ゲーム機の歴史とはソレ即ちゲームメディアの歴史である。いきなり妙な事を言い出したりして驚かせたかもしれないが、今宵の作品を語るにあたりゲームメディアの容量について触れぬわけにはいかないためご了承いただきたい。
クリエイターの工夫がクオリティに、ゲーム機のスペックが表現に影響するならば、作品のボリュームを形作るのはゲームメディアである。メディアが進化して大容量のデータが扱えるようになったことで、プレイヤーは更に一段と長く作品の世界に浸れるようになるのだ。
ゲーム自体の容量が大きく増加するタイミングというと、多くの人は周辺機器や世代交代によるゲームメディアの変化を思い浮かべることだろう。カセット主流の時代から光ディスクに置き換わったり、光ディスクもCD・DVD・BDと移り変わったのがソレだ。
しかし、ROMカセットの時代には世代交代以外にも容量が増加するケースは往々にしてあった。技術革新による大容量カセットの低コスト化である。これによりゲーム機の進化を待たずとも、より大ボリュームな作品を生み出せるようになったのだ。
(一方でディスクシステムのように技術革新に取り残されたメディアもある)
例えばゲームボーイのロンチタイトルである『マリオランド』の容量は512Kbit、しかし時代と共にROMカセットの技術は進化していき、その続編の『マリオランド2』ではなんと4Mbitにまでパワーアップ、その差なんと約8倍!とても同一プラットフォームの同一メディアとは思えない幅である。この容量増加に目を付けたメーカーは勿論存在した。KONAMIである。
(ナムコやタイトーやハドソンとかもだが今回の主役はコナミである)
いつものように前座が長くなったが今回語るタイトルは『コナミGBコレクション』!今回の記事ではVol.1からVol.4まで纏めて触れていくのである!!
プラットフォームはゲームボーイ、今作はその名の通りKONAMIが過去にゲームボーイ向けに発売してきたゲームを1つのカセットに複数再録したコレクション作品。1作辺り4本のゲームが収録されており、Vol.1からVol.4までの4種類、全部合わせて合計16本のゲームが遊べる。
『プラットフォームやメディアが同じなのに1つのカセットに4本も入るものなの?』と気になるかもしれないが、それが出来るほど大容量のカセットが主流になったということなのだ。ちなみに今作のカセットは前述した『マリオランド2』と同じ512KBのもの。中期以降のGBタイトルはこの容量のモノが多めであり、『カービィ2』や『ドンキーコング』も同じく512KBである。
パッと見では単なる旧作の再販とも感じられるかもしれないが、ちょいとばかしこのコレクション特有の追加要素や変更点もあるため見逃せない。一方で少なからず削られた要素もなくはないケド…。
収録されているタイトルは基本的な内容こそそのままだが、一部タイトルが改題されていたり、ゲーム内容に変更が加えられていたりもする。タイトルが変わったケースの場合、きっちりタイトル画面も新規のモノに差し替えられている。
シリーズ全体に共通しているのは通信要素がオミットされている点。『ツインビーだ!!』や『F-1スピリット』のように本来なら2Pプレイが可能のタイトルであっても、このコレクションでは純粋な1人用ゲームとしての収録になっている。
コレクションの起動時にはそれぞれの収録作のパッケージイラストがドット絵で再現されたデモ画面が流れる。このデモはやたらとクオリティが高いため、このコレクションの見どころの一つ。
オマケに起動デモのバックで流れているのは収録作のBGMから印象的なフレーズをピックアップしたメドレー。それも今作のために新たに用意された完全新規のアレンジ。あくまでデモ画面用の曲なのでそこそこ短めではあるが、これだけでもプレイヤーのテンションはMAXとなることであろう。
ゲームセレクト画面やゲームガイド画面(後述)ではこれまた今作用の新規BGMが流れ、更に驚くことに各Volでそれぞれ専用の曲が用意されている。これらもまた名曲揃いであり、なんならBGMのために今作を買うのも充分アリな話だろう。しかしながら『コレクション作品の追加曲』という微妙な立ち位置故にサントラ等の音源化は行われておらず、作曲者すら不明。こればっかりは実に残念。
一応、各Volの新規移植作品のサウンド担当者が『B.M.PRODUCTS』となっているのでおそらくメニューや起動デモの楽曲もこちらの方(会社?)の作曲かと思われるが、ソレ以上の情報は得られなかった。
ゲームボーイカラー発売前の作品であるため、当然ながらカラー表示には非対応だしGBC以降の本体で起動しても白黒のまま…のように見えて実はスーパーゲームボーイで起動するとメニュー画面や起動デモ、そして新規移植作品など今作で追加された部分がちゃんとカラフルになる。ただし再録タイトルは相変わらず白黒のまま。ちなみに海外版は発売が遅い代わりに全編カラー化+ゲームボーイカラーに対応しているらしい。
(そのかわり海外版は後述する『ときメモ』要素がオミット)
