できるものの火力は皆無なので用途としては緊急回避のための技である。この時倒した敵はエレメントになる。

そしてドラマチックバースト(D-バースト)各キャラごとに設定された必殺技で発動にはチャージが必要。『特定位置にホーミングレーザー』や『極太レーザー照射』などのほか、キャラによっては『フリント地獄突き』のような原作再現技もある。発動時のオプションの数が多いほど効果が強力になる。咄嗟の発動はできず、その上発動後はオプションが全てばら撒かれてしまうため相応にデメリットも多いが、その分威力は絶大の一言。うまい具合に使いこなせばボス格の相手であっても瞬殺が可能。またD-バーストで敵を倒すとボーナスで大量のカプセルもドロップするため立てなおしにも有用。『オプション消費の大技』と考えるとある意味沙羅曼蛇2』のオプションシュートの進化系なのかもしれない。

バーストを使用するとバーストゲージを消費する。消費量はD-バーストでもクイックバーストでも共通。ゲージ最大時では2回のバーストが使用できる。バーストゲージの回復はパワーアップゲージの『バーストチャージ』から行える。オリジナルモードの攻略はこのバーストをいかにうまく使いこなすかにかかっていると断言できる。

さてさて、オリジナルモードでは『シングルミッション』『バーサスミッション』という2つのモードが選択可能。

シングルミッションというのがAC版におけるメインモード…なのだが、実はこのシングルミッション、当時のシューティングにしてはかなり画期的な作りなのが特徴。ゲームを開始すると全4面(DLC導入済みなら全5面)の中から好きなステージを選択してプレイできる。そしてそのステージが終わると、残りから次のステージを選択…といった形で進んでいき、3つのステージをクリアするとその場で終了。ウェポンカードと経験値を獲得してゲームオーバーとなる。そのためこのモードにはラスボスといった概念などは存在しない

ステージ突入時にはそのステージの難易度(4段階)やウェポンカードの再設定もできる。途中で残機が全てなくなった場合はその場からコンティニューすることも可能。しかしどういったプレイを行っても3ステージで終了するのは変わらない。この1プレイの仕組みは従来のシューティングでは見られなかったものとなっていて、『上級プレイヤーが1コインで長時間プレイし続けてインカム(ゲーセンの儲け)が減ってしまう』というSTGが長年抱え続けていた問題に対するKONAMIからの一つの解答ともいえるだろう。この『1コインで定められた期間のみプレイさせる』しくみは、かつてKONAMI自身が音ゲージャンルにて培ったものでもある。…惜しむらくは本作を音ゲーのように繰り返しプレイさせるには些かステージのバリエーションが少なすぎたことだが…。

というわけで音ゲーと同様に本作はとにかく何度も何度も繰り返しでプレイすることを前提としたシステムが多い。例えばウェポンカードもソレ、ウェポンカードは(プレイングに関係なく)必ず1プレイの終わりに1つだけ支給され、次回以降のプレイで装備できるようになる。先に挙げたようにウェポンカードの種類は膨大であるため、コンプのためにはひたすら何度もプレイすることになる。そしてコンプを目指すと奇跡賞与(実質ハズレ)ばかりになって地獄を見るのもお約束。

このほかにも経験値という概念もある。経験値はキャラごとに個別に溜まっていき、一定を超えると天使階級がアップする。天使階級が上昇すると、各ステージ突入時に選択できる難易度が増えていく。最高難易度のためには繰り返しのプレイが必須ではあるが、まぁウェポンカード集めの過程で大多数のステージは解禁できるだろう。

ちなみに小ネタof小ネタだがキャラ選択画面などでキャラを自由にタッチすることができる。触った部位によって反応が変わるものの、基本的に最初は嫌がれる。しかしながら経験値を稼ぎ天使階級を上げていくと少しずつ嫌がられなくなってくるので、キャラを愛でたい人は頑張って繰り返しプレイすべし。

