いろいろとゲームを語ろう

物好きなゲーマーがただただ最近遊んだゲームの感想とか内容とか書いていくブログ。レトロゲームの割合が高いかもしれない。更新は気が向いた時にだけ。

幻影異聞録♯FE Encore

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さてさて、久しぶりのゲーム記事で語るのは幻影異聞録♯FE Encore』である!
ATLUS×ファイアーエムブレムという衝撃コラボにより誕生したWiiU用ソフト、幻影異聞録♯FESwitch向け移植版である。

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ニンテンドーダイレクトで発表されたときはホントに驚いた。
オマケにサントラCDも同時発売かつFEヒーローズ(FEのスマホゲーム)参戦までセットという推しっぷりである。まさか今作がここまで大々的にプッシュされる時が来るとは…ホントに感慨深いのである…。

なんせ今作は数々のマイナス要素(主にゲーム外の部分)のせいであちこちから食わず嫌いされた『不遇の名作』だったのだから…。

 

※ここから長い長ーい回想になります。飛ばす場合はこちらをクリック。

 

遡ること7年前(2013年)任天堂からとある発表があった。
その内容は女神転生ファイアーエムブレムがコラボする』というもの。

硬派な現代RPGである『女神転生硬派な中世ファンタジーの『ファイアーエムブレムのコラボということで、双方のファンは多大な期待を寄せていた…が、開発が難航していたのか、約2年ほど沈黙そして2015年、あの運命の日がやってきた。

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そこで公開された映像に、ファンたちは目を疑うことになる
メガテンのような『悪魔』も出なければ、FEのような『中世ファンタジー』でもない…そこに映し出されていたのは『歌って踊って戦うアイドル』の姿だった…。

この映像の公開直後、双方のファンは当然大困惑。

そもそもメガテニスト(メガテン愛好家)』『エムブレマー(FEガチ勢)』数あるゲームファンの中でも飛びぬけて厄介(配慮した言い方)なタイプが多いことで有名であり、そんな2作がコラボした場合、少なくともどちらかのファンがバッシングをするであろうことは大方が予想していた。

…が、いくらなんでも『アイドル』というのは双方のファンの想像の遥か斜め上を行ってしまっており、そりゃあもう酷いバッシングの嵐であった

当時のことは今でもよく覚えている。
『コレジャナイ』『どうしてこうなった』『合体事故』などなど、まぁ大体そんな感じだった。更に女神転生×ファイアーエムブレムだったはずが、いつの間にかにATLUS×ファイアーエムブレムに変わっていたり、FE出典のキャラクターはデザイン(全員)やキャスト(暗黒竜出典はほぼ全員)が原作から変更されていることが発表され、またもやファン(と言っていいのかわからないが)からのバッシングは過激化

トドメとばかりにサイファ(FEのTCG)の生放送に出演した今作のスタッフが『FEの原作は未プレイです』といった旨の発言をしたことでエムブレマーの怒りは大爆発発売前の下馬評は『最悪』の一言であった

まぁ下馬評があのザマなのも仕方ないと思う。
実際自分も似たような印象だったし。

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そして2015年、とうとうWiiU用ソフト幻影異聞録♯FEが発売されることとなった。

当然自分も発売日に限定版を購入した…が、正直あまり乗り気じゃなかったのは否定できない。なんせここまでで開示された情報に『期待できる要素』は一切なく、またFEからの出典対象の一つが個人的に一番好きな『暗黒竜と光の剣』であり、『変な改変でも加えられるのではないか…』とヒヤヒヤしていたのである。

限定版を買ったのも『エムブレマーだから』という義務感によるものが大きく、なんなら『さっさとクリアして文句の一つも言ってやろう』とも思っていた

そしてプレイを開始して大体数日、自分はふと思った。
『アレ、これもしかしなくても面白いぞ…?』
詳細は前略を終わらせてからおいおい書くが、今作はプレスターン性を順当進化させたようなゲームシステムに、ATLUS製とは思えないほどキラキラした明るいシナリオ、重要な局面で仕込まれるFE側のエッセンス…それらが見事に組み合わさっており、オンリーワンな魅力を持っていたのである。

