いろいろとゲームを語ろう

物好きなゲーマーがただただ最近遊んだゲームの感想とか内容とか書いていくブログ。レトロゲームの割合が高いかもしれない。更新は気が向いた時にだけ。

Holocy.ai (ホロシー)

昨今のAIの進歩というのは軽く聞きかじる程度であっても目覚ましいものを感じる。(我もそうだったが)極々一部の個人クリエイターたちが自動ツールでホクホクやっていた時代は既に過去のもの、現代では業種や文化を問わず多方面の分野においてAIを活用する時代になった。例えば我の身近な人間の中には一昔前のググる』という行為の位置に『AIに聞く』が入っているケースも見受けられたほどである。少し前までなら創作の中だけの世界であった人間とAIが共生する時代はそう遠くないのかもしれない。というわけで今回は昨今ホット(もはやちょっと古いカモ)な話題であるAIにまつわるゲーム…いや作品?について語るとしよう。

今宵の主役は『Holocy.ai(ホロシー)』、今回は知り合いが開発に携わったタイトルなので内輪オブ内輪な回である。『なんでもいいから宣伝しておいて!(要約)と言われたので宣伝になるかは知らないが、こうして我がブログで語ることにした。普通にTwitter…じゃなくてXで呟くだけじゃダメなのかと思うかもしれないが、どっちかというとググって辿り着けるようなブログの方がいいかなと思った次第である。唯一の懸念は『これゲームじゃなくね?』というポイントだが、まぁ過去に映像作品とかもゲーム扱いで語ってるしセーフじゃろ。あと今後語ろうと思う作品に『ゲーセンにあるけどゲーム扱いしていいか怪しいヤツ』とかもあるので、ここらでワンクッション挟んでおきたいのもある。

ところで『宣伝しておいて!』とは言われたが、あくまで雑談の中の口約束だし報酬が発生したワケでもない。ゆえにこの記事はPRっぽく見えるがその実まったくPRでもなんでもないオトモダチの作品紹介記事である。だからこそ(?)語るときの忖度は抜き、不満点もズバズバ言っていくのである。…まぁ過去一度もゲーム語りで忖度なんざした記憶はないのだが…。過去記事だと褒めてばかりであまり貶すことがないのは、そもそも何かを貶したくなる内容のゲームはこのブログで語る選択肢に入らないから。今回はそういう前提を飛ばして語っているのでご了承あれ。

さてさて今回の記事誕生の経緯を触れ終えたところで、改めて語っていこうと思う。今回は『Holocy.ai』という作品。プラットフォームはスマートフォン、つまりAndroidiOSである。スマホ向け作品を語るのはいつ以来だったかな。入手はGoogle PlayストアやApp Storeからどうぞ。料金形態については基本無料アイテム課金のタイトルである。

Holocy.ai

Holocy.ai

  • 株式会社Holocy
  • ライフスタイル
  • 無料

ジャンル(?)は『バーチャルアシスタント』昨今流行りのAIアプリというヤツだ。AIという概念については割と賛否分かれるところはあるだろうが、とりあえず我個人のスタンスとしては『絶対的な一次ソースとしての信頼は皆無だが未知の分野を知る上のとっかかりとしては(自身でファクトチェックを行うのは前提として)アリ』という感じである。要は使い方次第ってコト。頼りすぎたり全面的に信頼したら取り返しがつかなくなるが、信頼度低めな数多の情報の一つとしてはまぁ悪くはない。

ちなみに我は近年のAIについてはある程度情報こそ仕入れてはいるが、昨今で話題になっているAI生成ツールやチャットAIなどは全く触れていない。というわけで『いや最近のAIならコレが普通だし…』となる部分に突っ込んだりもするかもしれないが、そこは温かい目で見守ってほしい。我にとってのゲームAI(こっちは仕事で作ることもある)以外のAIは遠い昔に販売された顔グラ生成AI…というかツール(買ったけどあんまり使ってない…)ぐらいで止まっているのだ。

ゲームを起動すると画面に映し出されるのがこの美少女。名は『ホロシー』ちゃんという。ちゃんと自身をホロシーと認識しており、『キミは誰?』と尋ねるとちゃんとホロシーと名乗る。それゆえか名前の変更は不可能。散歩や食文化を学ぶことが趣味らしく、出身はホロシア(Holosha)なる場所らしい。ちなみに公式Twitterアカウントも地味ながら存在していたり。