スーパーゲームボーイでは専用のフレームが用意されており、PCのウィンドウを複数窓開いているかのような懐かしい感じのデザイン。ちなみにゲームタイトルの起動中はそれぞれのゲーム作品に因んだ画像に変化、つまり1作あたり5種類のフレームが用意されていることになり、中々力が入っている。
そして今作の最大の特徴といえば、近い時期に日本中で大ブレイクを巻き起こした『ときメモ』こと『ときめきメモリアル』のキャラによるガイドである。
今作では単純なゲーム以外に新しく『ゲームガイド』という機能が備わっており、こちらでは収録ゲーム4作に関する基礎知識や攻略のためのアドバイスを見ることができるのだが、ここで登場するのがなんと『ときメモ』の女の子たちなのだ。今作の彼女らはデフォルメされたSD等身での登場となり、非常に可愛らしい。当然ながらゲーム紹介のテキストは彼女らの口調に合わせたモノとなっており、『ときメモ』のファンからすれば地味に嬉しい要素でもある。
ガイド役として登場する女の子は各Volごとに異なり、偶然か意図的か同時期に展開されていた『ときメモドラマシリーズ』でメインを務めた面々が担当している。余談中の余談だがGB版ときメモこと『ときメモPocket』は今シリーズのVol.4の約1年後のリリースとなったので、結果的に一部のときメモキャラは今作がGBデビューということになる。
このときメモ要素はVolを重ねるごとに着々と進化しており、Vol.2からはゲームガイド画面も本格的な恋愛ゲー風味に変化するほか、新たに『ランキング』という機能が追加される。『ランキング』といっても誰かと競い合うようなシステムにはなっておらず、あくまでプレイヤー自身のスコアや進捗度に応じてガイド役の女の子が様々な反応を見せてくれる…というオマケ要素である。
この機能は『収録されているが興味はないタイトル』に対し手を出すきっかけにもなり、同様にゴール地点の見えづらいスコアアタック/タイムアタック主流の作品をプレイするモチベーションにも強く繋がっている。
ランキングの評価はA・B・Cの3段階(+未プレイ)、Bランク以下の反応は全ゲームで共通だがAランクは作品ごとに専用のテキストが用意されているので是非とも見ておきたい。評価基準は作品によりけりだが、基本的にはゲームクリアまで行くことができれば大体Aランクになると認識していればいいだろう。
また、2つ以上の作品でAランクを取っているとこれまた専用の反応を見ることができる。それどころか収録作4つ全てでAランクを取ることで初めて見られる反応すらも存在する。コレばっかりは腕に自信のある方のみ挑戦すべきだろう。
それと非常に重要な話を一つだけさせてもらうが、『コナミGBコレクション』にはいずれも共通してセーブ機能はない。繰り返す、セーブ機能はない。そのためゲームをプレイし終えた時は必ず『A+B+スタート+セレクト』のソフトリセットでタイトルに戻ってからガイド役のガールズに会いに行くべし。うっかり電源を落とすとプレイデータが一瞬でデータの海へ還り泣く羽目になるから絶対にやらかさないように。
『やった…!!やっとクリアだ…!!』→(電源ON/OFFでリセット)→『さぁ褒めてくれ!!』→ガイド『まだプレイしていないみたいだよ?』の悲劇は今作プレイヤーの誰にでも起こり得る。要注意したまえ(4敗)。
…と、なんだかんだでシリーズ全体の共通要素の説明をしたところでここからが本題、Vol.1~Vol.4までの各内容について語っていくとしよう!
コナミGBコレクション Vol.1
ガイド役:藤崎詩織
起動デモのメドレー:『クレジット音(グラディウス)』→『CONFIGURATION(グラディウス)』→『密林の戦い(コントラ)』→『SEL(コナミレーシング)』→『Battle of the Holy(ドラキュラ伝説)』
『Vol.1』とタイトルにあることからもわかるように、この時点でシリーズ化が確定していたのは明白であるが、それでも第一作目たる今作ではまだ様子見といった形で収録ラインナップも非常に手堅いタイトルが揃っている。手堅い、ということは言い換えればハズレがない王道ばかりということであり、手軽に手が出せるという強みにも成り得る。
とりわけ『グラディウス』『悪魔城』『魂斗羅』という当時のコナミの顔である3シリーズが纏めて1本で遊べるというアドバンテージはパッと見のインパクトでもVol.2以降に引けを取らない。流石にこのメンツと比較すると知名度が一歩劣るF-1スピリット改め『コナミレーシング』も、これらとは全く別ジャンルであるレースゲーであることから、今作そのものの幅を広げることに一役買っている。
Vol.1のガイド役を務めるは『ときめきメモリアル』のラスボス顔役、藤崎詩織。ガイド画面は後継作に比べるとシンプルでやや簡素な作り。しかしながら一画面に表示できる情報量は他のVolよりも多いため、純粋なゲーム解説としては実は全作品で最も優秀。キッチリ作中の全てのアイテムに対して説明が用意されているのもVol.1だけである。コナミコマンドが使用できる作品の説明ではその存在を示唆してくれてたりするあたりもだいぶ良心的である。