今作のプレイヤーの大多数にはこの完成度の高さが伝わり、やがて発売前の下馬評は嘘のように『幻影異聞録はいいぞ』という感想を語るプレイヤーが後を絶たなくなった。こうして今作はWiiUでも指折りの名作RPGとして、ゲーマーたちから話題にされるようになったのである。

幻影異聞録♯FEは稀に見る大傑作だった』
この話がここで終わるのならばよかったが、残念ながらまだ終わらない。

ゲーマーとしては面白いゲームはどんどん広まってほしいと感じるもの。
この『幻影異聞録』もその例に漏れず、プレイヤーが増えることを祈っていた。しかし、ここで別の問題が出てくる。今作は、単純に売れていなかったのである。その売上はWikipediaによると30000本ちょっと。正直に言うと『まぁそりゃそうだろうな…』という感想である。

買う前のプレイヤーにとってはゲームのクオリティなんかわからず、加えて今作の発売前の印象は上述の通りである。もっというと、ATLUSもFEも毎回必ず買う固定ファンがついている会社(シリーズ)であり、それらに反感を抱かれた時点で売れないのもある種当然であった。

さらに追い打ちでWiiU自体の不振も重なってしまい、せっかく布教しようとしても『幻影異聞録はいいぞ』『でもWiiU持ってない…』となるケースが続くという負の連鎖、このせいでなかなかプレイヤーが増えず、最終的には『面白いことは知っているけどプレイしたことはない』というプレイヤーが多数生まれてしまった

かくして、『幻影異聞録』は数々の不運が重なった結果生まれた『不遇の名作』となってしまったのである。

      

長い長ーい前略も終わり、ここからが本題である。

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さて、改めて今作、幻影異聞録♯FE Encore』WiiUで発売された大傑作幻影異聞録♯FE』をNintendoSwitch向けに移植したものである!

ATLUSFEコラボレーションということもあり、ゲームシステムは両者のいいとこどりになっている。
基本は『プレスターンバトル』を採用しており、敵の弱点をガンガン突き、戦況を有利に進めていく…というペルソナシリーズのファンならばなじみ深いもの。

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各種スキル名も『アギ』『ジオ』『ブフ』『ザン』の4属性魔法や、バフデバフの『〇〇カジャ』『〇〇ンダ』など、メガテニストならばみんな知っているもの*を採用している。

FE側でおなじみ*の『ファイアー』『サンダー』『ブリザー』『ウィンド』もしっかり登場、こちらは通常スキルではなく後述する『セッションスキル』という扱い。

*スキル名(メガテン)
メガテンシリーズで毎度おなじみのスキル名。
アギ(炎)、ジオ(雷)、ブフ(氷)、ザン(風)などで属性を表し、強力なものであれば後ろに『ダイン』、全体攻撃ならば頭に『マハ』が付く。例えば『雷属性の強力な全体魔法』なら『マハジオダイン』になる。
なお、原作の風魔法はザンとガルが混在しているが、今作ではザンを採用。

*魔法名(FE)
FEシリーズで毎度おなじみの魔法名
ファイアー(炎)、サンダー(雷)、ブリザー(氷)、ウィンド(風)で属性を表し強力なものであれば頭に『エル』が付く。例えば『強力な炎属性魔法』なら『エルファイアー』になる。
とはいえ、ブリザーはアカネイア系列(暗黒竜/紋章)にしか登場せず、逆にウィンドはアカネイア系列には未登場だったりするので、メガテン側に比べるとそこまで認知度は高くなかったり。
作品によって強化版の名称も曖昧で、特に上級魔法は『ギガ』や『レクス』が付くパターンと『ボルガノン』のように名前自体が変わるパターンが混在しており、なかなかややこしい。
ブリザーに至っては原作だとエル系魔法すら存在しない。

