いろいろとゲームを語ろう

物好きなゲーマーがただただ最近遊んだゲームの感想とか内容とか書いていくブログ。レトロゲームの割合が高いかもしれない。更新は気が向いた時にだけ。

ソニックオリジンズ

全世界で知らぬものはいない大スターソニック・ザ・ヘッジホッグ、そんな彼も今年の6月23日についに31周年を迎えた。毎年この時期にはソニック絡みのめでたいニュースが何かしら報じられるのがお約束なのだが、今年も例外ではなかった。2022年の6月23日、それはソニックシリーズの新たなコレクションが我々の元に届けられる日でもあったのだ。

そのコレクション作品の名はソニックオリジンズ、その名の通りソニックシリーズのオリジン(起源)を現行機種向けに復活させた作品である!!前回の記事ではソニックシリーズ初のコレクション作品ことソニックジャム』についてガッツリ語らせていただいたため、今宵はこの最新作『オリジンズ』について語らせていただこうと思うのである!!

さて、今作はソニックシリーズのコレクション、収録されているのはシリーズ1作目にしてソニック初主演のソニック・ザ・ヘッジホッグスピンダッシュを導入し2Pプレイにも対応したソニック・ザ・ヘッジホッグ2タイムワープという特徴的なシステムでやりこみがいがあるソニック・ザ・ヘッジホッグCD、そしてメガドラソニックの集大成ともいえるソニック・ザ・ヘッジホッグ3&ナックルズ』の4作。ぱっと見ではソニックコレクションでのお約束的なメンツに思えるかもしれないが、触ってみるといつもと違うことがすぐにわかるだろう。

プラットフォームはSwitch/PS5/PS4/XSX/One/PC…まぁ例によって例のごとく現行機種全部。配信されているプラットフォームの中には既に本作収録のものと同名タイトルが配信されているものも少なくはないが、後述の理由によってきちんと差別化されている。ちなみに今作はDL専売タイトルパッケージ版を探してお店に行ったところで見つかりっこないので、それぞれのプラットフォームのストアにGOである。

収録されている作品のうちソニック1』ソニック2』ソニックCD』の3作はオリジナルとなるメガドラ/メガCD…ではなく、2010年代前半に移植されたスマホ版がベース。ここが今作を語るにあたって重要なポイントである。
(ちなみにスマホ版はかなり奇異な経緯で誕生した代物なのだが、その話は今回割愛する)

実機との違いを多数抱えるスマホ版がベースになっていることについてはかなり賛否が分かれるであろう部分ではあるのだが、前回(ジャム)の記事でも触れたようにぶっちゃけソニック1・ソニック2は過去腐るほど実機同様の移植が行われており、なんならオリジンズがリリースされたプラットフォームの一つであるSwitchには実機を徹底再現した『SEGA AGES』が配信中ソニックCDでさえ過去ソニックジェムズコレクション(GC/PS2/Xbox)』にて(ほぼ)実機同様の移植が存在、今年10月に発売されるメガドラミニ2では実機を完全再現した(と思われる)同作の収録が内定している。

一方でスマホ版のソニック1とソニック2はリリースされたのがもう9年近く前の話であり、プレイ可能な機種が目に見えて減ってきている…つまり有象無象のスマホアプリの例に漏れず幻と消える直前な状況となっていた。スマホ版は過去行われた移植とは大きく異なり、多数の追加要素を抱えていたこともあり、プレイできなくなるのは非常に惜しかったため、そうなってしまう前にこうしてCS機向けに移植を行ったのは英断といえよう。

なおスマホ版のソニックCDは全く同じ仕様のモノがPS3/360向けにも配信されていたりもしたのだが、如何せんこやつらも2世代前のハードなので、新たなプレイ環境を提供するという意味では間違った判断ではない。

ちなみに今作の配信に合わせてPS3/360向けの『ソニック1』『ソニック2』『ソニックCD(日本未配信)』360向けの『ソニック3』『ソニック&ナックルズ』の配信が終了している。とはいえ配信終了したソニックCDは前述したスマホ版仕様のモノのため、オリジンズに基本そのまま収録されており、それ以外はメガドラ版をベースにしつつも隠しコマンドによる裏技が完全封印されている何とも言えないモノであったため、そこまで問題はなかろう。
(それでもPS3/360でプレイしたいのであればよりクオリティの高い移植が『アルコレ』に収録されている)

繰り返しになるが今作に収録されている作品はスマホ版がベースになっている。スマホ版のソニックシリーズ所謂旧作ROMのエミュレーション移植*ではなくとある一人のソニックファンが開発したRetro Engineと呼ばれるゲームエンジン上で動作している、いわば目コピ移植となっている。このためスマホ版は根本的に『実機の完全再現』を目指しておらず、またその一方で『目コピ移植ゆえのふんだんな追加要素』が魅力となっている。

*エミュ移植と目コピ移植
ゲームは一言で移植といっても色々あり、呼び方も様々
『新しいゲーム機で古いゲーム機を動作させる』のをエミュ移植、
『新しいゲーム機で移植元のゲームを新しく作る』のを目コピ移植と呼ぶ。
エミュはエミュなりの、目コピは目コピなりの苦労が存在するため、
どっちのがラクとかそういったものは特にない…が
『エミュ移植は必然的に実機に限りなく近い動作が可能』
『目コピ移植は元ROMに縛られないため追加要素を作りやすい』
といった利点のようなものはある。

つまり本作に収録されている作品群をメガドラのオリジナル版の完全移植として考えると『アレっ?』となる箇所が非常に多い…というか要素によってはほぼ別物レベルに変わっている部分すらもある。例えるならばマリオブラザーズ(AC)』『帰ってきたマリオブラザーズ(FDS)』くらい違う。オリジナル版とスマホ版とオリジンズの関連性はスペースハリアー(AC)』スペースハリアー(SMS)』スペースハリアー(FC)』に近いといえば伝わるだろうか。
(相変わらず死ぬほど例えが判りづらいのはユルシテ…)