しかしながらVol.2以降と比較するとわかるように、今作単独では独自要素らしい独自要素が少なく、それこそ『藤崎詩織のゲーム紹介』くらいしか今作独自の要素がない。故に今作は『収録作品を一切持っていない』等のケースを除いた場合、身も蓋もないことを言うと『詩織パイセンのゲーム紹介がどうしても見たい人向け』という筋金入りのときメモ或いは藤崎詩織ファン向けコレクション…ということになる。
グラディウス(ネメシス)
発売年:1990年
ジャンル:シューティング
『グラディウス』は言わずと知れたKONAMIを代表する横スクSTGの金字塔…のGB版、本来は同作の海外名である『ネメシス』としてのリリースであったが、コレクション収録に際して改題。FC版をベースにしつつもその内容はほぼオリジナル。
全5面+隠し面という構成で当時リリースされていたシリーズ作である『グラディウス(FC)』『グラディウス(MSX)』『グラディウス2(MSX)』『グラディウスII(FC)』から様々な要素をピックアップしてリミックスしたステージ構成が最大の特徴。家庭用グラディウスでお約束のエクストラステージもモチロン存在する。
ゲームボーイ初期の作品でありながら、早くも『持ち運べるグラディウス』を作り上げることに成功しており、そのクオリティは本家にすらも引けを取らないほど。滑らかに動くスクロールや巨大なボス敵はまさに美しいというほかない。また、グラディウスシリーズ全体で見ても難易度は低い部類であり、それもあってか特にSTG初心者にこそ触れてほしい一作。
ドラキュラ伝説
発売年:1989年
ジャンル:アクション
備考:VCあり(3DS)/悪魔城アニバーサリーコレクションに収録
『ドラキュラ伝説』はその名の通り『悪魔城』シリーズの外伝作、『悪魔城ドラキュラ』から100年前、初代主人公ことシモンの祖先であるクリストファー・ベルモンドの戦いが描かれる。ジャンル的には俗に言うところの面クリア型悪魔城で全4面構成。
ゲームボーイが発売されて僅か半年足らずでありながら『スペック不足なんか知ったことか!悪魔城を携帯機で作ってやる!』という意思をひしひしと感じられる力技の結晶であり、おかげで悪魔城らしさを再現できている一方で、『やたらと挙動が重い』『にも関わらずシリーズ屈指の繊細な操作を要求』『サブウェポンがないので頼れるのは鞭一本』『その鞭も被弾の度に弱体化する』という悪魔城シリーズにしては非常に異質な特徴(問題点?)までも兼ね備えている奇妙な作品である。
『悪魔城』として今作を評価した場合、苦い顔をせざるを得ないというのが正直なところだが、その一方で今作ならではの面白さは決して他の悪魔城には存在しえない、ある意味シリーズで飛びぬけてオンリーワンの魅力を持った作品である。
コナミレーシング(F-1スピリット)
発売年:1991年
ジャンル:レース
『コナミレーシング』はトップビューのレースゲーム。これまた改題されて収録された作品で、本来のタイトルは『F-1スピリット』。F1のタイトルを冠している作品であるがゆえ改題を余儀なくされたと思われ、コレに合わせて作中のテキストがほぼ全て修正されている。
ゲームの内容そのものは変化なしとはいえ、やはりテキストの修正が地味に気にかかってしまうのが難点。F3・F3000・F1がCLASS3~CLASS1に修正されているのはまだしもそれらのサーキット名が実在の名称から『ROUND XX』という味気ない名称に変えられているのはどうにも寂しいものがある。
同時期の他のレースゲームとの最大の違いは高ランク帯でのハイスピードっぷり、そしてマシンカスタマイズの多様性にある。マシンを構成する4つのパーツを任意に変更でき、それらに応じて性能そのものも変化する。F1優勝のためにはコースごとに最適なカスタムが必要。ついでにBGMがやたらと格好いいのも特徴であり、レースゲームが苦手というプレイヤーでも一度はBGM目当てに手を出してみて欲しい。
コントラ
発売年:1991年
ジャンル:アクション
『コントラ』は『魂斗羅』シリーズのスピンオフ、『魂斗羅』じゃなくて『コントラ』が正式タイトルである。移植ではない完全オリジナル作品として開発された一作。全5面構成で奇数面はサイドビュー、偶数面はトップビューという『SUPER魂斗羅』に近いシステムになっている。
ゲームボーイの画面サイズで魂斗羅はいささか無理があるかのように思われたが、そんな不安は杞憂に終わる。魂斗羅お馴染みのマシンガンの乱射は相変わらず健在であるし、これまた恒例の武器チェンジシステムも存在。武器はデフォを除くと3種類、スプレッド(S)とファイヤー(F)、そして今作初登場のホーミング(H)。いずれも性能は拮抗しており、どれかが一強ということもないバランスの良さが最大の魅力。
全体のボリュームはややコンパクト気味ながらも、とにかく欠点らしい欠点が少ない手堅い作りであり、歴代でも難易度は低めだったり、任意のステージから開始できるステージセレクトが無条件で解禁されているなど、数ある魂斗羅シリーズの中でも飛びぬけて初心者に優しい作りでもある。
コナミGBコレクション Vol.2
ツインビーだ!!