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相性を表す属性は『剣』『槍』『斧』『弓』『炎』『風』『雷』『氷』『光』『闇』そして『万能』の11属性、『万能』*以外はFEシリーズに登場しているものとなっている。そして、基本的な相性*もFEシリーズに準じており、FEのプレイヤーであればそこそこ戦いやすいようになっている。

*相性(3すくみ)
FEシリーズには毎度おなじみのシステム、
『剣は斧に強い』『槍は剣に強い』『斧は槍に強い』
という3すくみであり、シリーズの大多数で採用されている。
作品によっては魔法の3すくみがあったり、弓が別の3すくみに含まれたりとまちまちだが、剣槍斧の3すくみだけはどの作品でも不動、幻影異聞録でも例外ではない。
余談だが幻影異聞録に参戦しているFC版の『暗黒竜』の時代には3すくみが存在していなかったりする。

*万能属性
メガテン/ペルソナシリーズに登場する概念で、『すべての相性を無視してダメージを与える』という属性。
万能属性が弱点の敵は存在しないが、逆に万能属性への耐性を持つ敵も存在せず、反射系魔法すら無効化する。(作品によって例外はある)
実はプレイヤーが使う分にはあまり強くないことが多く、敵に使われると厄介というパターンが大半。
みんな大好き『メギドラオン』は万能属性魔法の代表格。

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敵キャラも『〇〇のペガサスナイト『〇〇のジェネラル』などのように、FE側の名称を採用しているほか、今作は兵種ごとに使える武器*が固定になっているため、エムブレマーならばどの武器で弱点が突けるのかを察しやすい。

*幻影異聞録における武器と兵種
基本的には味方と同じで、上級職でも同様。
剣士…剣
Sナイト/Pナイト…槍
Aナイト…斧
Aナイトが斧なのは色々と味方の都合もあるので仕方ない。

また、3すくみ以外でもFE原作の弱点を踏襲しており、例えばPナイトなら必ず弓と風で弱点を突けるし、槍属性スキルの『ナイトキラー』ならばSナイトの弱点を突くことができる

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方法はなんであれ、敵の弱点を突くことで今作の目玉システムである『セッション』がスタートする。セッションが始まると、ほかの仲間のセッションスキルが発動し、弱点を突いた敵に対して追撃を行ってくれる。

例えば、剣で弱点を突いたら『剣追の〇〇』というセッションスキルが発動する。
さらに、セッションスキルからセッションスキルに繋がるため、ある程度味方が成長すると、『剣で弱点を突く』『剣追の突撃』『槍追の突撃』『槍追の狙撃』『弓追の氷撃』『氷追の炎撃』『炎追のエルウィンド』といったように、たった1回の行動で7回も攻撃できるようになる。

(ただし、セッションは敵も使ってくるので油断しているとすぐ死ぬ)

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さらに、セッション中にランダムで発動する『デュオアーツ』を使うと、さらにセッションは2週目、3週目と続き、一方的に敵を攻撃することができる。
デュオアーツにはどれも何かしらの追加効果が存在し、使っただけで戦況が大きく逆転することもあり。このセッションの気持ちよさこそが今作最大のウリである。

なお特定の属性スキルを選択したときのみランダムで発動する『アドリブパフォーマンス』や、ゲージ消費で発動するスペシャルパフォーマンス』というものも存在し、これらは相手の属性に関係なくセッションがスタートする

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『アドリブパフォーマンス』『デュオアーツ』はどれもそのキャラらしさが表れたパフォーマンスとなっていて、発動時はBGMも切り替わり専用のボーカル曲が流れる。どちらも発動した時点で劣勢を覆せてしまうことが多いため、所謂『勝ち確演出』のような雰囲気にもなるのが面白い。
(高難易度では覆せず普通に死ぬパターンもあるケド)

さて、ここからはストーリーについて語っていく。

ATLUSとFE、どちらも重苦しいシナリオに定評のあるシリーズ(会社)であり、オマケに芸能界が舞台ということもあってWiiU版の発売前はもうそりゃあドロドロでエッグイのを予想(期待)していたプレイヤーも多かった…が、この予想はいい意味で裏切られることとなる。

