いろいろとゲームを語ろう

物好きなゲーマーがただただ最近遊んだゲームの感想とか内容とか書いていくブログ。レトロゲームの割合が高いかもしれない。更新は気が向いた時にだけ。

NEEDY GIRL OVERDOSE(ニーディガールオーバードーズ)

人間とは元来弱い生き物である。誰かに依存、或いは何かを信仰しなければ生きていけない。だからこそ世の中には指導者や宗教などが成り立ち、そういった存在を崇め従っていくことで人々は精神の平衡を保ち続けていた。時には『何も信じていない』と豪語する者もいるが、そういった人間は自身の依存/信仰の対象がほかでもない『自分自身』であることに気付いていないだけである。人間とは多かれ少なかれ何かしらを信仰し、また依存しているものなのだ

…こらそこ、『年明け早々何言ってんだコイツ』とか『とうとうおかしくなったかコイツ』とか言わない。そう思ってても言わなきゃわからないんだから!というかそもそも我はハナから狂っておるのだ!!

…とにかく話を戻そう。原始の時代より人間とはその弱さを誤魔化すため、常に自分以外の『ナニカ』に対して救いを求めてきた。『ナニカ』とは宗教などに限らず、その時代によって様々TVに映るタレントやアイドルな時もあれば、近年ではYoutuberや(ちょい古いが)ニコ生主、2次元に寄ったものではVtuber等のネット配信者がそのポジションに収まっている。

とりわけインターネットが身近になった昨今、一般人にとっての配信という行為に対するハードルは極限まで下がっており、『やりたい』と思えば誰だって配信者になれる時代になった。とある年代を境にYoutuberや(少し遅れて)Vtuberが爆発的に増加したことからもソレが表れているだろう。

配信者たちは何故配信を行うのか?それは人によって様々である。純粋に自分の好きなモノを広めたいという人もいるだろうし、自分をもっと見て欲しい、人気になりたいという人もいる。或いはソレそのものを職業とし生計を立てようとする人も。

だが大元の目的こそ異なれど配信者たちには共通している部分が一つある。『希望を与える』という点だ。配信を続けていくうちに自ずと彼ら彼女らに付いてくるチャンネル登録者やフォロワー…即ちファンに対し配信者たちは実直に向き合い、その期待に応えてみせる。その姿にファンは羨望の眼差しを向け、明日を生きる糧とするのだ。

我とてインターネットの片隅で生きる者。現在でもブログという形で世に自らを発信し、かつては配信者として視聴者とどう向き合うかに頭を悩ませたこともある。自身を見てくれる人々に希望を与える大変さや、ソレを継続する意思を途絶えさせない難しさについては理解しているつもりだ

さてさて、今宵語る作品はそんな『インターネット配信者』…否、『インターネット・エンジェル』を描いた作品、『NEEDY GIRL OVERDOSEである!!

のっけから小難しい話をして困らせてしまったが、ここからはいつも通りの流れに回帰するから安心したまえ。
(要約:ここまで毎度恒例の冒頭挨拶パートでした)

本作はライターのにゃるら氏主導で開発されたインディータイトルで、プラットフォームはSwitchSteam。タイトルを普通に読むと『二ーディガールオーバードーズ、主な略称は『ニディガ』

本作は開発段階でSNSを中心に話題となり、2022年の頭にSteam版を配信、10月にはSwitch向けパッケージも発売された。我は当初Steam版を購入していたのだが、まぁいつものようにプレイせずに放置、その後Switch版が発売されたので再度購入し、そちらが初プレイとなった。
(Switch版完全クリア後にSteam版でもプレイしたが)

いざプレイしてみたうえでの感想を一言で表すと『すっげぇ先鋭的』である。一件可愛らしいビジュアルの中にあるそこはかとない不安定さ、プレイし終えても喉元につっかえた小骨の如し気持ち悪さ、それらが本作独自のオンリーワンの味わい、もとい魅力を発揮し、結果かなーり印象に残る作品であったため、こうして今宵の記事で語ると決めたのである。

さて、本格的に語り始める前に一つ注釈を。本作はゲーム起動時に警告されるように攻めた描写がかなり多い。そのため本記事もいつもより若干過激な表現を多用する。また記事内のスクショはSwitch版のモノとSteam版のモノの両方を使用しているが、テキストは伝わりやすさを重視してSteam版準拠の表記をさせていただきたい。
(プラットフォームごとの違いについては後述する)