がんばれゴエモン さらわれたエビス丸
モトクロスマニアックス
ガッタンゴットンガイド役:虹野沙希
起動デモのメドレー:『開始ジングル(ツインビーだ!!)』→『旅はじめでぃ(がんばれゴエモン さらわれたエビス丸)』→『SELEM(モトクロスマニアックス)』→『BGM4(モトクロスマニアックス)』→『メインBGM(ガッタンゴットン)』
収録ラインナップはVol.1とは被らないようにしつつ、それでいて人気シリーズである『ツインビー』と『ゴエモン』が入っているのがニクイ。コナミレーシングから引き続き『モトクロスマニアックス』のレース枠も健在、そして着目すべきは『ガッタンゴットン』、コレは旧作からの再録ではなく、正真正銘このコレクションのためACから新たに移植された作品である。
Vol.2ではVol.1にあった様々な機能が洗練されたほか、『コレクション限定の新規移植作品』が新たに用意され、魅力あふれるコレクションへと進化した。Vol.2から『コナミGBコレクション』は本領発揮という言い方をしてもいいかもしれない。
(Vol.1も作品単独としての魅力は十分あるが)
ちゃっかり起動デモもパワーアップしており、フィルム風味な演出がまた粋な雰囲気を醸し出してくれている。この演出が使われるのはVol.2だけなのである意味必見かも。
Vol.2のガイドは『虹色の青春』でおなじみの虹野沙希さん、大先輩がいる以外は割と簡素だったガイド画面も今作では恋愛ゲーム風味なUIになっており、より華やかな雰囲気が出るようになった。更にガイド役の表情パターンも地味に増えたため、よりファンが喜びそうなシステムに進化。代わりに1画面に表示できるテキスト量が減ったためガイドとしては使いづらくなったのは否定しない。
このコレクションにおける目玉『ランキング』はVol.2からの登場、このおかげでやりこみがいがあるのが嬉しい点。初登場でありながら収録作品全ての難易度が満遍なく高いため、おそらく本シリーズの中でオールAの難易度は最も高い。完全実力勝負の『ツインビーだ!!』『モトクロスマニアックス』、最終面からのスタートでも長丁場な『がんばれゴエモン』をどう切り抜けるかが重要。
ツインビーだ!!
発売年:1990年
ジャンル:シューティング
備考:VCあり(3DS)
※評価基準
Aランク:ゲームクリア
Bランク:3ステージクリア
Cランク:ゲーム開始
『ツインビーだ!!』はKONAMIが誇る人気縦スクSTGのシリーズ作。実は純粋にオリジナルな携帯機のツインビーは今作のみだったりする。ちなみにツインビーといえばライトくんやパステル超先輩などが有名だが、彼ら彼女らの初出は翌年の『出たな!』なので当然今作には不在。設定上はあの二人の前後の世代の話っぽいヨ。
シリーズ特有のシステムは大体そのまま継承されており、ベルによるスコアアタックが実にアツい。全6面構成で敵やステージなど、全体的にアーケードの初代『ツインビー』の要素が多め。携帯機ながらビッシリ書き込まれた背景のグラフィックもまた見逃せない。
カワイイ見た目に反してやたら高難易度なことで知られる『ツインビー』シリーズの一作なので、相も変わらず普通に難しい。他が横スクなので比較がしづらいが、おそらく『コナミGBコレクション』に収録されたSTGの中ではダントツで難しい。
それでも復帰時のパワーアップ回収やスコア加算による残機増加がガンガン行えるシステム故にツインビーシリーズ全体では簡単な方であり、充分初心者向けの範疇。今作で初めてツインビーに触れてみるのも悪くはないだろう。
がんばれゴエモン さらわれたエビス丸
発売年:1991年
ジャンル:アクション
備考:VCあり(3DS)
※評価基準
Aランク:ゲームクリア(ED分岐は不問)
Bランク:越後到達
Cランク:ゲーム開始
『さらわれたエビス丸』はトップビューのアクションアドベンチャー。最終的にトンデモナイ本数がリリースされたGBのゴエモン作品の中で一番最初に発売された作品である。
誘拐された相棒エビス丸を救うため、ゴエモンは日本全国を巡る。アクションは『からくり道中』がベースでありシンプル、ステージクリア条件も『関所に到達する』という単純明快なモノであるが、事件を解決しないと関所が通れない…つまり国ごとに事件に巻き込まれるというシナリオであり、メリハリがあって楽しい。
全9面構成で1面あたりのボリュームもそこそこ、やりこみによる隠しENDの存在もあって総合的なボリュームはおそらく『コナミGBコレクション』の中でも最上位に位置する。パスワードセーブに対応しているため、じっくり腰を据えて遊ぶべし。
