いろいろとゲームを語ろう

物好きなゲーマーがただただ最近遊んだゲームの感想とか内容とか書いていくブログ。レトロゲームの割合が高いかもしれない。更新は気が向いた時にだけ。

カードコネクト

家庭用ゲームが時代とともに変遷してきたように、アーケードゲームもまた時代に合わせて姿を変えてきた。ジャンル的な流行の移り変わりについては言わずもがな、その形態もまた多様なものに分かれている。とある時期を境にして表れたカード排出型のアーケードゲームTCAG(トレーディングカードアーケードゲーム)はそれこそ革命的な存在だったと言えるだろう。ところで今宵語るアーケードゲームもまた『カード』との関連性が深い作品ではあるが、TCAGとはまた違った形でカードを活用した作品である!

さて今宵の主役となるこの『カードコネクト』とは今も昔もゲームセンターで大奮闘中のKONAMIがリリースしたアーケードゲームのん。通称は『カドコネ』、…いやまぁ正直『ゲーム』のカテゴリに含めていいものか怪しいところはあるが、ゲーセンに置いてあるならゲームってことでいいのん!!細かいことは気にしないのん…特に冒頭の話題もなかったから折角だし本作のマスコット(?)キャラの口調を真似してみたけど、思ったよりも疲れるなコレ…のん…。

筐体のサイズはアーケードゲーム筐体にしてはかなり小さめ。立ってプレイすることが前提のつくりなので画面の位置も高い。操作に使用するボタンなどは存在せず、筐体上の画面…タッチパネルにて全て完結する形式になっている…などこのあたりの説明を聞くと、とてもじゃないがアーケードゲームという感じは微塵もしないことだろう。その印象は全く間違っていない。ぶっちゃけたハナシをすると、本機そのものには最低限のゲーム要素こそあれど、ゲームとしての面白みは殆どないと言っていい。ならばコイツはなんなのかというと…ズバリ『カード印刷機である。分類的にはプリクラとかそっち系なのかな一応は。

排出されるカードについては最初から印刷済みではなく、プレイヤーの操作によってその場で都度都度プリントするスタイル。もっともこの辺は昨今のカード排出式アーケードゲームだと共通する仕様である。KONAMI製のアーケードゲームということもあってeアミューズメントパス…通称eパスに対応。なくてもある程度の機能は使えるがあった方が便利ではある。料金の支払いにはパセリ(PASELI)も使用可能。

さてさて、カードコネクトの役割は『カードを印刷すること』にある。画面をタップするとどういったカードを印刷するかのメニューが開かれる。ズラッとメニューに並ぶゲーム名からお好きなものを選ぶべし。選択可能なタイトルはいずれもKONAMIがリリースしたアーケード作品。ボンバーガール』クイズマジックアカデミーといった現在進行形で稼働中の作品はもちろん、オトカドールBeatStreamなど既に稼働終了して長い作品のものも。…というかオトカとビーストは直近で追加されたばかりのタイトルである。(繋がりはあるが)アーケード初出ではないものだとひなビタ♪も対応している。

印刷されるカードはツヤツヤした厚紙であり、かなりいい素材のものとなっている。カードの種類には大まかに分けて3種類。『ガチャプリント』『プロフィールプリント』『メモリアルプリント』というものがある。作品によってどれに対応しているかは異なるため、事前に公式をチェックしておくことをオススメする。

チャプリンというのは読んで字の如く絵柄をガチャで引いて印刷できるモノで、対応しているタイトルはボンバーガール』チェイスチェイスジョーカーズ』『pop'n music』などいっぱい。絵柄の種類的にも沼った時のお財布のダメージ的にもこれが一番割合としては多い。ガチャから排出される絵柄はいうまでもなくランダム、絵柄の種類はかなり多く、既存絵もあれば書き下ろし絵もアリ。当然絵柄にはレアなものがあり、レア絵柄はホロ加工バージョン