そしてオリジナルモード内のもう一つのモードがバーサスミッション!ほかのプレイヤーと同時に特殊ステージを進み、制限時間が経過or最後に待ち受ける大ボスを倒すと終了、最終スコアが最も高いプレイヤーが勝ちというモードである。本来はマルチプレイ前提だが、一人でも遊べるのでご安心。

一見すると普通のスコアアタック対戦に見えるが、注目すべきはそのステージ構成。バーサスミッションで攻略するステージは空中戦こそあれどステージ道中というべきものが存在せず、いきなりボス戦になるのだ。しかもボスを倒したら終わりではなくまた次の空中戦が開始、空中戦が終わればまたボスが現れて…と全編通してさながらインターバル付きのボスラッシュに近い内容になっているのだ。エイリアンソルジャー』みたいなものだと言えば特定の層に伝わりやすいか。

空中戦+ボスがセットで1つのエリア、1度のバーサスミッションでエリアA-エリアEまでの5エリアをプレイすることになる。ただしエリア自体は13種類あり、最終エリアを除くエリアA-エリアDまでは実際にプレイするまでどのエリアが来るかランダム、だからこそプレイするたびに違う体験ができるのが魅力である。

出現するボスたちはいずれも過去のグラディウスに登場した面々みんなのアイドル『テトラン(沙羅曼蛇)ボスラッシュ常連のビッグコア Mk-II(グラディウスII)などおなじみのメンツだけでなく、意外なところでは『カバードコア Mk-II(グラディウスV)なんてのも。中でも原作のコア部分のグラフィックが流用だったのを逆手に取り戦闘中に変形するアバドン艦/メイヘム艦(グラディウス2)は必見。グラディウス以外からはある意味世界観にもそのままマッチしている『電飾コア(パロディウスだ!)やどういうわけか紛れ込んだ『スペースマンボウ(スペースマンボウ)まで出演している。一応マンボウ沙羅曼蛇2にもいたのでそっち経由の出演と言えなくもない。

とりわけ『デス(沙羅曼蛇)に至っては4パターンものバリエーションが登場。単なる色違いではなくきっちり行動パターンまで差別化されており、AC版沙羅曼蛇のものはもちろんのこと、PCエンジン版やグラVの挙動を模したヤツなんかもおり、ファンであれば『マジかよ』となること請け合い。まぁソレ以上に痛車みたいなデザインに染められている方にビックリしそう。誰が呼んだか通称『痛デス』。なおどのボスがやってくるかはBGMがヒント、それぞれの原作BGMのアレンジが流れるので、原作プレイヤーならば耳を澄まして警戒対象を判別すべし

余談だがバーサスミッションに登場する旧作ボスたちは全員が本家グラディウスの物よりも遥かに小型化しているという設定。…とはいえコレについては本作時点だとほぼ死に設定。このあたりは次回作のとあるボス戦でうまい感じに拾われている。

地味にバーサスミッションにのみ登場するのがオプションハンター、グラシリーズではおなじみの敵だがオトメディウスではシリーズ通してここだけの出番である。その出現条件は『誰かがクイックバーストを使用すると他プレイヤーの画面に出現する』というもの。つまるところお邪魔キャラ扱いである。しかしながら本作のオプハンはひっじょーにしつこく、その上本体に当たり判定があるため普通にプレイヤーへの殺意が高い。出現したらさっさとバーストで撃破するのを推奨する。

最後に待ち受ける大ボスが『Z.F.F.』、正式名称は『ゼロスフォース・フォーチュン』。そう、沙羅曼蛇のラスボスのあの大目玉である。初登場で瞬殺され、(名前は違うが)FC版グラIIやグラIVでは一般ボスまで降格、グラVに至っては大量生産で中型雑魚にまで格下げ…とラスボス時代から凄まじい転落人生を送っていた彼(?)だが、このバーサスミッションでは名実ともにラスボスとして復権を果たしている。その姿は『12体のゼロスフォースが巨大な環を形作る』という衝撃的な絵面。一見するとただのネタボスながら、そこそこ苛烈な攻撃に12体分の耐久力もあって制限時間内の撃破は至難の業。