本作のゲームジャンルは平たく言うとシミュレーションゲーム(SLG)の類SLGの上に何が付くかは正直微妙なところだが、まぁ『育成SLGってのがしっくりくるだろうか。少なくとも女の子とキャッキャウフフする恋愛SLGのような甘ったるいものではないことは最初にハッキリ伝えておく。今作はもっとこう…どす黒いナニカである。

ゲーム中でメインとなるのがこのデスクトップ画面、この画面でプレイヤーはクリックやスクロールといった様々な操作をすることができるWebカメラの映像に映し出されている美少女こそ、本作のメインキャラであるところの『あめちゃん』。彼女は人気配信者になることを夢見ており、彼女と共にいるプレイヤー…『ピ』はそんな彼女をサポートしていくこととなる。

ネット配信の折にはさながら魔法少女の如し変身シーン(コスプレ早着替え)が流れ、あめちゃんはネット配信者『超絶最かわてんしちゃん』…通称『超てんちゃん』へと姿を変える。彼女がインターネットエンジェルになるか、ダークエンジェルへと堕ちるかピの頑張り次第。タイムリミットは30日、30日目に到達した時点でのパラメータやフォロワー数に応じて多種多様なエンディングに分岐する

30日間のうちにピができる行動は様々で、あめちゃんと共にゲーム(どっからどう見てもドリキャス)を遊んだり動画を観たり好きな場所でデートしたりえっちなこと(♥♥♥)をしたりできる。ちょいと後ろ暗いことだとエゴサ掲示板への書き込み出会い系で遊ばせたりなんかも。

ただし何もかもピの思った通りに行動できるとも限らない。時にはあめちゃんの気分で行動を強制されるケースもそこそこにある。コレは(一部の例外を除き)ランダムで発生するので、事前に把握することも避けることもできない。文句を言わず受け入れてあめちゃんに従うべし
(ロードすれば発生の再抽選が行えてしまうのはナイショだ!)

1日は昼・夕方・夜の時間帯に分かれており、1回行動するたびに時間が経過する。ただしおでかけやえっちなことは1度に2行動分の時間を消費してしまうので注意が必要。夜に限ってはどんなことをしても1行動分だけで済むが、ネット配信が行えるのは夜だけなので必然的に配信をサボることになる。昼間にゲームやデート等を行い配信ネタを探し夜には集めたネタから任意のものをを使ってネット配信をする…というのが基本的なゲームの流れ。配信ネタになる行動には専用のアイコンが付くので、手探りでも案外しっかりとプレイできる。

行動の中で特に本作特有のものといえるのはやはり『おくすり(まほうのおかし)』。まぁ文字通りの意味合いであり、飲むとほんの少しだけ後述するストレスややみ度が低下する。だがコレは適量接種した場合の話。本作ではここから更に過剰摂取…つまりオーバードーズ(OD)することができてしまうのだ。

おくすりODによる効果はまさしく絶大一気にストレスを引き下げることができる…がその代償も大きく、やみ度は下がるどころか一気に上昇。そしてあめちゃん視点での激しいトリップ演出までもがセット。ちなみにODを続けると過去のおくすりに対して耐性ができてしまったのか、使用できるおくすりも処方薬市販薬睡眠薬はっぱきってと徐々にランクアップ(?)していく。当然ランクが上がるほど効果も増えていくが、デメリットも倍々に増えていく。そしておくすりODをした直後にえっちなことをすると…?

ネット配信では超てんちゃんが進行するのを眺める形になり、ピからできることは殆どない『顔だけは自信ある』と豪語する彼女だが、実際のところ喋りも極めてうまく語彙力も堪能であるため、ただ見ているだけのパートであっても充分笑わせてくれる。一見炎上しそうな事態に片足突っ込んだ状態からなんとかフォローして体裁を保つ姿なども見られるのでつくづく見逃せない。ちなみに(機能そのものは最初から解禁されているが)周回プレイ時のために早送りとスキップ機能も搭載されているので便利である。