ガチャは1回100円、1度に連続して6回まで引くことができる。連続して引いている間は絵柄の被りなし+6回目に近づくごとに高レアリティが排出されやすくなるというシステム。ガチャを引く画面で黄色のカードが出てきたり、コネクトンくんの姿が映ったりしたらレア演出である。

(『チェイスチェイスジョーカーズ』のロケテ会場にあったカドコネ、微妙に現在のものと絵柄が違う)

ただし2回目以降のガチャと印刷はそれぞれ別料金であり、連続ガチャによる2枚目以降の印刷には追加料金がかかる点だけは注意。この辺りは初めてカドコネに手を出した人が困惑するポイントである。その場で印刷しなかったとしても一定期間はちゃんとガチャで引いた絵柄が記録されているため、同じeパスを使用すれば後日印刷が可能であるためご安心あれ。

稀にKONAMIアーケードゲームロケテ会場に設置されていることもあり、その時はロケテ限定のカードのみが排出される特別バージョンであることも。ロケテ時と本稼働後で微妙にカードの内容が異なっていたりもするので、ロケテ会場に足を運んだ時は折角だし印刷しておきたいところ。
(ただしロケテ限定カードはその場以外での印刷が行えないため注意)

(『武装神姫 アーマードプリンセス バトルコンダクター』より)

プロフィールプリントでは各種対応ゲーム内で設定できるプロフィールを物理カードとして印刷できる。対応しているゲームは武装神姫 アーマードプリンセス バトルコンダクター』jubeatなど。事前に各種ゲーム内でプロフィールを編集しておく必要こそあるが、そこそこ質のいいカードでプロフィールカードを作成できるので便利。こちらは任意でホロ加工の設定が可能ホロ加工の印刷は1枚300円となるが、非常に見栄えある仕上がりになる。印刷したカードはファンコミュニティ内で交換して扱うべし。ゲームによっては他プレイヤーのプロフィールカードを読み込ませることでアイテムが手に入ったりもすることも。

(『麻雀ファイトガール』では5連ガチャでSR以上を引ければメモリアルプリント可能)

そして最後にメモリアルプリント、これはゲームごとに特定の条件を満たした際に専用カードを印刷できる機能。対応タイトルは『麻雀ファイトガール』クイズマジックアカデミーなど。どっちかというとご褒美的な側面が強い代物で、印刷しないのはそちらのゲームのプレイヤー的に損ともいえる逸品である。プロフィールプリント同様にホロ加工の設定も可能かなり力の入った加工が行われているものもあるので必見である。

対応作品の中でも特筆してカドコネと深く繋がりがある(あった)タイトル武装神姫 アーマードプリンセス バトルコンダクター』、通称バトコンである。こちらでは先に挙げたプロフィールプリントだけでなく、ゲーム内スクショのカード化機能のほか、更にゲーム内ガチャで引いた神姫(キャラ)のカード化機能をそのままカドコネ側で対応するというかなり開き直った仕様であった。本作をきっかけにしてカドコネを強く意識するようになった神姫マスターは少なくないだろう。

まぁ印刷するまでレアリティ含めたパラメータ(所謂『個体値』)がわからなかったり、カード化するまで一定以上のレベルが上がらなかったり…と開き直りにもほどがありすぎる代物だったので、今ではあちらのゲーム内で完結する仕様に変更されたのだが、それでもカード化によるグッズ的価値はそのまま残っているため、今でもバトコン関係のカード印刷には一定の需要はある。

そして印刷できるカードはゲームとの連動やガチャで得られるものだけではない。なんとカードコネクトではプレイヤーが自前で用意した画像をカード化するオリジナルプリント機能』なんてものも備わっているのだ!というか時たまカドコネが話題になるときは専らオリジナルプリント機能がピックアップされている。ここからはこの機能の紹介をしていくとしようか。