そのためZ.F.F.は全プレイヤーで体力が共有されており、(画面に映っているのは自分だけだが)さながらレイドボスの如くプレイヤーみんなで攻略することになるのだ。一人では無理でも三人ならばきっと勝てる!力を合わせてゼロスフォースを打ち倒すのだ!!だからCOMどもはZ.F.F.戦中にオプハン送ってくるのはやめろ仕返しにオプハン送るぞ。

さてさてここまでがオリジナルモードのおはなしであった。
ここからが本作で完全新規追加モード『ゴージャスモード』についての紹介である。ゴージャスモードはオリジナルモードとどこが違うのかがまず気になるだろうが、ぶっちゃけてしまうと全てが違う。本当に何から何まで別物である。

ゴージャスモードではフォースフィールドがない状態でスタートパワーアップゲージに『?』が復活しており、任意でフォースフィールドの装備/貼り直しができるようになっている。その代わりバーストはクイック/D-バーストのどちらも使用不能。また家庭用ゆえに音ゲー的なプレイ形態をする必要がなくなったためかステージが選択式ではなく一本道に変更。DLCを導入している場合は最初にDLCステージ込みでプレイするかを選択し、DLC込みの場合は4面の位置にDLCステージが挟まれる形になる。

ウェポンカードでの武器変更はこちらでも可能ではあるが、変更できるのは1面開始直前の1度だけ、以降はその装備のまま最終面まで進んでいくこととなる。ゲーム開始前に難易度が設定でき、最低難易度設定であれば最初からフォースフィールド装備でスタート、NORMAL以上の難易度ならばラストステージクリア後に2周目がスタートする。言わずもがな2周目では打ち返しが発生するため一気に難易度が跳ね上がる。

このようにオトメディウス無印(オリジナルモード)が独自仕様多めだったのとは対称的に、ゴージャスモードは総じて『オーソドックスなグラディウス』らしいシステムになっている。従来のグラディウスパロディウスをプレイしていた人であればオリジナルよりも遥かにこちらの方が手になじむだろう。

コンティニュー自体は無制限、なのでその気になればコンティニュー連打でEDまで突き進むことは可能。ただし2周目に入ってからはコンティニューが完全封印されるので、2周以上のクリアは極めて難しい。このへんは『沙羅曼蛇2』に通じる部分がある。…なんか記事書いててうっすら気付いたのだが、本作は要所要所で曼蛇2みたいな作りの箇所が多い。

オリジナルモードは全4面(DLC込み5面)だったが、ゴージャスモードでは新ステージも追加され全6面(DLC込み7面)となった。ゴージャスモード限定のステージは『カナディアン・ロッキー』『ヴァルハラ』の2つ。

カナディアン・ロッキーは徹底的に初代『グラディウス』をオマージュした構造となっており、ボスもビッグコアの強化版たる『ブラックビッグコア。もう一方のヴァルハラ事実上の最終面であり、また本作のボスラッシュ面も兼ねている。ゴージャスモードではバーサスミッションが存在しないかわりにそちらのボスがここで出現、奇数周回と偶数周回でボスの面々が変化するというギミック。最後に待ち受けるボス…つまるところラスボスはゴージャスモードオリジナル、グラディウス史上最も美しいコア』としてデザインされたその姿はぜひ自分の目で確かめるべし。割と真面目にグラディウス系列のラスボスでは最強格だと思うヨ。

非常に些細なものではあるものの、ゴージャスモードではほんの少しだけストーリー演出も強化されている。具体的にはゲーム開始時とラスボス撃破時に専用の会話イベントが流れるようになった。またステージ攻略中における様々な局面でキャラが独り言をしゃべることで、各キャラの描写や立ち位置などがわかりやすくなっているのもうれしいところ。特にティタはバクテリアン出身のキャラ設定もあって興味深いセリフも多い。ラスボス撃破後のイベントでは半ばサプライズ気味にゲストキャラが顔を出したりもするので、そういう意味でも要チェックである。