とはいえスマホ版は常日頃からソニックにどっぷり浸かっているディープなソニックマニア以外には存在を知られていないフシがあるため、ひとまずはメガドラ版→スマホ版の変更点や追加要素についてさらっと紹介することにする。『スマホ版の説明なんていらんからオリジンズの話をさっさとしろ!』という方はこの文をクリックすれば本題の話まで飛べる。

まずは見ての通りのワイド画面。オリジナル版は4:3だったのが16:9に対応。ワイドになったことで見える範囲やボス戦中の行動範囲が広がっている。コレによって一部のボス戦に安置が生まれたり、新たな足場が用意されるなどのアレンジスマホ版では施されていたりする。ちなみにワイド画面対応はオリジンズの目玉的に宣伝されることが多いのだが、この通りスマホ版の時点で普通に対応済みだったため、シリーズファン的には『そこじゃなくて別に推すとこあるでしょ!?』となったりもしたり…。

そして全タイトルに共通して言えることはキャラの追加にある。ソニック1・ソニック2共にプレイアブルキャラとしてソニックテイルスナックルズを使用可能。勿論ソニック2ではメガドラ版同様にソニック&テイルスでのプレイも可能。それぞれのキャラ性能は『ソニック3&K』のものに準ずるため、テイルスはヘリテイルが可能、ナックルズは滑空ができる代わりにジャンプ力が低い

『元々がソニック前提で作られているゲームなのでキャラが変わってもあんまり変わらないのでは?』と思うかもしれないが、そこは安心。ソニック1では僅かながらステージ構成やアイテム配置が変更されているため、キャラを変えたことによる楽しみは感じられるようになっている。

ソニック2のナックルズに関しては元々ナックルズ用に調整されている『ナックルズinソニック2(ソニック2のロックオン)』をベースにしているため、説明の必要もなかろう。ただしソニックCDは開発側も初のスマホ移植ということで手慣れていなかったのか、追加はテイルスのみでナックルズは使用不可ステージ構成も変化なしテイルス使用時は一部演出やムービーがカットされるなどかなりオマケ的な扱いである。

更にセーブ機能の追加…これは元々ソニックCDには備わっていた機能だが、晴れてソニック1・ソニック2にも導入された。使用キャラ・エメラルド・残機を保持したまま最後に到達したゾーンから再開できる。なおソニックCDのセーブもこの形式に統一された。

ところでメガドラ時代のソニックといえば隠しコマンドで起動する『アクトセレクト』や、そこから連なる禁断のデバッグモード』がお約束である。これらはスマホ版でも変わらず健在…というか一部作品ではパワーアップしていたりする。ただし、メガドラ版の隠しコマンドをそのまま使用することはできないため、スマホ用の隠しコマンド』を新たに入力する必要がある。隠しコマンドはこの次の記事で一応紹介する予定だが、当然普通の楽しみ方ではないので、各作品を遊びつくして飽きた時に初めて解禁すべし。

…と、ここまでがメガドラ版→スマホ版の全作品共通の変更点だが、ここからは作品単独での変更点/追加要素である。

まずはソニック1からだが、こちらはアレンジ移植につきもののスピンダッシュが導入されている。このスピンダッシュは『ソニック2』や『ジャム』に登場する挙動を完全に再現しきっており、多くのソニックファンはこの追加に涙したかどうかは知らないが、少なくとも自分は感慨深い気持ちにさせてもらった
(ソニック1のスピンダッシュを巡る16年に渡っての悪戦苦闘に関しては前回の『ジャム』の記事を参照)

続いてソニック2メガドラ版よりもゾーンが一つ追加されている。追加ゾーンの名は『Hidden Palace Zone(ヒドゥンパレス)』…そう、発売当時から長らくその存在を噂されながらも、多くのソニックファンが正規の方法でプレイすることが叶わなかった幻の没ステージである。スマホ版に追加されたヒドゥンパレスは当時のROM内に残されていたパーツをベースに再構築した完全オリジナルの構成をしており、また新規でボスも用意されている。隠し扱いなのでとある方法でなければ突入できないが、まぁファンならきっと見つけられるだろう。条件が条件なせいでシリーズ経験者よりも初見プレイヤーや初心者の方が突入しやすいのはナイショだ!!

…ところでスマホ版のヒドゥンパレスは先ほどの説明の通り、メガドラ版の(内部データ上に存在した)ヒドゥンパレスとは完全に別物の構成である。ならばメガドラ版の方は文字通り黒歴史として消滅してしまったのか。全くもってそんなことはなかったメガドラ版に存在していた没バージョンのヒドゥンパレスはスマホ版でも内部データ上に存在…どころの騒ぎではなく特定の手順を踏むことで通常プレイでも突入可能になっている。開発のミスなどではなく意図的に用意されたイースターエッグ扱いである。こちらのヒドゥンパレスは便宜上『Proto Palace Zone(プロトパレス)』という名前で呼び分けがされている。

最後にソニックCD、コレは3作の中で特にメガCD版からの変更点が多い。まずはサウンドの『JP/US切り替え』機能メガCD版の本作はどういうわけか日本版(JP)と北米版(US)で大半のBGMが差し替えられており、それぞれのバージョンごとに異なるファンを獲得していたのだが、このスマホ版では両バージョンの切り替えを任意で行えるようになっているメガCD実機ではリージョンロックがかかっていた(+北米版の音源は日本未発売)こともあり、北米版のサウンドを気軽に聴ける環境が提供されたのは実にありがたい

変更点の中でも特に大きいのは『スピンダッシュの仕様変更』メガCD版のスピンダッシュ『スピンチャージの連打が不可』『チャージには一定時間が必要』という他作品のスピンダッシュに慣れていればいるほど躓きやすいシステムになっていたのだが、スマホ版では他作品同様の連打可能な仕様に変更、このおかげで操作感覚が別物レベルに変化している。どうしてもメガCD版と同仕様がいいという人向けに当時に近い『ORIGINAL』設定も残しておく力の入れようである。

あと非常に地味ながら『タイムワープにかかるまでの走行距離』が長くなっている。ちょっとくらい変わったところで…と思うかもしれないが、ソニックCDではタイムワープの有無がそれこそ真ENDに行けるかどうかに直結するため、かなーり重要な変更点である。この影響で一部メガCD版に存在した攻略法が使用できなくなっているのが痛い。まぁ工夫次第でどうにでもなる範囲なのが救いか。見方を変えれば『うっかりワープしてしまった!』という事故が起こりづらくなったともいえる。

      

スマホ版の解説も終えたところで。ここからがいよいよ本番、本作ソニックオリジンズそのものについて語っていこうと思うのである!!