難易度は金策と装備品さえしっかりすれば簡単…と言いたいところなのだが、陸奥(8面)だけ明らかに難しい。その難易度は今でも語り草になっているため各自ググって頂くとして、そこ以外は誰にでもオススメできる一作である。どうしてもクリアできないならば9面のパスワードを入力してスキップしても責めたりしない。
モトクロスマニアックス
発売年:1989年
ジャンル:レース
※評価基準
Aランク:5コース走破(COM/難易度/コース不問)
Bランク:3コース走破(COM/難易度/コース不問)
Cランク:ゲーム開始
『モトクロスマニアックス』はサイドビューのレースゲーム。実はコナミのゲームボーイ初参入作品はコレ。モトクロスに乗ってゴールを目指すのだが、コースにはジャンプ台が多数設置されており、ジャンプ後は十字キーで高さを調整してクラッシュを避ける…まぁ早い話がエキサイトバイクである。
あちらとは違い急加速できるニトロや、制限時間・最高速のアイテムがあり、何をトチ狂ったかループ等のレーサーの安全面など知ったことかと言わんばかりの構造をしたコースなど、今作ならではのハチャメチャっぷりは存在する。
コースは8つ、難易度は3段階だが制限時間の差なので、普通に最低難易度で巡るだけでも充分楽しい。COMとの対戦もあるが、お互いに干渉はできないのでせいぜいゴースト程度に思っておいた方がいい。
世間一般(?)からは『コナミのエキサイトバイク』とか呼ばれがちな今作だが、言い逃れができないくらいエキサイトバイクだった『モトクロスチャンピオン』に比べると多彩な差別化が行われているため別物としての面白さがある。
(どっちも同年なのを見るにGBに移植しようとしてアレンジした結果別物になった感は否定しない)
ガッタンゴットン
発売年:1997年(新規移植)
ジャンル:パズル
※評価基準
Aランク:100000点突破
Bランク:30000点突破
Cランク:ゲーム開始
『ガッタンゴットン』はパネルに分かれた線路を15パズルの要領で組み替えて、電車を事故らせないようにしつつ全ての駅を回るパズルゲーム。『チクタクバンバン』と呼んだ方が一般層には伝わりやすいらしいが、自分はそっちをやったことがないのでなんとも。
今作のために新規で移植が行われたタイトルであり、オリジナルとなるアーケード版は1982年稼働。ちなみに有識者によればゲーム内容そのものはぴゅう太版『ガッタンゴットン』の移植…らしい。まさか我がブログでぴゅう太の名前を出す機会があるとは思わなんだ…。
『単純な15パズル』と思うなかれ、時折現れる機関車に衝突したらアウトだしパネルの中には路線が途切れた物も少なくない。だが敵は機関車よりも早く機関車自身もスピードアップが可能だったり、機関車or敵が通っているパネルでもアクティブに操作可能だったり等の要素が組み合わさり、結果『タイミングを読み敵を凌ぐ』『機関車が乗ったパネルを動かし目的地まで一気に運ぶ』といった大胆なアクション性も兼ね備えている。上手く作戦通りに通過できた時の脳汁は凄まじいことになるぞ!
その他、触れておくべきポイントはプレイ中にBGMが流れる点。今の時代からすれば意外だがアーケード版は開始ジングル扱いの『線路は続くよどこまでも』を除き、プレイ中のBGMが存在しない作品だったのだ。今作の16面クリア時に流れるED曲は知る人ぞ知る隠れ過ぎた名曲である。
コナミGBコレクション Vol.3
グラディウスII
ドラキュラ伝説II
イーアルカンフー
けっきょく南極大冒険
起動デモのメドレー:『MAJESTY(グラディウスII)』→『New Messiah(ドラキュラ伝説II)』→『メインBGM(イーアルカンフー)』→『スケーターズワルツ(けっきょく南極大冒険)』
収録タイトルはVol.1の延長といった趣であり、あちらにあった『グラディウス』『ドラキュラ伝説』それぞれの続編が収録されている。F-1スピリットは兎も角『魂斗羅スピリッツ(GB版)』があったのにハブられたコントラは泣いていい。
(一応GB版スピリッツは他と違いコナミ内製ではないが…)
起動デモはラインナップに合わせてかVol.1風味、しかし(よく見てみると)表示パターンが2種類しかなかったVol.1と見比べると新たに縦表示のパターンが追加されており、体感では物凄く豪華になったようにも感じられる。
KONAMIのGB作品の中でも最高峰のクオリティを誇る『グラII』『ドラ伝II』がセットなうえ、更に『イーアルカンフー』『けっきょく南極大冒険』という新規移植が2作も用意され、更にそれらの大元から削られた要素がこれといって存在しない…ということから、作品の面白さ・コレクションそのものの独自性の両面から見てもおそらくVol.1~Vol.4の中でも最もオススメできる逸品。惜しむらくはそのラインナップ故に他に比べ少々プレミアが付いてしまっているというくらいか。