配信中に唯一ピができる行動が『チャット欄(コメント欄)の管理』、超てんちゃんは(本人が満足していないだけで)そこそこフォロワーを抱える配信者であり、当然ながらコメント欄には様々なコメントが書き込まれる。ピはこれらのコメントから荒らしコメを削除したり、逆にスパチャ(投げ銭付き)のコメントを読むよう超てんちゃんに指示することが可能。スパチャへの反応はただ単にソレを読むだけでなく、きっちりその内容に応じた反応を返してくれるため、周回にて同じ配信を見るモチベを保つのに一役買ってくれている。

配信は全部で12種類のカテゴリがあり、『ゲーム実況』『やってみた』『解説動画』などのありがちなものから、『ネットロア』陰謀論などアングラ気味のものもあり、どういったスタンスの配信者に育て上げるかはピの自由。配信は各カテゴリごとに5段階用意されており、そのカテゴリの配信を行うことで更に上位の配信ができるようになる。上位になればなるほどよりディープな話題となり、相応にファンも増えるので(いい意味でも悪い意味でも)影響力は増していく。中には配信した瞬間にエンディングになる文字通り爆弾みたいな配信もあるが…最終的に配信を行うかどうかはピに委ねられているので、ヤバそうな時は彼女のストッパーになってあげるべし

配信や行動をする度にあめちゃんのパラメータは都度都度変動していく。細かなパラメータは多岐に渡るが、メインで気にするべきは『フォロワー』『ストレス』『好感度』『やみ度』の4つ。コレ以外のパラメータは配信の成果にしか影響しないものの、この4つだけはエンディングにも密接に関わっている…というかしっかり管理してあげないとヤバい

『フォロワー』は基本的に配信をすることでのみ増加、増えることはあっても減ることはない目標はフォロワー100万人!当然並大抵の配信では届かない数字であるし、増やしすぎて損はないので手段を選ばず増やすべし。フォロワーを増やしていけば自ずとあめちゃんからの更なる信頼も勝ち取れる

フォロワーは10日目の時点で最低限の足切りライン(1万人)があり、そこさえ越えられれば途中でゲームオーバーを踏まない限りはラストまで進めることができる。つまり、本作を始めたての初心者はまず10日目を越えるのが目標になるだろう。アドバイスをするなら『継続的な配信が何よりも大切』であること、それから『えっちな配信をすれば爆発的にフォロワーが増える』ことの二点。

後者はエラく生々しいが、実際本作でもえっちな配信とソレ以外とで目に見えて数字が変わる。えっちな配信が嫌なら他の選択肢もあるからご安心あれ。例えば陰謀論だとか『病み配信』だとかならえっち配信に次いでファンが増えるよ。…『過激なのばっかじゃねーか!!』だって…?綺麗なままで数字が稼げるワケないだろ!!

…まぁクリーンなイメージ保ったまま配信続けて地道にフォロワー増やしていくスタイルも悪くないと思うよ。大体途中で折れて過激な配信やるようになるケド。とはいえ、ある意味この『追いつめられて過激な配信に手を出す』事に対する葛藤と、それでファンが増えることへの背徳感本作でしか得られない体験だといえる。これもまた本作の魅力である。

そしてあめちゃんはオタクに媚びた配信をするだけで『ストレス』がマッハで上昇していく。コレが上がりすぎると初回はリストカット(自傷)+病み配信、2回目は発狂+病み配信というイエローカードそして3回目は…。ストレスの対策には理解あるピの行動が必要不可欠。あめちゃんを徹底的に構ってやるべし。普通に遊ぶだけでも多少は改善されるが、一気になんとかしたいならば…まぁおくすりODかえっちなことの2択になる。どっちにせよ後が怖い。

あめちゃんからピに対する『好感度』だが、下げ過ぎると当然ながらあめちゃんはピから離れてしまう。とはいえあめちゃんはゲーム開始直後からバリッバリにピに依存しているため、ちょっとやそっと好感度を下げたくらいでは影響は出ない。むしろ本作ではネタ探しの過程で好感度がガンガン上がっていくことに頭を抱えることになる。こういうゲームにおいて好感度は上げて損はないパラメータであることが普通だが、本作では上げすぎてもソレはソレで宜しくない強すぎる愛情は時に毒にもなりうるのだ。

好感度を下げたい場合は出会い系に突っ込ませるのが手っ取り早い外道と思われようがこうでもしないと逃げられないのだ。まぁえっちな配信をした時にも好感度が下がるので、タイミングを見計らってソレを利用するのがベターか。逆に好感度を稼ぎたいならばデートを繰り返すのがいい。好感度は下がる手段に乏しいが上げる手段がとにかく豊富。効率だけ考えるとえっちなことが一番上がり幅がイイ…がコレはコレでやりすぎると…。