さてさて、本作の開発を担当するのはソニックマニア』から引き続き参加のHeadcannon、それから毎度おなじみソニックチームスマホ版ベースの移植ということもあり、移植にはRetro Engineを採用。ちなみにRetro Engineのほか、スマホ版のソニック1・2・CD(とお蔵入りになった3&K)や『マニア』を開発したChristian Whitehead氏今作には不参加である。
(Retro Engineの開発者としてクレジットはされている)

最初に挙げた通り収録されているタイトルはソニック1』ソニックCD』ソニック2』、そしてソニック3&K』の4作。基本的に収録タイトルの要素やシステムはスマホに準じ、スマホ版で見られた変更点や追加要素もそのまま残されている…が、ベタ移植というワケでもなく、例えばソニック2にて『Proto Palace(プロトパレス)』に突入できなくなっているナックルズ使用時にテイルスを同行させられるといった変更点も見られる。

システム的にもサイレントに修正されているポイントがチラホラ。例えばテイルスを同行させている際、COM操作のテイルスが勝手に仕掛けを起動させる*ことが無くなっているのは地味ながら大きな改善点である。

*テイルスのオジャマ
2や3&Kには『キャラが乗る』ことで操作/起動する仕掛けが登場する。
メガドラではCOMのテイルスがプレイヤーの仕掛け操作中に乱入し、
タイミングがズレて事故ったり置いてけぼりにされる局面が割とあった。
オリジンズはCOM乱入こそそのままだが、
COMの入力は仕掛けに反映されないよう修正されている。
ソニック3&Kの4面のドラムや5面のバネ足場がわかりやすい。

それぞれのタイトルは『アニバーサリーモード』『クラシックモード』、それからミラーリングモード』の3種類が用意されており、セーブデータも各々が個別に作成される。

『アニバーサリーモード』今作のメインともいえるモードで、スマホ版の基本システムはそのままに『ソニックマニア』に登場したドロップダッシュを追加した、懐かしくもちょっと新しいソニックを楽しむことができる。

システム的な追加はドロップダッシュだけであるが、『着地と同時に瞬間的加速を行う』といったアクションが旧作に存在しなかったのもあり、いつもとひと味違う楽しみ方ができる。特に加速状態を維持することでタイムワープを行うソニックCDではメガCD版でもスマホ版でも行えなかった全く新しい攻略法が使えるようになっている。

また、残機システムが廃止されているためゲームオーバーに悩まされることもなく、それどころかコイン(後述)を消費することによってスペシャルステージのリトライが可能であり、早い段階からカオスエメラルドのコンプリート(=真END到達=スーパー化解禁)が行いやすくなったのが嬉しい。スペシャルステージ以外であればポーズメニューからステージのやり直しもできるため、リトライ性も抜群である。

アニバーサリーモードの対極に位置するのが『クラシックモード』。その名の通りこちらはクラシック…当時の雰囲気を追求したモードである。画面比率が16:9から4:3に戻され当然ドロップダッシュも封印残機制も復活。各タイトルでスマホ向けに追加されたキャラ達も抹消されている…と、こう書くと一見メガドラ/メガCD版を徹底再現したモードに聞こえるかもしれないが、実際はソニックCDにおける仕様変更やソニック2のヒドゥンパレスの存在をはじめ、様々な仕様はスマホ版のまま、遠慮ない言い方をしてしまうと『アニバーサリーモードの機能を制限してレトロっぽく見せかけたモード』でしかなかったりする。
(そもそも公式は完全移植などとは一言も言っていない)

最後にミラーリングモード』、こちらでは全編に渡って左右が反転したゲームを遊ぶことができる。身も蓋もないことををいうと進行方向が逆になっただけで攻略的な意味の変化はほぼないのだが、これはこれで新鮮

余談だが『左右反転したソニック』は本作が初ではなくSwitch/PS4/One向けの『SEGA GENESIS CLASSICS(日本未発売)』にて一足先に実装されていたりする。とはいえあちらはチャレンジの一環として限られた範囲のみプレイ可能だったり、UIなども含めて単純に鏡写しにしただけであったため、オリジンズの方がしっかりと作り込まれているといえる

そして過去のスマホ移植の再録な1・2・CDとは異なり、事実上の完全新規移植であるソニック・ザ・ヘッジホッグ3&ナックルズ』オリジンズ最大の目玉要素。実を言うとソニック3&Kのスマホ移植は(公式には無断*で)進められていたが、途中でお蔵入りしてしまった経緯があったため、こうして改めてデジタルリマスター版のソニック3&Kをプレイできるというだけで感慨深いものがある。

*無断移植のソニック3&K
公式に無断で、という部分に引っかかりを覚えるかもだが、
そもそもスマホソニックのスタートラインはそこにあるため、
ソニックに限ってはそうおかしなことではない。
ちなみにお蔵入りの原因については明かされていないが、
この時点で原因が思い当たるソニックファンは少なくなかった。
今回の移植は事実上その答え合わせのようなものになっている。

オリジンズ収録のソニック3&Kは初のデジタルリマスターということもあって1・2・CD以上に細かな違いが多いアレンジ移植となっている。まず根本的にメガドラ版は『ソニック3』と『ソニック&ナックルズ』という2作の分作になっており、ロックオンさせることで完全版になる…という作りだったのだが、今作では最初からロックオン済みのソニック3&ナックルズ』という一つの作品として開発されている。ちなみにロックオンについては前回(ジャム)の記事を参照すべし。

