いろいろとゲームを語ろう

物好きなゲーマーがただただ最近遊んだゲームの感想とか内容とか書いていくブログ。レトロゲームの割合が高いかもしれない。更新は気が向いた時にだけ。

セブンスドラゴン 2020 / セブンスドラゴン 2020-Ⅱ

A Happy New Year!!
あけましておめでとうございます!

年月が経つのは早いもので、もう2020年である!
2020年…その言葉の響きに数多くのマニアは魅了されたもの…。
だって2020年といえば数多くのフィクション作品において『近未来』として扱われてきた時代そのもの!

そう、我々が生きているのは『現在』ではない!
我々は『未来』に生きているのである!

さて、(いるかどうかは兎も角)この記事を読んでいる諸君は
『2020年』といえば何を思い浮かべるだろうか?

自分はもちろん…

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ドラゴンの襲来に怯えているのである。
ハイ、長々とした挨拶はおしまい。
今回語るタイトルはセブンスドラゴン2020
およびその続編であるセブンスドラゴン2020-Ⅱ』である。
どちらもハードはPSPだが、我が家のPSP-3000はとうに永眠済みなので、VitaのDL版でプレイしなおしたのである。

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セブンスドラゴンシリーズ』は昨今のゲームでは非常に珍しい『完結しているゲームシリーズ』である。
DSで出た無印からはじまり、現代(近未来)を舞台としたPSPの2作、最後に未来を舞台とした3DSの完結編4作品にわたって人間とドラゴンの戦いが描かれている

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無印や3との繋がりはかなり最小限に抑えられているため、他の作品をプレイせず直接『2020』からスタートしても問題なし
ただし、地続きの続編である『2020-Ⅱ』は『2020』のシナリオを最後までプレイしているのが前提となっている内容なので、かならず『2020』→『2020-Ⅱ』の順にプレイするのをお勧めする。

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『2020-Ⅱ』のシステムは『2020』のものをベースにしているものの、まるっきりそのままというわけではなく、細かな点でパワーアップしている。『立ち絵の瞬き』『ロード時間の短縮』『キャラに後ろから話しかけた時の挙動』などがわかりやすい。
(一方で使いまわしもめっちゃ多かったりもする)

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今回語る『2020』の舞台はその名の通り2020年の東京である。
無印の舞台がガッツリしたファンタジー世界(エデン*)だったのを考えると、この世界観の大幅変更はなかなかチャレンジだと思う。

*エデンと東京
厳密に言えばエデンと東京は無関係ってわけでもないので、
『世界観の大幅変更』というのもちょっと違う気がしないでもない。
まぁこの辺りは無印のネタバレになりかねないのでここでは触れない。

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プレイヤーは自分のアバターやその仲間達をキャラメイクし、特殊機関『ムラクモ』の一員として、東京に突如として現れたドラゴンを狩るために戦うことになる。

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世界中を股にかけた大冒険だった無印とは異なり、2020の舞台はあくまで東京のみ。なので無印のようにワールドマップを歩き回ることはできない
2020のワールドマップでは直接目的地を選択し、楽々と行き来できるようになったため、格段に探索がしやすくなった。
『新宿』『国会議事堂』といったごく一部の拠点以外は全てダンジョンになっているため、無印のように『世界を冒険する』という感じはあまりしない。2020はどちらかというと『ダンジョンを攻略する』というのが主軸に置かれている。

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無印からキャラクターデザインも大幅に変更(デフォルメ等身→リアル等身)され、それに合わせてかシナリオの雰囲気も大きく変わっている

『世界に突如として現れた7体の帝竜と戦い、最後にそのリーダー格である真竜を倒す』というシナリオのベース部分は無印も2020も変わらないものの、2020では無印よりも遥かに物語の肉付けが濃くなっている

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ただ、この影響でフリーシナリオではなくなり、完全な一本道となった。まぁ自由度とシナリオ性はどうしても背反してしまうものなのでこればかりはどうしようもない。
(無印も中盤までは普通に一本道なので完全なフリーシナリオかと言われると少し違うのだが)

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シナリオは滅茶苦茶面白いものの、暗い展開が多いので覚悟してプレイした方がいい

というのも、無印は良くも悪くもファンタジー世界であった故に、多少のキツイ展開*もどこか他人事のように見れてしまう側面があったのだが、2020は現代が舞台であるため、絶望的な状況や救いのない展開がかなりリアルに感じられてしまうのである。

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例えば一部の帝竜の所業を比べてみると、無印ではほぼ一貫して『特定の国家を襲撃する』だったのに対し、2020では『不特定多数の人間を発狂させ同士討ちさせる』だの『超高濃度の酸性雨を局所的に降らせ人間を溶かす』だの洒落にならない内容のオンパレード

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それに対する人類の対抗手段も、無印なら『優秀な冒険者を集って戦わせる』どまりだったのに2020では自衛隊を盾にした肉壁戦術』やら『民間人から決死隊を募る』やらでもうどうしようもないレベル
(この辺は味方の超タカ派司令官のせいでもあるんだケド)

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この違いはエス(サブシナリオみたいなもの)にも如実に表れており、『状況に絶望した一般市民の集団自殺を止める』『胡散臭い宗教の暴走を止める』なんてものが存在、救いのない結末のものも少なくない。