Vol.3のガイド役改めガイドガールは『彩のラブソング』でおなじみ、片桐彩子さん。もちろんゲーム解説は全部彼女らしい英語交じりな喋り方…というか片桐語、なんならゲームセレクト画面にも片桐語が侵食している。おかげでガイドの内容は過去イチで特徴的、まさしく片桐さんの説明を受けているような感覚になれるのが楽しい。とはいえ初対面の人でもわかりやすいよう本編に比べると片桐語はだいぶ抑え気味。それでも読みづらい?愛でカバーしろ愛で。
Vol.2で好評だったランキング機能はモチロン続投、今作のオールAの鬼門は『イーアルカンフー』あたりだろうか。ちなみに今作はAランクを達成するたびに片桐さんがやたらとグイグイ来るため、カタギリストは死ぬ気で頑張るべし。
グラディウスII(ネメシスII)
発売年:1991年
ジャンル:シューティング
※評価基準
Aランク:100000点突破
Bランク:50000点突破
Cランク:ゲーム開始
『グラディウスII』はその名の通りVol.1に収録されたグラディウスの続編。お察しの通り原題は『ネメシスII』であり、収録に際して改題された。おかげで『グラディウスII(FC)』『グラディウス2(MSX)』『グラディウスII GOFERの野望(AC)』『GOFERの野望 エピソード2(MSX)』でややこしかったのが更にややこしいことに…。
前作から引き続き本家の『グラII』とは全く異なりその内容は正真正銘完全オリジナル。前作のラストからそのまま繋がる物語となっており、全6面。前作だけでなく『パロだ!』のノウハウも引き継いでいるため、なんとウェポンセレクト…それも限りなく『グラIII』のエディットモードに近いモノが可能、リップルレーザーやツインレーザーを一切の処理落ちすらさせず再現したことには脱帽する。
グラディウスシリーズでも随一の演出が光る作品であり、携帯機でありながらステージ間のデモが潤沢に使用され、局所的にはアーケードの本家すらも凌駕するレベルの没入感溢れるシナリオが展開される。まさしくコナミがGB向けにリリースしてきたSTGの最終進化系に相応しい一作といっていい。
ドラキュラ伝説II
発売年:1991年
ジャンル:アクション
備考:悪魔城アニバーサリーコレクションに収録
※評価基準
Aランク:1周クリア
Bランク:2ステージクリア
Cランク:ゲーム開始
『ドラキュラ伝説II』はこれまたVol.1に収録されたドラキュラ伝説の続編、攫われた息子ソレイユを救うためクリストファー・ベルモンドは再び戦いに赴く。前作同様の面クリア型の悪魔城で全7面構成。前作に比べると1ステージ辺りのボリュームも上昇している。
プレイヤーをはじめとしたゲームスピードが向上したほか、前作で数多くのプレイヤーを苦しめた『被弾による鞭弱体化』が(極一部の例外を除き)オミットされ、加えて念願のサブウェポンが使用できるようになった。登場するのは聖水とクロスの二つだけであるが、これだけでも充分すぎる進歩である。またパスワードセーブにも対応しているためチマチマと進められるのがありがたい。
前作は結果的に独自の魅力を醸し出していたものの、『悪魔城』として見ると異質であったのは否定できなかったが、数々の改良やパワーアップの末ついに今作をもって『手のひらに収まる悪魔城ドラキュラ』は完成したと言えるかもしれない。そのクオリティは『面クリア型悪魔城最高傑作』として今作を挙げる人もいるほどである。
イーアルカンフー
発売年:1998年(新規移植)
ジャンル:アクション
※評価基準
Aランク:4周クリア(ED到達)
Bランク:1周クリア
Cランク:ゲーム開始
Vol.3の新規移植枠第一号である『イーアルカンフー』はある意味では非常に有名なアクションゲーム。真の意味でのオリジナルは1985年のアーケード版だが、今回の移植はファミコン版がベース。よって登場する敵キャラもチャーハン一味の5人である。
『1VS1で戦い、先に体力が0になった方が負け』というルールで、プレイヤーは主人公のリーを操作し棒術・鎖・手裏剣といった様々な戦術を使う5人の対戦相手を一人ずつ倒していく。5人全員を倒すと1周クリアで難易度の上がった2周目に突入する。
説明から察せられる通り、今作のフォーマットは現代における『格ゲー』のソレと全く同一である。体力・攻撃力は同一だが全く異なるアクションができるキャラ同士の正々堂々とした対決をこの時代に生み出したのはお見事というほかない。