なおシナリオ自体は非常に難解…とまではいわないが、普通にプレイしただけではかなりわかりづらい。いや大筋自体はシンプルに『各キャラがそれぞれ戦ってゴーファー姉妹の野望を食い止める』だけなのだが、その根底にある設定はゴージャスモード本編だけだと断片的に語られるのみで終わる。本作を取り巻く状況(特に敵であるバクテリアン勢)一部キャラのセリフと、それに加えて後述するギャラリーモードでのコメントまで一通りチェックすることでようやくうっすらと見えてくるつくり。とりあえず本作をクリアして疑問に思ったセリフや要素があったならば、まずギャラリーモードを確認すべし。

ゴージャスモードでもウェポンカードを使用できるというのは上に述べた通り、ウェポンカードの収集状況はオリジナルモードとゴージャスモードで共用される。ただしゴージャスモードのプレイ終了時にはウェポンカード(と経験値)は入手できず、代わりに『gt』という専用のポイントが手に入る。gtはキャラごとに個別に管理されるゲーム内通貨のような存在で『ショップ』で使用可能。

『ショップ』ではgtを消費することで任意のウェポンカードの購入が行える。購入できるウェポンカードに制限はなく、理論上すべてのカードをgtで入手することも可能。もちろんここで購入したカードはオリジナル/ゴージャスの両モードで使用可能になる。とはいえ強力なウェポンカードは相応に高価なので、何度もプレイを重ねてgtを貯める必要も出てくる。

つまるところ、『プレイのたびに必ず入手できるが、どれが入手できるかランダム(しかもダブりあり)のオリジナルモードと、『周回が必要ではあるが、任意のカードが入手できる』ゴージャスモードという形で差別化されているワケである。

それぞれのモードで挑むことになるステージであるが、構造そのものは原則的にオリジナルとゴージャスの両方で共通である。それゆえ体感的なステージ数はさほど多いわけではないもののその分1ステージが長め。前半と後半で雰囲気が様変わりするものも珍しくないため、バリエーション自体はそれなりに豊富。

明確に地球が舞台ということもあり、『東京』『南極』のようにステージはどれも地球上の地名を冠している。ステージ内のギミックは過去のグラディウスシリーズに登場したものが多めではあるが、本作ならではのアレンジがされているのでマンネリを感じるようなことはない。例えばアレキサンドリア面の後半は露骨にグラII(或いはグラIV)の1面オマージュだが、人工太陽/流体金属ポジのギミックは破壊可能な一方で放置すると極太のレーザーが襲ってくるという代物になっていたりする。

対峙することになるボスたちもセンスが抜群に現れており、戦艦からの2連戦になるスカラベユニット』だとか、クリスタルコア(グラII)+テトラン(曼蛇)+レーザー反射(グラ外)という悪魔合体のすえに誕生したであろう『クリスタルコア D-X02』などの良デザイン/良バランスのボスも多い。いずれも攻略は一筋縄ではいかないものの、だからこそ楽しい。

(1周クリアにおける)難易度はTHE・普通といったところで、グラディウスのデビューにもオススメしやすい。歴代のグラディウスのナンバリング作品のどれよりも簡単ではあるが、CS系の作品(SFC版グラIIIやFC版グラI等)と比較すると同じくらいかちょい難しめ。EASY設定でも局所的に難しめの場面はあるので『初グラディウス』には向いているが『初シューティング』としてはちょっと厳しいかも。

ステージ攻略においてランダム要素はほぼ廃されているため、根っこにあるのはシリーズおなじみの『パターン覚えゲーである。ちなみにパロディウスほど極端なランクシステムもないので、そっち方面でも安心していい。