この結果ロックオンなしのソニック3でのみ流れる『ナックルズのテーマ(ソニック3)』『ACT1のボス戦(ソニック3)』が聴けなくなったのは惜しいが、その代わりゲーム全編に渡って多彩な演出の強化/追加が行われている。例えば3面(マーブルガーデン)では中ボスと一度遭遇してから度々背景で遺跡が崩壊するエフェクトが挿入されるようになったり、3面のコマや5面(カーニバルナイト)のドラムのように回転する足場に乗った際のアニメパターンが追加されている点などがソレ。

極めつけはソニック編6面(ランチベース)のボス戦。ここは本来のメガドラ版3&Kではボールシューター→ビームロケットの二連戦で終了していた場面なのだが、オリジンズではビームロケット戦後に突如背景が変わり、メガドラ版3&Kでソニックと戦うことのなかった『ビッグアーム*』が出現するというサプライズが用意されている。

*ビッグアーム
ソニック3』におけるラスボス。
ロックオン後のソニック3&Kではナックルズ編のボスとなり、
ソニック編では存在を抹消されるなんとも残念な扱いを受けている。
『追いつめられたエッグマンが苦し紛れに持ち出した未完成の兵器』
という情けない公式設定に反し、
シリーズでも数少ないスーパーソニックに直接ダメージを与えられる超火力を持つ。

6ボス後の演出も大幅に変更メガドラ版では落ちていくデスエッグを眺め、直後に暗転というものだったのが、オリジンズではここで新規に用意されたイベントデモが流れるようになっている。この時のリザルト曲が通常のものではなくソニック3のオールクリアBGM』になるのもファンの心をわかっているといっていいだろう。
(メガドラ版3&Kでは汎用のクリアBGMが流れる)

ところで3&Kだと忘れられがちな『COMPETITION(対戦)』モードはオリジンズでパワーアップして帰ってきた2人ではなく1人でも遊べる…というのはメガドラ版の頃からそうだったのだが、オリジンズでは1人でコンペティションをプレイした場合、なんと画面が分割されず大画面で遊ぶことができるのだ!!

メガドラ版では一人プレイでも画面が2分割されてしまいじっくりステージを楽しめなかったのが難点だったのだが、このおかげで一人でも心置きなくプレイできる!ステージ自体はメガドラ版から変わらないが、いずれも本編ではプレイできない限定ステージなので、今までプレイしたことがなかったという人は是非挑戦してみるべしである。

3&Kの変更点で一番大きいのはやはりBGMオリジンズ収録の3&Kでは一部ステージのBGMがメガドラ版とは全く異なるものに差し替えられている。差し替えが行われているのは4面(カーニバルナイト)5面(アイスキャップ)6面(ランチベース)の3つ。3&Kはアクトごとに異なるBGMが用意されているため、実質的に差し替えられたのは6曲となる。

実はソニック3&KのBGM差し替えは今回が初というわけではなくPC(Windows95/98)向けにリリースされたソニック&ナックルズ コレクション』という前例がある。差し替えが行われている箇所もあちらと同一。なんなら差し替え後の楽曲もあちらと同じものとなっている

差し替えが行われた原因はメガドラ版では該当ステージのBGMがかのマイケル・ジャクソン作曲によるものだから』という意見が主流。前身のスマホ版の開発に一度ストップがかけられたのも同じ理由だったのでは、とも言われている。なお、ソニック3にマイケルが関わっている件は状況証拠こそ多数あったものの、公式からはノーコメントであり『限りなく事実だと思われるが確証がない』という扱いが長年続けられていたのだが、今回の一件で当時のメインプログラマ(中裕司氏)がマイケルの名を出したことで確定的となった28年越しの真実である。

オリジンズの差し替え後の楽曲はWin95版と同じ曲ではあるが、あちらの流用ではなく本作用に新しくアレンジが行われている。こちらのアレンジを担当したのはソニックファンでは知らぬ者はいないであろうロックバンド『Crush40』のギタリストであり、ソニックアドベンチャー』シリーズソニックと暗黒の騎士など、多数のソニックサウンドを手掛けてきた瀬上純氏。余談だがメガドラ版のソニック3は瀬上氏が初めて携わったソニック作品でもある。巡り巡って自身のソニックの原点に帰ってきた…と考えるとエモさ的なモノが感じられるかもしれない。

ただし、本作の差し替え後の楽曲についてはかなーり賛否が分かれているというのが正直なところ。フォローしておくと元々のメガドラソニック3ではこちらが本来のBGMだったであろう*ことからも理解できるように、曲そのものがステージに合っていないワケではないし、ゲーム中の他楽曲から浮いているワケでもない

*差し替え前と差し替え後、どっちが先?
ソニック3のBGMは本文でも触れたようにまずメガドラ版がリリース後、
その3年後に発売したWin95版で初めて差し替えが行われた。
順当に考えると差し替え後のBGMはWin95開発時の作曲と考えるのが自然だが、
後年とあるルートからメガドラソニック3の開発中ROM…通称プロト版が流出、
そのROMではなんと3~5面の曲がWin95版と同一のものだったことが発覚した。
つまり考えられる流れとしては
①まずマイケル抜きで全楽曲を作曲
②マイケルが3~5面の楽曲を提供、①の曲はお蔵入り
③Win95版開発時にマイケル曲がNGとなり①の曲を復活
というものになる。
(出所がアングラなうえ、あくまで推測なのは留意されたし)

だが、歴代のソニック3&Kの公式移植(自分の知る限り10回あった)のうち、こちらのBGMを採用したのはWin95版の1回限りで、以後25年以上に渡っての移植は全てメガドラ版の楽曲になっていたことから、大多数のファンの中で『このステージといえばこの曲!』とイメージが凝り固まってしまっており、加えて先ほど挙げたように曲単独としては悪くない…むしろ良いながらも、マイケル作曲のBGMとは方向性がまるで違うため、結果的にWin95版をプレイしていないファンは違和感に苛まれることとなってしまったのである。こればっかりは思い出補正というか刷り込みみたいなものなのでどうしようもない。