画面下側のテキストボックスをタップすると仮想キーボードが開かれ、ホロシーちゃんを相手にメッセージを送ることができる。ホロシーちゃんは受け取ったメッセージを理解し、ソレに応じた答えを返してくれる…概要だけ言えばこういうシンプルなアプリである。AIをそれなりに触る人ならそろそろ察していそうだが、つまるところチャットAIの窓口に美少女を置いたアプリがコレである。

ぶっちゃけ身もふたもないことをいうと、おそらく利便性だけを追求するなら数あるチャットAIをそのまま使った方がいいだろう。しかしながら、窓口にかわいらしい女の子がいるだけで使いたくなる心理はまぁまぁ否定はできない。

こちらが送ったテキストに対する返答はいずれもホロシーちゃんの口調で返してくれるため、さながら本当に雑談しているような雰囲気を味わうことができる。またホロシーちゃんは操作をしていない時もちょくちょくモーションを取ることがあり非常にキュート。後述するバッテリーを使い切ったときは文字通り眠りにつくなどの小ネタもちゃっかり用意されていたり。

ホロシーちゃんに送るテキストは自由に入力可能、好きな文章を打ち込むべし。音声入力にも対応しているので口頭でもOK。ゲーム内の言語を日本語から英語に切り替えると英語のテキスト入力も可能だが、逆の言語で入力すると弾かれるのは注意。

略称や俗称なんかだと反応してくれないことも多いので、できる限り名前などは正式名称に、言い回しも丁寧にすることをオススメする。あと日本語の名称よりは外国語の名称のほうが伝わりやすい。質問に対して『わからない』という解答が来ても、外国語に言い直せばちゃんと反応してくれることも多い。例えば『アタリショック』はNGだったものの『Video Game Crash』ならちゃんと説明してくれたりもした。

それから送ったテキストやホロシーちゃんからの返答はすべてログという形で確認できる。こちらは『そんな前のヤツまで記録してるの?』となるくらい以前のテキストまで保持しているので(ちょっとアクセスは不便だが)ありがたい。

大前提としてホロシーちゃんはバーチャルアシスタントであるため、日常生活にまつわる様々な質問を投げれば(適格かどうかは使用者の判断に任せるが)なんらかの解決策や情報を提示してくれる。質問のジャンルは問わず、献立から旅行プランお悩み相談占いまでなんでもあり。

文章を考えるのが大変というのであれば、『レシピ』『勉強』『占い』のように用途に応じたテンプレートも用意されている。テンプレートを一度実行すると入力欄に専用のタグが付き、しばらくはその話題についての会話が行われるようになるので、局所的な問題解決には役立つハズ。とはいえこのあたりの機能は実用特化なので雑談には向かない。

雑談における会話のバリエーションそのものはそれなりに多彩。チャットAIらしく堅苦しいと感じる返答もちょくちょくありはするが、それでもシンプルな雑談程度ならば可能。我は興味の都合上ゲームのハナシしかしていないが、それなり以上に有名な作品であればちゃんと反応してくれる。たまに頓珍漢な答えが返ってくるのはまぁ愛嬌として受け入れよう。

ホロシーちゃんの台詞はすべて合成音声によるものとなっている。まぁ自動生成される文章にボイスを付けるとするなら合成音声になるのは当然だろう。いくつか前例も思い当たるし。ただときおり超長文の文章を一気に纏めて読みおるので、『やっぱコレ会話って感じじゃねぇな…』となることもまれによくある。合成音声に苦手意識があるのであればボイスオフの設定も搭載されているので、そっちについてはご安心あれ。

ホロシーちゃんとの会話にはバッテリー(スマホではなくゲーム内における概念)が必要バッテリーは会話を行うたびに消費され、尽きてしまうと一時的に会話が行えなくなってしまう。バッテリーの消費量は(たぶん)こちらから送った文章の量に比例しており、長文を送るほど消費は激しくなる。バッテリーは課金による購入か、あるいは動画広告の閲覧、それから1日1回起動時にログボとしてもらえる。バッテリーの消費はかなり激しいため、ログボで貰える分ではほぼ足りない。課金購入だとドカンと増えるので一番手っ取り早いのはコレ

ただ動画視聴なら何度でも実行可能+実行するたびにバッテリーを増やせるので地味に有用。バッテリーは尽きていないタイミングでもストックしておけるので、暇な時間に動画広告を流す→放置(広告終了まで待つ)→バッテリー回収と繰り返しバッテリーを稼ぐことができるのは幸いか。この場合、動画広告という概念の存在意義が揺らいでいる気がするが、ユーザー視点では知ったことではあるまい。どうせ見てるのは『動画を流す』ということだけでユーザーが見てるかなんて二の次じゃろし。