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今作のシナリオは一言でいうならば『キラキラ』である。
芸能界の輝きがゲーム全体通して伝わってくる。
味方が曇ることもほぼなく、仲間割れもなく、みんな一丸となって最後までまっすぐ進んでいく。オマケに敵キャラもみんないい意味でまっすぐであり、(多少歪んでたりもするが)芸能に対する自分なりの信念や拘りを持っている姿には爽やかさすら感じられる
間違いなくFEシリーズの中で最も明るい作品であり、ATLUS系列の作品でも最上位に位置する明るさである。
(ペルソナ4を更に明るくさせた感じ、といえば伝わりやすいか)

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主人公である高校生、蒼井樹(イツキ)は幼馴染の織部つばさ(ツバサ)のアイドルオーディション中に謎の異空間『イドラスフィア』に入り込んでしまう。そこで現れた謎の敵『ミラージュ』を倒すため、不思議な力『カルネージフォーム』により変身する力を身に着けたイツキ達は、自分たちに味方するミラージュのクロムシーダと共にイドラスフィアで戦うこととなる。その後、とある事情から芸能界入りすることになったイツキとツバサは多くの仲間たちと共に芸能界に関係する事件を解決するために動き出すこととなる。

…というのが序盤のあらすじである。ハッキリ言ってよくわからないと思うが、その辺はプレイしていくうちにわかるようになったり、わからなくても『まぁいいか』って感じになってきたりするので気にしなくていい。

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まぁ序盤のシナリオ展開は勢い任せな部分が多いので、深く考えないでプレイした方がいい。特にプロローグはどれだけ甘口で評価しても超展開以外の何物でもないため猶更である。
というか今作はプロローグ~1章終わりあたりまでがシナリオの超展開多め+味方が少なくて使える戦術が少なく一番脱落者が出まくる部分なので、とりあえず買ったらどれだけツマラナイと感じても1章終わりまではプレイしてほしい

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芸能界が舞台ということもあってパーティメンバーはみんな芸能人アイドル俳優スーツアクター女優子役といった風に個性も豊か
全員に本筋には絡まない『サブストーリー』としてそれぞれのメンバーに焦点が当たったシナリオが用意されており、ここで本編とは一味も二味も違う仲間たちの一面を見ることができる。特に黒乃霧亜(キリア)と剣弥代(ヤシロ)の2人はサブストーリーで印象が一気に変わる

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サブストーリーの内容は全体的にギャグ多めだが、時にはいい話で終わるものもあったりする。そしてサブストーリーの終わりでは毎回ムービーが流れ、サブストーリーの経験を通した仲間達の成長がよくわかるようになっている。
(予想外な方向に覚醒しちゃう人もいるが)

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FEのキャラたちは『ミラージュ』という霊体のような姿で登場し、一部のキャラはパーティメンバーの武器兼相棒として行動を共にするようになる。ミラージュのデザインは人間から離れたものでペルソナシリーズの『ペルソナ』のようなデザイン
(まぁ人間らしくないというだけで原作の特徴は引き継いでいるので誰が誰だかはわかりやすい)

シナリオでは基本的に『ミラージュは敵』という描写になっているため、味方のFEキャラはそこまで多くはない。本編・サブストーリー通して多数のFEキャラが登場するが、大抵敵としての出番である。

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FEキャラの出典は暗黒竜と光の剣『覚醒』の2作から、シリーズ1作目発表時点の最新作である。

『覚醒』出典キャラはギャンレル・インバースなど妥当なものが多いものの、『暗黒竜』出典キャラは何故かロレンスやサジマジのように無駄にチョイスが渋い
(褒めてます)

各キャラごとの出番はさほど多くはないものの、短いながらもセリフに原作ネタが含まれていたり、原作通りの口調で話してくれたりとそこそこFEファンには嬉しい内容になっている。
無論、敵として出てくる場合は攻略しがいのある難敵であることが多い。