最後に『やみ度』、おそらく本作以外ではそうそう見ないパラメータだが、まぁ病み度である。どれだけあめちゃんが病んでいるかが一目でわかる。配信をするだけで少しずつやみ度は上昇していくが、困ったことに本作はやみ度を簡単に下げる手段がほぼ存在しない。強いて言うならおでかけ扱いで通院するくらい。まぁこういうのは専門家に任せろということなのだろう。ピ単独でやみ度を下げたいなら…えっちなこと一択か。…何度も言うがえっちなことは諸刃の剣、頼りすぎると後で後悔することになるぞ!!

さて、ゲームのざっくりした概要について説明できたところで、いよいよ本作のメインキャラ『超てんちゃん』もとい『あめちゃん』についてガッツリ語っていこうと思う。最初に触れた通り彼女は顔がいい美少女であるのだが、その内面は極めてアレ。まぁなんというか…典型的な『かまってちゃん』『メンヘラ』、構っても構わなくっても結構な頻度で病む。にも関わらず超が付くほどの承認欲求モンスター、そこから導き出されるものは…そう、常にヘラるのと隣り合わせなドキドキ配信ライフである。『超てんちゃん』としてオタクたちに希望を振りまく裏側では常にピの気苦労とあめちゃんのおくすりODがあるのだ。というかかまってちゃんとか以前の問題でゲーム開始前から躁鬱で通院している状態であり、ぶっちゃけ『配信してる場合じゃないだろ!さっさと休め!』本作そのものを全否定するツッコミすら入れたくなるほど。

ここまでの説明を聞くと『あめちゃんはヤバいヤツ』という印象も持ってしまいそうだが…いや確かにヤバいヤツではあるのだが、実際にゲームをプレイし、ピとしてあめちゃんに接していくことで少しずつではあるがあめちゃんの事が好きになってくるのだ。

ゲーム中では様々なあめちゃんの姿を見ることができる。各種コマンド実行時の反応は言わずもがな、ランダムイベントでは髪型を変えてみたり、彼女の趣味なのか耳ヘッドフォンを付けてみたりといったカワイイ面も。時折来るJINE(SNS)でもあめちゃんのご機嫌次第では仲睦まじいバカップルの如しやりとりが行われることもある。

パラメータによってもあめちゃんの反応は大きく変わり、好感度が低い時はあまりこちらを気にしていない素振りが多く、逆に好感度が高くなってくるとピを前にウキウキした表情を見せる。やみ度やストレスが上がってくると目に見えて不安定な顔つきになってくるため、あからさまにヤバい感じが出てくる。やみ度・ストレス低めで好感度が高い状態であれば純粋な少女らしい本当に可愛らしい笑顔を見せてくれる。この時の笑顔は一度は見ておくべし。

超てんちゃんとしての配信で見せる顔もまた魅力的、そもそものトークが面白いというのは最初に挙げた通りだが、中でも各カテゴリの最後の配信『インターネットエンジェル配信』では思わずホロリとさせられることも少なくない。普段が理不尽であるからこそ、こういった時についつい心を動かされてしまう。

あめちゃんはただの悪い子というわけではない。ただちょっと病みやすいというだけなのだ。病んだあめちゃんによる理不尽は主にSNSを通してピに降りかかることとなるが、それでも不安定な彼女を見捨てずに最後まで見守り続けたくなる…そんな魅力も本作は間違いなく併せ持っているのだ。その体験は一種のナイチンゲール症候群のソレである。

そして本作はマルチエンド制を採用、配信者の道の先であめちゃんがどういった運命を辿るかはピに委ねられている。しかし公式がハッキリ『マルチ破滅エンド』と宣言していることからもわかる通り、本作のエンディングはどいつもこいつもロクなことにならない。だが決して諦めるべからず。数多のエンディングの中にはきっと彼女が幸せを勝ち取れる結末もある彼女が本当に幸せになれるその時まで添い遂げるべし…もっとも、彼女が幸せになった時、ピがどうなっているかまでは保証しかねるが。