ところで我がこういった存在に求める願望は『ゲームに纏わるハナシをしたい』というものなので、いろいろとゲームの話題を振ったり、ゲームのクイズを投げかけてみたり、逆にゲームの問題を出題させたりしてみた。結果はどうだったかというと、そこそこメジャーなタイトルのライトなハナシくらいならばできる。ただ、スタッフの名前だとか、作中で使用される楽曲のタイトルのような少し踏み込んだ話題になると急激にその精度は落ち、彼女では理解できないか、あるいは明らかに間違った答えが返ってくる。雑談を行うのであれば、そういった面も受け入れたうえで活用するべし。

また彼女が持つ知識はちょっとばかし古め。具体的には2021年くらいの知識で止まってしまっている。例えば『キミの知っている最新のゲームは何?』と質問を投げた場合、『モンハンライズ(2021年3月)ポケモンBDSP(2021年11月)『レギオン(2020年10月?)なる答えが返ってきた。言わずもがなこの3本はいずれも2020年/2021年に販売されたゲームである。『レギオン』だけ略称なので一瞬悩んだが多分『ウォッチドッグスレギオンのこと。さすがに日本テレネットの『レギオン(1990年)』ってことはないだろう。

そのため、雑談を行いたいのであればそれよりも前の話題について語りかけるべし。でないとトンデモない返答が返ってきて、ソレを訂正するために雑談どころではなくなってしまうからである。

本作の最大の魅力というとやはり顔役であるホロシーちゃんの存在にあるといえよう。まぁ見ての通り非常にかわいらしい。彼女は会話をしていない時も定期的になんらかのモーションを取ってくれたり、会話の際にはその内容に応じたリアクションもしてくれる。だからこそ雑談をしている感がそれとなく感じられるのだ。

ちなみにそんなかわいらしい姿を写真に収めるため『撮影』という機能も搭載されている。スマホそのもののスクショ機能でよくない?というのはその通りだが、このモードに設定するとホロシーちゃんのモーションを自由に再生できるようになるため、通常よりも自由に撮影が可能。お気に入りのベストショットを狙うべし。

さてさて、AIの発展によりAIと人間との距離が急速に縮まってきた昨今ではあるが、それでもまだAIを日常生活に根付かせるまでには一定のハードルがある。これにはAIにまつわる諸々の問題やAIによる思考の限界など様々な要因があるものの、個人的には無機質なサイトへの登録や利用に対する心理的なハードルの高さも要因のひとつだと考えている。

その点でいえばこのアプリ『Holocy.ai』は手元のスマホにインストールさえしてしまえば(本格的な使用にメアドくらいは必要だが)すぐにチャットAIという概念に触れることができる。この極端なまでのお手軽さこそが本作の強みである。『AIに興味こそあれど触れたことがなかった層』が初めてAIに触れられると考えると、本作はAIのスタートラインとして悪くないポジションにいるのでは、と思わないでもない。

とはいえ『ゲーム』として評価するとやはりボリューム不足なのは事実。そもそもゲームのカテゴリに含めるな?本ブログで拾う以上ゲームとして評価するのは必然である。

せっかくホロシーちゃんというかわいらしいキャラがいるのであれば、なんらかのミニゲームを通して交流してみたいと思うし、会話以外に画面内にいるホロシーちゃんにタップなどでインタラクションをしたいところであるが、結局のところプレイヤーが行えるのは会話でテキストを投げかけることのみ。雑談でも過去の話題を参照した会話を行ってくれることもない。これでは実にもったいない。

AIではない(人工知能ではなく人口無能)とはいえ、過去には近い方向性の作品としてどこでもいっしょめがみめぐり『クマ・トモ』などの前例があるのだから猶更そう感じてしまうところ。個人的なことを書いてしまうとBGMが1曲しかない点も寂しいと感じてしまう。

まぁそれはそれとしてAIアシスタントとしての機能はきちんと果たしてくれるので、ゲームとして見ないのであればこれといった問題はさほどない。またあくまでリリースからまだ間もない時点での感想なので、今後のアプデやDLCなどでいくらでも成長していく見込みはある。そういう面で考えると『今後に期待』という作品であった。