ちなみに我もたびたびお世話になっており、開発者同士の交流会や勉強会といった小規模なコミュニティ内で5・6枚程度の名刺が必要になった時にこの機能を使い自己紹介カード/名刺を用意したりしているカードの質感はそこらの下手な名刺よりもよっぽどいいので、こういう時に役立つのだ。

(画像アップロード後に表示される画面、このQRコードは必ず残しておくこと)

『オリジナルの絵柄を自分で用意する』とだけ書くとどうも敷居が高いように思えてしまうが、早い話が公式が提示するフォーマットのjpg/png画像さえ用意できればいいので、かなりラクチン。なんなら公式サイトにて配布されている仮画像を雛形に作り始めれば大丈夫。極論Microsoft Paintでも絵柄データは作成可能…というか我はいつもペイントを使ってます…。デザイナーが本業だったりする人ならIllustratorPhotoshopあたり使ってスゴいのを作るんだろうなぁ…。

ところでオリジナルプリントの絵柄はなんでもいいというワケではない。『さっきとムジュンしてるじゃねぇか!』とツッコまれそうだが、これはフォーマット的なものとは異なる問題である。事前に公式サイトの利用規約をよくチェックしておくべし。さっくりいうと『権利的に問題のあるものはNG』公序良俗に反するものはNG』といったところである。

絵柄を用意できたならばカードコネクトの公式サイトから画像ファイルをアップロード!表面のデータだけあれば充分だが、拘りたいなら裏面ホログラムラミネートも一緒にアップできる。アップロード完了後はQRコードが出力されるため、QRコードをスクショなりなんなりで手元に残しておくべし
(QRコードはアップロード直後にしか表示されず、ページを消すと見られなくなるので注意)

そしてここから舞台はゲーセン…カードコネクトの出番である。メニュー画面からオリジナルプリントの項目を選択、読み取り画面になったら先ほど出力させたQRコードを画面の下側にあるリーダーにかざせばOK

そのあとは印刷前の最後の下準備、アップロードした画像にフレームを付けたりデフォルトで用意されたテンプレートを乗っけたりもできる。デフォルトの裏面用の絵柄もいくらか用意されており、アップした画像が表面だけだった場合はここで設定できる。むろん、ここで何の編集も行わずに元のまま印刷画面に進んでもいい。印刷に入ってからの流れはいつも通りである。

印刷したオリジナルカードの用途は様々。我のように小規模なコミュニティ内で配る名刺として扱うもよし、自慢のマイキャラをカード化+ホロ加工して悦に浸るもよし。絵師さんあたりだとアップロード画面に表示されたQRコードTwitter(X)等のSNSで共有し、フォロワーの人にゲーセンに足を運んでもらって各々で印刷してもらう…というケースもメジャーである。
(先に挙げた『バトコン』はこの方法でゲーム内で使えるカードを配布したりした)

さてさて、準備が整ったらいよいよ印刷のお時間。ところで一度のプレイで印刷が可能なのは5枚までとなっており、印刷予定枚数が5枚を超えた時点で強制的に印刷待ち画面に飛ばされる。カード印刷にはそれなりに時間がかかる。かかるといっても1枚あたりに数分程度ではあるが、プレイヤーは印刷が終わるまでのあいだ筐体の前で待つ必要がある。そんな待ち時間を潰すためにカドコネにはミニゲームが備わっている。ここからは本作単独の唯一のゲーム要素といえるミニゲームについて語っていくとしよう。

ちなみにミニゲームのプレイは必須というわけではなく(操作の制限時間内であれば)カドコネ内のガチャを眺めたり、本当に何もせずに待つのもOK。ただしカドコネ筐体の前を離れるのは避けた方がいい。折角印刷したカードを誰かに持っていかれても知らないヨ。別のゲームで時間を潰すなぞ論外である。
(というかeパスは仕様上複数のゲームで同時に使用できないのだが…)