とはいえ対戦相手の操作はモチロンCOMなので、ある程度操作や技のクセのようなモノがあり、プレイヤーはソレを理解した上で立ち回り、勝利を手にしていくこととなる。この辺りは格ゲーというよりは純粋なアクションゲームらしい側面となっている。アクションから格ゲーに分離しつつある時代を象徴した一作といえよう。
けっきょく南極大冒険
発売年:1998年(新規移植)
ジャンル:アクション
※評価基準
Aランク:2回目の日本到達(難易度問わず)
Bランク:初回の南極点到達(難易度問わず)
Cランク:ゲーム開始
『けっきょく南極大冒険』はラスタスクロールのアクションゲーム。『イーアルカンフー』と並びVol.3の新規移植枠であり、オリジナルは1983年にMSXでリリースされた同名タイトル…だが今作にはファミコン版で追加された要素がチラホラあるので、実質的にはそちらの移植といえる。
ペンギンのペン太を操作し、各地にある観測基地を巡りながら南極大陸の1周を目指す。システム的には先述したようにラスタスクロールのアクションで、奥に進むペン太が突っかかったりしないよう道中の穴やハードルをジャンプや横移動で躱していく。
観測基地(チェックポイント)間にはそれぞれ制限時間が用意されており、コレが尽きるまでに次の観測基地まで向かう必要がある…のだが、基本的に難易度は控えめなので気楽に遊べるのが嬉しい点。難易度は3段階存在するのでお好きなモノをどうぞ。
ところで今作、ジャンルとしては紛れもなくアクションだが、KONAMI公式としての扱いは『教育ソフト』のカテゴリであるらしく、事実今作にチェックポイントとして登場する南極の観測基地はいずれも実在するものだったりする。ここまで南極だけに特化した地理学習ソフトは他にないだろう。
コナミGBコレクション Vol.4
ガイド役:…(館林見晴)←一応ネタバレなので反転
起動デモのメドレー:『オープニング(コナミックスポーツ)』→『メインBGM(フロッガー)』→『ITOH NO MARCH(パロディウスだ!)』→『The Theme From Quarth(クォース)』
Vol.4の収録タイトルは一言で言うと『異質』、或いは『マニアック』。めぼしいタイトルはVol.3までで消化してしまったということなのか、Vol.4のタイトルは一転してマニア向けな作品が集っているのが特徴。KONAMI社内/社外問わず大量のネタを注ぎ込んだ狂気の一作『パロディウスだ!』がおそらく収録タイトルの中で一番有名という時点で中々に挑戦的である。もっともマニア向けにはマニア向けならではの魅力があるのは間違いないため、ここまでのシリーズを追いかけてきた人にとっては何の問題もないだろう。
Volを重ねるたびにチマチマとパワーアップを遂げてきた起動デモはついに今作で(オマケレベルだが)アニメーションが追加された。Vol.1から続けて見ていくと進化の軌跡がハッキリと感じられるのが実に面白い。
そして最後のガイド役を務めるは…さん。『旅立ちの詩』でお馴染みの緑髪で輪っかがキュートな彼女だが、初対面では名前を明かしてくれない。『ときメモ』本編でも告白するその瞬間まで本人の口から名前を明かしてくれなかった彼女から名前を聞き出すのは一筋縄ではいかない。まぁぶっちゃけたことを言ってしまうと『オールAランクを達成する』のが彼女から名前を教えてもらう条件である。えらく厳しい条件だがまぁ条件がハッキリしてるだけ原作よりはマシである。
パロディウスだ!
発売年:1991年
ジャンル:シューティング
※評価基準
Aランク:500000点突破
Bランク:150000点突破
Cランク:ゲーム開始
KONAMIの狂気というかおふざけというかよくわからんものの集合体にしてこれまた名作STG、『パロディウスだ!』もVol.4で満を持して収録。今作のみ収録作の中で唯一今作のみ起動時にロード画面が挿入される…と見せかけてコレは例のコマンド用。まぁ『ウソ♡』って書いてあるしね。
パロディウスを代表するタコを筆頭に『グラディウス』の主役機ビックバイパー、『ツインビー』の主役機ツインビー、『けっきょく南極大冒険』の主役の息子ペン太郎が大集合。全員Vol.1~Vol.3までの収録作品のメインキャラ(の関係者)である。全員武装が異なるため、実質的にGB作品初のウェポンセレクトである。
アーケードから2ステージ削られた全8面(+隠し面)構成で3面のみはオリジナルステージ、また一部局面では新ボスが追加されている。ゲームボーイというスペック不足のハードでありながら、パロディウスをほぼ完璧に再現。少なくともゲーム性の一点においては否の付け所がほぼない。もちろんパロディウス特有のクラシック楽曲のアレンジも健在!