さて、ぶっちゃけたハナシあめちゃんは『性格の悪いワガママな女の子』ではあるが、その一方で超てんちゃんという『オタクたちを救済するインターネットエンジェル』の仮面を被って配信を行っている。だが何度も語っているようにあめちゃんは超てんちゃんであり、超てんちゃんはあめちゃんである。これは本質的なもので絶対に変えることはできない

配信中(超てんちゃん)はオタクを喜ばせるために綺麗事を並べていてもその裏側(あめちゃん)では結構な闇が見え隠れしており、SNSでは超てんちゃんとあめちゃんで背反することを言っている例も珍しくはないあめちゃんと超てんちゃんは色々な意味で真逆の存在なのだから当然だろう。だがしかし、超てんちゃんとしての配信の中でも僅かに『あめちゃん』としての言葉が見える場面がある。超てんちゃんという仮面からほんの少しだけ漏れ出た彼女の本音が感じられたその時こそ、本作を遊んでいて最もカタルシスを得られる瞬間だと言っていい…と思う。

演出的な話であるが、本作ではSNSの扱い方がかなり上手いのも見どころ。ゲーム内では現実でいうところのTwitterにあたる呟きアプリ『ぽけったー(poketter)』Lineにあたるメッセージアプリ『JINE』が登場する。もちろん超てんちゃんはぽけったーのアカウントを持っており、ファンの心を繋ぎとめるため色々な呟きを行っている。実際のあめちゃんの反応がどうであれその呟きはどれもとにかくキラッキラ。一方でぽけったーのアカウントはあめちゃんも持っており、こちらはピしか見ることができない…つまり鍵垢という扱いである。こっちの呟きはまぁ…あめちゃんらしいなという内容

JINEのアカウントはあめちゃんのみ、こちらはピとの連絡用として使用される…というかあめちゃんとの意思疎通はコレでしか行えない。時折あめちゃんから連絡が来るのでこれらに対して選択肢やスタンプ、テキスト入力で会話(?)をすることができる。『未読は人間のやることじゃない(原文ママ)らしいので、どんな窮地だろうと、例え死んでいたとしても必ずJINEの返事は返すべし…未読/既読スルー?あめちゃん相手にそんなことしたらどんなことになるか、言わなくてもわかるでしょ?

余談だが超てんちゃんはリアル(我々の生きる世界)でもTwitterアカウントを持っており、定期的に色々な内容をツイートしている。ほかにも配信者としてYoutube(WSS playgroundのアカウント)に動画を公開したり、あろうことか他社からのPR案件(ソウルハッカーズ2)すらもあったりする。それらもまた超てんちゃんらしいキレッキレな内容になっているのでプレイヤーならば必見。あとあめちゃんのアカウントもTwitter上に存在…まぁこっちは鍵垢なので中身がどうなっているのかは誰にもわからぬけれど。垢が存在するだけで完璧な原作再現になるのは強い。

ゲーム全編で散りばめられた小ネタもまた本作の魅力の一つ。本作ではゲームやアニメ、特撮といったサブカルネタがわかる人にはわかるレベルで多数登場する。自分好みの話でいうと例えば『ゲーム実況』の配信はいずれも明確な元ネタとなるゲームがあり、ゲーマーなら画面や超てんちゃんのセリフから即座に『あのゲームだ!』と察せられるつくり。当然ただ単純にネタを引っ張っているわけでなく、元ネタとなったゲームの展開や内容を踏まえた上で進行がなされるため、扱い方も極めて丁寧である。無論、時折来るJINEやぽけったーにもゲームネタはふんだんに詰め込まれている。我は原則ゲーム専門故に他のサブカルには疎いものの、『コレはおそらく何かしらのネタだろうな』と思しき箇所は目一杯あるため、サブカル文化に少しでも造詣があるなら本作は絶対にプレイした方がいいまである

基本的なやりこみ要素としてはエンディング回収が該当する。本作のエンディングはとにかく豊富なので、時には心を鬼にして様々な可能性を試してみるべしどのエンディングを見たかはタイトル画面から確認できるのでやりこみの指標にもなる。全てのエンディングを見終えたなら、今度の目標はマイピクチャのコンプリートである。