*キツイ展開
とはいえ、無印の時点でも(描写はマイルドだが)特攻隊のような描写があったり、クエストを進めると死ぬキャラがいたりするので、こういった展開はシリーズの名物ともいえる。事件の規模を考えると犠牲者は無印の方が多いだろうし。
(この後に出た3でも似たようなものだったり)

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また、現代が舞台ということもあって複数の勢力の思惑が絡み合うのも2020の特徴である。主人公たち『ムラクモ』のほか、市民を守ろうとする自衛隊、渋谷のために戦う不良『SKY』、美学を持って戦う『SECT11』などなどが登場。おまけに『ムラクモ』にも強硬派や穏健派がいたり戦場とは関係ないところで政治的な論争が起こっていたりと、実際の勢力図はなかなかに複雑
当然、この影響によりドラゴンやマモノではない、純粋な『人間同士の戦い』がそこそこ発生することになる。

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しかし、数々の衝突や絶望を超えて、生き残った僅かな人類が手を取り合うというシナリオ構成は王道ながらも非常に燃える

ただただひたすらに『暗い展開!救われない結末!終わり!』なんてことは一切なく、絶望的な展開のピークはあくまで中盤まで。
ピークを越えてからは人類が立ち上がり、少しずつだが絶望へと立ち向かっていく姿が描かれる中盤までの絶望感が洒落にならない分反撃に転じた際のカタルシスはシリーズでも随一ともいえる。

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個人的に2020で特に深く語りたいのはやはり『モブキャラ』である。
RPGにおいて欠かせない存在であるモブキャラだが、今作におけるモブの存在感はほかのRPGの比ではない
初期の段階で存在するモブは少なく、ダンジョン攻略の際に救出することで初めて拠点にモブが追加されるようになっている。

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拠点が一つしかないのも相まってモブの数自体はあまり多くない(総勢90名程度)ほか、グラフィックはほぼ全員使いまわしとなってしまっているものの、全員に個別の名前やキャラ付けが行われておりエストやシナリオの進行に合わせて会話内容も大幅に変化していく。
中にはほかのモブとの交流を行うキャラもいて、そういったモブ達はシナリオの進行に合わせて関係性が進展したりする
このため、物語が進展するたびについついモブたちに話しかけてしまう

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特に『サスガ隊員』『マサキ&センゴク『ほんわか作業員&キツイ作業員』『アキラ』あたりは特に印象に残りやすい
また、『2020』のラストまで生存したモブは『2020-Ⅱ』にまで続投し、意外な形でメインシナリオに絡んで来る人物もいる。

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戦闘システムは基本は無印と同じ。
オーソドックスなRPGだが、基本はランダムエンカウントで、ドラゴンのみシンボルエンカウントドラゴンは戦闘中に乱入してくこともある。雑魚敵は大して強くないものの、ドラゴン相手なら総力戦でも厳しい戦いを強いられることになる。
無印との一番の違いは『前列/後列システムの撤廃』『パーティメンバーが3人になった』という点である。
これだけ言うと無印よりもできることが減ったようにも感じられるが、むしろシンプルになった故にプレイしやすくなったとも感じる。

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キャラメイクで使用できる職業はほぼ総入れ替え『サムライ』トリックスター『デストロイヤー』『サイキック』ハッカーの5種類から選択可能。大体の職業は無印のものと互換性のある能力になっているので、プレイ感覚がそこまで大幅に変わることはない。
『2020-Ⅱ』では更に新規で『アイドル』という職業まで追加。
専用ゲージ/システムを持っているオンリーワンな職業なので、なかなかトリッキーかつ面白い内容となっている。

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BGMは無印や3と同様、古代祐三氏が担当
『渋谷-密林航行』『戦場-七の脅威』など、無印のアレンジのほか、『戦場-駆け抜ける命』『最後の人類拠点』などの新曲まで何から何までハイクオリティ
無印ではオマケ要素として全てのBGMをチップチューンに変更できたが、2020では『Divaモード』として初音ミク(ボーカロイド)を使用したアレンジに変更できる。

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Divaモードの楽曲はただ通常曲を歌わせているだけではなく、曲調から大胆にアレンジされているため、通常モードとは一味違った感覚でプレイすることができる。個人的にDivaモードでは『懐宙、願わくば』『某月某日、新宿にて』がお気に入り。
(あとサントラ限定収録の『トウキョウ・シークエンス』も好き)

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さて、突然で申し訳ないが、自分はセブドラシリーズが本っ当に大好きである。
無印をプレイして衝撃を受け、そこから大きく変化しながらも着実に進化していったこのシリーズに毎度魅了されてきたのである。

2020以降と無印のどっちが好きかと聞かれたら無印の方が好きなのだが、今日はそのことを置いておく。

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『古き良きRPG』だった無印『現代的なRPG』だった2020、2020-Ⅱ『ここまで応援してきたファンに向けた集大成』だった3、そのどれもが別物レベルの魅力を持っているセブンスドラゴンシリーズは、RPG好きな人間ならぜひとも手を出すべき傑作シリーズであるため、ちょうどゲームと同時期である今年(2020年)に手を出してみるのをオススメするのである!

 

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