何度も周回するゲーム性ゆえ単純な1周プレイ時間は指標になりづらいが、1周のボリュームはオリジナルモードが15分ほどゴージャスモードが50分ほどといったところ。やりこみ要素としては先に挙げたウェポンカード集めと経験値稼ぎが該当、またウェポンカードとは別にオリジナルモードのみ入手可能なイラストカードなんてのもあるので、全キャラの要素コンプリートを目指すとすごい勢いで時間が溶けていく。

STGなので最終的なやりこみはもちろんスコアアタックゴージャスモードではいつも通り一連のハイスコアが、そしてオリジナルモードでは各ステージ/各難易度ごとにハイスコアが記録されるため細かなセクションごとのスコアアタックがやりやすいのが魅力。ゲームの終了時にはリプレイを記録できる機能も用意されているため自分なりのスーパープレイを目指すのもいいだろう。

純粋なオマケ要素で『ギャラリーモード』なんてのもある。ギャラリーモードでは本作に関係する合計115種のキャライラストや設定資料を自由に閲覧することができる。各種イラストは拡大縮小も可能、ただし任意のイラストを直接選択することができず、115番目まで一つずつスクロールする必要があるため地味に不便。あとこういった類のものでは珍しく最初からすべての要素が解禁されているのも特徴だが、説明書によると『イラストはゲームを進めると手に入ります』とのこと。…設定ミス?
(一応オリジナルモードで手に入るイラストはあるが、そっちはギャラリーだと閲覧不可)

設定資料は立ち絵が存在するプレイアブル/ボスキャラだけでなく、ステージ内の各所にいる雑魚敵、ステージの小物、エンディングのゲストキャラにいたるまで用意されている。資料にはコメントも添えられており、吉崎先生のグラディウス/パロディウスシリーズに対する理解度の高さが伝わってくる。一部には没ボスや没キャラもあり、『ミラードコア』『ヴェノム博士(オトメ版)』のように次回作で日の目を見たものも一定数存在する

その中には興味深いコメントも少なくなく、『ゴーファー姉妹はテトランがお気に入り』『オトメ版の旧作ボス(テトランやビッグコア等)は全員自立知能を有していてゴーファー姉妹を可愛がっている』といったここでしか描かれていない非常に魅力的な設定も。

一見するとほぼ没設定な気もするが、実際ゴージャスモード中のセリフではここにある要素を踏まえた会話が少なくないため、ちゃんと設定として存在している。中でもある種衝撃的な没ラスボスはゲーム中に出てこないものの、本作の随所にはコイツの存在を示唆したセリフも少なくない…というか本編中でプレイヤーが疑問に感じるであろうテキストは大体この没ラスボスに繋がっている…ような気がする。
(コイツがいることを前提に考えるとシナリオの謎にすべて説明がつく)

ちなみに良くも悪くもこういう傾向は次回作でさらに顕著になる

KONAMIのシューティングといえばそれだけサウンド面にも期待がかかるというものだが、本作のBGMはまぎれもなく一級品のものがそろっている。というかオトメディウスは続編も含め一貫してBGMへの気合の入れようがすさまじいことになっている。本作のBGMは大きく分けて『AC版オトメディウスから存在するもの』『ゴージャスモードで追加されたもの』DLCのBGMパックで聞けるもの』の3つがある。

まずAC版からの楽曲だが、これは読んで字のごとくベースとなるAC版からあるモノである。該当するのはデフォから用意されている全4面とボス戦、それからバーサスミッション。バーサスミッションを除き全てがオリジナルであり、作曲はポップン』や『QMA(III,IV,V)』でおなじみNaya~n(ナヤ~ン)こと古賀博樹氏が担当。

明るくノリのいい楽曲群オトメディウスの雰囲気ともピッタリマッチしている。バーサスミッションは原作の雰囲気を崩さない範囲でそれでいてオトメらしいアレンジがなされておりこれまた必聴。『TITANS(グラIV)は個人的にこのオトメ版が一番好きである。