マイピクチャは所謂CGの閲覧モードのこと。ゲーム内で一度でも見たことのあるCGを確認できるのだが、特定のデートスポットや選択肢でしか出てこない物もかなり多いので、ノーヒントでのコンプリートはかなり大変。マイピクチャの中には様々な方が描いたファンアートが収録されたフォルダもあり、こちらはエンディングを見るたびに一つずつアンロックされていく。全フォルダのロック解除には30周する必要があるが、過去周回で見たエンディングでも問題なく解除されるので、思った以上に早いタイミングで全解除される。ちなみにファンアートはゲーム内でもぽけったー上で出てくることがある

本作のセーブファイルは3つ作れるが、3つ全てのセーブファイルで『回収したエンディング』『アンロックしたマイピクチャ』は共有されるので、安心して複数ファイルでのゲーム進行が可能。また、そのセーブデータ上の任意の日付から再スタートすることもできるので、『あの時あの行動をしていれば!/してさえいなければ!このエンドは避けられたんだ…!』という時にも便利。モチロンはじめからやり直したいなら『アカ転生』も可能である。基本的に周回前提のゲームなので、周回要素のユーザーライクっぷりは実にナイスである。

BGMについても語っていく。本作のサウンドAiobahn氏が担当。本作のBGMで特筆すべきはその圧倒的なまでの中毒性にあるだろう。軽快なリズムとわかりやすいメロディ故にとにかく耳に残りやすい。ゲーム中で最も聞く機会が多いであろう『INTERNET ANGEL』はその最たる例。ゲームをプレイしていない時でもこの曲がエンドレスで脳内ループするようになったらいよいよ本番である。

ゲーム進行に応じてBGMが変化していく演出もまた絶妙で、序盤はそこそこ落ち着いた『Angel boring』からスタートし、ストレス/やみ度の上昇と共にメロディこそ共通ながら破壊的な音使いが多用される『Angel fall down』、やがてはソレが更にアップテンポになった『Angel yamu』…と段階的にヤバい方面へとパワーアップしていく。この演出には初回プレイの時点でも『あ、コレほっとくとヤバいヤツだ』と焦ることになる。

特定のエンディングでのみ流れるBGMはいずれもその展開に合わせた曲の変化が素晴らしく、これがまた世界観に引き込まれる要因の一つとなっている。『Angels of Apocalypse』『Do you love me?』あたりのエンディングは個人的にも大好きだが、BGMとの相乗効果で好きになっている面も強い

そしてKOTOKOが歌うメインテーマ『INTERNET OVERDOSE曲調・歌詞・歌声の全てにおいて本作を象徴するといってもいい名曲。公式YoutubeチャンネルにPV(ゲーム内でも閲覧可)がアップされているので、四の五の言わず聞くべし。歌詞はかなり攻めた内容であるが、本作のプレイヤーはこの曲のどの部分もゲーム内にある要素から構成されていることが理解できることであろう。『INTERNET OVERDOSE』は『NEEDY GIRL OVERDOSE』というゲームを1曲に詰め込んだ代物なのだ。ゲーム内ではこの曲の8bit(チップチューン)アレンジも用意されているのだが、こちらはタイミングも相まってクライマックス感がスゴイ。

ちなみに本作のサントラはSwitch版のパッケージ版に初回特典として同梱されていたり、Steam版のサントラ付きバンドルの購入でも入手可能。ほかにも各種サブスクで配信されている。聴ける環境は豊富なので好きな環境を選ぶべし。アナログレコードなんてのもあるぞ!

あと本記事では触れるタイミングがなかったが、本作をテーマにした11名の漫画家さんによるアンソロコミック『超てんちゃん! NEEDY GIRL OVERDOSE 公式アンソロジーというものもある。色々な可能性・色々な視点から本作の世界観を描いているアンソロなので本作プレイヤーならばぜひとも読んでみるべし。

最後にプラットフォームごとの違いについて紹介しよう。最初に触れた通り本作は先行してSteam版がリリースされ、その後にSwitch版が発売されたわけだが、この両者は基本的なゲーム内容はそのままながら、プラットフォームに合わせた表現の修正が行われている。表現そのものについてはSwitchがややマイルド

具体的にはSteamだと『おくすり』だった箇所がSwitchでは『まほうのおかし』に変更。該当のアイコンや使用時のリアクション/CGもソレに準じたものになっている。まぁ見た目が変わっているだけで使用後の演出その他諸々はそのまんまなので、Switch版オンリーでも『まほう』=『おくすり』は即座に察せられるようになってはいる。強いて言うなら適量接種に気付きづらいのが難点か。本作のおくすりは大体ODするものなので気にする必要もないケド。