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ちなみに発売が近い『覚醒』は原作通りのキャストを揃えているが、『暗黒竜』はナバールととあるキャラ(2人いるがネタバレなので伏せる)除きキャストを一新している。今作のキャストは後に『暗黒竜』のキャラが登場する『Echoes』『ヒーローズ』『無双』にも引き継がれている。

上述したプロローグのあらすじを見るとあまりFEっぽくないと感じるかもしれないが、その疑問はプレイしていくにつれきっと薄れていく。最後までプレイすればわかるが、今作もれっきとした『炎の紋章』の物語である。
ただ、これ以上はネタバレなのでナイショである。

とまぁ、ここまではWiiU版の時点からあった今作の特徴である。
Encore(Switch版)はここに更に改良・変更・追加が加えられているのが特徴である。

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Encoreからの追加要素で一番代表的なものといえば、やはり『EXストーリー』だろう。EXストーリーはEncoreでの完全新規ストーリーである。
EXストーリーはメインから完全に独立しており、ゲーム中での扱いはサブストーリーと同じようなものになっている。そのため、進めるかどうかも任意である。
EXストーリーでは、新たなダンジョンである『希望の幻想領域』に挑むことになり、これを進めることでEncoreからの新衣装や新技を習得できる
『希望の幻想領域』は全3階層とそこそこ大きめのダンジョンで、本編の進行に合わせて探索範囲も広がり、各階層を踏破するごとにEXストーリーも進行する。このため、EXストーリーは全3話構成になっており、よりサブストーリー感がある。

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WiiUの衣装はほぼすべて続投したうえで、すべてのパーティーメンバーに1種類ずつ追加の衣装が用意されている。ツバサとキリアはEXストーリー用の衣装トウマはWiiU版の衣装のアレンジで、残りのキャラはATLUSか本家FEの関連衣装となっている。

WiiU版のDLCはEncoreだと(後述する温泉と水着を除き)すべて用意されている。ただし、購入すれば即座にゲットできたWiiU版とは違い、Encoreではある程度ゲームを進めることで入手できるようになっている。
(強化DLCは最初から、DLCイベントは特定の仲間加入後、DLC衣装はEXストーリー) 

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セッションでは新たに『クイックセッション』という機能が追加された。
クイックセッションはその名の通り素早いセッションであり、内容自体は普通のセッションと変わらないものの、セッション演出が超高速化される。

セッション自体は見ていて面白い内容なのだが、『そこそこ演出が長めかつスキップもできないので、終盤になると冗長』という意見がWiiU時代にそこそこあったため、それに対応した形になっている。

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更に、WiiU版ではほぼ非戦闘要員だった舞子さんバリィチキの3人がセッション限定で戦闘に参加してくれるようになった。これら3人のセッションスキルはセッション前後の対象を広く取れるワイルドカードのような扱いになっているため、WiiU時代よりも圧倒的にセッションが繋がりやすくなっている。
特に大きいのはチキの『魔道のファイアー』であり、こちらは直前が魔法であれば必ず繋げることができるため、WiiUでは不可能だった光/闇で始動するセッションが使えるようになった

ここからは変更部分を紹介していく。

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発売前の時点で散々プッシュされていたのが『ロード時間の高速化』であり、その差はWiiUと比較すると一目瞭然WiiUの半分どころか3分の1といっても過言ではない超高速ロードである。WiiU版で最も不満点として挙げられていたのが『戦闘前のロードが長い』という部分だったため、この改良により幻影異聞録はスキなしのゲームとなった

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そして、変更箇所で一番話題になったものは『各種要素が海外版準拠になった』という部分だろう。WiiUには幸か不幸かリージョンロックがかかっていたため、日本版と海外版で差異があったのだが、Switchはリージョンフリーであるため、ワールドワイドで同じ内容…つまり規制が厳しい海外版の内容に統一させられてしまった。