ゴージャスでの追加曲に該当するのはAC版に存在しなかった新ステージ3種とゴージャスモード用のイベント曲やラスボス戦。こちらも全てがオリジナル曲で作曲は柏木るざりん、かの超連射68kのお方である。特定の層には巫女みこナースの方が伝わりやすいか。

曲数は少ないながらもそのクオリティは珠玉の一言。デフォルト設定でのプレイではゴージャス版とAC版の楽曲が混在することになるが、あとから追加されたとは思えないほど見事に溶け込めている2023年現在最新のモアイ面BGM『イースター島はそのどことなく間の抜けた(褒めてます)、それでいて底知れない危険さを秘めたモアイにピッタリな曲調が耳に残りやすい。

最後に追加DLC楽曲であるが、ぶっちゃけ曲の割合としてはコレが最も多く、その曲数はSTGとしては規格外の63曲!本作ではDLCとして『BGMパック』なるものが販売されており、購入するとプレイ開始時に一連のステージ曲を置き換えることができるのだ。それぞれのパックはプレイアブルキャラの名前を冠しており、亜乃亜からエスメ&ポイニーまでの7パックがある。

1パックごとにステージ曲7+空中戦1+ボス戦1の計9曲が収録。ほぼオリジナル曲で構成されていたAC/ゴージャス楽曲とは打って変わってこちらは全てが過去のKONAMIシューティングのアレンジとなっている。アレンジの出展元はそれぞれパック名のキャラのモチーフ元になっていて、例えば亜乃亜パックならば『グラディウス』シリーズマドカパックなら『ツインビー』シリーズといった具合。具体的な出展元は以下にリストアップする。

亜乃亜グラディウス』『グラディウスII -GOFERの野望-』『グラディウスIII -伝説から神話へ-』
トロン沙羅曼蛇』『沙羅曼蛇(MSX)』『ライフフォース』『沙羅曼蛇2』
エモン『サンダークロス』『サンダークロスII』『スペースマンボウ
マドカツインビー』『出たな!ツインビー』『ツインビーヤッホー! ふしぎの国で大あばれ!!』
ジオールXEXEX
ティタグラディウス2』『ゴーファーの野望 エピソードII』
エスメ&ポイニーグラディウス外伝』『ファルシオン

サンクロとスペマンがセットなのはそれらのプレイヤーであれば説明不要であろう。グラ外のパックにファルシオンが含まれているのは名前つながり亜乃亜パックはグラディウスをまとめたものだがグラIV/グラVは含まれていない。この2作のアレンジは次回作を待つことになる。

ステージごとの曲の割り当てもしっかり考えられている。例えばキューブ地帯のある南極面では『CRYSTAL LABYRINTH(グラIII)』が流れたりするなどがソレ。もちろんイースター島では『BLANK MASK(グラI)』『DANCE OF MIDDLE EASTERNERS(ゴーファーEP2)』『MOAI(グラ外)』といった歴代モアイ面のアレンジが流れる。

DLCパックのアレンジを手掛けている作曲者は非常に多く、その人数はなんと最低でも22名(某wikiの情報を信じるなら24名)1つの、それもシューティングゲームの作曲にこれだけの人数が携わる例はきわめて珍しい。なお楽曲数も人数も続編ではさらにパワーアップを遂げているのだが、それはまた別のおはなし。

作曲陣の中には東野美紀(グラI/ライフフォース)『古川もとあき氏(グラII/XEXEX)山根ミチル(ゴーファーEP2/出たツイ)前田尚紀(曼蛇2/ツインビー・ヤッホー!)メタルユーキ(サンクロII)『Nories三浦氏(グラ外)『すけのみや藤尾氏(ファルシオン)といった過去に出展元のサウンドを手掛けた方々も含まれており、セルフアレンジも多数。そのほかにも福井健一郎(バイオレントストーム/アインハンダー等)山岡晃(復活の神話/サイレントヒル等)桜庭統(テイルズ/SO等)『株式会社スーパースィープ(ドラスピ/TGM/まものろ等)』の方々に…書いていったらきりがないほど著名な作曲家たちが揃っている。