プレイできるミニゲームは2種類、『コネクトアドベンチャー『コネクトライジング』である。一度選択したら印刷が終わるまでもう一方を選び直すことはできないため注意。どちらもプレイヤーは本作のマスコットキャラであるところのコネクトンくん。後述するようにスコアの概念は存在するが、こちらのミニゲームの成否は排出されるカードの内容には全く影響しないので気軽にプレイしたまえ。

コネクトアドベンチャーはいわゆるオートラン型のアクションゲーム。右方向に歩いていくコネクトンくんだが、前方からはハサミとノコギリが迫る!というわけでタイミング良くジャンプしてそれらを躱していく。生き残った時間に応じてスコアが加算、一応ボーナス扱いでカードも流れてくるが、基本的には他の物を避けているうちに拾えるのであんまり気にする必要はない。

コネクトライジンはいろいろなポーズをしたコネクトンくんをひたすら高く積み上げていく。バランスだけとっていけば大丈夫…なように見せかけて一定の周期で真横からハサミがすっ飛んできてコネクトンくんを吹っ飛ばしにかかるので要注意。ハイスコアを狙う場合は横から来るカードを拾う必要があるうえ、タワー自体が崩れたりハサミの直撃を食らったりで事故る要因が多いのでコネクトアドベンチャーよりも難易度は高め

どちらもゲームオーバー時にスコアが表示され、コレのスコアに応じたランク付けが行われる。どちらもエンドレス型のゲームであるため、必然的に印刷枚数が多い(=プレイ時間が増える)ほどハイスコアは狙いやすくなる。なお印刷が全て終了した時点でミニゲームは強制終了してしまうため、残り枚数が1枚かつ印刷の残り時間が僅かになったらタイミングを見計らって自滅した方がいい。とはいえこれらのミニゲームのハイスコアは保存されず、印刷が終了した時に記録はデータの海へと還るので、ハイスコアを目指すこと自体にこれといった意味はなかったりもする。

ゲームオーバー時、一定以上のスコアを満たしていた場合はコネクトンの姿が変わる。事実上のご褒美のようなもので、変身後の姿は元がコネクトンとは思えないほどカワイイ/カッコイイ姿になる。まぁ元のコネクトンくんもカワイイっちゃカワイイんだが。変身のバリエーションは6パターン、変身先は完全にランダムなのでそこは運次第。人によりけりだろうが個人的にはコネクトアドベンチャーの方が変身はさせやすい。

ちなみにカドコネのオリジナルキャラたちの絵柄はガチャとか関係なしに印刷が可能、あまり認知されていないがカドコネ公式Twitterでは彼ら彼女らが登場するカドコネ紹介マンガが掲載されていたりもするので、カドコネのオリキャラ勢を気に入った人はそちらもチェックしてみるべしである。

…というわけで今回はさっくりとカードコネクトについて語ってみた。本作はKONAMI系列のゲームを仕入れているゲーセンであれば高確率で設置されているため、アーケードゲーム普及率としてはかなり高い部類に含まれるだろう。しかしながらその普及率に反して知名度はそこまで高くないようにも感じられる。もしかしたら今までゲーセンに通っていた層でも視界に入れずにスルーしていた人もいたかもしれない。

今回の記事で語ったようにカドコネは『各種KONAMI系ゲームとの連動』だけでなく、KONAMI系ゲームの実物グッズ(カード)需要を満たせるほか、オリジナルプリントによって多彩な方面で活躍もできる極めて特殊な立ち位置にあるアーケード筐体である。この記事を通して、少しでもカドコネに対する認知を広げてもらえたのなら実に嬉しい。

今までカドコネに興味を持ったことのなかった人でも、カードコネクト4周年を目前に迎えたこの機会に、一度くらいは本機体に触れてみるのもいいだろう。そうすることで、もしかしたら今までプレイしてきたアーケードゲームの世界がほんの少しだけ広がるかもしれないのである!

 

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