海外版準拠になった(国内WiiU版から変わった)部分はかなり多いので全部に触れていくつもりはないが、大体は以下のような部分である。

・一部衣装の差し替えor削除orデザイン修正
・↑の影響による本編とサブストーリーの内容変更
・↑の影響による一部アワード条件の変更
・一部メインキャラの年齢変更(引き上げ)
・一部敵キャラ(シスター系・Pナイト系)のデザイン修正
・温泉DLCの削除

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デザイン修正は主に露出を減らす方向になっており、
まぁワールドワイドに売るなら仕方ないよねという印象である。
(それにしたってウィンディフェザーの修正はやりすぎだろうと思ったケド)

デザイン修正でどうにもならなかった衣装…
具体的には2章の水着はまるっきり別の衣装となっている。

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シナリオ中で水着を着るシーンがあったツバサとエリーは水着の代わりになる新衣装が用意されているのだが、それ以外のメンバー+チキだけは埋め合わせもなく、純粋に水着が削除されただけになっている。
(ツバサとエリーもDLC分の水着は埋め合わせなく消えている)

なお、ツバサの『シーサイドアフェア』に限り、一部ムービーとアドリブパフォーマンス発動時にのみ登場する
(戦闘時の衣装としては選択できない)
おそらく『未成年が海以外で水着を着る』のがNGなのだろう。
別のゲームでも似たような対応を見たことがある。

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温泉DLCも水着だったのだが、こちらは差し替えでどうにかなるものではないのでそのまま削除されてしまったと思われる。

水着差し替えの影響で、水着(というかグラビア撮影)が中核となる本編2章はほぼ別物に変わっている。が、あくまで変わっているのは衣装とテキストだけなので、大筋の流れとダンジョンの内容は変わらない

変更後のシナリオも矛盾のないつくりになっているため、Encoreからのプレイヤーならそこまで違和感を感じないと思われる。

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と、Encoreからの変更点はこんな感じである。
少しネガティブな内容だがハッキリ言ってしまうと、『思った以上にWiiUとあんまり変わらない…』という印象である。

いや、追加要素はEXストーリーをはじめちゃんと用意されてるし、細かな部分で改良されている箇所は数多く存在するため、紛れもなくWiiUよりもクオリティが上がっているのは間違いない

…のだが本当にそれ以外はWiiUと変わらないのである。
(WiiUの時点で完成しきっているとも言えるが)

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ただ、EXストーリーは本編から独立しているため、本編の内容は一切変わらずEncoreからの追加要素(セッション追加/新曲/新衣装)もすべてEXストーリーに付随するものなので、これまた本編では一切関わらない

ATLUS系列の作品といえば少し前に発売されたペルソナ5 ザ・ロイヤル』に対し、『面白いが無印と変わらなすぎる』という不満を目にすることがそこそこ多かったが、自分のEncoreに対する印象はまさにそれである。
(自分はP5Rは無印をやらずにプレイしたので普通に楽しめました)

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今作は『今までWiiU版を遊べなかったプレイヤーに向けたフォロー』という側面が強く、『過去にWiiU版を遊んだプレイヤーが新たな要素を求めてプレイする』のはややツライものとなっている。
(追加要素とか細かな変更点を探す、という遊び方もあるにはあるが)

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また、EXストーリーも内容自体は面白く、こちらで流れる新曲や新アレンジはどれも魅力的なのだが、肝心のキャラがイツキ・ツバサ・キリア・チキの4人(しかもチキは冒頭のみ)しか登場せずほかの仲間は喋るどころか言及すらされないのが残念。
本編の進行度に合わせて解禁していくならマモリやヤシロを出してもよかったのではと思わないでもない。(おそらく声優さんの都合が大きいのだろう)

とはいえ、不満点らしい不満点もそれだけであり、また、ここまで挙げた不満点はすべて『WiiU版のプレイヤーだからこその不満』であるため、逆に言えばEncoreからのプレイヤーならば特に不満も出ないであろうことが容易に想像できる。

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幻影異聞録♯FE Encore』は、まだWiiU版を遊んだことのないプレイヤーにとっては『絶対にプレイした方がいい大傑作』なのである!

 

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