クォース
発売年:1990年
ジャンル:パズル+シューティング
備考:VCあり(3DS)
※評価基準
Aランク:200000点突破
Bランク:30000点突破
Cランク:ゲーム開始
『クォース』はシューティングにパズルゲームの要素を組み込んだ独特な作品。コナミ系STGの中ではかなり知名度が低い部類ではあるが、今なおファンが多数存在する隠れた名作である。
上から落下してくるブロックの塊に向けて弾を発射し、四角形になったら消える。四角形は大きければ大きいほどハイスコアに繋がり、更に配置されているブロックをできる限り多く巻き込んで消すとボーナススコアが得られる。
攻撃を連打して四角形そのものを大きくしハイスコアを狙うこともできるが、当然ソレをするとその分四角形の完成までにかかる時間も伸び、ゲームオーバーになる危険性も上がる。今作はこういった『どこまで粘るか』『どこで妥協するか』という判断を高速で行う、パズルゲーならではの面白さも持ち合わせているのだ。
ちなみにGB版からの追加要素として自機がなんと6種類から選べるようになった。ぶっちゃけBGMと見た目が変わるだけで性能は一切変化なしなのでお好みでどうぞ。同じくアイテムの概念も追加されており、このおかげで事故った際の立て直しもしやすくなったのが魅力。使い時を見極めすぎて抱え落ちするのも割とよくある。
コナミックスポーツ(コナミックスポーツインバルセロナ)
発売年:1992年
ジャンル:スポーツ
※評価基準
Aランク:いずれか3つの競技でWR達成
Bランク:いずれか1つの競技でWR達成
Cランク:ゲーム開始
『コナミックスポーツ』は名前からわかるようにスポーツゲーム。本家の『ハイパーオリンピック』という名前であれば耳にしたことがある人も少なくなかろう。
原題は『コナミックスポーツインバルセロナ』でバルセロナオリンピックをテーマにした作品。収録競技もそちらからピックアップされた『100m走』『走り幅跳び』『槍投げ』『110mハードル』『三段跳び』の5種目。全部の競技を纏めてプレイして総合成績を競うモードと単独の競技をプレイして練習するモードがあり、目指すはもちろんWRである。
シリーズの時点で嫌な予感がしたかもしれないが、お察しの通り今作は連打ゲー。5つの競技全部でボタン連打を要求してくる。ハッキリ言って携帯機でやらせるべき操作じゃない。ある程度の連打で止めていてもWRの達成は容易なのが救いか。
コナミGBコレクション収録タイトルの中で最も機能削減が目立つタイトルであり、対戦機能はおろか競技数も本来の『~インバルセロナ』から6つも減らされてしまっている。またこの影響でOPデモもちょこっと差し替えられていたりする。
フロッガー
発売年:1998年(新規移植)
ジャンル:アクション
※評価基準
Aランク:ゲームクリア(8面クリア)
Bランク:10000点突破
Cランク:ゲーム開始
シリーズ最後の新規移植枠が『フロッガー』、1981年にアーケードで初登場して以来多彩なハードにリリースされてきた今作だが、なんとゲームボーイにも移植されていたのだ。
『カエルを操作し車に轢かれないように道路を抜け、水に落ちないように丸太やワニの上を渡ってゴールを目指す』というシンプル極まりないルールで、5回ゴールすると1ステージクリア、8ステージクリアでエンディングとなる。
ステージをクリアするたびに仕掛けも多彩になっていき、ギミックのスピードアップや敵キャラの追加など、終盤になればなるほど油断ならない緊張感が常に張り詰めるのが実に楽しいポイント。
ちなみにオリジナルのアーケード版はほぼ全てのBGMが当時のTVアニメや童謡(いずれもフロッガー自体とは無関係)のものであったため、今作に収録されるにあたってクリア時のジングルを除き全て新曲に差し替えられている。こちらもまた雰囲気に合っていてイイ感じである。
さて、今作は1997年後期(Vol.1/Vol.2)から1998年前期(Vol.3/Vol.4)にかけて発売された作品である。1998年の後期にはゲームボーイのソフトやその機能を継承したアップグレード機『ゲームボーイカラー』が発売され、以後はどのソフトメーカーもカラー対応/カラー専用タイトルにシフトしていくこととなる。モチロン今作をリリースしたKONAMIとて例外ではない。
それを考えると本シリーズは純粋なゲームボーイ用ソフトとして最末期にリリースされたモノということになる。故にある意味では今作は『KONAMIのゲームボーイの歴史における総決算』のような内容となっている…のかもしれない。
単純な旧作の再移植に留まらず、『ときメモキャラのゲームガイド』という独自性を新たに追加したうえで、ナンバリング次第では新規移植というコレクションそのものの強みまで付加した今作は、まだ『コレクション』というジャンルがそこまでメジャーではなかった当時では非常に画期的な作品である。特に『収録作品のプレイ内容の評価』というポイントは昨今のコレクションでもあまり見られないものであり、ソレを搭載した今作は正真正銘のオンリーワンな一作と言っていいだろう。
収録された作品の中には少なからずオリジナルとの差異が存在するものもあるとはいえ、それでも一つ一つが魅力あふれる作品であり、今の時代にプレイしても十二分に楽しむことができる。
コナミのGB作品は後年に移植されるケースが非常に少なく、ニンテンドー3DSにてゲームボーイ用タイトルがバーチャルコンソールという形で提供されても、今作に収録された作品のうちVC配信が行われたのは『ドラキュラ伝説』『ツインビーだ!!』『さらわれたエビス丸』『クォース』の4作のみ。『アニバーサリーコレクション』に収録された『ドラキュラ伝説II』『コントラ』を含めても僅か6作しかない。
よってたった一本で4本ものコナミのGB作品がプレイできる今作はありとあらゆる意味で破格。新規移植作品も後年にGB版として移植されたケースは存在しないため、当然ながら今作でしか遊ぶことができない。収録タイトルの中にはその人気や移植の少なさのせいで高騰しているものもあり、例えば『グラディウスII(ネメシスII)』あたりなんかは単品のパッケージ版よりもコチラを購入した方が遥かにオトクである。
(『ドラ伝II』『コントラ』も似たようなポジションだがこっちはアニコレがある)
流石にこの令和の時代にゲームボーイは古いのでは…と言われてしまうとそれまでではあるが、それでも数々の魅力を携えた今作。ゲームボーイが動作する環境があるのであれば、多くのプレイヤーにぜひともプレイしてみて欲しいのである!
(できることならスーパーゲームボーイでプレイを推奨)
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