あとは後述のミュージアムで流せるため差し替え…というのとはチョイ違うのだが、3&Kに限りスーパーソニック変身時の曲が新たに用意されている。コレについては本当に事前情報ですら出ていなかった部分なので完全にサプライズ枠である。ちなみにこれまたアレンジ曲であり、アレンジ元はメガドラ版同様にタイトルBGM。思えばソニックカラーズ アルティメット』でもスーパーソニックには新曲が用意されていたので、ソニックの移植やリマスターではスーパー化BGMを新しく作曲すべし!』みたいなお達しでも出ているのかもしれない。(多分気のせい)

それからメガドラ版では流れることがなかった…というかそもそもデータ上に存在していなかった『Staff Roll2』がこれまたサプライズ的に用意されている。この曲は本来Win95版のソニック3を単独(ロックオンなし)で起動した際にだけ流れるエンディング曲であり、オリジンズでは『スーパーエメラルドを全入手したエンディング』で流れるようになっている。ちなみにメガドラの同場面では『SKY SANCTUARY ZONE』だったのだが、オリジンズでもカオスエメラルド全入手(スーパーエメラルドは未入手)のエンディング』であればこちらが流れる。

…とまぁ、ソニック3&Kの大まかな変更点はこんなところである。BGM以外の変更点は些細なものであるが、その数が非常に膨大であるため、体感ではアレンジ移植どころか別物レベルに楽しむことができる元々のクオリティが高いため新規プレイヤーでも楽しめるし、逆にメガドラ版からのプレイヤーであっても新鮮な気持ちで楽しめる移植になっている。
(既プレイでも新鮮…は移植としてどうなんだとも思うが、それもアレンジ移植の味である)

そして今作は単純に旧作リマスターを纏め上げただけの作品ではない。ここからは完全にオリジンズ向けに新しく追加された新要素について触れていこう。

まず今作の初報から猛プッシュされていた要素がアニメーションムービー後述のストーリーモードの随所各ゲームタイトルの初回起動時・クリア時には今作のため新規で描き下ろされたアニメーションが挿入される。起動時のムービーはイントロクリア時のムービーはアウトロと呼ばれ、イントロはそのタイトルのプロローグアウトロはエピローグ兼続編への橋渡し的な役割を担っている。

一つ一つのムービーは短めながらも良質で、ソニックキャラ達の魅力を再確認させてくれる。特に本作の起動時に流れるオリジンズそのもののOP各タイトル曲のアレンジメドレーと共に、それぞれの作品の名シーンがアニメで再現されているというものであり、ファン感涙の作りとなっている。

メガCD当時に圧倒的なインパクトを与えてきたソニックCDのOP/EDも勿論収録。映像そのものはスマホ版同様にジャム以降の高画質で滑らかなものとなっているが、スマホ版とは異なり『Sonic - You Can Do Anything-』『Cosmic Eternity -Believe in Yourself-』『Sonic Boom』いずれもボーカル付きになっていたのは想定外のサプライズ。
(スマホ版ではボーカル抜きのインスト版が流れていた)

いずれのムービーのクオリティも素晴らしいものではあるのだが、イントロはともかくアウトロムービーはソニックorソニック&テイルスでプレイし、全てのGOOD ENDでクリアした』という前提のもとで進むため、プレイヤーのプレイスタイル次第では実際のゲームとムービーで矛盾が生じることがある。特に3&Kでナックルズを使用してクリアしたケースが顕著であり、この場合エンディング後に唐突にファイナルウェポン(ソニック編の真のラスボス)の残骸と共に漂流するエッグマンが出てくるため違和感が強い。一応ソニック編→ナックルズ編→アウトロという時系列なら矛盾はしないが…。
(その場合ナックルズ編の間ずっとエッグマンは漂流してたことに…)

*ナックルズ編の時系列
3&Kのナックルズ編は単純な別キャラモードというわけではなく、
明確に『ソニック編の後日談』という設定になっている。
そのため背景がソニック編のものと微妙に異なっていたり、
(バグ以外で)エッグマンが登場しない、
ラスボス兼黒幕が全く別人になっている等の違いがある。
(なんならラストバトルの舞台からして違う)

プレイヤーやエンディング分岐も考慮しだすと差分が尋常でないことになるのは少し考えれば理解できるため高望みはしないが、それでも別ストーリーとして作られているナックルズ編のアウトロくらいは個別ムービーが欲しかったのが正直なところ。

やりこみプレイヤー向けの追加モードでは『ボスラッシュモード』ミッションモードが新登場。

ボスラッシュモードは読んで字の通り、各作品ごとに登場する全てのボスと連戦することになる。スマホ版のソニック2に登場した『Boss Attack Zone』をベースに各タイトルで同じようなモノを作ったモードであるが、曲がりなりにも開始時や道中でリングとバリアが支給され、ボス戦後にもそれらを持ち越せたあちらとは異なり、こちらは一部のボス戦に限りリングが提供されるのみなだけでなく、次のボス戦が始まるたびにリングが全て没収される仕様になっているため難易度がおっそろしいほどに上がっている。残機が3つ用意されているとはいえぶっちゃけ焼け石に水である。

クラシックソニックのボスは(極一部の例外を除き)リングでミスを防ぐことが前提のバランス調整を受けているヤツが非常に多く、基本リング無し(=ワンミス即死)での挑戦となるこのモードは見た目以上に歯ごたえを感じられるシリーズでも最弱と名高いソニックCDのボス勢ですら難関に思えてくるこのモードは歴戦のソニックプレイヤーでもきっと満足できるだろう。

ミッションモード専用の配置がなされたステージで指定されたお題を達成するモード。『白の時空』にあったチャレンジアクトと大体同じものだと認識すれば問題ない。ミッションの内容は様々で『特定アクションで敵を一定数倒す』『リングが一切配置されていない状態でステージクリアする』といったわかりやすいものから、『超高速化したボスとの対決』だとか『風船を全部探し出して割る』などのようにヘンテコなものまで。時間経過やリング枚数によって最終的なランクが付けられるため、目指すは全ミッションSランクである。

ミッション難易度は星の数で表され、星2つまでであれば適当にやっても楽勝星3つ辺りからはSランクを目指すとややキツくなり星4つ以上は通常クリアですらかなり厳しくなる。とりわけDLCで追加される『難関!』シリーズや、通常プレイでも最大の壁になりうる高難易度版のスカイチェイス初見でSランクを達成出来たら誇っていいレベル。ただし決してクリア自体は不可能ではない絶妙な難易度なので、何度も挑戦してクリア、それからSランクを目指すべし

ミッションモード内の一部として『ストーリーモード』というものも用意されている。これはソニック1』から『ソニック3&K』までの全タイトルを纏めて通しプレイするモード。例えばソニック1の最終面をクリアするソニック1のアウトロソニックCDのイントロ+OPという順にムービーが流れそのままソニックCDの1面が開始するといった具合。ザックリ本作の収録タイトルに纏めて触れたい場合はお誂え向きなモードである。

他者作品になってしまうがロックマンゼロゼクスの移植にあったイージーシナリオモード/カジュアルシナリオモードに該当するものだといえば一部の人には伝わりやすいだろう。ただしサックリプレイできるように低難易度化措置が施されていたあちらとは違い、こちらは良くも悪くもそのまんまぶっ通しでプレイするだけなのは注意
(こここそジャムの低難易度モードの出番だったのでは…)

使用キャラは1とCDではソニック2・3&Kではソニック&テイルスに固定。システムはアニバーサリーモードに準ずる。セーブ機能は存在するものの、通常モードの物とは別枠になり、セーブ枠も一つだけ。クリア済みステージの再プレイもできないので、ガッツリ各タイトルを遊んだりやりこんだりしたい場合はアニバーサリーモードをプレイすべし。

完全新規のモードというワケではないが地味に3&Kのスペシャルステージである『ブルースフィア』も新しくなった。3&K本編に出てくる内容は特に変化がないものの、新モード扱いで『NEW BLUE SPHERES(ニューブルースフィア)』が登場。その名の通り今作用に新しく作り出されたブルースフィアに挑むことができる。ただし1面の時点で『マニア』の追加ステージで猛威を振るった紫スフィア(ワープ)緑スフィア(二度踏み)が登場する玄人仕様。3&K本編のスペシャルステージを全制覇できる腕前がなければパーフェクトはおろか1面突破すら危うい
(マニアのオリジナル色とか絶対一発ネタだと思ってただけに面食らいました…)

ソニックシリーズ恒例のタイムアタックソニックCDを除き未収録…のように見せかけて、凄く地味ながら用意されている

『マイページ』の画面では収録タイトルの全ステージ分(スペシャルステージ含む)のベストタイムが自動的に記録されている。ここでタイムアタックも可能で、直接任意のステージを任意のキャラでプレイすることができる。そのためタイムアタックの快適さは中々のもの。全作品を纏めて選べるステージセレクトとして扱うのもいいかもしれない。ベストタイムはモード(アニバーサリー・クラシック・ミラーリング)ごとに個別に管理されるだけでなく、その時に使用したキャラも一緒に保存される。もちろんソニック3&Kではちゃんとソニック編・ナックルズ編のステージが別々に集計されている。ただし、隠しステージ扱いの2のヒドゥンパレスやCDの7番目のスペシャルステージなどは記録されない点と、一度もクリアしていないステージは選択できない件だけは注意。

『ジャム』の頃から恒例であったオマケ要素のデータベース機能は今作でも健在。今作ではミュージアム』というモード内にそれらが集約されている。

ミュージアムではクラシック時代のソニックシリーズに関する資料サウンド『イラストレーション』『ムービー』の3項目に分かれて収録。これらは更に通常のゲームプレイに合わせて順次解禁されていく『ノーマルコレクション』と、ゲーム内で稼いだコイン(リングじゃなくてコイン)を消費して解禁する『プレミアムコレクション』に分かれている。

サウンドでは本作収録タイトルの全楽曲を纏めて聴くことができる。もちろんソニックCDは日本版と北米版の両バージョンを同時収録しているし、ソニック2やソニック3&Kの2P対戦曲など忘れがちな楽曲も漏れはないプレイリストで任意の曲だけをピックアップすることもできるうえ、ランダム再生やタイトル・シチュエーションごとのソートも可能と至れり尽くせり。

プレミアム枠ではオリジンズ収録作品のBGMを原曲とするアレンジ』が収録。具体的には『ソニジェネ』の序盤(クラシック時代)や20th復刻サントラに収録された一部アレンジTSR』や『フォース』のアレンジなどが再録されている。意外なところでは『ANGEL ISLAND ZONE(SSBB Remix)』なんてのも。コレは天下のスマブラXにてソニックが初参戦した際に収録+アレンジされた楽曲である。スマブラ楽曲はその権利の複雑さ故に音源化はおろか、原作への逆輸入すらレアなことでも知られている中でまさかまさかの再録となった。
(もっともコレは過去にSEGA主導での音源化すらされたスマブラ楽曲中でもとびきりのイレギュラーだが…)

上記の楽曲以外にもDLCを導入すれば更にソニックスピンボールソニック3Dブラストカオティクスの3タイトルの全楽曲も追加収録される。この3タイトルはいずれもBGMのクオリティの高さで知られている一方で、過去ロクな音源化が存在しないものばかりであったため、サウンドを特に重点的に見るファンとしてはとにかくありがたく感じられた。
(まぁだからこそ後述の問題点が看過できないのだが…)

『イラストレーション』では収録作品に登場する各キャラの紹介のほかに、収録作品のマニュアルやパッケージ画像、キャライラストを纏めて収録。マニュアルは日本版・北米版だけでなく、新たに欧州版も閲覧可能。ノーマル枠でのイラストは近年のもの(クラシック風味)が中心IDW(ソニックのアメコミ)の表紙などはもちろん本作が初収録となる。

プレミアム枠はかつてSEGA社内報に採用されていたイラストのほか、クラシック時代の各種ソニック作品やサントラのパッケージイラストが収録。ぶっちゃけ社内報イラストについてはジャムだのメガコレだので散々見慣れてきたので今更ありがたみは然程感じられないが、パッケージイラストの網羅具合には拍手を送りたい。流石に完全網羅とまではいかないが、それでもゲームギア作品である『ソニックドリフト』や『ソニックラビリンスはおろか、日本でどれほどの知名度があるかすら定かではない『Wacky Worlds Creativity Studio』*までフォローしていたのには驚かされた。

*『Wacky Worlds Creativity Studio』
日本未発売、プラットフォームはGENESIS(北米のメガドライブ)
『アートアライブ』というタイトルの続編であるお絵かきソフトでセガマウス対応。
オブラートに包まず伝えると『SEGAマリオペイント』。
パッケージにいるようにソニックもゲーム内に登場する…というか
お絵かきのパーツとして配置できるがそれだけ。
コレといったストーリーなどもなければ、
ソニックならではの要素もないので、ファンの中でも知名度は極めて低い。
ちなみにカセットはGENESIS特有の角ばった構造なので、
日本のメガドラで起動させるには間にスーパー32Xを嚙ませるなどして
物理的なリージョンロックを回避する必要がある。

サントラはそもそもクラシック時代のサントラが(20thの復刻サントラを除き)マトモにリリースされることが稀だったこともあり、収録されたパッケージイラストもそう多くはない。ただそれでもやれる範囲で収録してくれたという意思はひしひしと伝わってくる。収録楽曲こそ全てオリジナルながらもソニックシリーズ屈指の名盤として名高いSonic The Hedgehog - Remix』クラシック時代の終わりとモダン時代の始まりを示すといっても過言ではない『Sonic Team "Power Play"』*など、クラシック時代のソニックサントラを語るにあたり絶対に拾うべき重要なポイントはしっかり通れている

*『Sonic Team "Power Play"』
1998年発売。ソニックというよりはソニックチームのサントラ。
ソニックシリーズ的には『ソニックR』『ソニックCD』の楽曲が収録。
パッケージに表記された収録楽曲は11曲であるが、
実はサプライズでもう1曲収録されているため12曲。
このサプライズ曲はタイトル・作曲者ともに謎、
なんなら当時のいかなる作品でも使われていない楽曲であった。
それもそのはず。この曲はソニックの、ソニックチームの『これから』を示すための楽曲。
その名は『SONS OF ANGELS(現:Crush40)』による『Open Your Heart』。
言わずもがな後の『ソニックアドベンチャー』のメインテーマである。

そしてミュージアムのイラストはここからが本番、なんとプレミアム枠の中には当時のキャラクターデザイン指示書イメージボード…いやそれだけではない、エネミーの仕様書SEの発注書といった、基本的に社外に出るハズもない激レアな資料の数々が収録されているのだ!!

デザイン指示書については過去のジャムやジェムコレに収録されたものとの被りも一部見られるが、あちらにはなかったエミースーパーソニックメタルソニックのものが追加されていたり、ソニックCDのアニメムービー用の設定資料ソニック3のアイデアスケッチが新規収録されていたりするため、資料的価値はこちらが圧倒的に勝っている

とりわけ仕様書と発注書に至っては過去のいかなるコレクションでも収録される事のなかった代物1990年代の仕様書ゆえにいずれも紙媒体のスキャンなのが時代を感じさせる。当時どのようにしてスーパーメカソニックメタルソニックといった人気ボスが生まれてきたのかがよーく理解できるはず。中には初期設定と思しきものも…。言わずもがなシリーズファンは必見の内容だらけである。

そして『ムービー』、コレは名前の時点でもう説明する必要はなさそうだが、言葉通りゲーム内のムービーを閲覧できる。ノーマル枠で閲覧できるムービーは本作用に描き下ろされた各種ムービーのほかソニックCDのOP/EDムービー、それからクラシック繋がりなのか、ソニックマニアプラスの宣伝アニメであるソニックマニア アドベンチャーズが全話分。

ソニックマニア アドベンチャーズ』はぶっちゃけ『マニア(プラス)』を知らなくても充分楽しめる内容になっているため、本作収録タイトルを一通りクリアしたら『アドベンチャーズ』経由で『マニア』に手を出すルートも充分アリだろう

ちなみに収録ムービーのうちソニックCDのEDは何故かバッドエンドのものが未収録。ただし、ソニックCD内の隠し要素であるビジュアルモードではバッドエンド版のEDも見られるので、そこまで影響はない…ハズ。プレミアム枠ではそれらのムービーのアニマティクス(製作途中ムービー)のほか、去年のソニックバースデーに行われたオーケストラソニックシンフォニー』の映像が収録。

各種資料解禁に用いられるコインはアニバーサリーモード等で入手可能。オリジナル版における残機増加がそのままコイン増加なので適当にやっていくだけでもガンガン溜まっていく。ミッションでも膨大な量を得られるため、全てのミッションをクリアするころには大体全コンテンツをアンロックしても余裕で余ることだろう。

ところで、先ほどから挙げてきたモードや収録作品はいずれも同一のマップ画面から選択する作りになっている。このマップ画面というのも中々凝っており、シリーズファン的には『おっ!』となるシーンがかなり多い。例えばゲーム選択であるソニック1ソニックCDソニック2ソニック3&Kはそれぞれの作品の舞台である『サウスアイランド』『ネバーレイク』『ウエストサイドアイランド』エンジェルアイランド』となっており、各エリアをズームしてみるときっちりそれらの作品のステージのランドマークが見えるのがわかる。ネバーレイクとエンジェルアイランドに至ってはゲーム進行に合わせてマップの状況すらも変わる
(一度変化すれば任意で外観を変更可能)

収録タイトルから分離しているミッションミュージアムも共に原作のマップを再現。こちらの元ネタはソニックスピンボールソニック3Dブラスト(3Dフリッキーアイランド)』、よーくズームアップしてみるとピンボール同様にドラム缶を漕いでいるソニックソニック3Dブラストに登場した4匹のフリッキーたちが飛び交っていたりするのが見える。

更にこのマップ画面で流れるBGMはソニックコレクションの元祖ともいうべきソニックジャム』の『ソニックワールド』となっている。日本においてこのBGMが『ジャム』以外で使われたのはコレが初、なんとも懐かしく、そして嬉しい気分にさせてくれるものである。
(海外も含めるとこの曲の起用は2回目、初起用は日本未発売の『Sonic Classic Collection(DS)』)

オリジナル完全再現とまではいかないが、プレイしやすくなった名作の移植群、わかる人にはわかる絶妙なファンサービス膨大なデータベース…一般的なコレクション作品に求められる要素はだいたい内包できている本作だが、ごくごく一部、本作には不満に感じられるポイントもあったりする。ここからはソレについて触れていこう。

システム面ではセーブ周りが該当。スマホ版ではセーブファイル単位でセーブ枠を管理し、セーブファイルは上限に達しさえしなければ任意のキャラで作成することができた。このためソニックで最終面まで進めた後、新しくセーブファイルを作って再びソニックで最初からプレイする』というスタイルも可能だった。しかしオリジンズではセーブファイルとキャラクターが完全に紐づけられてしまっている。この結果、上記のようなスタイルを行う場合、最初に作成したセーブデータを削除しなければならなくなってしまったのだ。これは今作の中でも数少ない明確な改悪ポイントである。一応アニバーサリー・クラシック・ミラーといった他モードを併用すれば近いことはできないでもないのだが、そもそもの仕様からして変わってしまう以上代用として扱うのは無理があるだろう。

また、ソニックCDのスマホ版では存在していたコントローラ(本体)の振動がオリジンズでは非対応となっている。元々オリジナルに存在しなかった機能とはいえ、8の字ダッシュのチャージと同時に振動が始まったり、一部ステージの駆け上がりで急に振動が来たりするのは地味に楽しかったので、オンオフも可能にしたうえで実装してほしかったな、という感覚はあった。

とはいえこれらは割と揚げ足取りに近い、よほどマニアックな層じゃないとツッコまないポイントでもある。なので自分もあんまり強く言うつもりはない。ただし、一個だけ自分にも許せない明らかに問題点が存在す。それはズバリ本作のミュージアム、それもサウンドである!!

ここに至るまでの説明でかなーり好意的にサウンドについて語ってはいたが、一方で今作のサウンドにはかなり不満を抱いている。というよりコレは『とんでもなく素晴らしいものが生まれるであろうポテンシャルを秘めていたからこそ、ソレを台無しにしたことに対する不満が強い』というべきだろうか。

サウンド』はプレイリスト機能が存在することからもわかるように『聴く』ことに特化したモードである。だが、ソレを考えるといくらか奇妙に感じられる仕様が見受けられる。例えばBGMのループ機能を有効化しても1ループ後にフェードアウト→また始めから再生されるという、今日日のコレクションでも中々見られない仕様になっている。コレがきっちり適正な1ループのタイミングで途切れるならまだしも、この時間もかなり適当に設定されており、『何故そこでフェードアウト!?』とツッコみたくなることが多い。

コイン消費で聴けるようになるプレミアム楽曲もラインナップ面で少々不満があるのは否定できない。そもそもがオマケ機能ゆえ、ここのラインナップをどうこう言うのは欲張りでしかないとは思うが、もっといろいろな作品からBGMを拾ってほしかったと感じた。現行の収録ラインナップからしオリジンズ収録タイトルのBGMが原曲となるアレンジ』という縛りが存在したのが窺えるが、その縛りを考慮しても『ドリフト2』や『ソニック2(GG)』の一部BGM『マニア』の各種ステージ曲の収録くらいは可能だったはずである。
(マニアではクラシック原曲の一部楽曲がサントラ未収録だったのもあり尚更)

そして最大の問題はDLCの曲名を盛大に間違えているという点にある。本編部分のサウンドにはこれといった問題はないのだが、DLCとなると一転してこのミスが目立つようになる。例えばソニックスピンボール』ではボスBGMとボーナスBGMが逆転していたり、ソニック3Dブラスト』でも一部楽曲の曲名と説明文が間違ったものになっていたりする。カオティクス』に至っては『曲名・説明文と実際の内容が一致している方が珍しい』というヤバい様相を呈している。

ただの曲名間違いだけならまだいいのだが、このミスはサウンドのソート機能にも悪影響を及ぼしており、せっかく用意されている『ステージ曲』のソートを利用してもイベント曲やジングルが紛れ込んだり、本来のステージ曲が除外されたりするといった事態を引き起こしている。
(ソートは曲名基準で行われるので間違いが存在すると成立しなくなる)

流石に明らかすぎるミスであったため、SEGAは早々にこちらのミスの修正を発表現時点ではまだ対応は行われていないが修正されるのも時間の問題だろう。コレばっかりは唯一の救いである

ガッツリ細かいところを見ていくと問題点が見受けられるのは事実。とはいえ、それはそれとして単純に元のゲームのクオリティと多彩な追加要素のおかげでとにかく初心者向けに特化したソニック、それこそがこのソニックオリジンズであるといっていい。

これから初めて2Dソニックシリーズに触れていこうという人にとって、真っ先にオススメすべき作品と言っても過言ではないだろう。本作とシステムが似通った上でシリーズ最高傑作とまで称される『ソニックマニア』が同一のプラットフォームで発売されているということもソレに拍車をかける。

一方で旧作を既にプレイしたことのあるシリーズファンがプレイする必要のないタイトルかと言われるとそれもまた違う。そもそものベースがスマホ版故に、今作のプレイ体験はメガドラ版のソレとは似ても似つかぬものであり、結果今作でしか味わうことのできない面白さのようなものが生まれているのは間違いない。特にかなり開き直った大胆なアレンジが行われたソニック3&Kではソレが顕著に表れている。ソレを抜きにしても本作に新規収録された設定資料の数々はソニックファンにとってまさしく天の恵み。ぶっちゃけこれらの資料を目にすることができたというだけで個人的には値段相応の価値があったとまで感じられる。

これからソニックを遊びたいという人から、長年ソニックと共に生きてきた人まで、幅広いプレイヤーにとって魅力的な今作ソニックオリジンズ…ほんの少しでもソニックシリーズに興味があるならば是非是非手を出してみるのをオススメするのである。
(同一エンジンで開発が行われた完全新作『ソニックマニア』もいいぞ!!)

---オマケ(ソニックオリジンズの裏技記事)---

 

---過去のその他のソニック記事はこちら---