アレンジはその作曲家ならではの個性を出すという方向性で一貫しており、例えば古代祐三(イース/世界樹等)原作の次世代たるグラIIの音源で『PLANET RATIS(沙羅曼蛇)を、逆に『KPLECRAFT(ライブユニット)チップチューンで『In The Wind(グラIII)のアレンジを行っていたりする。

アレンジ楽曲の中で特に人気が高い印象なのは『戸田宏武氏(新宿ゲバルト)による『TAKE CARE!(グラII)前田尚紀のセルフアレンジ版『SENSATION(曼蛇2)あたりか。個人的に一番のお気に入りはスーパースィープ所属のお方『CLOSE QUARTERS(ゴーファーEP2)である。

なおオトメディウスサントラは『オトメディウス』名義ではリリースされなかったが、オトメディウス ゴージャス』のサントラという形でリリースされている。3枚組となっていて1枚目がAC版曲とゴージャス曲2枚目以降がDLCパック曲という構成。亜乃亜役/トロン役の佐藤利奈/下屋則子が歌うOP曲『天使たちのSTAR LIGHT』のほか、リリースが遅かったおかげかボーナストラック扱いで次回作オトメディウス エクセレント!』のOP/ED曲の『fly(ショート版)』と『オトメティック』も収録されている。

まぁ例によって例のごとく実物CDにプレミアがついてしまっているものの、うれしいことにApple MusicやiTunes Storeにて配信中。全部合わせてわずか2000円程度と極めて安価なので超オトクである。それと2021年の『ミュージック フロム コナミアーケードシューティング』にもオトメディウスは収録されているのだが、『アーケード』の名の通り無印AC版の楽曲のみ収録となっているため、こちらを本作を目当てに購入するのはあんまりオススメできない。

さてそろそろまとめに入るが、最初に触れた通り本作はXbox360のゲームである。Xbox系ハードといえば360に続くXboxOne、現行最新機のXboxSeriesX/Sにまで続く幅広い後方互換性こそが最大の強みといえるプラットフォームなのだが、残念ながら本作とその続編『オトメX』はともに後方互換に非対応、そのうえマルチ展開も行われず、発売から10年以上経った今でも移植される気配はない。ゆえに今では数少ないXbox360でしか遊べない作品』のひとつであり、先日発表された『2024年7月29日にXbox360のストアが終了する』という一大事の影響がクリティカルに響いてくる。

無論本作にもディスク版は存在し、本体さえあるのならそちらを購入すればプレイ自体は可能である。しかしながらディスク版…特に続編の『オトメX』はかなりのプレミアがついてしまっており、後からディスクを購入しようとすると間違いなく後悔することとなるだろう。だが今ならば…Xbox360のストアが生きている今であれば、まだXbox360 ゲームオンデマンド』を介して本作や次回作をわずか3000円前後で購入できるのだ。その上で本作は多彩なDLCによるBGMもまた魅力のひとつであり、それらを購入できるのも来年の7月末までである。あとから本作のことを知り、後の祭りに絶望することがないように、今のうちにぜひぜひ手を出しておくことをおすすめしたい。

可愛らしくキャッチーな外観一粒で二度美味しいと言わんばかりなまるで異なる2つのモード、加えて遊びやすさを何よりも追求しつつ、初級者から上級者まで満足できる難易度調整…と、本作はその雰囲気からはイメージできないほど総合的な完成度が極めて高い作品になっている。『ナンパなゲームに興味はない』『やりたいのがグラディウスであってこんなのじゃない』…そう言いたくなる気持ちもまぁわかる、わかる…が、食わず嫌いせず、しっかりとプレイしてみてほしいのであーる!!

そして本記事のおはなしはまた次回…オトメディウスX (エクセレント!)』に続くこととなる。ではまた!

 

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