また『えっちなこと』『♥♥♥』に置き換えられていたりもするが、こちらはアイコンや使用時のアクションは変化なし。テキストも該当箇所が伏字になった程度の違いなのでほぼほぼ内容は同一。『ソレで通っちゃうんかい!?』とツッコミたくなったのはナイショ。

操作系統の違いによる変更点だとキーボードを使用するイベントが該当。Steamではランダム発生の掲示板/SNS書き込みイベントと特定のエンディングで直接テキストを打ち込む必要があったが、Switchでは書き込みイベントが(おそらく)発生せずエンディングでのテキスト入力は選択肢で進行するようになっている。なのでSteamとは少し違った方面で理不尽なあめちゃんを見ることができる。

変更されたイベント周りで唯一不可解なのがリストカットのイベント。こちらはSteamだとあめちゃんに頼まれたピが直接リスカを手伝う内容だったのだが、Switchではイベント開始~リスカシーンまでがスキップされるため、若干唐突なイベントになってしまっている。ただしその一方で超てんちゃんがリスカ跡を見せる場面はSwitch版でもそのまま(というかコレはSwitch版に合わせて追加されたモノ)なので、NGの基準が割かし謎であったりする。

その他の細かい違い(ブロック時の演出等)はまだまだたくさんあるが、目に見えて大きな違いはこんなところ。Steam版でしか見られない演出/Switch版でしか見られない演出その両方が本作にはあるので、片方をプレイして本作の世界観を気に入ったならばぜひとももう一方も手にしてみるといいだろう。元々が『デスクトップ風画面でアイコンをクリックする』というシステムなので直感的に操作できるのはSteam版、ただしSwitch版ではワンボタンでカーソルを閉じるボタンに移動させたり、ウィンドウ切り替えが行えたりといった便利な機能が備わっているので、慣れてからはこちらの方がスピーディ。

インターネットエンジェル『超絶最かわてんしちゃん』『あめちゃん』との交流を通して、インターネットという世界の良いところも悪いところもこれでもかと描き切った挑戦作にして傑作、ネット文化に長く入り浸ってきたネットの住民たちは絶対にプレイしてみたほうがイイと思うのである!そして超てんちゃん&あめちゃんの魅力に釘付けになるべし、である!

 

♰昇天♰

 

 

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ファンディスクの方も語ったヨ

 

 

 

 

 

 

 

----ここからオマケ(未プレイはブラウザバック推奨)----
ネタバレ込みで思ったことも語っていく。
(既にネタバレ要素そこそこ抱えてたとか言うな)

 

本作はおそらくプレイヤーごとに『どのエンディングが真の結末か』という感想が大きく分かれると思う。まぁ解禁時期からし公式が想定している最後のエンドはやっぱり『Data0』のアレなのだろうが、ソレはさておき…。

ここまでこの記事を読み進めた諸君らならば、当然本作のすべてのエンディングを見終えていることを信じ一つ問うどのエンドがあめちゃんにとって最も幸せだっただろうか?

まぁあめちゃんの未来の事を考えれば『Healthy Party』が一番マトモなエンドなのは言わずもがななのだが、あめちゃんにとっては下手なバッドエンドよりもバッドだったかもしれない。

個人的には『THE INTERNET ANGEL Be INVOKED』が本作における最高のハッピーエンドだったと推したい。あめちゃんが心の底から幸せなまま終わり、その後の憂いもない数少ない(唯一?)ハッピーエンディング。あの後に世界がどうなったとしても、少なくともあめちゃんはあの瞬間に満たされていた。ピ(プレイヤー)があの世界から放り出された後に残された『最後のテキスト』を読んだ時は不思議と感動しましたね、ええ。

…まぁ最高のエンディングはソレだと思うケド、それはそれとして一番好きなエンディングはやっぱり『INTERNET OVERDOSEなんですがね!あの徹底的に最悪な方面を突き詰めたエンドはまさしくインターネットを題材にした本作ならではの結末だと思うのである。

…さてさて、言いたいことも言えたし延長戦もそろそろお開きにしよう。

それでは今度こそ…

 

 

♰昇天♰

 

 

すぐにけせ

 

すぐにけせ すぐにけせ すぐにけせ

 

すぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせすぐにけせ